マタニティハラスメント研修とは？目的と内容について解説！

昨今、妊娠・育児に関する「マタニティハラスメント」の防止措置が義務付けられ、対策を講じようとしている企業も多いでしょう。

防止対策の一環でマタニティハラスメント研修を検討している担当者の方は、研修を行う目的や効果が知りたいですよね。

そこで当コラムでは、マタニティハラスメント研修を企業で取り組むメリットや効果を徹底解説します。

マタニティハラスメント研修を受講するか否かの判断材料となりますので、ぜひ参考にしてください。

マタニティハラスメント研修とは

マタニティハラスメント研修とは、職場で妊娠や出産を理由に差別や嫌がらせを受ける「マタハラ」の理解を深め、防止するための研修です。

この研修では、妊娠中や産後の女性が直面する様々な問題について学び、それにどう対応すればよいかを学びます。

具体的には、マタハラの定義や発生原因、具体例について知り、事例を通じて適切な言動ができるようにすることが目的です。

この研修を受けることで、職場におけるコミュニケーションが改善され、妊娠や出産を控えた社員が安心して働ける環境が整うでしょう。

マタニティハラスメント研修を企業で取り組む目的と求められる背景

続いて、マタニティハラスメント研修が求められる背景と、企業で取り組む目的を解説します。

マタニティハラスメント研修が求められる背景

企業内で妊娠や出産、育児に関連する不利益な取り扱いが発生した場合、これはマタニティハラスメント、通称「マタハラ」と呼ばれる問題として扱われます。

職場におけるマタニティハラスメント研修が求められる背景には、働く女性だけでなく、男性にとっても重要なライフイベントである妊娠、出産、育児への理解と支援が必要不可欠であるという認識が広がっていることがあります。

2019年には男女雇用機会均等法及び育児・介護休業法の改正が行われ、職場における妊娠・出産・育児・休業等に関するハラスメント防止への取り組みが一層強化され、相談した従業員への不利益取扱いが厳しく禁止されることになりました。

また、この法改正を通じて、事業主にはマタハラ防止措置の実施が義務付けられています。

出典：職場におけるパワーハラスメント対策が 事業主の義務になりました！ – 厚生労働省

これらの変更は、マタハラ問題が深刻な社会課題として捉えられ、その対策のために法律の枠組みを整備する必要があるとの認識に基づくものです。

以上の背景から、多くの企業でマタニティハラスメント研修の実施が求められています。

マタニティハラスメント研修を企業で取り組む目的

企業がマタニティハラスメント研修に取り組む目的として、複数のポイントが挙げられます。

まず、法改正に伴うマタハラ防止措置の適切な実施を目的として、マタニティハラスメント研修に取り組むケースがあります。

研修を通じて、マタハラの定義や具体的な事例、そしてそれに対する適切な対策について、従業員に深く理解してもらうことが重要です。

さらに、妊娠や出産、育児を理由とした不利益な取り扱いは、労働者の権利侵害だけでなく、企業にとっても人材流出や従業員のモチベーション低下などのさまざまなリスクを招く可能性があります。

