インハウスマーケティングとは?メリット・デメリット、内製化を成功させるポイントを解説

インハウスマーケティングとは?メリット・デメリット、内製化を成功させるポイントを解説

インハウスマーケティングとは、マーケティング業務を社内のメンバーで内製化し、完結させることです。

「マーケティング業務の大半を広告代理店に依頼している」「マーケティング施策はほとんど制作会社に任せてしまっている」という企業も多いと思います。こうした企業も最近では、マーケティング業務をインハウス化するケースが増えています。一方で、マーケティング業務の中にはそもそもインハウス化できないものや、組織の状況によってはインハウス化しない方がいいケースもあります。

本記事では、マーケティングをインハウス化する際のメリットやデメリット、成功させるためのポイントについて詳しく解説していきます。

インハウスマーケティングの実現をお急ぎの方のために、株式会社アガルートではインハウス化支援や現場の業務に合わせてカスタマイズした研修を提供しています。少しでも気になる方は、お気軽にご相談・お問い合わせください。
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インハウスマーケティングとは

インハウスマーケティングとは、マーケティングに関連する業務を社内のメンバーだけで遂行することです。

インハウス(in-house)は英語で「組織内の」「社内の」「内勤の」などを表す言葉です。外部の業者に外注するのではなく、社内で完結させる体制を作るという意味で「内製」と訳すこともあります。これまで外部の業者に外注していた状態から、社内で完結させることを「インハウス化」「内製化」といいます。

また、社内でマーケティング業務を完結させている企業のマーケティング担当者のことを「インハウスマーケター」ということもあります。

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インハウス化できないマーケティング領域もある

マーケティングの中でも主に広告を出稿する場合には、広告代理店に発注しないと掲載できないものもあります。一方で、社内に担当者がいれば、比較的インハウス化しやすい業務もあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

インハウス化できない領域

特にオフラインの広告は代理店に発注しないと出稿できないものが多くなっているため、注意が必要です。オフラインの広告としてはテレビCM、ラジオCM、新聞広告、雑誌広告、交通広告などがあります。これらは広告代理店に依頼する必要があります。

オンラインのWeb広告でも、大規模サイトのトップページに大きく表示されるような純広告(純広)は、広告代理店に発注しないと出稿できないものがあるため、注意が必要です。純広告で代表的なものは、Yahoo! JAPANやYouTubeのトップページ上部に表示される大きな広告枠です。

インハウス化しやすい領域

一方でインハウス化しやすいマーケティング業務は、純広告以外のデジタル領域です。例えばWeb広告の中でも小額から配信できる「運用型広告」と呼ばれる種類のものは、代理店に発注しなくても出稿できるため、インハウス化しやすい領域です。

その他、WebデザイナーやWebサイト制作ができる担当者が社内にいれば、規模と工数次第でインハウス化は可能です。検索エンジンからホームページへの集客に力を入れたり、そこからの問い合わせや申し込みに繋げたりする施策を強化する場合には、SEOやLPO、EFO経験者がいればインハウス化できます。ただ、「SEO」は施策の種類が多岐にわたり、必要な知識やスキルが幅広いため、気をつけたいところです。コンテンツを大量に作成したり、そのディレクションをしたりすることを「SEO」と呼ぶ人もいれば、Googleのアルゴリズムに合わせてWebサイト全体のリンク構造を設計したり、主要なHTMLの記述を改善したりすることを「SEO」と呼ぶ人もいます。担当者の専門性、スキルセットがSEO全体のどこをカバーしているのかは事前に見極めておきたいところです。

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インハウスマーケティングのメリット

マーケティング業務を内製化すると、どのようないいことがあるのでしょうか?インハウスマーケティングの主なメリットとして3つ挙げられます。

①ノウハウ・ナレッジを社内に蓄積できる

インハウスマーケティングでは、業務で得られたノウハウやナレッジを社内に蓄積しやすくなります。社内のメンバーだけで業務を行うと、「どのように仮説を立て」「何をしたら」「どういう結果になったか」について細かく把握できるため、ノウハウを蓄積しやすくなります。一方、外部の専門業者に依頼する場合は、専門業者のノウハウに依存することになるため、社内になかなかノウハウが蓄積されません。

②コスト削減につながる

マーケティングをインハウスで行う場合には、広告代理店や制作会社に支払っている手数料が不要になります。つまりインハウス化すると、手数料分のコストを削減することができます。

③実行速度の向上

インハウスでマーケティングを行うと、施策についてのコミュニケーションが社内で完結するため、実行速度が上がります。また、自社の商材について理解しているメンバーで業務を行うため、マーケティングの目的や施策の背景について詳しく説明して理解してもらうプロセスを経なくても実行に移すことができます。

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インハウスマーケティングのデメリット

インハウスマーケティングにはデメリットもあります。どのような点がデメリットになるのでしょうか?3つ取り上げて説明します。

①専門性の高い人材が必要になる

インハウスでマーケティングを実行するためには、マーケティングの専門性の高い人材を確保する必要があります。ただし最初から専門性の高い人材を確保するのは難しいものです。そこで、まずは社内のメンバーでマーケティングに興味がある人を担当に就け、外部のインハウス支援業者にサポートしてもらったり、研修を通して専門性を高めていったりする方法もあります。

