管理職研修の目的や内容とは？ネタの探し方やテーマ別プログラム例を紹介

「管理職研修を行いたいけれども、どのような内容にすればいいのかわからない…」
「管理職研修を始めても意味がないのではないかと不安を感じている…」

といった悩みを抱えている企業は多いのではないでしょうか。

本コラムでは、管理職研修について目的やカリキュラム内容例、失敗しないためのポイントなどを解説します。

管理職研修の目的を正しく理解して、意味のある内容にしたい方は本記事の内容をお役立てください。

管理職研修が必要な背景とは？

管理職研修が必要とされる背景はいくつかあります。

一つは、時代の急激な変化に対応するためです。新しい技術の登場や社会的なニーズの変化などビジネスを取り巻く環境は短期間で変わります。管理職は常に新しい課題を把握し、適切な戦略を立てて、チームを導いていくことが求められるのです。

管理職研修を受けて戦略的思考やチームビルディングなどを学ぶことで、ビジネス環境の変化に対応できます。

管理職研修が求められる背景の二つ目は組織の生産性を高めるためです。多くの業界・企業で人手不足が問題とされていて、限られたリソースで成果を出すことが求められます。チームの生産性は管理職の手腕にかかっているのです。

管理職研修を受けることで多様な人材を活用するスキルを身につけられます。適切な仕事の割り振り方やメンバーとのコミュニケーションの取り方などを学ぶことが可能です。

以上の理由から管理職研修は多くの組織で必要とされています。

管理職研修の目的

管理職研修を実施する主な目的を以下にまとめました。

• 管理職としての意識や行動転換を促す
• マネジメント能力を向上させる
• 経営者の視点に立った思考や行動を身につける
• リスクマネジメントを身につける
• リーダーシップを養う

管理職研修を受ける目的について詳しく紹介します。

管理職としての意識や行動転換を促す

新しく管理職に昇進した人に対して管理職としての意識や行動転換を促すことが研修の目的です。

管理職はプレーヤーとは異なる立場であることを自覚しなければいけません。管理職研修を通して、管理職が持つべき意識や取るべき行動を理解します。

マネジメントスキルを向上させる

チームのパフォーマンスを向上させるためのマネジメント能力を身につけることが研修の目的です。

業務管理や目標管理、メンタルヘルスなど多様なスキルを身につけます。管理職に求められる役割を理解し、メンバーを導けるスキルを養うことが目標です。

経営者の視点に立った思考や行動を身につける

管理職研修により経営者視点での思考や行動を身につけることが大切です。上級管理職は経営層と呼ばれることがあり、経営者をサポートすることが求められます。

より高い視座でマネジメントや意思決定するためには経営者の視点から思考や行動できることが重要です。管理職研修では、経営者視点の考え方や行動を身につけられます。

リスクマネジメントを身につける

リスクマネジメントを養うことは管理職研修の目的の1つです。管理職は事前にリスクを把握した上で対策を講じることを求められます。管理職研修では、管理職が持っているべきリスクマネジメントのスキルを身につけられるでしょう。

リーダーシップを養う

管理職研修の大きな目的は、リーダーシップを養うことです。チームのメンバーを導いて、成果を上げられるチームづくりを行うためにリーダーシップが求められます。

管理職研修ではリーダーシップを発揮するための心構えやスキルなどを身につけられるでしょう。

管理職研修のネタの探し方

管理職研修のネタを探す方法を以下にまとめました。

• 管理職の直面する課題を洗い出す
• 他業界・他社の成功事例を参考にする
• 書籍から探す
• 専門家からアドバイスを得る

管理職研修のネタの探し方を詳しく紹介します。

管理職の直面する課題を洗い出す

社内で管理職が直面している課題を洗い出して研修のネタにするという方法があります。

実際に悩まされている問題を把握した上で、それに基づいた研修テーマを設定しましょう。管理職研修の目的は会社の抱える課題を解決することだからです。

他業界・他社の成功事例を参考にする

他業界や他社で行われて成功した研修の事例を参考にすると良いでしょう。多くの会社で管理職研修が行われていて、さまざまな内容のものがあります。成功事例をチェックすれば、研修テーマについて新しい視点やアイデアを得られるでしょう。

書籍から探す

管理職や研修に関する書籍をチェックしてアイデアを考える参考にしましょう。管理職の抱える問題や伸ばすべきスキルなどを解説した書籍であれば、研修テーマの参考になります。

専門家からアドバイスを得る

研修会社やコンサルタントなど専門家に相談してアドバイスを得るという方法があります。専門家としての視点から研修のテーマや内容について意見をもらえるでしょう。

最新のトレンドや効果的な研修内容などの情報を得られるのもメリットです。

管理職研修はどんな人におすすめ？

管理職研修は以下の人におすすめです。

• 新任管理職
• 既存の管理職
• 上級管理職
• 問題を抱えている管理職
• 将来の管理職候補

上記の人に管理職研修がおすすめな理由を紹介します。

新任管理職

新任の管理職が研修を受けることで、管理職として基本的なスキルや知識、心構えを習得できます。管理職研修を通して、リーダーとしての心構えやコミュニケーションスキル、マネジメントスキルなどを学べるでしょう。

