社労士との独占業務とは?1号業務・2号業務・3号業務をやさしく解説
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社労士を目指そうと思うけど、そのためには社労士の業務がどのようなものか知る必要がありますよね。
社労士には大きく分けて「1号業務」「2号業務」「3号業務」の3つの仕事があり、独占業務とそうでない業務が存在します。
しかし社労士を目指す段階ではいまいち理解しにくい部分があり、具体的なイメージがわきづらいのではないでしょうか?
そこでこのコラムでは社労士の独占業務と、業務内容である1号~3号をそれぞれ初心者の方にもわかりやすいよう心掛けて解説いたします。
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社労士の独占業務とは?
社労士の業務は「1号業務」「2号業務」「3号業務」がありますが、その中で社労士の独占業務とされているのは1号業務と2号業務です。
なぜ「〇号業務」と呼ばれるかというと、業務内容を定める社労士法2条の条文の番号(法律の小見出し)が由来になっています。
社労士法2条は上記業務を内容で分けつつ、1号から3号で分類しているため、それがそのまま業務の呼び名になったのです。
ではなぜ1号業務と2号業務は社労士の独占業務とされ、3号業務は違うのでしょうか。
簡単にまとめると、1号業務と2号業務は社労士の高い専門知識が必要とされますが、3号業務は一定の正しい知識さえ持っていれば業務を行うことができるからです。
それでは各業務の内容を具体例を踏まえつつ詳しく見ていきましょう。
社労士の独占業務 1号業務・2号業務とは
社労士としても高い専門知識が必要とされる1号業務と2号業務。
大まかに業務内容を説明すると、1号業務は手続きの代行業務、2号業務は帳簿の作成となります。
以下でやさしく解説していきましょう。
社労士の1号業務の内容
1号業務は、行政機関に提出する労働社会保険諸法令に基づく申請書、届出書、報告書などを作成することや代行すること、及び労使間の紛争の代理人や行政機関に対する主張の代理人になることです。
わかりやすくいうと、行政機関に提出する書類の作成や当事者の代理人を業務としています。
例えば株式会社が労働者を雇った際、企業は雇用保険の適用を届け出なければなりません。
この届出がなされていない場合、労働者が失業した場合に本来支給されるはずの給付が行われず、労働者に不利益をもたらしてしまう恐れがあります。
そのため、保険の書類を作成する必要がありますが、行政機関に提出する書類は多く、しかも法改正も頻繁に行われます。
通常このような書類の作成は総務課で行うことが多いのですが、他の仕事をしつつ書類を作成することは大変なことです。
ミスがあればやり直しが発生し、労力も人件費もかかってしまいます。
年度更新や算定基礎業務などにおいては、場合によっては追徴金等が発生する可能性もあるでしょう。
手続をおこなわないと従業員が適正な給付を受けられなくなり、企業の社会的な責任が問われかねない事態になります。
そこで、社労士が専門的な知識を生かして書類を作成することにより、企業は業務の効率化を図ることができます。
また、企業と労働者との間で賃金や労働環境をめぐって意見が対立することがあった場合も、労働に関する法律の専門知識がなければ代理人となっても役に立たず、依頼者の利益を守ることができません。
労働の専門家である社労士が当事者の代理人になることで、専門的な知識を活かし解決へ導くことができます。
社労士の2号業務の内容
2号業務は、労働社会保険関係法令に基づく帳簿書類を作成することです。
わかりやすく言うと、企業で持っておくべき書類を作成することです。
企業は、法律に基づいて就業規則、労働者名簿、賃金台帳という3つの帳簿(法定三帳簿と呼ばれています)を作成しなければいけません。
労働者を雇用している企業は例外なく必ず作成し、保管しなければならないものです。
この帳簿の作成には専門的な知識や経験が必要で、誰でも作成することはできません。
また、常に10人以上の従業員を雇用し、労働させる場合は就業規則の作成が義務付けられていますが、就業規則の作成代行業務も社労士の独占業務となります。
就業規則は企業で働いている人にとって大きな関心があるもの。
正しい書式や言葉が使われなければ、企業に所属する労働者は保護されませんし、安心して働けません。
