マンション管理士試験では、簿記の知識が必要なのでしょうか?

マンションの管理士試験には会計の知識が必要だといわれますが、試験への出題はあるのでしょうか。

このコラムでは、試験に簿記の知識は必要なのか、簿記の知識の内容、必要な簿記検定のレベルといった点について解説します!


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マンション管理士試験に簿記の知識は必要なのか

結論から申し上げますと、マンション管理士試験を受けるにあたり、簿記の知識が必要になります。

マンションの管理において、どの位の収入があったかなどを記録する収支報告書の作成は不可欠です。

そして、マンションにおける収支報告書には管理費の収入が記入されますが、会計年度末に滞納や前払いが生じることがあります。

例えば、滞納の場合は「未収金」、前払いがあった場合には「前受金」といった勘定項目で貸借対照表に計上しなければなりません。

このように勘定科目の仕訳をはじめとする簿記の知識は、マンション管理実務において必要不可欠となっています。

マンション管理士試験でもこのような実務に対応するため、毎年のように簿記に関する知識が出題されます。

マンション管理士試験の試験内容

もっとも、簿記の知識について問われる問題は多くありません。

日商簿記検定のように、簿記の知識が全面的に問われる試験と違い、マンション管理士試験で簿記の知識が必要な科目は、あくまで試験の一部です。


マンション管理センター『令和2年度受験案内』によると、マンション管理士試験の試験科目は以下のようになっています。

科目 内容
①マンションの管理に関する法令及び実務 区分所有法、マンションの建替え等の円滑化に関する法律、民法、マンション標準管理規約 等
②管理組合の運営の円滑化 集会の運営、役員・理事会の役割、管理組合の苦情対応と対策、管理組合の会計 等
③マンションの建物及び附属施設の構造及び設備 マンションの構造・設備、長期修繕計画、建物・設備の診断、大規模修繕 等
④マンションの管理の適正化の推進に関する法律 マンションの管理の適正化の推進に関する法律、マンションの管理の適正化に関する指針 等


このうち、簿記の知識が問われる範囲は「②管理組合の運営の円滑化」科目の中の一部である「管理組合の会計」です。

管理組合の運営の円滑化科目は例年4科目出題され、このうち管理組合の会計科目は1~2問出題されます。すなわち、簿記の知識が必要な分野はマンション管理士試験全50問中1~2問にとどまります。


他の試験科目でいえば、「①マンションの管理に関する法令及び実務」の中にある「区分所有法」から12問、「③マンションの建物及び附属施設の構造及び設備」から15問が例年出題されている事と比較すると、簿記の知識が必要な割合はそこまで大きくないといえるでしょう。


ただし、マンション管理士試験は1点を争う試験となっているので、簿記が苦手だからといって「管理組合の会計」科目を捨てるのは得策ではありません。苦手を克服して挑みましょう。

※関連コラム「マンション管理士試験・管理業務主任者試験の概要【最新版】

マンション管理士試験に必要な簿記のレベル

実際にマンション管理士試験に突破するために必要な簿記のレベルは、日商簿記3級です。

日商簿記3級といえば、社会において会計の入門と位置付けられています。

そのため、簿記の知識が必要といっても、ごく基本的な会計知識を備えておけば対応できるということが分かります。

具体的な問題としては、「修繕費」や「前受金」などといった勘定科目について正しい仕訳を選択肢から解答する問題や、貸借対照表をみて正しい説明がされている選択肢を選ぶといったものがあります。

「修繕費」や「前受金」といった勘定科目は簿記3級で出題される範囲であり、マンション管理士試験では会計の基礎を理解しているかが問われていることが分かります。

そのため、簿記3級の知識があれば難なく正解にたどりつけるでしょう。

※関連コラム「マンション管理士試験・管理業務主任者試験の勉強方法~傾向と対策~

まとめ

以上、マンション管理士試験で簿記の知識が必要かということについての解説でした。

このコラムをまとめると、以下の点が重要です。

・マンション管理士試験には、正しい仕訳を選ぶ問題などがあるため簿記の知識が必要

・マンション管理士試験では、毎年1~2問「管理組合の会計」という簿記の知識が必要な科目が出題される。割合はそれほど大きくないものの、勉強が必要

・マンション管理士試験で問われる簿記の知識は日商簿記3級レベルであり、会計知識の基本的なことが問われている

簿記が苦手という方も、3級レベルであれば対応できると思います。是非マンション管理士を目指してはどうでしょうか?

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