ハラスメントを防止するための研修が必要とわかっていても、具体的にどのように実施すれば良いのか悩むことがあります。
ところが、ハラスメント防止研修がうまく実施できると、社員のメンタルが安定するだけでなく、コミュニケーションの向上やマネジメント強化にも繋がります。
その結果、従業員が働きやすくなるため仕事の効率も向上します。
自社の経営をさらに発展させるためにも、ハラスメント防止研修をぜひ実施しましょう。
そこで当コラムでは、ハラスメント防止研修の目的やメリット、研修を取り入れるべき企業について徹底解説します。
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目次
ハラスメント防止研修とは
ハラスメント防止研修とは、ハラスメントを学び、予防する方法までしっかりと従業員に徹底した知識と行動変容を与えることです。
予防まで含めた具体的な研修をすることがポイントです。
研修で扱うハラスメントは、以下の3大ハラスメントをメインに考えます。
- パワーハラスメント(パワハラ)
- セクシュアルハラスメント(セクハラ)
- マタニティハラスメント(マタハラ)
さらに、カスハラなど他にもさまざまなハラスメントが職場では起こる可能性があります。
最新のハラスメントについて従業員が正しい知識をつける手助けになる研修ともいえるでしょう。
関連コラム:【最新】職場ハラスメント12種類紹介!正しい対応と予防策とは
また、ハラスメントについての知識やマネジメントは時代と共に変化します。
常にアップデートしつつ、自社ならではの問題点に気づいてハラスメント防止の方法を従業員に周知徹底しなければなりません。
たとえば、「前に教えたよね?」という一言は、かつては意識しなかったかもしれません。
しかし、現代では場合によってはハラスメントに認定される可能性があります。
ハラスメント防止研修の実施により、従業員のハラスメントリテラシーが整い、生産性の向上やマネジメント改善につながります。
ハラスメント防止研修を企業で取り組む目的と求められる背景
ハラスメント防止研修を企業で取り組む目的は、法改正によりハラスメントに対する取り締まりが厳格になったからです。
さらに、現代ではSNSの普及により、ハラスメントを厳しく取り締まる動きや、転職活動のための情報収集が盛んになっています。
つまり、誰でも発信したり情報を受け取れる社会になったことで、企業イメージの維持や法令遵守がさらに必要になりました。
また、ハラスメント防止研修が企業に求められる背景には個人の意識の違いがあります。
ハラスメントは相手がどのように感じるかが争点になるため、組織全体のハラスメントリテラシーの向上が企業には欠かせません。
このようにハラスメント防止の取り組みは、確実に企業の成長を促進し、対外的にもイメージアップにつながります。
ハラスメント防止研修が求められる背景
ハラスメント防止という言葉が浸透し始めたのは2020年以降といわれています。
なぜなら、2020年6月に以下の3つの法改正があったからです。
- 労働施策総合推進法
- 男女雇用機会均等法
- 育児・介護休業法
法改正にともなって、職場環境を見直す企業が増えました。
法改正前は、ハラスメントの予防や再発防止に必要な相談機関の設置が企業の任意になっていました。
そのため、ハラスメント対策は企業や個人の裁量に左右されることが問題視されたのです。
そして、ハラスメント予防策を実施している企業では実際にハラスメントが減っているというデータもあります。
上記の『法改正』と『ハラスメント対策が効果的であるとのデータ』より、ハラスメント防止の重要性が浸透してきていることがわかります。
また、ハラスメント防止研修は、マネジメントを学ぶ機会でもあります。
業態に関わらず、従業員を雇用しているのであれば、ハラスメント防止とマネジメント向上は必須の課題です。
ハラスメント防止研修を企業で取り組む目的
ハラスメント防止研修の目的は、ハラスメントを予防するために必要な基礎知識や行動を従業員全体で統一して理解することです。
