「自社だけの人事考課体制を構築したいが、何から手をつければいいか分からない…」
「公平・公正な人事考課にしたいけれどいつもどこかの部署で不満が出てしまう…」
今回は、上記のようなお悩みのある事業者に向けて、人事考課研修について解説します。
実施する目的やプログラムの内容にも触れるので、参考にしてみましょう。
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目次
人事考課者研修とは?
人事考課研修とは、従業員を公平・公正に人事考課する手法やフレームワークを学ぶ研修です。
特に実力主義の人事考課をしたい企業で実施することが多く、成果・実績を重視したフィードバックにする組織土壌を養います。
また、評価手法ごとのメリット・デメリットや従業員のフォローを学ぶことも多いです。
従業員のモチベーションアップにつながる人事考課を目指し、評価者としてスキルアップすることができます。
人事考課者研修の目的
人事考課研修の目的は、下記の通りです。
- 人事考課の重要性を学ぶ
- 評価手法ごとのメリット・デメリットを学ぶ
- 部下とのコミュニケーション方法を学ぶ
- パフォーマンス向上の手法を学ぶ
人事考課の重要性を学ぶ
なぜ公平・公正な人事考課が必要なのか、その理由を学びます。
人事考課の結果は、従業員のモチベーションに直結します。
努力しているのに評価されない期間が続くと従業員のモチベーションが下がり、最悪の場合離職につながります。
反対に、自分の努力を正当に評価し、給与や役職にフィードバックしてくれる企業であれば従業員のモチベーションも上がるでしょう。
評価手法ごとのメリット・デメリットを学ぶ
一口に人事考課と表現しても手法は多岐に渡り、それぞれメリット・デメリットがあります。
手法ごとのメリット・デメリットを理解し、自社組織に合うやり方を見つけていきましょう。
なぜその評価手法を採用するのか理由付けをおこない、組織に浸透させることも大切です。
部下とのコミュニケーション方法を学ぶ
人事考課の結果を部下へ適切にフィードバックする、コミュニケーション手法を学びます。
良い結果が出た人にも悪い結果が出た人にも前向きにフィードバックできるスキルが身につけば、組織へのエンゲージメントが向上します。
パフォーマンス向上の手法を学ぶ
最適な人事考課ができていると組織のモチベーションが上がるため、パフォーマンスも同時に上がることが多いです。
自組織の目標に合った人事考課システムを構築できれば、目標到達が近づくでしょう。
人事考課をひとつのパフォーマンス向上施策として捉え、具体的にどう運用していくかを検証します。
人事考課者研修が求められる背景とは?
人事考課研修が重視されるようになったのは、下記のような背景が影響しています。
- 終身雇用制の崩壊
- 少子高齢化に伴う労働人口減少
- 実力主義で評価する企業の増加
終身雇用制の崩壊
昔ながらの終身雇用制が崩壊に近づくにつれ、「新卒から定年までの間に転職を挟むのは当たり前」という考え方が根付きつつあります。
人事考課体制や社内環境が理想に合わなければ転職する、という人が増え、どの企業にとっても人材の定着対策が急務とされました。
最適な人事考課は離職予防策としても効果的なので、近年研修に力を入れる企業が増えています。
少子高齢化に伴う労働人口減少
少子高齢化に伴う労働人口の減少は今後更に加速化すると予想されており、若手人材の取り合いになる可能性があります。
そのため、「実力次第では若いうちからしっかり稼げる企業」は採用市場で評価されやすく、応募を集める要因となるでしょう。
年功序列以外での評価体制を構築するため、人事考課を最適化する必要があるのです。
実力主義で評価する企業の増加
ビジネス市場のグローバル化が進んでいる昨今、実力主義で人事考課する企業が増えています。
優秀な人材は積極的に評価し、給料も役職も上げていくスタンスであれば、世界中から優れた人材を雇用できるでしょう。
そのため、優秀な人を優秀であると評価するための仕組みが必要であり、人事考課のあり方について学べる研修が重宝されています。
人事考課者研修の一般的な内容
人事考課研修では、主に下記のプログラムを実施します。
- 適切な目標管理
- 評価者に依存しない評価基準の構築
- マネジメントスキルや人材育成スキルの向上
- 人事考課に必要なフレームワーク
- 給与システムとの連動
適切な目標管理
目標達成に貢献した従業員を正しく評価するには、適切な目標管理が必要です。
そもそも経営戦略に合致した目標を掲げられていないと組織全体の方向性がブレやすく、人事考課の基準と合わなくなるため注意しましょう。
評価者に依存しない評価基準の構築
上司による一方的な好き嫌いだけで評価されない、客観的な評価基準の構築法を学びます。
自身の評価が正しいか再確認し、ブレのない公正な評価スキルを習得することにもつながります。
マネジメントスキルや人材育成スキルの向上
人事考課は部下のモチベーションや組織へのエンゲージメントに寄与する要素であり、適切に管理することが良いマネジメントにつながります。
マネジメントや人材育成の視点を養い、評価者としての基礎スキルを伸ばします。
人事考課に必要なフレームワーク
人事考課に役立つフレームワークは多く、自社に役立つフレームワークや使い方を習得します。
場合によっては人事考課専用のツールを使い、業務効率化と正当な評価を同時に叶えることもあります。
給与システムとの連動
人事考課の結果は、役職だけでなく給与にも影響することが大半です。
給与システムや報酬テーブルとの連動をおこない、適切な人件費予算のなかで人事考課できるよう工夫していきましょう。
人事考課と人事評価の違い
人事考課と人事評価は同じ意味合いで使われることの多い単語ですが、厳密には異なります。
人事評価とは、従業員のパフォーマンスを評価して報酬・役職にフィードバックすることを指します。
主に定量目標の達成度合いで判断されることが多く、成績に基づいて評価を下します。
一方、人事考課はパフォーマンスだけでなくキャリアパスの決定や人材育成などトレーニングの意味合いを含むことも多いです。
「あなたに今後どんな働きを期待しているか」「今後改善すべきポイントはどこか」など細かなフィードバックをするのが特徴であり、中長期的な目線で評価します。
パフォーマンスを評価する人事評価と、人材育成の意味合いが高い人事考課とをどちらも組み合わせ、自社だけの評価体制を構築していきましょう。
人事考課者研修はどんな人におすすめ?
