これまでリスティング広告をはじめとしたWeb広告の運用は、広告代理店に外注して出稿することが多くなっていました。しかし近年では、社内で広告運用を行うインハウス化・内製化も増えてきました。
本記事では、Web広告運用を「インハウス運用」か「広告代理店に外注」かで迷った際に、判断するうえで確認すべきポイントを解説していきます。また、インハウスで広告運用することに決めた場合、内製化を導入するためのステップについても紹介します。
広告運用の成果改善や、運用のインハウス化をお急ぎの場合は、ご相談を受け付けています。課題に合わせてカスタマイズした研修やコンサルティングを提供していますので、お気軽にご相談ください。
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目次
「インハウス広告運用」「広告運用の内製化」とは?
「インハウス広告運用」とは、社内の担当者だけで広告運用を行うことです。インハウス(In-house)は英語で「組織内・社内」を意味します。
広告運用を社内の担当者だけで完結させられるような体制を作ることを、広告運用の「内製化」「インハウス化」ということもあります。
インハウス運用か、広告代理店へ外注するかを判断する5つのポイント
これまでWeb広告運用を広告代理店に外注していた場合、すぐにインハウス運用に切り替えるのはなかなか難しいです。また、直近の課題や企業の状況によっては、広告運用を無理にインハウス化しない方がいいケースもあります。
ここでは、インハウス運用か、広告代理店へ外注するかで判断に迷った際に確認すべきポイントを5つ挙げて解説します。
ポイント① インハウス運用と広告代理店外注のメリット・デメリットを確認
広告のインハウス運用にも、代理店外注にも、それぞれにメリットとデメリットがあります。まずは、それぞれの要素を確認したうえで判断する必要があります。
インハウス運用のメリット(代理店外注のデメリット)
①運用手数料がかからない(代理店外注は運用手数料がかかる)
②スピード感のある対策ができる(代理店外注はスピード感が落ちる)
③社内でノウハウを蓄積できる(代理店外注は社内にノウハウを蓄積できない)
インハウス広告運用のデメリット(代理店外注のメリット)
①広告運用を担当する人材の確保が必要(代理店外注は社内の広告担当者が不要)
②広告運用ノウハウが担当者に属人化する(代理店外注は代理店のノウハウを活用できる)
③最新情報を入手しづらい(代理店外注は最新情報を入手しやすい)
これらについて詳しくは、後述する章
インハウス広告運用のメリット=広告代理店外注のデメリット
インハウス広告運用のデメリット=広告代理店外注のメリット
で解説しています。
ポイント② Web広告の予算をどれだけ確保できるかを確認
広告費をどれぐらいかけられるかを確認しておく必要があります。広告代理店に運用を依頼する場合は運用手数料がかかるため、その分のコストをどう考えるかで判断が変ってくるためです。
広告の運用手数料は、概ね15~30%程度かかります。ただし、代理店や、出稿する広告媒体によっても変動するため、依頼を検討する代理店に事前に確認が必要です。このとき例えば、Web広告を年間で5,000万円出稿する予定の場合、5,000万円のうち運用手数料だけで750~1,500万円かかる計算になります。
仮にインハウスで広告運用を行う場合、同じ年間750~1,500万円のコストを人件費に回すことで、社内の広告運用担当を1~3人ほど就けられることになります。3人もいらない場合は、削減できたコストを他の施策に回したり、利益として残したりすることもできるわけです。
ただし、次のケースでは注意が必要です。
広告費をほとんど確保できない場合
インハウス運用か代理店外注かを判断する以前に、広告以外の施策が必要になります。ただ、長期的にインハウス運用の体制を整えていく方針であれば、研修を行っている企業に依頼して社内メンバーのスキルアップを行うのが得策です。
広告費は確保できるものの、あまり予算が潤沢ではない場合
広告代理店によっては、最低出稿額が決まっていたり、一定の金額より低い場合には固定の運用手数料がかかったりすることもあります。事前に代理店に確認し、成果が出せる広告運用ができるかどうか検討することが重要です。
ポイント③ 社内の広告担当者のスキルを確認
インハウスで広告運用する場合、社内で担当者を確保する必要があります。新たに採用しなければいけない場合もあれば、社内でデジタルに苦手意識のない人材に担当してもらう場合もあるでしょう。専任で就けられない場合は、他業務との兼任で担当してもらうことになります。そもそも担当者を確保できない場合、インハウスで広告運用ができないため、広告代理店に外注するほかありません。