社労士の専門的な知識により精度の高い帳簿が作成されてこそ、保護を図ることができると言えるでしょう。
社労士の独占業務でない3号業務とは
専門知識がそこまで必要ないとされる3号業務の内容は、大まかに説明すると労働関係の相談や指導などのいわゆるコンサルタント業務となっています。
中小企業診断士など他の資格を持っている者もこの業務を行っています。
以下で詳しい業務内容をやさしく解説していきましょう。
社労士の3号業務の内容
3号業務は、労務管理や社会保険に関する相談に応じ、又は指導をすることです。
わかりやすくいえば、労働関係のアドバイザーです。
独占業務の1号・2号は書類の作成が多いですが、こちらはコンサルティングとなっています。
例えば、企業から支給されるアルバイトの給与が最低賃金を下回っている場合、賃金の引上げを行うように指導します。
新興企業などでは労務管理や人事評価のノウハウが乏しいこともあり、社労士が手助けすることも多いです。
一見すると3号業務も専門知識が必要そうに感じるかもしれません。
例えば最低賃金を例に出すと、毎年のようにテレビや新聞などで最低賃金は公表されているため、労働者自身で企業側に賃金上昇を要求することも可能です。
また、労務管理なども他の企業を参考にすることや、社労士ほどの知識を持たなくとも、一定の知識を持つ者に相談すれば解決を図ることもできるでしょう。
ただ社労士は数多くの法律を知り、企業の相談をする中でノウハウを得ていきます。
必要な労務管理や人事評価の導入を的確に把握し企業の発展をさせていきたい企業は、3号業務も社労士に任せている場合も少なくありません。
※関連コラム:社労士とは?仕事内容・年収・試験内容を解説!将来性や需要はある?
特定社会保険労務士の業務内容とは
先述した1号業務と2号業務に加えて、特定社会保険労務士になるとADR(裁判外紛争解決手続)の代理業務を行うことが可能になります。
具体的には以下の通りです。
- 都道府県労働局及び都道府県労働委員会における個別労働関係紛争のあっせん手続等の代理
- 都道府県労働局における障害者雇用促進法、労働施策総合推進法、男女雇用機会均等法、労働者派遣法、育児・介護休業法及びパートタイム・有期雇用労働法の調停の手続等の代理
- 個別労働関係紛争について厚生労働大臣が指定する団体が行う裁判外紛争解決手続における当事者の代理(単独で代理することができる紛争目的価額の上限は120万円)
※代理業務には、依頼者の紛争の相手方との和解のための交渉及び和解契約の締結の代理を含む
特定社会保険労務士になるためには、毎年行われてる特別講習を修了し、試験に合格する必要があります。
社労士として独占業務を増やし、レベルアップしたい人は特定社会保険労務士に挑戦するのがおすすめです。
※関連コラム:特定社会保険労務士とは?社労士とは何が違う?紛争解決手続代理業務って何?
まとめ
社労士との独占業務と、1号業務・2号業務・3号業務について解説してきました。
まとめると以下の通りになります。
- 社労士は独占業務を持つ資格であり、1号・2号業務が独占業務
- 1号業務は行政機関への書類の作成・代行や代理人となること
- 2号業務は帳簿の作成
- 3号業務は労働に関するアドバイスを行うことで、独占業務ではない
- 特定社会保険労務士になるとADR代理業務が独占業務として追加される
1号業務、2号業務は労働者が変更すると発生することが多いので、継続して仕事が入ってくる仕事です。
そのため、社労士として働くにはこれらの業務をなるべく多く取り込みたいですね。
社労士は社会に大きく貢献できる仕事なので、是非目指してみてはいかがでしょうか。
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広告代理店で、自らデザインやコピーも考えるマルチな営業を経験後、大手人材紹介会社で長年キャリアアドバイザーを経験、転職サポートを行う。
面接対策のノウハウや数々の自作資料は現在でも使用されている。
その後、研修講師や社外セミナーの講師などを数多く経験。
相手が何に困って何を聞きたがっているのかをすばやく察知し、ユニークに分かりやすく講義をすることが得意。
社会保険労務士試験は、ほぼ独学で就業しながらも毎日コツコツと勉強し、三度目の挑戦で合格した苦労談も面白く、また、三度やったからこそ教えられる「やっていいことと駄目なこと」も熟知している。
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