人事考課研修は、下記のような人におすすめです。
- 部下の人事考課をするマネージャー・リーダー・管理職
- 人事考課システムを一新したい人事部のメンバー
- エンゲージメント向上施策を学びたい経営層
- チームのパフォーマンスに課題を感じている人
人事考課するのは主にマネージャーやリーダーなど管理職なので、現場で働く従業員は研修に参加しなくてよいと思われるかもしれません。
しかし、自分が所属する組織の評価形態を知り、従業員に期待されている内容を知るという意味で、誰にとっても参加の意義があります。
「正しく評価される行動」を意識するきっかけにもなるので、現場の従業員が参加するのもおすすめです。
人事考課者研修のプログラム例
ここでは、人事考課研修の具体的なプログラム例を紹介します。
自社で研修を実施する際は、参考にしてみましょう。
- セッション1:パフォーマンス評価の重要性と目的
- セッション2:評価基準の設定
- セッション3:フィードバックの提供とコミュニケーションスキル
- セッション4:バイアスの理解と管理
- セッション5:評価面談の進行
- セッション6:ケーススタディとロールプレイ
- セッション7:研修の振り返りとアクションプラン作成
セッション1:パフォーマンス評価の重要性と目的
- パフォーマンス評価のメリットとデメリット
- パフォーマンス評価する目的
- 人事考課の重要性
セッション2:評価基準の設定
- 自社に合った評価基準の設定
- SMART原則とは何か
- 現在の評価基準が抱える課題と問題点
セッション3:フィードバックの提供とコミュニケーションスキル
- 発見の多いフィードバックにする方法
- 部下とのコミュニケーションスキル向上
- 4種類のコミュニケーション(高等、非言語、文章、視覚)
- コミュニケーションロスが生じる弊害
セッション4:バイアスの理解と管理
- 潜在バイアスの危険性と認識
- バイアスを克服する手法と戦略
- 組織のバイアスを取り払うコミュニケーション法
セッション5:評価面談の進行
- 最適な評価面談のあり方
- 評価結果を伝達する際の注意点
- パフォーマンス改善に向けた指示
セッション6:ケーススタディとロールプレイ
- 成功事例や失敗事例などのケーススタディ
- フィードバック面談を想定したロールプレイ
- 自社の人事考課システムを提案するプレゼンテーション
セッション7:研修の振り返りとアクションプラン作成
- 個別フィードバック
- 現場でのアクションプラン作成
- 中長期的な効果検証
人事考課者研修を実施する際の注意点とは?
最後に、人事考課研修を実施する際の注意点を解説します。
- 研修の目的を明確にする
- アウトプットを重視する
- 参加者へのフィードバックをおこなう
- 研修へのフィードバックも実施する
- 継続的な学習を実施する
研修の目的を明確にする
人事考課研修でどんなスキル・知識を伸ばしたいのか、自組織のどんな課題を解決したいのか、事前に目的を明文化しておきましょう。
プログラムの方針がブレるのを防ぎ、参加者に当事者意識を持ってもらうきっかけにもなります。
アウトプットを重視する
座学で知識をインプットするだけでなく、実際の現場を想定したアウトプット型の学習の割合を増やしましょう。
自分の言葉でアウトプットすることでよりリアルな学びを得やすく、現場に帰ってからの施策立案にも役立ちます。
参加者へのフィードバックをおこなう
研修参加者へ個別にフィードバックする機会を設け、個人のスキルアップを支援することも大切です。
理解できたポイント(理解できていないポイント)を可視化するのにも役立つため、フォローアップしやすくなります。
研修へのフィードバックも実施する
参加者へアンケートやヒアリングをおこない、次回の人事考課研修に向けて改善すべき点を探ります。
「理想論しか学べなかった」「現場で役立つイメージを抱けなかった」などネガティブなフィードバックも収集し、次回のプログラムづくりに役立てます。
継続的な学習を実施する
人事考課は会社が存続する限り永遠に続くものであり、1回の研修で全てのスキルを習得できるとは限りません。
また、時代の変遷に伴って理想的な人事考課のスタイルが変わることも多いので、定期的な学習機会を設けましょう。
人事考課者研修まとめ
人事考課は一見すると誰でも手軽にできる「作業」に思われがちですが、実は従業員のモチベーションや組織エンゲージメントに直結する重要な業務でもあります。
主観だけに左右されない公平・公正な人事考課体制を構築し、適切に運用できるよう対策していきましょう。
アガルートでは、人事考課研修のプログラムを用意しています。
オンラインでの実施や、参加人数・課題に合わせて内容をアレンジすることもできるので、お気軽にご相談ください。
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