ファイナンシャルプランナーは、お金に関する幅広い知識が得られる国家資格。
ビジネスパーソンに限らず学生や主婦にも人気があり、毎回多くの人が受検しています。

しかしその一方で、ファインナンシャルプランナー資格は取得しても「仕事がない」「役に立たない」という声も耳にします。

どうしてこのようなことが言われているのでしょうか。

今回はファイナンシャルプランナーが「取得しても意味ない」と言われてしまう理由や、ファイナンシャルプランナー資格を活かせる仕事、役立つ場面についてお話してきます。

ファイナンシャルプランナー資格の取得を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。

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FPが仕事がない・意味ない・役に立たないと言われる3つの理由

FPが仕事がない、意味がないなどと言われてしまうのには、いくつかの理由があると考えられます。

代表的な3つの理由をみていきましょう。

独占業務がない

「FPを取得しても意味がない」と言われてしまう理由の一つに、独占業務がないことが挙げられます。

独占業務とは、該当する資格を持っている人のみが従事可能な業務のこと。

例えば、医師や弁護士、税理士、電気工事士、美容師などは、それぞれ独占業務を持つ「業務独占資格」です。

業務独占資格は、法律によって仕事の内容が保証され、参入障壁にもなるために、持っているだけで価値のある資格とされることが多くあります。

一方、ファイナンシャルプランナーには独占業務はありません。

ライフプランの設計や実行、見直しのためのアドバイス等のFP業務は、無資格でも行うことが可能です。

また、国家資格「〇級ファイナンシャルプランニング技能士」という名称は、資格保有者しか名乗ることのできない「名称独占資格」ですが、「FP」または「ファイナンシャルプランナー」という名称は、誰でも名乗ることができます。

以上のことから、ファイナンシャルプランナー資格は、取得することによって得られる社会的な地位、信頼性が少ないとされ、「取っても意味がない」「役に立たない」と言われてしまうことがあります。

※参考:業務独占資格・必置資格・名称独占資格・技能検定の違いとは?

ファイナンシャルプランナーの仕事内容への認知度が低い

ファイナンシャルプランナーの名前自体は知名度がありますが、どのような場所で、どのような内容の仕事を行っているのかということは、一般的にはあまり知られていません。

FPはお金に関する専門家で、顧客のライフプランの設計や見直しの相談に乗ることなどが主な業務です。

しかし、日本には相談にお金を払う文化が根付いていません。
そのため、日常のどのようなシーンでファイナンシャルプランナーに仕事を依頼するのか、ピンと来ない方も多いでしょう。

相談業務をメインにしているFPの方もたくさんいらっしゃる気がします。

FPの有用性や存在価値が一般に知られていないことも、取得のメリットが見えてこない要因の一つとなっています。

専門性が低い

ファイナンシャルプランナーは、資産設計の提案をするためにお金について幅広い知識を必要とします。
学習範囲は、社会保険、民間保険、金融商品、不動産、税、相続と広く、汎用性の高い資格だと言えるでしょう。

しかしその反面、何を専門とするのかが見えにくいという弱点もあります。

それぞれの分野には、社労士、税理士、証券アナリストなどの専門家がいるために、相対的にファイナンシャルプランナーの知識量は低いとみなされ、業務では使えないといったイメージも持たれています。

実際には、FP1級やCFPなどは難易度が高く、金融に関わる専門性も高いものです。

しかし、人気のあるFP3級、業種によってはFP2級までの内容は、確かに一般的に取得しておきたい知識に留まる部分もあります。

資格保有者が多く、希少性の低いことも相まって、専門性が低いために「誰でも取れる資格」「取っても意味ない資格」と言われてしまうのです。

ファイナンシャルプランナーの資格を活かせる仕事とは?

ファイナンシャルプランナーの資格は、FP事務所でFPとして勤務、または独立開業する道だけではありません
銀行、証券会社、保険会社などの金融・保険業界、不動産業界、士業、副業等で活かすことができます。

銀行では来店者に資産運用のアドバイスや、金融商品の紹介等の業務をする際にFP資格が役立ちます。

証券会社、保険会社では、担当者の信頼度が重要なため、ファイナンシャルプランナーの肩書を取得し名刺などに記載すれば、顧客に好印象を与え、売り上げの増加も期待できるでしょう。
実際に多くの金融機関等では、FP資格の取得が奨励され、持っていることが評価に繋がっています。

不動産関係では、不動産売買にかかる税金や取引に関するルール、贈与・相続に関する知識を現場に活かすことができます。
業界への就職・転職を目指すのであれば、宅建士と併せることで差別化ができ、高評価を受けやすくなるためおすすめです。

お金の話はさまざまな業界と結びつきが強いため、他の資格と併用することで業務の幅を広げることが可能です。
特に、中小企業診断士や宅建士、税理士等の士業との相性が良く、ダブルライセンスとして取得を目指す人も多くいます。

一般企業の人事労務部門でも、給与計算、保険等の手続きをする際にFP資格を役立てることができるでしょう。

FP2級からはある程度難易度の高い資格であるため、他業種でも就職や転職の際の学力や意欲のアピール材料として有効です。

難易度が易しいとされているFP3級からでも、副業としてブログやSNS、ライター業務などを行っている人もいるなど、さまざまなシーンでの活用が期待できます。

※関連コラム:ファイナンシャルプランナーの資格とは?仕事内容は?FPになるには?

ファイナンシャルプランナーを取得する意義は仕事だけじゃない

ファイナンシャルプランナーは、一般家庭の資金計画ついて、専門家の立場で適切なアドバイスができるようになるための資格です。

家計管理から年金、税などについて幅広く学ぶ必要があります。
そこで得た知識は、仕事だけではなく、自分の生活、今後の人生に大いに役立てることができるでしょう。

例えば、年金制度や保険制度を知ると、家庭にとって本当に必要な貯蓄、保険額等を見直すことができ、余分なお金をかけることがなくなります。

所得税や相続税などの税金対策や、投資などの資産運用もファイナンシャルプランナーの試験を通して学ぶことができるため、資産を守り、増やしていくことも可能です。

積極的な資産運用をしない場合でも、お金に関する知識は重要です。

日本人はもともとお金の正しい使い方を学ぶ機会が少なく、苦手意識がある人も多くいます。
制度を活用することで得られる優遇措置もあるため、苦手意識による知識不足があると、将来的に損をしてしまうことも出てくるかもしれません。

ファイナンシャルプランナーの資格は、難易度が易しいとされる3級からでも、内容の優れた教養資格となっています。

お金について基礎から体系的に学ぶ良い機会となることから、人生のどこかで役立つシーンが必ず出てきます。

ファイナンシャルプランナーの資格を目指して積極的に勉強することで、重要な知識が身に付き、多くのメリットが期待できるでしょう。

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この記事の監修者

相賀 真理子講師

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