税理士の平均年収は?現実の給料は低い?女性の年収や初任給についても解説!
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税理士は、3つの独占業務を有する国家資格。転職や就職に役立つほか、独立開業を目指せる資格としても知られています。
税理士を目指している方は、税理士の年収が気になっているのではないでしょうか。
本コラムでは、現実的なデータに基づく税理士の平均年収を紹介します。
年齢別・経験年数別の年収や、税理士の年収が低いという噂の真偽についても触れているため、ぜひ最後までご覧ください。
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目次
税理士の平均年収は?
厚生労働省が発表した「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、税理士の平均年収は7,467,300円とされています。
その内訳は次の通りです。
- きまって支給する現金給与額:506,400円
- 年間賞与 その他特別給与額:1,390,500円
※年収は、「きまって支給する現金給与額」×12+「年間賞与 その他特別給与額」として算出
「令和4年分 民間給与実態統計調査」では一般労働者の平均年収が4,580,000円とされているので、それと比較して高い水準であるといえます。
また賃金構造基本統計調査の対象は、企業に勤務する税理士(いわゆる雇われ税理士)となっています。
開業税理士であれば、さらに高い年収ものぞめるでしょう。
税理士の初任給は?経験年数別の給与一覧
「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、税理士の初任給(ひと月あたりの所定内給与額)の平均は、294,700円とされています。
上記の所定内給与額×12ヶ月分に年間賞与および特別給与額225,800円を加えると、年収換算で3,762,200円となります。
なおここでは、経験年数0年時の月収を初任給と定義しています。
税理士の経験年数別の給与
経験年数別の税理士の給与は、以下の通りです。
経験年数 | 所定内給与額(A) | 年間賞与 その他特別給与額(B) | 年収 (A)×12+(B) |
---|---|---|---|
0年 | 294,700円 | 225,800円 | 3,762,200円 |
1~4年 | 339,700円 | 935,800円 | 5,012,200円 |
5~9年 | 426,100円 | 1,535,300円 | 6,648,500円 |
10~14年 | 589,200円 | 1,189,400円 | 8,259,800円 |
15年以上 | 499,200円 | 2,055,600円 | 8,046,000円 |
同調査によると、税理士の年収は経験年数が増えるにつれて増加する傾向があります。
経験年数1〜4年の平均年収は約500万円・5〜9年では約660万円台です。さらに経験年数10〜14年でピークを迎え、約830万円に達します。
20代税理士の年収は?年齢別の給与一覧
「令和5年賃金構造基本統計調査」のデータによると、20代税理士の平均年収は、20〜24歳で3,707,800円、25〜29歳では5,188,100円です。
20〜24歳の平均月収は275,000円であるのに対し、25〜29歳の平均月収は359,700円。
年間賞与額等も約40万円異なるため、同じ20代でも年収換算で約150万円の差が出ています。
税理士の年齢別の給与
年齢別に見た税理士の平均給与は、以下の通りです。
年齢 | 所定内給与額(A) | 年間賞与 その他特別給与額(B) | 年収 (A)×12+(B) |
---|---|---|---|
20~24歳 | 275,000円 | 407,800円 | 3,707,800円 |
25~29歳 | 359,700円 | 871,700円 | 5,188,100円 |
30~34歳 | 406,400円 | 1,470,000円 | 6,346,800円 |
35~39歳 | 571,300円 | 1,103,300円 | 7,958,900円 |
40~44歳 | 474,600円 | 2,515,100円 | 8,210,300円 |
45~49歳 | 479,900円 | 2,161,200円 | 7,920,000円 |
50~54歳 | 580,300円 | 2,121,000円 | 9,084,600円 |
55~59歳 | 385,100円 | 1,222,500円 | 5,843,700円 |
60~64歳 | 638,400円 | 590,700円 | 8,251,500円 |
65~69歳 | 509,500円 | 1,114,300円 | 7,228,300円 |
70歳~ | 533,700円 | 456,400円 | 6,860,800円 |
税理士の年収は年齢に比例する傾向があり、最も収入が高い年齢は50〜54歳です。
一定の年齢までは、年齢が上がるにつれ、収入も増加すると考えられます。
女性税理士の年収は?男女別の給与一覧
「令和5年賃金構造基本統計調査」のデータによると、女性税理士の平均年収は5,556,000円です。
対して、男性税理士の平均年収は7,382,600円であり、約180万円の差があります。
性別 | 所定内給与額(A) | 年間賞与 その他特別給与額(B) | 年収 (A)×12+(B) |
---|---|---|---|
男性 | 495,400円 | 1,437,800円 | 7,382,600円 |
女性 | 362,400円 | 1,207,200円 | 5,556,000円 |
税理士は、個人の経験や能力が重視される職業であるため、男女の賃金格差が少ないといわれています。
女性税理士の年収が低い理由は、時短勤務で働く方の割合が高いことや、役職の有無であると考えられるでしょう。
経験年数別の年収
経験年数別・男女別の税理士の平均年収は、以下の通りです。
経験年数 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
0年 | 4,025,900円 | 3,267,600円 |
