近年話題になっているハラスメント。
あなたも一度は「これってパワハラじゃない?」と感じたことがあるのではないでしょうか?
そして、パワハラ防止法が制定されるなど、より一層ハラスメントへの取り締まりが厳しくなっています。
このコラムを読むことで、ハラスメントに対する正しい対応と予防策の理解が深まり、自社での対策が明確になります。
ハラスメントを予防し、社員がイキイキと生産性高く働けるようにしたいと感じている場合は、ぜひ最後までお読みください。
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目次
- 1 職場におけるハラスメントの種類と定義を一挙紹介!
- 1.1 パワーハラスメント(パワハラ)の定義
- 1.2 セクシュアルハラスメント(セクハラ)の定義
- 1.3 マタニティハラスメント(マタハラ)の定義
- 1.4 不機嫌ハラスメント(フキハラ)の定義
- 1.5 溜息ハラスメントの定義
- 1.6 モラルハラスメント(モラハラ)の定義
- 1.7 陰口ハラスメントの定義
- 1.8 結婚ハラスメント(マリハラ)の定義
- 1.9 お祝いハラスメントの定義
- 1.10 独り言ハラスメントの定義
- 1.11 プライベートを聞いてくるハラスメントの定義
- 1.12 声が大きいハラスメント(ノイズハラスメント)の定義
- 1.13 強い香りによるハラスメント(スメハラ)の定義
- 1.14 時短ハラスメント(ジタハラ)の定義
- 1.15 カスタマーハラスメント(カスハラ)の定義
- 2 職場3大ハラスメントの発生率とハラスメントが起きやすい職場の特徴とは
- 3 職場ハラスメントの正しい対応・予防策とは
- 4 職場ハラスメントを許さない!社内土壌を作るために
職場におけるハラスメントの種類と定義を一挙紹介!
ではまず初めに、ハラスメントの種類について解説します。
代表的なものは以下の3種類です。
- パワーハラスメント(パワハラ)
- セクシュアルハラスメント(セクハラ)
- マタニティハラスメント(マタハラ)
そして上記に当てはまらないハラスメントも多数存在します。
- 不機嫌ハラスメント(フキハラ)
- 溜息ハラスメント
- モラルハラスメント(モラハラ)
- 陰口ハラスメント
- 結婚ハラスメント(マリハラ)
- お祝いハラスメント
- 独り言ハラスメント
- プライベートを聞いてくるハラスメント
- 声が大きいハラスメント
- 香りが強いハラスメント(スメハラ)
- ハラスメントハラスメント(ハラハラ)
- 時短ハラスメント(ジタハラ)
- カスタマーハラスメント(カスハラ)
聞いたことがないものも混ざっていると思います。
ぜひこの機会に知っておきましょう。
パワーハラスメント(パワハラ)の定義
パワーハラスメント(通称パワハラ)とは、職場で明らかに立場が上のものが、常識的に逸脱した指示や発言をして、相手を不快にさせることです。
セクシュアルハラスメント(セクハラ)の定義
セクシュアルハラスメント(通称セクハラ)とは、職場において、相手の意に反して性的な言動をすることにより不快な気持ちにさせることをいいます。
マタニティハラスメント(マタハラ)の定義
マタニティハラスメント(通称マタハラ)とは、妊娠・出産・育児中の女性従業員に対して、理不尽な扱いを受けるような言動をすることです。
不機嫌ハラスメント(フキハラ)の定義
不機嫌ハラスメント(通称フキハラ)は、不機嫌な態度を取ることで周囲の人に不快な思いをさせたり、過剰に気を遣わせたりする行為です。
溜息ハラスメントの定義
溜息ハラスメントとは、同僚などがミスをするなどして自分の意にそぐわないことがあると「ハーッ」と周囲にわざと聞こえるようにため息をつくことです。
そのため息を聞いた周りの従業員は不快な気持ちになります。
モラルハラスメント(モラハラ)の定義
モラルハラスメント(モラハラ)とは、態度や言動で相手の人格を否定したり傷つけたりすることです。
職場や学校以外に、夫婦間で問題になることもあります。
陰口ハラスメントの定義
本人のいない場所で陰口や悪口をいうことを陰口ハラスメントといい、陰口の対象者のみでなく、陰口を聞かされた人も不快な思いをします。
結婚ハラスメント(マリハラ)の定義
結婚ハラスメント(通称マリハラ)は、未婚の人に対して避難したり、結婚に関するプレッシャーを与えたりして不快な思いをさせることです。
お祝いハラスメントの定義
お祝いハラスメントとは、職場の誰かにおめでたいことがあった時に、その部署全員にお祝いを強要することをいいます。
本来は有志のはずですが、断れないように強要するとお祝いハラスメントになるかもしれません。
独り言ハラスメントの定義
独り言ハラスメントとは、仕事中に独り言を言っていることで周囲に不快な思いをさせることです。
独り言が聞こえることで、周りの人の集中を妨げてしまうことがあり、生産性の低下につながります。
プライベートを聞いてくるハラスメントの定義
厚労省のハラスメントの種類と類型では『個の侵害』と呼ばれています。従業員のプライベートや個人情報などに干渉するハラスメントのことです。
声が大きいハラスメント(ノイズハラスメント)の定義
職場で大きい声で話して周囲の人に不快な思いをさせると、声が大きいハラスメントに該当する可能性があります。
ノイズハラスメントとも言われ、声以外にもキーボードを強く叩くなど必要以上に大きな物音を発することも含まれます。
強い香りによるハラスメント(スメハラ)の定義
強い香りで周囲に不快な思いをさせることをスメルハラスメント(通称スメハラ)といいます。柔軟剤や香水など、自分では良い香りだと思っていても、周囲にとっては不快になるかもしれません。
時短ハラスメント(ジタハラ)の定義
時短ハラスメント(通称ジタハラ)とは、労働時間を短縮することで従業員に圧力をかけるハラスメントです。
働き方改革で残業を無くして定時退社を強要するあまり、自宅に仕事を持ち帰る場合などが当てはまります。
カスタマーハラスメント(カスハラ)の定義
カスタマーハラスメント(通称カスハラ)とは、消費者や客であることを理由に店員に無理難題を押し付けるなどして不快にさせることです。
店員に土下座をさせる、不当に金銭を要求する、などが当てはまります。
職場3大ハラスメントの発生率とハラスメントが起きやすい職場の特徴とは
では、ハラスメントを経験した人はどのくらいいるのでしょうか。
パワハラ・セクハラ・マタハラの3大ハラスメントに着目すると、最大で3割の方が悩んだことがあるというデータがあります。
そして、ハラスメントが起きやすい職場も存在しており、いくつかの共通点があります。
自社の雰囲気と照らし合わせながら参考にしてください。
3大ハラスメントはパワハラ・セクハラ・マタハラ!発生率はどのくらい?