企業は上記のようなリスクを未然に防ぐためにも、マタハラに関する研修を実施することが大切です。

そして、研修を通じて職場全体の意識改革を促進して、ダイバーシティの推進を目指すことも大きな目的の一つです。

こうした取り組みは、従業員が妊娠・出産・育児に関わる際に安心して働き続けることができる環境作りにつながり、最終的には男女問わず働きやすい職場の実現に寄与します。

マタニティハラスメント研修を企業で取り組むメリット

マタニティハラスメント研修を企業で取り組むメリットは、以下の5つです。

• マタニティハラスメント防止の意識向上
• 職場環境の改善
• 企業イメージの向上
• 法的リスクの低減
• 多様性と包括性の促進

それぞれ詳しく解説します。

マタニティハラスメント防止の意識向上

マタニティハラスメント研修を企業で取り組むことは、従業員に対してマタハラ防止に関する意識を高める重要な手段となります。

研修を通じて、妊娠中や産後の女性が職場で直面する困難や不安について理解を深めることができます。

また、同僚や上司が支援の方法や対応の仕方を学ぶことで、マタニティハラスメントを未然に防ぐ効果が期待できます。

具体的な事例を交えた研修は、問題への認識を新たにし、職場全体でサポート体制を構築するきっかけにもなるでしょう。

職場環境の改善

マタニティハラスメント研修は、職場環境の改善にも寄与します。

ハラスメント防止をテーマにした研修は、単にマタニティハラスメントに限らず、職場内のコミュニケーションの質を向上させることにもつながります。

ハラスメントに関する知識を従業員が習得することで、より円滑な職場でのコミュニケーションを実現できるでしょう。

これにより、仕事の生産性の向上だけでなく、従業員同士の信頼関係も深まります。

企業イメージの向上

マタニティハラスメント研修を積極的に実施する企業は、外部からの評価も高まります。

マタニティハラスメント研修を実施している旨を公表することで、従業員を大切にし、多様性を尊重する企業文化を持つ会社としてイメージアップが可能です。

このような評価は、優秀な人材の採用にも有利に働き、企業の競争力を高める要因になります。

また、社会的責任を果たしている企業として認識されることで、顧客や取引先からの信頼も得やすくなるでしょう。

法的リスクの低減

マタニティハラスメント研修を実施することで、法的リスクを低減することができます。

先述の通り、ハラスメントに関する法律や規制は年々厳しくなっており、企業はこれらの法規制に適合するための対策を講じる必要があります。

研修を通じて従業員に正しい知識を提供し、ハラスメントの発生を防ぐことは、訴訟リスクの低減に直結します。

また、万が一ハラスメント問題が発生した場合でも、迅速かつ適切な対応が取られることで、被害の拡大を防ぐことが可能です。

多様性と包括性の促進

企業がマタニティハラスメント研修に取り組むことは、多様性と包括性の促進にも繋がります。

妊娠や出産を理由とした不当な扱いをなくすことで、女性がキャリアを継続しやすい環境を整えることができるでしょう。

また、このような取り組みは、性別に限らず多様な個性や価値観を持つ人々が共に働きやすい職場環境を作ることに貢献します。

マタニティハラスメント研修の内容と企業で取り組む際のポイント

最後に、マタニティハラスメント研修の内容と、企業で取り組む際のポイントを3つご紹介します。

研修の内容

マタニティハラスメント研修では、マタハラに関する知識や意識を高め、予防策の立案や適切な対応を行うための方法を身につけることが目的です。

具体的には、妊娠・出産を理由とした不当な扱いや発言がどのようなものかを詳しく学び、職場での適切なコミュニケーション方法や、予防策を習得します。

ハラスメントが発生した際の適切な対応策や、企業としての対処方法も学ぶことができるため、全社員が安心して働ける環境作りに貢献します。

また、研修は以下のような形式で実施されます。

• 動画研修
• グループワーク
• eラーニング

それぞれの研修方式にはメリット・デメリットがあり、自社に合う方法で取り組むことが重要です。

研修に取り組む際のポイント3つ

研修に取り組む際のポイントは、以下の3つです。

• 対象者を明確にする
• 実践的な内容を取り入れる
• 継続的に取り組む

マタニティハラスメント研修は、新入社員から管理職まで企業内の全社員が対象となりますが、それぞれの立場や経験に応じた内容で研修を行うことが重要です。

特に管理職や人事部門など、職場環境を整える立場にある人には、より深い理解と具体的な対応策を学んでもらう必要があります。

また、知識だけでなく実際に遭遇する可能性のある具体的なシナリオを用いたケーススタディやロールプレイを取り入れることで、理解を深めることが可能です。

グループワークを通じて、他の参加者とのディスカッションを行うことで、さまざまな視点から理解できるでしょう。

さらに、マタニティハラスメント研修は一度だけでなく、定期的なフォローアップやアップデートを行うことで、知識は定着していきます。

また、研修の効果を測るためのフィードバックや評価を実施することで、研修の質の向上を図れます。

マタニティハラスメント研修を効果的に行うためには、研修の内容を企業のニーズに合わせてカスタマイズし、全社員が参加しやすい環境を整えることが重要です。

また、継続的な研修と実践を通じて、職場全体でマタニティハラスメントに対する理解を深めることが求められます。

迷ったらアガルートのマタニティハラスメント研修へ

マタニティハラスメント研修が良い社内風土を醸成するのに適していることはここまで解説してきましたが、自社にはどのような研修内容があっているか迷う方もいらっしゃるはずです。

アガルートのハラスメント研修なら、貴社と直接コミュニケーションを取り、貴社に適した研修をカスタマイズすることが可能です。

特に、マタニティハラスメント研修では、妊娠・出産を理由としたハラスメントであるマタハラの実態を理解し、それを防止するための具体的な方法を学ぶ研修となっています。

対象者としては、マタハラを防止する立場にある人事部門・管理職の方をはじめ、全社員が対象となります。

また、当研修のゴールは以下の2つです。

• マタニティハラスメントに対する知識や意識を高め、予防策の立案ができる
• 妊娠や出産に関連したハラスメントを減少させ、安全な職場環境をつくる

この研修の受講により、妊娠中や産後の女性が安心して働ける職場環境の実現ができるでしょう。

マタニティハラスメント研修で迷ったら、ぜひアガルートへご相談ください。