担当者が決まったら、広告運用のスキルがどれぐらいあるか確認します。Google広告をはじめ、Meta広告、Yahoo!広告、LINE広告などの管理画面を操作できなければいけません。また、広告クリエイティブで画像や動画を配信する場合、クリエイティブ制作が必要になります。担当者が制作できない場合には、制作会社やクラウドソーシングサービスを利用して制作ディレクションをすることになります。
広告管理画面の操作スキルや、広告で成果の出やすいクリエイティブのノウハウ、制作ディレクションのコツなどについて不安がある場合には、インハウス広告運用の支援会社へ研修やコンサルティングを依頼することも検討すべきでしょう。
インハウス広告運用を支援するアガルートでは、このような個別の課題にカスタマイズした研修・コンサルティングを提供しています。お気軽にお問い合わせください。
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ポイント④ 社内の広告担当者が確保できる業務工数を確認
インハウスで広告運用を行う場合、担当者は1日中常に広告運用だけを行えるのかどうか確認します。必要な業務量に対して、担当者が確保できる工数で十分カバーできるようであれば、インハウス広告運用による成果は安定しやすいでしょう。工数が少ないようであれば、部分的に代理店に外注することを検討してもいいかもしれません。
担当者が工数を確保できないまま無理にインハウス運用を担当した場合、一番危険なのは運用事故です。例えば、広告管理画面上で予算設定の金額を間違えたり、配信停止を忘れたまま広告配信が続いてしまったりすると、広告予算がムダに使われることになります。
ポイント⑤ 「やりたいこと」と「社内でできること」の差を確認
Web広告の配信をとおして実現したいことと、社内で対応できることを確認します。「社内でできること」は、担当者を就けることができるか、その担当者はどれぐらいのスキルを持っているか、運用にどれぐらいの工数をかけられるか、から判断できます。
「社内でできること」が「やりたいこと」を完全にカバーできていれば、インハウス広告運用の体制はすぐに整えられます。まったくカバーできていなければ、まずは広告代理店に運用を外注したほうが良いでしょう。また、担当者を就けることはできるけどスキルに不安がある、という状況であれば、まずはインハウス広告運用の支援会社に依頼して、研修やコンサルティングを行ってもらうことも選択肢に入ります。
インハウス広告運用を支援するアガルートでは、このような個別の課題にカスタマイズした研修・コンサルティングを提供しています。お気軽にお問い合わせください。
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インハウス広告運用のメリット=広告代理店外注のデメリット
インハウスでWeb広告を運用する場合のメリットは何でしょうか?インハウス運用のメリットは、裏を返せば代理店に外注する場合のデメリットと言えます。ここでは3つ挙げて、詳しく解説します。
①運用手数料
インハウス運用は運用手数料がかからない=代理店外注は運用手数料がかかる
社内で広告を運用する場合は、運用手数料がかかりません。一方、広告代理店に運用を依頼する場合は、概ね広告費の15~30%が運用手数料となります。手数料の率は、代理店によって異なったり、配信媒体によっても異なったりします。代理店に依頼を検討する際には、細かく確認しておくとよいでしょう。
②対応のスピード感
インハウス運用はスピード感のある対応ができる=代理店外注はスピード感が落ちる
社内で広告運用する場合は、広告クリエイティブの差し替えが必要になった際などにスピーディに対応ができます。一方、広告代理店の担当者は基本的に複数の広告主の運用を担当しているため、他案件対応中の場合などタイミングによっては対応を待たないといけないことが多くなります。
③ノウハウの蓄積
インハウス運用は社内にノウハウを蓄積できる=代理店外注は社外のノウハウに頼らざるをえない
社内で広告を運用する場合は、様々な媒体に広告を配信してみたり、色々な配信機能を試してみたり、広告クリエイティブのABテストなども社内でスピーディに対応できます。結果もすぐに確認できるため、ノウハウを社内に蓄積していくことができます。一方、広告代理店に依頼する場合は、代理店のノウハウに頼って運用してもらうため、社内にノウハウを蓄積することが難しくなります。
インハウス広告運用のデメリット=広告代理店外注のメリット
これまで述べてきたのとは逆に、Web広告の運用をインハウス化するデメリットは何でしょうか?インハウス運用のデメリットは、同時に代理店外注のメリットとも言えます。ここでは3つ挙げて、詳しく解説します。
①担当者の人材確保
インハウス運用は社内で担当者の確保が必要=代理店外注は人材の確保が不要
社内で広告を運用する場合は、当然ながら運用する担当者が必要になります。広告代理店に依頼する場合は、連絡のやり取りや成果報告を受ける担当者がいればよく、運用担当の人材確保は不要になります。
