税理士は税務申告や税務相談、会計業務などを担う税務の専門家です。

人気国家資格の税理士資格ですが、近年では「資格取得に意味がない」「税理士資格があっても役に立たない」といった声も聞かれるようになりました。

これから税理士資格を取得しようと考える方の中には、税理士資格の価値に不安や疑問を抱く方も多いのではないでしょうか。

このコラムでは、税理士資格が役に立たないと言われる理由について解説し、税理士資格の持つ真の価値や、その取得によって得られる様々なメリットについて詳しく見ていきます。

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税理士は意味ない資格?

結論から言えば、税理士は非常に意味のある資格です。税理士の仕事には多くのやりがいや意義があるからです。

税理士は申告納税制度を通じて、国の財政を支える重要な役割を担っています。適切な税務申告を推進することで社会全体の発展に寄与しています。

また、無料税務相談や租税教育を担うことで、地域社会や広く一般の人々に対して貢献することもできる職業です。

税理士は、税務の専門家として社会の発展に大いに貢献できる存在なのです。

国家資格の中でも難易度の高い税理士資格を取得することで、就職・転職市場での市場価値が上がるため、スキル・収入アップが目指しやすいでしょう。

さらに税理士資格は生涯有効ですので、年齢に関係なく活躍することが可能です。実務経験を重ねることで専門知識・スキルが向上し、顧客からの信頼を得ることができます。

定年を気にすることなく働き続けることができるため、長期的なキャリア形成においても大変有利でしょう。

ではなぜ「税理士資格は意味がない」「税理士資格は役に立たない」という声が聞かれるのでしょうか?

ここからは、ネガティブな意見の理由を解説していきます。

税理士資格は役に立たないといわれる理由

税理士資格は役に立たないといわれる理由として、以下の3つが挙げられます。

  • 仕事がなくなる
  • 稼げない
  • 将来性がない

それぞれ詳しく解説していきます。

仕事がなくなる

会計ソフト、AI、クラウドサービスの普及と機能向上により、税理士の仕事がなくなるという声が挙がっています。

税理士法人や会計事務所は、記帳代行や税務申告などが主な業務ですが、会計ソフト、AI、クラウドサービスを使って納税者が自ら記帳や申告を行うケースが増えているからです。

また、近年ではインターネットやSNSの普及により、一般の人々も無料で税務や会計の知識を身につけることができるようになったことで、税理士は必要ないと考える人も増えています。

しかし、税制は年々複雑化しており、例えば2020年の基礎控除・給与所得控除改正や2023年のインボイス制度導入により税務処理がますます難しくなっています。

クラウド会計が普及したことによって、一般の人でも記帳が可能になったものの、正確な記帳には依然として、税務・会計の専門知識が必要です。

したがって、税理士の需要は今後も続いていくといえるでしょう。

稼げない

「税理士が稼げない」という言葉の背景には、ベテラン税理士の方が若手税理士よりも顧客の信頼を得やすく、稼ぎやすい税理士業界の風土があります。

独立開業をして間もない税理士の中には、顧問契約の獲得や新規顧客の確保に頭を悩ませる方も多いようです。

税理士には、税務代理や税務書類の作成といった独占業務がありますが、その一方で業界内の競争は非常に激しくなっています。

他の税理士との差別化を図るには、豊富な実務経験、顧客との信頼関係、高いマーケティング能力、コミュニケーション能力が必要になります。

つまりスキル次第で、経験が浅くとも稼ぐことは可能ということです。

厚生労働省の職業情報提供サイト「jobtag」が公開している税理士の平均年収は746.6万円(令和4年賃金構造基本統計調査の結果より)です。

令和4年度民間給与実態統計調査によると、給与取得者の平均年収は458万円ですので、税理士の収入は決して低くないといえるでしょう。

税理士の年収はスキルや勤務地域、所属する企業や事務所の規模によって異なります。特に大手企業や有名な会計事務所に勤務すれば高い収入を得やすいです。

税理士として独立開業した場合も、キャリアによっては1000万円を超える年収を得ることも可能です。

将来性がない

税理士に将来性がないと言われる理由のひとつに、年々増加する税理士に対して、中小企業の減少が進んでいることが挙げられます。

特に個人で開業している税理士の場合、仕事の多くが中小企業からの依頼で成り立っています。そのため、中小企業の減少は仕事の減少に直結します。

また、大企業は顧問弁護士を抱えていたり、自社で税務部署を持っていたりすることが多く、外部の税理士の需要はそれほど高くありません。

また、先にも述べたような会計ソフト、AI、クラウドサービスなどのIT技術の進展も、将来性がないと言われる要因です。

入力や仕分けなどの自動化できる業務の依頼件数は減少傾向にあります。

さらにインターネット、SNSによって、一般の人々が税務や会計の知識を簡単に得られるようになったことで、税務申告書の作成を自分で行う人も増えています。

しかし、税制は頻繁に改正があり複雑なため、IT技術やインターネットの情報だけでは、正確な記帳や申告が難しいです。

今後も税務の専門知識を持つ税理士の需要はなくなることはないため、税理士の将来性に希望はあるといえるでしょう。

税理士資格の価値やメリットとは

税理士資格の価値やメリットとして、たとえば以下のようなことが挙げられます。

  • 勤務地を選ばない
  • 年収が高め
  • 定年がない
  • 就職・転職に有利
  • 専門知識を活かしたキャリアアップが図れる

それぞれ解説していきます。

勤務地を選ばない

税理士の仕事は全国どこでも必要とされるため、都市部だけではなく地方でも仕事があります。

これにより、ライフスタイルや家庭の事情に合わせて勤務地を選ぶことができます。

年収が高め

税理が専門性の高い職種であり、日本の平均年収よりも高い傾向があります。

さらに実務経験や実績を積むことで、年収アップが期待できます。

定年がない

税理士資格は生涯有効です。

独立開業することも可能なため、定年がなく、健康である限り長く働き続けることが可能です。

就職・転職に有利

税理士資格はその専門性と難易度の高さから、就職や転職に有利に働きます。

また、科目合格の段階でも就職や転職に役立つことがあります。

税理士試験は科目合格制なので、働きながらの資格取得を目指す方も多いです。

専門知識を活かしたキャリアアップが図れる

税理士資格を取得することで、様々な業種へ対応できる税務や会計の専門知識を習得できます。

納税申告書の作成や税務相談は、業種を問わず需要のある業務です。

これにより、キャリアアップや職業の選択肢が広がります。

税理士は意味ない資格?まとめ

税理士資格は市場価値が高く、全国どこでも就業可能なため、取得する価値のある国家資格です。

近年、会計ソフトやAI、クラウドサービスの普及により、税理士の需要が減少するとの懸念もありますが、難易度と専門性の高い税理士資格は、依然として就職・転職市場において非常に有利な資格です。

税理士資格は年齢に関係なく働ける生涯有効な資格。

実務経験を重ね、顧客との信頼関係を築くことで、自身の市場価値が高まるので、年齢を重ねても安定した収入を得やすいでしょう。

また、税理士資格を取得するメリットとして、勤務地が自由である、高収入が望める、就職・転職に有利、専門知識を活かしてキャリアアップができる、といった点が挙げられます。

これらのメリットを考えると、長期間の勉強と実務経験を経て税理士になることは、将来におけるリターンが大きく、意義ある選択と言えるでしょう。

若手税理士よりもベテラン税理士の方が収入は多い傾向がありますが、それも実務経験を積むことで克服可能です。

税理士資格の取得は、長期的なキャリア形成においても非常に有利といえるでしょう。

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