②ノウハウ・ナレッジが属人化してしまう

社内でマーケティング業務を完結させると、社内にノウハウが蓄積しやすい一方、特定の担当者だけにノウハウが集中してしまう傾向もあります。ノウハウやナレッジが属人化しても業務が滞りなく進めば問題にはならないのですが、例えば担当者が急に会社に来られなくなったり、離職してしまったりした場合には、マーケティング活動が止まってしまうリスクもあります。

③最新情報を収集するのが難しくなる

インハウスでマーケティングを行う場合、最新情報をいち早く収集するのがどうしても難しくなります。社内の担当者が1人~少人数で、幅広い領域の膨大な情報を集めるのは厳しいからです。一方で広告代理店では、各領域の専門部署に担当者が数十名いる場合もあり、新たにリリースされた情報などを早めに確認することができます。媒体社と定期的に会議を行っている広告代理店もあり、最新の情報が入ってきやすい状況になっています。

企業によってはインハウス化した後も、定期的に広告代理店やインハウス支援会社に依頼し、必要に応じて業務のサポートをしてもらったり、セカンドオピニオンを求めたりしているケースもあります。このように、完全にインハウス化した後も、外部の専門業者にチェックしてもらう方法もあります。

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インハウスマーケティングを成功させるポイント

インハウス化できるマーケティング領域や、そのメリット・デメリットを確認してきました。そのうえでマーケティング業務をインハウス化する方針が決定したら、成功させるために何が必要なのでしょうか?ポイントを6つ解説します。

①インハウス化の目的を明確にする

まずはインハウス化の目的を確認しておきます。各企業によって目的は異なると思います。その目的が、インハウスで実施できる領域かどうか、インハウス化によって得られるメリットに沿っているか、デメリットを解消できるかを確認していきます。

②インハウス化する業務/しない業務を切り分ける

すべてのマーケティング業務をいっぺんにインハウス化するのはリスクが高いため、インハウス化する業務とインハウス化しない業務を切り分けます。すぐにインハウス化できる業務もあれば、冒頭で述べたとおりそもそもインハウス化できない領域もあります。また、社内に専門性の高い担当者がいない場合には、採用や育成を視野に入れて、徐々にインハウス化する必要もあります。

③広告代理店や制作会社との関係を再検討

今まで外部の業者にアウトソースしていても、すぐにインハウス化できる業務については、そのままインハウス化を進めます。すぐにはインハウス化できないものの、徐々にインハウス化していきたい領域については、新たに経験者を採用するか、経験はなくてもマーケティングに興味のあるメンバーを担当に就けて育成していくか、どちらかの対応が必要になります。

④担当人材の確保と育成

マーケティング業務の経験者を担当者として確保できた場合には、アウトソースしていた業務と、担当者のスキルセットがどれだけ合致しているかを確認したうえで、徐々にインハウス化を進めます。一口に「マーケティング経験者」といっても、マーケティングの領域は広いため、専門性が合致しているかどうかの確認は重要です。

マーケティング経験者でも依頼したい業務と専門性が違っていたり、あるいはマーケティング未経験のメンバーを担当に就けたりする場合には、育成が必要になります。育成するためには、インハウス化支援や研修を行っている専門業者に依頼するのがいいでしょう。

⑤インハウス化を進める

社内の担当者で対応できる業務から、徐々にインハウス化を進めていきます。育成が必要な場合には、専門業者の研修を活用しつつ、スキルが身についた業務からインハウス化を進めます。

どのようなスキルを優先的に身につけるべきかについては事前に見極めが必要です。研修でスキルを身につける際にも、優先的に身につけたいスキルに合わせて育成を行ってくれる業者に研修を依頼するのが効率的です。あらかじめ用意されたコンテンツを提供するタイプの研修だと、現場で必要なスキルを身につけるうえで効率が落ちてしまうため、課題に合わせてカスタマイズした研修を行ってくれるかどうかが選定のポイントです。

こうして、社内メンバーだけでPDCAサイクル1~2周分を自走できることが確認できたら、その業務におけるインハウス化は完了です。

⑥社内で情報・ノウハウ共有の場を設ける

社内の担当者だけでマーケティング業務を行うと、情報やノウハウがどうしても特定の担当者だけに偏り、業務が属人化してしまいます。属人化しても業務がストップしなければ問題にはならないのですが、担当者が突然会社に来られなくなったり、離職したりすると、マーケティング業務が止まってしまうリスクがあります。

そうならないためにも、情報やノウハウは社内のメンバーにできるだけ共有したり、業務を標準化しつつ、誰かが休んだ際には代わりの誰かがいつでも対応できる状態を作ったりしておく必要があります。

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まとめ:安心してインハウスマーケティングを進めるために

マーケティング業務をインハウス化できる領域とできない領域を確認しつつ、インハウス化のメリット・デメリットを解説してきました。これらを確認したうえで、インハウス化していく方針が決まった場合には、担当者を確保して、徐々に内製化を進めていきます。

こうした一連の流れをスムーズに進めるためには、インハウス化支援や研修を行っている専門業者に依頼すると安心です。インハウス化できる業務とインハウス化しない方がいい業務の見極めや、現場担当者がスキルアップするために必要な領域に合わせた研修を行ってくれます。ただし、研修会社には、現場で必要なスキルに合わせてカスタマイズしてくれるタイプと、あらかじめ用意されたコンテンツを提供するだけのタイプがありますので、見極めが必要です。

株式会社アガルートでは、マーケティングのインハウス化支援や、現場で必要な業務に合わせてカスタマイズした研修を提供しています。少しでも気になる方は、お気軽にご相談・お問い合わせください。
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