1~4年 | 5,310,700円 | 4,292,300円 |
5~9年 | 6,702,100円 | 6,444,700円 |
10~14年 | 8,441,500円 | 6,579,800円 |
15年以上 | 8,480,500円 | 6,491,100円 |
経験年数ごとの年収を男女別に比較すると、すべての経験年数において、男性税理士が女性税理士を上回っています。
税理士は、経験年数を重ねるごとに年収が増加する傾向があります。
男女の賃金差は経験年数15年以上で最も大きくなり、差額は約200万円にものぼります。
対して、経験年数5~9年は男女の賃金差が最も小さく、その差は約25万円です。
年齢別の年収
年齢別・男女別の税理士の平均年収は、以下の通りです。
年齢 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
20~24歳 | 3,660,400円 | 3,786,300円 |
25~29歳 | 5,578,300円 | 4,145,800円 |
30~34歳 | 6,998,300円 | 4,572,200円 |
35~39歳 | 8,047,100円 | 6,214,300円 |
40~44歳 | 8,400,300円 | 6,473,500円 |
45~49歳 | 8,359,400円 | 6,871,800円 |
50~54歳 | 9,903,300円 | 8,155,600円 |
55~59歳 | 5,917,200円 | 5,700,400円 |
60~64歳 | 10,312,400円 | 6,635,800円 |
65~69歳 | 7,295,900円 | 4,400,000円 |
70歳~ | 6,860,800円 | データなし |
税理士の年収を年齢別・男女別に比較すると、男性税理士は60〜64歳の年収が最も高く、女性税理士は50〜54歳の年収が最も高いことがわかります。
また、20〜24歳を除くすべての年齢において、女性税理士よりも男性税理士の方が年収が高いという結果が出ています。
税理士の年収は低い?低いとされる理由とは
税理士の平均年収は、全国の給与所得者の平均年収よりも高いです。
「令和5年賃金構造基本統計調査」における税理士の平均年収は約750万円であり、「令和4年分 民間給与実態統計調査」で発表された給与所得者の平均年収458万円を大きく上回っています。
一方で、税理士の年収は、勤務する会社の規模や、個人の経験年数などの条件によって異なります。
「令和5年賃金構造基本統計調査」のデータでは、従業員数1,000人以上の企業に勤務する税理士の平均年収は9,222,900円なのに対し、従業員数10~99人の企業の場合は7,063,300円です。
勤務する企業の規模によって、200万円以上年収が変わるという点に注目しましょう。
企業規模別の税理士の平均年収は、以下の通りです。
企業規模 | きまって支給する現金給与額(A) | 年間賞与 その他特別給与額(B) | 年収 (A)×12+(B) |
---|---|---|---|
1,000人以上 | 583,200円 | 2,224,500円 | 9,222,900円 |
100~999人 | 476,800円 | 1,464,600円 | 7,186,200円 |
10~99人 | 496,500円 | 1,105,300円 | 7,063,300円 |
一般的に、税理士として働けば、平均以上の収入が期待できます。
しかし、規模が小さい企業で勤務している場合は、思うような収入を得られないかもしれません。
また、ほかの職業と同様に、年齢が若く経験が浅いうちは、給与水準が低い場合があるでしょう。
税理士の年収が低いとされている理由は、さまざまな条件の違いによるものであると考えられます。
税理士でさらに高収入を目指すには
税理士として高収入を目指すための方法として、以下が挙げられます。
- 条件が良い勤務先を選ぶ
- プラスアルファの知識を身につける
- 独立開業を視野に入れる
それぞれ詳しく解説していきます。
条件が良い勤務先を選ぶ
大企業や、大手の税理士法人へ就職すれば、高収入を得られる可能性が高いです。
企業内税理士になり、役職が付けば、平均以上の収入を得られるでしょう。
また、大手の税理士法人では、さまざまな経験を積むことができます。
年収の高さだけでなく、将来のキャリアに役立つかどうかを考慮したうえで、自分にとって条件が良いと思われる勤務先を選びましょう。
プラスアルファの知識を身につける
専門性が高い知識を身につければ、税理士としての業務の幅が広がり、収入アップが期待できます。
例えば、語学力を高めることで、グローバルな企業との取引が可能になります。
また、ニッチな分野の専門性を高めれば、周囲との差別化を図れるでしょう。
自分の得意分野を活かし、スキルアップを目指しましょう。
独立開業を視野に入れる
税理士として高収入を目指したい方は、独立開業も検討してみましょう。
開業税理士になれば、自分の頑張り次第で収入を増やせます。
また、定年に関係なく働けるため、生涯賃金が増加するでしょう。
ただし、独立開業したからといって、必ず高収入を得られるとは限りません。
高収入を得るための努力や、経営者としてのスキルが求められるという点に注意しましょう。
税理士の年収は?まとめ
本コラムでは、税理士の年収について解説しました。
令和5年における税理士の平均年収は7,467,300円であり、給与所得者の平均である4,580,000円を大きく上回っています。
税理士は、高収入を得られやすい職業であるといえるでしょう。
なお、税理士の年収は、勤務する企業の規模や、経験年数などの影響を受けます。
20〜24歳の税理士の平均年収は約370万円ですが、50~54歳の平均年収は約908万円です。
税理士としての経験を積むことで、収入アップが期待できるでしょう。
税理士としてさらに高収入を目指したい方は、条件が良い勤務先を選び、自分なりの得意分野をつくることがおすすめです。
また、独立開業すれば、さらなる高収入を得られる可能性があります。
資格の取得によって収入を増やしたい方は、税理士を目指してみてはいかがでしょうか。
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