インハウス運用は社内の担当者が必要になる分、その担当者の人件費がかかります。代理店に運用を任せる場合には、この人件費が不要になる分、代理店の運用手数料がかかることになります。確保できる広告予算とその運用手数料、社内で運用する場合の人件費の、それぞれのバランスを考えて判断することが重要です。
②ノウハウの属人化
インハウス運用はノウハウが担当者に属人化する=代理店外注は社外のノウハウを活用できる
社内で広告運用を行う場合、運用ノウハウが担当者しか把握できない状態に陥りがちです。その結果、運用担当者が急に体調不良で休んだり、離職したりといった場合には、広告運用の業務が止まってしまう恐れもあります。
一方、広告代理店に外注する場合は、運用ノウハウが代理店の組織内で共有されていたり、担当者が休んでしまってもノウハウを持った複数の担当者間で業務を引き継いだりする体制があるため、業務が止まる心配はありません。ただし、すべての広告代理店でノウハウ共有の仕組みや引継ぎの体制が整っているとは言い難い面もあるため、代理店選びの際は注意が必要です。
③最新情報の入手しやすさ
インハウス運用は最新情報を入手しづらい=代理店外注は最新情報を入手しやすい
社内で広告運用を行う場合、媒体社がリリースした新機能や、その良し悪し、他社で成功している広告運用の勝ちパターンなどの情報が入手しづらくなります。
一方で広告代理店では、様々な情報を入手しやすくなっています。例えば、常に複数の広告主の運用を行い、どういう施策がうまくいったか/いかなかったかをノウハウとして社内で共有する体制を整えていたり、各媒体社と定期的に打ち合わせを行い、新しい機能を入手しやすい体制を作っていたりする代理店もあります。ただし、すべての広告代理店でノウハウ共有の体制や各媒体社との連携が整っているとは限らないため、代理店選びでは注意が必要です。
インハウス広告運用の実践方法3ステップ
様々な面から検討した結果、Web広告の運用を内製化する判断をした場合、インハウス運用はどのように実践していけばいいでしょうか?ここでは3ステップに分けて解説します。
ステップ① インハウス広告運用の支援会社(研修・コンサルティング会社)を選ぶ
Web広告運用の経験が豊富な、スキルの高い人材を社内で確保できた場合以外は、最初は外部業者の協力が必要です。インハウス広告運用を支援できる会社に依頼するとよいでしょう。
選ぶ基準としては、Web広告運用のコンサルティングができるだけでなく、研修などを通して社内の人材育成もできる支援会社が最適です。アガルートでは、Web広告運用のコンサルティングや研修を通して、インハウス広告運用の実行サポートを行っています。まずはお気軽にご相談ください。
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ステップ② 広告運用の意図や管理画面の操作方法を理解する
インハウス広告運用の支援会社が決まったら、研修をとおしてWeb広告の基礎知識や管理画面の操作方法を理解しつつ、コンサルティングをとおして自社にとっての広告施策の優先順位などを整理していきます。こうして現場の担当者が、いつ、何を、どうすればいいのか、その結果を広告管理画面上でどう確認すればいいのか、結果を受けて次に何をすればいいのか、などを明確にイメージできるようサポートしてもらいます。
ステップ③ 社内の担当者だけで広告を運用しつつ成果をモニタリング
現場の担当者が広告運用の業務について、いつ、何を、どうすればいいのか明確にイメージできるようになったら、社内担当者だけで運用してみます。PDCAサイクルを何周か回してみて、安定した運用ができることが確認できたら、社内担当者だけで業務を完結できるようになります。
あとは必要に応じて広告運用の上級者向け研修を受講することで、社内で考案できる施策のレベルを上げたり、新しい情報を収集したりする機会を設けます。これらを繰り返すことで、成果を最大化していくことができます。
まとめ:インハウス広告運用と代理店外注の判断を誤らないためのポイント
本記事では、広告運用をインハウス化するか広告代理店に外注するかで迷った際に確認すべきポイントについて、5つ解説しました。
①インハウス運用と広告代理店外注のメリット・デメリットを確認
②Web広告の予算をどれだけ確保できるかを確認
③社内の広告担当者のスキルを確認
④社内の広告担当者が確保できる業務工数を確認
⑤「やりたいこと」と「社内でできること」の差を確認
これらを確認したうえで、広告運用を内製化ことにした場合、インハウス化の体制を構築することになります。その際は、インハウス広告運用の支援会社に研修やコンサルティングを依頼することから始めるとスムーズです。
インハウス広告運用を支援するアガルートでは、このような個別の課題にカスタマイズした研修・コンサルティングを提供しています。お気軽にお問い合わせください。
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