ファシリテーター研修の目的や身につくスキルとは？役割やオンラインでの研修プログラム例を紹介

「まとめ役がいないため、今日の会議も時間どおりに終わらない」
「議論ばかりで疲弊している会議をまとめる人材を育てたい」

会議や商談に時間をかけても何も決まらないのであれば、中立的な立場でまとめるファシリテーターがいないことも考えられませんか。

会社組織には、客観的な視点で会議や商談をまとめるファシリテーターが必要です。その人材育成として活用できる講座がファシリテーター研修。

今回は、ファシリテーター研修の目的や身につくスキルについて解説します。

ファシリテーターの役割やオンラインでの研修プログラム例なども紹介するので、お役立てください。

ファシリテーターの意味とは？

ファシリテーターは、ファシリテーション（Facilitation）を実行する人のことをあらわします。

ビジネスにおいて、会議や商談などをまとめる技術者です。議論が飛び交う会議をまとめて最善な方向へと収束させる能力のある人。

ファシリテーターは、単なる議事進行役や司会ではありません。組織で行われる会議を円滑に進めるサポーターです。

ファシリテーターの役割とは？

集団活動をまとめるファシリテーターには、3つの役割があります。

• 会議の目的や成果を明確にする
• 会議の時間と情報を管理する
• 会議の環境を整える

会議の目的や成果を明確にする

そもそも目的が明確でなければ、会議や商談は単なる時間と場所の共有だけで終わります。開催するのであれば、目的や成果（ゴール）を明確にしなければなりません。

ファシリテーターは、会議や商談の開催前に、「どのような目的で議論し、どのような成果を得るのか」を具体的にする役割があります。

会議の時間と情報を管理する

会議や商談は、相手がいることで成り立つ話し合いです。相手との話し合いだけに、ルールがなければ本筋から外れてしまうこともあるでしょう。

会議や商談を無駄な話し合いで終わらせないためには、時間と情報の管理が必要です。

ファシリテーターは、会議の参加者や内容などから、時間や情報を管理する役割があります。

• 時間の管理：制限時間内で最大の成果を得られるようにサポートする
• 情報の管理：会議中の発言やアイデアなどを整理して分析する

会議の環境を整える

ファシリテーターは、会議の環境を整える役割があります。

司会進行にも通じますが、客観的な立場として、参加者全員に話しやすい環境を整える存在ともいえるでしょう。

ファシリテーターの役割は、参加者に主導権を渡さない環境づくりも含まれます。

ファシリテーター研修の目的

ファシリテーター研修は、次の目的を達成するための学習機会です。

• 短時間で効率的な会議を実施する
• ビジネスを円滑に進める
• 公平な会議進行で客観的な成果を得る

短時間で効率的な会議を実施する

ファシリテーター研修は、短時間で効率的に進められる会議を実施したいと考えている企業向けの研修です。

参加者が立場上だけで参加する形式だけの会議や、ダラダラと先に進まない会議などを課題とする企業の解決策となるでしょう。

研修により、ファシリテーターの育成や組織としてファシリテーションを身につければ、短時間で効率的な会議が実施できます。

ビジネスを円滑に進める

ファシリテーター研修は、ビジネスを円滑に進めるうえでも必要な学びの場です。

プロジェクトは、それぞれ納期が設定されています。プロジェクトをチームで取り組む場合は、少数であっても会議が必要です。

会議では、プロジェクトの方針や情報などを共有します。プロジェクトを円滑に進めるには、チームメンバーの発言やアイデアなどを取りまとめなければなりません。

ファシリテーターは、会議全体をまとめる役割を持っています。研修によりファシリテーションが身につけば、会議の精度も上がるでしょう。

その結果、ビジネスを円滑に進められます。

公平な会議進行で客観的な成果を得る

ファシリテーター研修の目的は、公平な会議進行で客観的な成果を得ることではないでしょうか。

会議は、中立的な立場の人が取りまとめないと、議論が長引き、中途半端なまま終わることも考えられます。

ファシリテーター研修は、公平な判断をするファシリテーター育成プログラムです。

学ぶことで、客観的な成果を得られる会議実施が期待できます。

ファシリテーター研修で身につくスキルとは？

ファシリテーター研修は、受講することで3つのスキルが身につきます。

• 会議の場をデザインするスキル
• 問題解決および合意形成スキル
• 組織のファシリテーションスキル

会議の場をデザインするスキル

ファシリテーター研修では、会議の場をデザインするスキルが身につきます。

会議の場は、参加者にとって発言しやすい環境でなければなりません。デザインスキルは、資料や発言などを分かりやすく伝える技術です。

とくに、会議で使用する資料の見やすさは、デザインスキルが反映されるでしょう。

また、ファシリテーター研修では参加者の話しやすさや進行の公平性なども会議の場をデザインする取り組みとして学びます。

問題解決および合意形成スキル

ファシリテーターは、決められた時間内で会議の議題にあげた問題解決の答えまで到達しなければなりません。

ファシリテーター研修では、そのスキルとして問題解決能力や合意形成能力などを身につけられます。

組織のファシリテーションスキル

ファシリテーター研修では、組織のファシリテーションスキルを身につけられます。

ファシリテーションスキルを支える能力は、次のとおりです。

• コミュニケーションスキル：情報や思考を共有し意思疎通できる状態をつくる能力
• 議論を先導するスキル：中立的な立場で会議を公平に進める能力
• 相手から意見を引き出すスキル：相手の伝えたいことを具体化するサポート能力