既存の管理職

既存の管理職にとっても管理職研修は価値のあるものです。管理職研修によって、既存のスキルの向上を目指せます。部下の育成方法やマネジメントスキル、課題解決スキルなど幅広いスキルを伸ばすことが可能です。

上級管理職

上級クラスの管理職が研修を受けることで、より経営層に近い立場において必要とされるスキルを養えます。経営分析や経営戦略の立て方、経営課題の把握の仕方などを学べるでしょう。

問題を抱えている管理職

管理職としてのパフォーマンスに問題を抱えている人に管理職研修は最適です。それぞれの抱える課題を解決できる内容の研修を受けさせると良いでしょう。そうすれば、管理職としての問題を改善できます。

将来の管理職候補

将来の管理職候補にとっても管理職研修はおすすめです。管理職として必要とされるスキルを早期に鍛えることで、将来的にスムーズに管理職への昇進を実現できます。

研修を受けさせることで、リーダーとしての当事者意識を持たせる効果も期待できるでしょう。

管理職研修の種類と一般的なカリキュラム内容例

管理職研修には主に以下の3つの種類があります。

• 新任管理職研修
• 中間管理職研修
• 上級管理職研修

それぞれの管理職研修の種類について、研修概要とカリキュラム例を紹介します。

新任管理職研修

新任管理職研修の概要とカリキュラム例を紹介します。

概要

新任管理職研修とは、管理職に要求される基本的なスキルや知識を学ぶための研修です。管理職に昇進する上で生じる不安や悩みを解決できる内容になっています。管理職に要求される役割を理解し、管理職としての仕事の段取りを把握することが目標です。

カリキュラム例

新任管理職研修のカリキュラム例を以下にまとめました。

• マネジメントスキル
• 管理職に求められる役割
• 部下育成とコミュニケーション
• リスクマネジメント
• 労務管理

管理職が身につけておくべきスキルを広範囲に渡って学ぶ内容になっていることが多いです。

中間管理職研修

中間管理職研修の概要とカリキュラム例を紹介します。

概要

中間管理職研修とは、管理職に要求されるスキルを高めて、次のステップへ向けた準備をするための研修です。中間管理職は新任管理職と上級管理職の中間であり、上級管理職をサポートします。中間管理職研修により、応用力を身につけ、管理職としての意識改革を果たすことが目標です。

カリキュラム例

中間管理職研修のカリキュラム例を以下にまとめました。

• PDCAサイクルを回すスキル
• リスク管理体制をつくるスキル
• 部下の育成計画の立て方
• 業務改善の仕方

新任管理職研修よりも実績的な内容が含まれたカリキュラムが用意されていることが多いです。

上級管理職研修

上級管理職研修の概要とカリキュラム例を紹介します。

概要

上級管理職研修とは、組織経営の中核を担う管理職としての意識やスキルを身につけるための研修です。役員クラスと協力して意思決定を行い経営を牽引していくのが上級管理職の役割とされています。上級管理職研修では、高い視座と意識を持って高度なスキルを駆使できる上級管理職になることが目標です。

カリキュラム例

上級管理職研修のカリキュラム例を以下にまとめました。

• 上級管理職としての役割認識
• 経営戦略・戦術
• 外部環境・内部環境分析
• 戦略的人材育成
• 企業の社会的責任

経営層に近い立場で仕事をするため、より高度なスキルを養う内容になっています。上級管理職に求められる重たい責任を自覚するための意識改革を図るカリキュラムも含まれているケースが多いです。

管理職研修のテーマ別プログラム例

管理職研修で取り入れておきたいテーマは以下の5つです。

• リーダーシップ
• コミュニケーション
• コンフリクトマネジメント
• 戦略的思考
• チームビルディング

各テーマの概要とプログラム例を次から紹介します。

リーダーシップ

リーダーシップというテーマについて、概要とプログラム例を紹介します。

概要

メンバーを牽引していくために必要になるリーダーシップを養います。リーダーシップの類型や実際にリーダーシップを発揮するポイントなどを学ぶのが特徴です。

当事者意識を持ち、リーダーとして実行力を発揮できるようになるのが研修の目標といえます。

プログラム例

リーダーシップをテーマとした管理職研修のプログラム例は以下の通りです。

• リーダーシップのスタイル
• リーダーシップを発揮するためのコミュニケーションスキル
• マネジメントスキル

リーダーシップのスタイルを学び、リーダーに求められるコミュニケーションスキルやマネジメントスキルを鍛える内容です。

コミュニケーション

管理職研修で扱うコミュニケーションというテーマについて、概要やプログラム例を紹介します。

概要

主に部下とのコミュニケーションの仕方や工夫の方法などを学ぶテーマです。部下から傾聴するポイントや適切な褒め方などを学びます。さまざまなケーススタディを行い、実践的な内容で研修を実施するケースが多いです。

プログラム例

コミュニケーションをテーマとした管理職研修のプログラム例を以下にまとめました。

• コミュニケーションの課題
• コミュニケーションのポイント
• 傾聴ロールプレイング
• ケーススタディ

管理職が直面しやすいコミュニケーションの課題を理解し、コミュニケーションにおけるポイントを学べます。傾聴ロールプレイングやケーススタディといった実践的な内容を含む場合も多いです。