過去3年間でハラスメントを受けたことがある人の割合はパワハラで最も高く31.4%という統計があります。
その次に顧客等からの著しい迷惑行為(カスタマーハラスメント・カスハラ)が15.0%、セクハラが10.2%と続きます。
そして、マタハラは26.3%の方が経験したという結果がわかりました。
セクハラとマタハラは女性が多いので、女性の社会性進出にも大きく左右します。
出典:厚生労働省『令和2年度 厚生労働省委託事業 職場のハラスメントに関する実態調査』より
では、ハラスメントの増減はどのような傾向にあるのか解説します。
平成24年の調査結果では、パワハラを受けたことがある人の割合は25.3%と報告されているので、残念ながら増加していることがわかります。
出典:厚労省『平成24年度職場のパワーハラスメントに関する実態調査報告書(概要版)』
ハラスメントの多い職場の特徴は?
そして、ハラスメントが起きやすい職場も明らかになっています。
下記の5つの特徴がある職場はハラスメントが起きやすい傾向があります。
- 上司と部下のコミュニケーションが少ない、またはない
- ハラスメント防止規定が制定されていない
- 失敗が許されない雰囲気になっている
- 残業が多い
- 休暇をとりづらい
ハラスメントはお互いの認識のズレから生じることがあるので、コミュニケーションが少ないことは危険因子です。
また、明確な防止規定がないことは、何がハラスメントに当たるのかがわかりにくくなっています。
そのため、知らない間にハラスメントをしてしまう可能性があります。
仕事の失敗を過度に責めたり、罰を与えるような雰囲気があると、結果的にパワハラと認定されることもあります。
残業が多かったり、休暇がとりにくかったりといった、ライフワークバランスを阻害することもハラスメントが起きやすい要因です。
職場ハラスメントの正しい対応・予防策とは
では、具体的にハラスメント予防はどのように始めたら良いのかを解説します。
自社の雰囲気について不安な場合は、まずできるところから対策を始めましょう。
ここで、対策のための3ステップを解説します。
- ハラスメントに対す企業方針の明確化
- 社員研修を行いハラスメントの周知・啓発を行う
- 相談窓口の設置など社員の声を聞き逃さない体制をつくる
可能な範囲でのスモールステップから進めてみましょう。
ハラスメント対する企業方針の明確化
まず、ハラスメントに対する企業方針を明確にします。
ハラスメント対策は事業主の義務とされていますので、どのようにハラスメントを減らしていくのかを明らかにしましょう。
ハラスメントの企業方針に含める例としては以下のような項目があります。
- ハラスメントに対する方針の設立理由
- どのような行為がハラスメントに当たるか
- ハラスメントが起きた際の対処方法
上記は一例ですので、自社の特徴に合わせて検討しても構いません。
厚労省のホームページでも参考資料をみることができますので、一度目を通してみても良いでしょう。
参考:厚労省『雇用環境・均等室 ハラスメント対策・各種規定例ダウンロード』
社員研修を行いハラスメントの周知・啓発を行う
方針が決まったら、その方針を反映させた社員研修を行います。
一部の職員が知っているだけでは、認識の溝が埋まらないため、ハラスメント予防の効果は薄れてしまいます。
そのため、全社員を対象とした研修や周知、啓発活動が必要です。
自社で研修の開催や準備が難しい場合は、外部の研修サービスを利用する方法もあります。
相談窓口の設置など社員の声を聞き逃さない体制を作る
ハラスメントは予防も大切ですが、起きてしまった後の対処法もしっかりと検討しましょう。
専用の相談窓口の設置や、気軽に相談できる雰囲気づくりなどが必要です。
社員が相談しやすい雰囲気づくりとして、以下のポイントを意識すると効果的です。
- 人目につかないような相談室を利用する
- 相談員が固定されていて、情報漏洩の予防を徹底する
- 相談したことで不利にならないことを約束する
風通しがよく、社員が悩みを抱え込むことがないようにしましょう。
職場ハラスメントを許さない!社内土壌を作るために
当コラムでは、ハラスメントの具体的な種類と現状、対策について解説しました。
自社の改善につながるヒントは見つかりましたでしょうか?
まずは、しっかりと企業方針を決めてハラスメント予防の道筋を立てましょう。
その後、全社員を対象とした研修などで共通認識の理解でハラスメント予防に努めます。
予防だけではなく、ハラスメントが起きてしまった場合に相談できるような取り組みも必要です。
しかし、対策をしなければいけないと思いつつも、業務が忙しくて社員研修などが実施できないという企業も少なくありません。
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