これらの能力の向上で、ファシリテーターが手掛ける会議は時間短縮と効率化を期待できるでしょう。

ファシリテーター研修の一般的な内容

ファシリテーター研修では、一般的に次の内容が学べます。

• 会議の問題を具体化する
• ファシリテーターに必要なスキルを学ぶ
• ファシリテーターが担う3つの役割を知る
• 実際の会議を想定してシミュレーションする
• ファシリテーションを活用したグループ演習

会議の問題を具体化する

ファシリテーター研修では、「自社で行われている会議の問題点がどこにあるか」を明確にします。

悪い会議の例と効果的な会議の例から、ファシリテーションの必要性を学びます。

会議で発生するよくある問題点などを知る機会となるでしょう。

ファシリテーターに必要なスキルを学ぶ

ファシリテーターは、複数のスキルが必要です。

ファシリテーター研修では、必要なスキルが学べます。前項で紹介したスキルを身につけられるでしょう。

• 会場の場をデザインするスキル
• 問題解決および合意形成スキル
• コミュニケーションスキル
• 議論を先導するスキル
• 相手から意見を引き出すスキル

これらのスキルを身につけることで、円滑な会議進行を実現できます。

ファシリテーターが担う3つの役割を知る

ファシリテーター研修は、ファシリテーターに求められる3つの役割を知る機会となるでしょう。

ファシリテーターには、次の3つを担うことが求められます。

• 会議の目的となる課題の確立
• 会議進行のプロセス設計
• 課題と設計プロセスを実際のビジネス現場で試走

会議で取り決める課題は、十分に定義する必要があるでしょう。事前に会議進行のプロセス設計も大切です。ファシリテーター研修では、課題の確立からプロセス設計、現場での試走までを体系的に学べます。

実際の会議を想定してシミュレーションする

会議進行のコツを知っただけでは、実際の会議で使えるかは判断できません。

ファシリテーター研修の内容には、実際の会議を想定したシミュレーションが含まれています。

あらゆる立場の参加者を想定した会議の疑似体験で学べるでしょう。

ファシリテーションを活用したグループ演習

ファシリテーター研修では、実際の会議で起きる問題に慣れるための演習が用意されています。

場慣れするための疑似会議がグループ演習により体験できるでしょう。

参加者全員がファシリテーションの習得度を確かめる機会となります。

ファシリテーター研修はどんな人におすすめ？

ファシリテーター研修は、次の課題を持つ人におすすめです。

• 生産的な会議実施を考えている人
• ファシリテーターの必要性を重視している人
• ファシリテーションを会議以外のビジネススキルとして役立てたい人

生産的な会議実施を考えている人

企業が抱える会議に対しての課題は、成果が得られることです。

ファシリテーター不在の会議では、議論を収拾できず自分勝手な参加者に手を焼く可能性があります。

ファシリテーター研修は、短時間で結論に到達する会議作成スキルの習得が可能です。生産的な会議実施を考えている人におすすめできます。

ファシリテーターの必要性を重視している人

企業では、発言はしなくても、会議に参加しているだけで発言をためらってしまう存在もいるでしょう。

そのような課題を抱えた企業の会議では、ファシリテーターの論理的かつ公平な取りまとめが必要です。

ファシリテーション研修では、ファシリテーター育成に役立つ講座です。ファシリテーターを必要としている企業担当者に最適な社員研修ではないでしょうか。

ファシリテーションを会議以外のビジネススキルとして役立てたい人

ファシリテーションスキルは、会議や商談だけで生かせる限定的な能力ではありません。

研修で身につけられる能力は、会議を設計するデザインスキルやコミュニケーションスキルなど、他の業務でも応用できます。

そのため、ファシリテーションをビジネスで幅広く活用したいと考えている人におすすめできるでしょう。

ファシリテーター研修のオンラインでのプログラム例

ファシリテーター研修は、一般的に次の7項目でプログラムが構成されています。

①現状の会議にある課題点抽出

• 会議の目的によって異なる会議の種類を紹介
• 現在実施している会議の課題点をリストアップ
• 集団思考のデメリットや生産性の低い会議のポイントを指摘

②ファシリテーションの概念

• ファシリテーションの意味と基本的な考え方の理解
• ファシリテーターの役割と企業にとっての必要性
• ファシリテーターがまとめた会議例の紹介

③ファシリテーターに必要なスキル習得

• 会議の事前準備とプロセス設計の学習
• 参加者を先導できるコミュニケーションスキルの学習
• 問題解決や合意形成に役立つテクニックの学習

④ワークショップ形式で実施する会議作成方法

• ワークショップの本質や活用事例の紹介
• ワークショップを含めた場のデザインスキルの習得
• グループワーク体験から会議のメリットを体得

⑤成功している会議のポイントを学習

• 成功する会議に必要な心理的安全性を学ぶ
• 合意形成にも役立つ参加者が納得する結論とは
• 事前共有と会議冒頭での結論に役立つヒント

⑥議論をまとめるスキルの習得

• 議論はMECE（漏れなく重複のない状態）で整理する
• 議論をカテゴリで分類する
• フレームワークで構造化してまとめる

⑦ファシリテーターとしての行動を考える

• 意見の出ない会議での対応方法
• 的の外れた意見に対しての対応方法
• ファシリテーションと記録を両立するためのグループ演習

ファシリテーター研修まとめ

ファシリテーター研修では、コミュニケーションスキルや会議プロセスの設計など、複数の能力を身につけられます。

そのため、会議や商談以外のビジネスシーンでも活用の場が考えられるでしょう。

アガルートで受講できるファシリテーター研修は、オンラインのみで学べる環境を提供しています。オンラインだけで受講できるため、会場準備や移動などが不要です。

また、ファシリテーター研修と他のプログラムも組み合わせたカスタマイズも依頼できます。

まずは、相談も込めて気軽な問い合わせから始めてみてはいかがでしょうか。