コンフリクトマネジメント

管理職研修に取り入れておきたいコンフリクトマネジメントについて、概要とプログラム例をまとめました。

概要

職場でコンフリクトが起きる原因と解決策について学ぶテーマです。管理職には、現場のコンフリクトを解決することが役割として求められています。理論的な点に加えて実践的なスキルも身につけられるのが特徴です。

プログラム例

コンフリクトマネジメントについてプログラム例を以下にまとめました。

• コンフリクトって何？
• 職場で起きやすいコンフリクトの事例
• コンフリクトマネジメントの方法
• コンフリクトマネジメントのプロセス

コンフリクトの定義や実際に起きやすい事例、コンフリクトマネジメントの方法・プロセスといった内容まで学びます。

戦略的思考

管理職研修のテーマの1つである戦略的思考について概要とプログラム例を紹介します。

概要

管理職が身につけておくべき戦略的思考を学ぶ内容です。戦略を立てる上で重要なフレームワークや活用の仕方を学べます。戦略を出して整理するための考え方も身につけられるでしょう。

プログラム例

戦略的思考についてのプログラム例を以下にまとめました。

• 戦略的思考とは？
• クリティカルシンキング
• メタ思考
• ゼロベース思考
• ロジックツリー
• フレームワーク

戦略的思考の定義から具体的なスキル、フレームワークまで学べるケースが多いです。

チームビルディング

管理職研修のテーマとして欠かせないチームビルディングについて、概要とプログラム例を紹介します。

概要

チームビルディングとは、成果を上げるチームづくりをすることです。チームワークを強化する方法や部下育成、リーダーシップといった内容を含んでいます。チームビルディングに求められるスキルを養い、成果を出すチームづくりができるようになることが目標です。

プログラム例

チームビルディングというテーマについて研修を実施する際のプログラム例を以下にまとめました。

• チームの目標の明確化・定着化
• タックマンモデル
• チームの環境作り
• チームリーダーとしての役割

チームビルディングについての研修では、チームの目標の明確化・定着化やチームの環境作りといった内容を学べるケースが多いです。

管理職研修を意味のない研修にしないための注意点とは？

管理職研修が意味のないものにならないようにするための注意点を以下にまとめました。

• 目的を明確にする
• 対象者の立場やスキルレベルに適したカリキュラムにする
• 自社の課題に即した内容の研修を行う
• ロールプレイングを取り入れる
• フィードバックを行う

管理職研修を意味のないものにしないために注意したい点について詳しく解説します。

目的を明確にする

何故研修を行うのか目的を明確にすることは大切です。目的が曖昧ではテーマや難易度の設定ができず、適切な研修になりません。管理職研修により何を解決したいのかを考えることで、目的が明確になるでしょう。

対象者の立場やスキルレベルに適したカリキュラムにする

管理職研修の対象者の立場やスキルレベルを踏まえたカリキュラムにすることが大切です。

管理職研修は、さまざまな階層に向けたものがあり、レベルも大きく異なります。対象者に適したカリキュラムで管理職研修を実施することで高い効果を期待できるでしょう。

自社の課題に即した内容の研修を行う

自社の抱える課題を解決できる内容の研修を行うことが大事です。自社の課題に即した内容の管理職研修を実現できれば、研修後に大きな効果を期待できます。

たとえば、管理職と部下のコミュニケーション不足が顕在化しているケースは多いです。この場合は、コミュニケーションをテーマとした管理職研修を実施すると自社の課題解決につながります。

ロールプレイングを取り入れる

管理職研修を実践的な内容にするためにロールプレイングを取り入れることはおすすめです。座学で知識だけを身につけても、実際に現場で実践できなければ意味がありません。

ロールプレイングを取り入れることで、研修で学んだ内容をイメージしやすくなります。たとえば、ケーススタディを取り入れるのは効果的です。

架空の企業の職場を題材にさまざまな状況を想定し、リーダーとしてどのように行動すべきか考えます。回答と正解を見比べることで、自身に不足している点を自覚でき、今後に活かせるでしょう。

研修で学んだことをフィードバックする

研修で学んだことをフィードバックすることは大切です。研修で学んだことを現場で活かせず、元のやり方に戻るケースは少なくありません。

たとえば、研修後に効果測定を行い、目標を達成できたか、行動が変容したかチェックします。効果を測定することで研修で学んだ内容を実践できているか確認できるのです。

効果測定の結果から課題を認識し、さらなる改善につなげられます。

管理職研修のまとめ

管理職研修は、管理職に要求されるスキルや心構えを身につけるために重要です。

マネジメントスキルやリーダーシップ、リスクマネジメントなど多岐に渡るスキルを身につけられます。きちんと自社の課題を認識した上で対象者に適したカリキュラムの研修を行えば、高い効果を期待できるでしょう。

アガルートでは、管理職研修プログラムをご用意しています。

オンラインで完結し、参加人数や課題に合わせて内容をアレンジすることもできるので、お気軽にご相談ください。