従業員全体で、ハラスメントに対する意識の変化が起こると、より良い変化も生まれます。
具体的には以下の5点を目指すことが可能になるでしょう。
- うちの組織にはハラスメントは関係ないという思い込みの排除
- 適切なコミュニケーション方法の学習
- SNS投稿などを恐れた過剰反応の予防
- 企業のイメージダウン防止
- 精神障害による労災の予防
さらに上記の5点を目指すことにより、ウェルビーイング(幸福な)経営や健康経営、法的コンプライアンスの遵守、組織の評判向上につながります。
ハラスメント防止研修に企業で取り組むメリット
ハラスメント防止研修は、ハラスメントを予防することで企業や経営にとって追い風になるような効果をもたらします。
具体的には以下の3点がハラスメント防止研修に取り組むメリットや効果です。
- 離職率の低下
- 地域の企業イメージアップ
- 従業員が安心して働く環境の促進
地域密着型のスーパーの事例で解説します。
ハラスメント防止研修を中間管理職以上の従業員に義務付けました。
また、管理職でない従業員は任意参加としたそうです。
ハラスメント防止研修などの対策の結果、ハラスメントに対する意識が従業員全体に浸透しました。
大きな変化としては、50%近くあった3年以内の離職率が10%程度にまで減ったとのことです。
出典:厚労省『あかるい職場応援団 他の企業はどうしてる?』
その理由としては、ハラスメント防止研修で認知のゆがみを把握できたことがコミュニケーションの向上につながったことがあげられます。
また、研修とは別の取り組みですが、全従業員対象のハラスメントアンケートも効果的でした。
『企業が従業員の声を聞こうとしてくれている』という安心感があり、働きやすい環境づくりにつながったのです。
さらに、地域の誰もが利用するスーパーでの取り組みなので、地域住民にも企業の良いイメージが浸透するきっかけになりました。
ハラスメント防止研修の内容と企業で取り組む際のポイント
ハラスメント防止研修の内容には、ハラスメントの概要のみならず、適切なコミュニケーションの取り方など、ビジネスマン必須のスキルが盛り込まれています。
それゆえ、パートタイマーや派遣社員なども含む全従業員がハラスメント防止研修を受けることが望ましいです。
また、企業で取り組む際のポイントは「知ること」「振り返ること」「学びを実行すること」の3つのステップの実施です。
ハラスメントについて知識を得たら、自分ごととして捉えて実践することで従業員に定着します。
研修の内容
ハラスメント防止研修の内容としては『管理職や組織のトップ』と『一般従業員』で考え方が異なる可能性が高いので、うまく網羅した内容にしましょう。
参考までに、厚労省のホームページに無料でダウンロードできるテキストがあります。
従業員が講師になる形式の研修を行う場合は活用しましょう。
参考:厚労省『パワハラ対策7つのメニュー』
また、研修の方法としては働き方に合わせて柔軟に対応しましょう。
講義形式としては以下の4つが主な方法です。
- 動画研修
- e-ラーニング
- 対面講義
- グループワーク
ハラスメント対策は全従業員を対象とすることが望ましいです。
パートタイマーなどの短時間勤務者やリモートワーク中の従業員などにも、研修の提供が可能となる方法を選びましょう。
さらに、派遣従業員に対してのハラスメントで企業が訴えられたという事例もあります。
雇用形態にかかわらず全ての従業員が学ぶ機会を得られることが必要です。
また、ハラスメントが起こる心理状態として「自分はそんなことしない」と思い込んでいるパターンが多く存在します。
とくに以下のような場合です。
- 親しさを表すつもりの言動
- この程度なら相手も許容するだろうという憶測
- 相手と良好な人間関係ができているという思いこみ
従業員がハラスメントは関係ないと思い込んでいる可能性を考慮して、管理職だけでなく全従業員が研修に参加できるように促しましょう。
研修内容の具体例としては以下の5つのポイントを抑える内容がおすすめです。
- 思い込みの認知と排除
- ハラスメントの細かい内容
- 現在抱える問題点の抽出
- ハラスメントを起こさない仕組みづくり
