造園施工管理はきつい?激務といわれる理由とやりがい・魅力を紹介
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造園施工管理技士は他の施工管理と違い、「生きものを扱う」仕事であるため、専門性が高く将来性もあります。
ただ屋外で、自然と向き合っての仕事であるため、激務と言われることも少なくありません。
この記事では、造園施工管理が「きつい」と言われる理由や、やりがいと魅力について解説します。また将来性についても、説明していますのでぜひ最後まで読んで参考にしてください。
目次
造園施工管理業務の1日のスケジュール
造園施工管理業務の1日のタイムスケジュールについて説明します。日々の業務の主なものとしては、現場管理、書類管理、発注者や協力会社(下請会社)との協議や調整などです。
8:00~ 朝礼
現場に着いたら、自社及び協力会社全体での朝礼を行います。各社の責任者が作業者の人数や1日の施工予定を報告するのが一般的です。
9:00~ 巡回
現場を巡回します。施工要領書や工程表通りに工事が施工されているかを確認しながら、作業者の健康状態や不安全行動の有無をチェックします。
12:00〜13:00は休憩です。
13:00~ 定時打合せ
規模が大きい現場ほど、決まった時間帯に定時打合せを行うことが多いです。各協力会社からの進捗状況の報告を受け、作業間の細部の調整をします。
14:00~ 工事書類の作成
この時間帯からは、現場とすぐに連絡を取れる状態にしながら、工事書類の作成業務を行います。施工に関するCAD製図やデジタル写真、出来形図などについては、日常的に整理しておく必要があります。
17:00~ 帰社・帰宅
現場終業後、現場を一通り巡回し、問題がなければ帰社か帰宅することになります。
造園施工管理がきついと言われる理由
造園施工管理がきついと言われる理由の多くは、自然と向き合って仕事をするという特徴が関係しています。
施工管理には、いろいろな「きつさ」がありますが、ここでは造園施工管理特有のきつい部分にしぼり5つ説明します。
きつい理由1 暑さ寒さ
造園は屋外での仕事になるため、四季の変化を直に肌身で感じます。春や秋は比較的楽ですが、夏や冬、特に真夏・真冬はきついことがあります。
真冬は防寒防風の準備が必須です。炎天下になる真夏は薄着したくなるのですが、肌を露出すると擦り傷や日焼けなどを起こしやすいので注意が必要です。
きつい理由2 虫や花粉はつきもの
屋外で樹木や草花を扱う造園工事では、虫や花粉と向き合うことが多いです。
季節によっては、毎日のように蜂や毛虫に出会いますし、屋外なので花粉の影響も受けやすくなります。防虫スプレーや防護用具(専用ゴーグルや防護服)などの併用で防ぐことができます。
きつい理由3 悪天候のなか作業を進めることも
建設業の労働環境の見直しが注目されている昨今、悪天候で作業をすることはなくなってきています。天気が良い日に、少し残業をして取り戻すという傾向になってきているのが現状です。
しかし悪天候が続き、工期に影響しそうな場面では、多少の悪天候でも工事を行うことがあります。
きつい理由4 施工管理でも体力が必要
施工管理は、現場事務所内での仕事ばかりというわけにはいきません。施工状況の写真を撮ったり、実際の作業中に技術的な指導をしたりすることは多々あります。
重労働を強いられることはないですが、1日中屋外にいることもあるため、それなりの体力は必要だと考えるべきでしょう。
きつい理由5 生きものを扱う難しさ
造園施工管理の「生きものを扱う難しさ」は、他の施工管理にはないものです。現場では、知識だけでは推し量れない、さまざまな難しさも発生します。
たとえば植物の根が、この現場の土壌をどのように改良すれば活着するかを考えるときなどです。この判断には実務経験が大きく役立ちます。
生きものを扱う難しさは、自分が植えた植物が繁茂したときの達成感にもつながるものです。
造園施工管理のやりがい・魅力
造園施工管理のやりがい・魅力について、5つの例を挙げて説明します。
やりがい・魅力1 実力次第で年収アップ
建設業業界では人不足や高齢化などが常態化していて、施工管理は引く手あまたですが、特に造園施工管理は専門性が高いため完全な売り手市場となっています。
資格を取得し、実務経験を積めば、実力次第で確実に年収アップを狙っていけます。
やりがい・魅力2 転職・就職に有利に働く
資格取得後、一定期間業界で実務経験を積むことができたら、より一層の年収とスキルアップのために新たな分野への転職・就職を目指すことも可能です。
各種施設の緑地管理の責任者や自治体の専門職、全国規模の造園会社などへの転職・就職も検討できるようになるでしょう。
やりがい・魅力3 現場を完成させた達成感
造園施工管理に限りませんが、施工管理として現場の中心となって働いた工事が完成したときの達成感は格別なものがあります。苦労が多かった現場ほど、達成感は大きくなります。
造園施工管理になりたての頃は失敗も多いはずです。しかし失敗を乗り越えることが、スキルアップに大きく役立つことを忘れないでください。
やりがい・魅力4 実績を積めば独立も可能
造園施工管理として実績を積めば独立も夢ではありません。できる限り多くの顧客と信頼関係を築き、資材の購入ルートや建設機械のレンタル先などもつかんでおきましょう。
また施工管理だけでなく、一定の技能も身に着けることができれば、一人親方でも会社設立に有利になります。
やりがい・魅力5 仕事を通じて社会に貢献
造園施工管理も他の建設業の施工管理同様、仕事を通じて社会に貢献できるというやりがい・魅力があります。
造園施工管理として完成させた庭園や公園、緑地などは、完成後、長期に渡って多くの人たちが訪れ憩いの場となるものです。
都市部の屋上緑化や壁面緑化は、ヒートアイランドを緩和し市民の目を喜ばせます。
また造成地の土留めのための植生や、緑化のための土壌改良は災害防止の要となります。
造園工事はインフラ整備のように生活に直接影響を与える業種ではないですが、生活環境を整え、市民に憩いを与える重要な仕事です。
造園施工管理技士の将来性
造園工事業は、非常に将来性のある業種です。都市や住宅などの生活環境の向上に欠かせませんし、自然との共生による人に優しい空間づくりにおいても中心的な存在となります。
特に屋上緑化や壁面緑化は新しい緑地のスタイルとして定着しつつあります。
また造園工事業の将来性を高いものにしているのが、公園や緑地は無くならないということです。公園や緑地が存在する限り、必ず植物の育成管理が必要になります。
山間や山林地の自然状態の樹木や草花と違い、街中の庭木や花壇の花苗は、人の手をかけなければすぐに見苦しい状態になってしまうからです。
あまり知られていませんが、都市部において一定の面積には必ず各種の公園を設置することが義務付けられていますし、工場立地法でも敷地面積により一定の緑地を設けることが定められています。
新規の公園工事が減少傾向になっても、既存の公園の整備や管理は無くなることがないというのは、造園に携わる者にとって大きなメリットであり、将来性は安定しています。