- 適切なコミュニケーションの方法
しかし、全てを網羅した研修を自社のリソースだけで作り、研修を開くのは難しいかもしれません。
その際には社労士等に講師を依頼するなど、外部機関に委託する方法もあります。
さらには、ハラスメント研修を専門に扱っているサービスもあるので、自社でハラスメント防止研修を完結するのが難しい場合は検討しましょう。
研修に取り組む際のポイント3つ
ハラスメント防止研修に取り組む際のポイントは以下の3つです。
- ハラスメントについて共通認識を持つこと
- 自社や自分を振り返ること
- 学んだことを実行すること
ハラスメントについての詳細を知るのは絶対に必要ですが、どうしても他人事と捉えてしまいがちです。
そこで、自社や自分の行動に落とし込めるような研修が望ましいです。
また、講義を聞いて理解するだけでは研修の効果は薄くなってしまいます。
グループワークやロールプレイングなどでアウトプットの練習をしていきましょう。
アウトプットすることで、行動レベルでの理解につながります。
「頭ではわかっているが、実際の場面で活かされない」ということがないように繰り返し実践することが大切です。
さらに、ハラスメント防止研修に加えて実施すると有効なものが以下の2つです。
- ハラスメント再発防止研修
- ハラスメント相談窓口担当者研修
こちらは、ハラスメント防止研修に含む場合もあります。
しかし、1回の時間や期間を短くした方が研修を実施しやすい場合は、別の機会を設けても良いでしょう。
ハラスメント防止研修を受講すべき企業とは
ハラスメント防止研修は全ての企業と従業員が受けるべき研修です。
しかし、とりわけ以下の特徴がある企業は積極的に導入を検討しましょう。
- 従業員同士のコミュニケーションを円滑にしたい
- ハラスメントがない社内の雰囲気を作りたい
- 従業員が働きやすい環境を作り、生産性を上げたい
- 離職率を下げて、採用コストを削減したい
- さまざまな年代・性別・国籍の従業員の個性が発揮できる組織にしたい
- 企業イメージをアップさせて地域に貢献したい
ハラスメント防止研修の取り組みにより、上司と部下のみならず全従業員のコミュニケーションスキルがアップします。
そして、コミュニケーションに対する心理的ハードルが下がると、生産性の向上や個人の個性の発揮が可能です。
その結果、企業としての経営成績や従業員のメンタル不調の予防になり、組織の健全化が進むきっかけとなります。
さらに、ハラスメントがなくなりマネジメント力がアップすると、従業員の働きやすさが改善するので離職率も低下します。
マネジメント力の向上や離職率の低下で、クリーンなイメージが地域に根付くと、より企業のブランディングにつながるでしょう。
このように、現在ハラスメントが起こっているかどうかにかかわらず、従業員や地域に愛される組織づくりにハラスメント防止研修は欠かせません。
迷ったらアガルートのハラスメント研修へ
当記事では、ハラスメント防止研修の具体的内容とポイント、メリットについて解説しました。
とくにマネジメント能力や離職率の高さに悩んでいたら、ぜひハラスメント防止研修に取り組んでみましょう。
ハラスメント予防のみならず、コミュニケーションの課題の解決や従業員の生産性の向上にもつながります。
ハラスメントは無意識のうちに起こります。
表立って問題となっていなくても、本当は悩んでいる従業員がいるかもしれません。
会社としてハラスメント防止に全力を尽くすという姿勢は、従業員の心の拠り所となります。
しかし、自社でハラスメント防止研修を1から作り上げるのは非常に大変です。
そこで、アガルートのハラスメント研修を導入してみるのはいかがでしょうか?
アガルートのハラスメント研修を導入することで、会社がこのように変わります。
- ハラスメントへの共通認識を持てる
- 貴社の事業内容に合わせて研修をカスタムできる
一般的な動画講義などと異なり、事前ヒアリングで自社の課題を直接解決できるような内容をご提供いたします。
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