「気象予報士の資格に興味はあるけど、どれくらいの学習時間や期間がかかるか見当がつかない。」という相談はとても多いです。

気象予報士自体は年間の受験者が約1万人前後のまだまだマイナーな資格のため、いざ興味を持っても情報収集がなかなかうまくいきません。

「合格までに必要な学習量や学習時間」の目安がわからないことには、挑戦すべきかや取得を目指せるかの判断もなかなかできませんよね。

本記事では、合格までに必要な学習時間や期間、受験回数などをまとめていきます。

是非ご一読いただき、ご自身の環境や現状から、気象予報士受験にチャレンジできそうかの判断材料にしてみてください。

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気象予報士試験の合格までにかかる勉強時間は800~1500時間

気象予報士試験合格に必要な学習時間の目安は800〜1500時間と言われています。

仮に毎日3時間勉強をしたとしても、約1年はかかる計算です。

そんなにかかるの?と思った 方もいらっしゃるかもしれません。

実は、天気という馴染み深い学習を行うイメージなので誤解されがちですが、気象予報士はれっきとした難関国家資格に分類されます。

気象予報士試験は社会人受験生や主婦受験生も多く、お仕事や育児の合間を縫って学習となると、毎日3時間の確保も難しいかもしれません。

毎日の平均学習時間が2時間だと合格までは約2年です。

どちらにしても、1年単位の中長期の対策が必須となってきます。

更に学習内容に関しても「高校で学ぶような数学・物理・科学などの理数系の学習」や「気象観測や気象予報の根幹となっている技術的分野の学習」、「実際に天気予報をどのように行うかの実践的学習」など試験範囲は多岐に渡ります。

合格に必要な知識量や暗記も多いため、【詰め込み学習】や【過去問の丸暗記】などの力技で突破できる試験ではありません。

「長期的な学習計画」と「コンスタントな学習習慣」、「綿密な受験戦略」が求められる試験です。

気象予報士の合格までに必要な受験回数は?

一般的に気象予報士試験の合格までに、3〜5回の受験を行う受験生が多いです。

できれば一発合格したいと考えたくなるものですが、気象予報士試験においては複数回の受験が当たり前となっています。

それは、受験の仕組みによるものです。

気象予報士試験は合格までに3つの試験を突破しなければいけません。

「一般知識試験(以下、一般と表記)」「専門知識試験(以下、専門と表記)」「実技試験(以下、実技と表記)」の3科目です。このうち、一般と専門はまとめて【学科試験(以下学科と表記)】と称されています。

上記3科目のうち、一般と専門はマークシート方式となっており、この2つの試験をクリアすることで初めて実技が採点対象となります。

そのため、どれだけ実技の出来が良くても、一般と専門が合格基準に達していなければ、実技試験は採点すらしてもらえず自動的に不合格になるのです。

複数回の受験となると「モチベーション維持できるか心配」や「3科目もまとめて1度に対策できるか不安」と思われるかもしれませんが、1度の試験で3科目全てに合格する必要はありません。

なぜなら、学科を合格すると【1年間の受験免除資格】が得られる為です。

一般・専門のそれぞれに免除が設けられています。なので、段階的に3科目をクリアしていくのが王道となっています。

そして、気象予報士試験は毎年1月と8月の受験となっているので

  • 1月に一般に合格。(1度目受験)
  • 半年後の8月に専門に合格。(2度目受験)
  • 更に半年後の1月に実技のみ受験し合格。(3度目受験)

といった3段階のステップで無理なく合格を目指す受験生が多いため、大体3〜5回の受験となってきます。

ただ、上記のプランだと、万一3度目の実技受験でうまくいかなかった場合に初回受験で得た一般の免除が切れてしまい、再度一般も受験し直す必要が出てきます。

そのため、

  • まず、初回受験で学科の二科目に合格。(1度目受験)
  • 半年後の次回受験で実技に挑戦。(2度目受験)
  • 万一、2度目受験がうまくいかなくても、1度目受験から1年以内であれば免除期間が生きているため、再度実技のみ受験

といったプランもあります。

初回受験で学科両科目に合格すれば、2度目受験では実技対策のみに集中できます。

本来は一発ストレート合格が理想かもしれませんが、難関資格といわれる気象予報士試験の合格は簡単ではありません。

なので、まずは一科目の合格を目標に設定し免除制度をうまく活用しながら段階的に合格していくことで、自分の成長や合格に近づいていく実感を味わいながらモチベーションを維持していく方法をお勧めします。

免除制度に関しては下記の記事にまとめているので、詳しく知りたい方はチェックしてみてください。

関連コラム:気象予報士試験に免除制度はある?免除制度の概要と活用方法を解説!

気象予報士試験の勉強はいつから始める?

結論から述べますと、気象予報士試験の勉強は、試験日の2年前から始めるのがおすすめです。

ここでは、勉強期間に応じた学習スケジュール例を紹介します。

勉強は試験日の2年前から始める

上述した通り、合格までに2年かかるといわれているので、完全合格を狙う試験日の2年前から学習をスタートしていくのが理想的です。

まず、試験は毎年1月と8月の最終日曜日の開催が原則となっています。

どの回の試験で完全合格を目指すかを決め、逆算してスタート時期を設定しましょう。

そして、一般・専門・実技のいずれも難易度は高めの試験となっています。

特に実技試験は知識だけではなく、実際に天気図に前線を記入したり台風の予想進路を答えるといった【作図問題】などもあり、総合力や実践力も問われる試験です。

そのため、しっかり対策を行なっていたとしても「狙ったタイミングで狙った科目に必ず合格する」という一筋縄ではいきません。

なので、ゆとりを持って合格を目指すためにも2年前ぐらいから動き出しておき、「早めに合格できればラッキー」といった心持ちで対策を始めることをお勧めします。

ギリギリの動き出しでは、どこかで計画が狂ってしまうと「次の試験で何がなんでも絶対合格しないとまずい」という瀬戸際の状況に陥り、心理的な余裕がなく実力の発揮できない不本意な結果になりかねません。

学習スケジュールの例

次に学習スケジュールの例を紹介します。

【学科試験:一般】

勉強期間学習内容
0ヶ月〜2ヶ月テキスト精読
3ヶ月〜4ヶ月実践問題で対策&暗記内容のインプット
5ヶ月〜6ヶ月繰り返し過去問演習

【学科試験:専門】

勉強期間学習内容
0ヶ月〜2ヶ月テキスト精読
3ヶ月〜4ヶ月実践問題で対策&暗記内容のインプット
5ヶ月〜6ヶ月繰り返し過去問演習

【実技試験】

勉強期間学習内容
0ヶ月〜2ヶ月テキスト学習
3ヶ月〜4ヶ月実践問題で対策&暗記内容のインプット
5ヶ月〜12ヶ月繰り返し過去問演習

学科試験では両科目ともにインプットが中心ではありますが、どれだけテキスト本文を表面的に暗記できても、上述したように「単純な暗記作業」だけでは合格が不安定になってしまいます。

なので、「時間をかけてテキストを一言一句暗記する」よりも、一通り内容を理解し要点の暗記がある程度できてきた段階で、実践問題や過去問演習に移ることをお勧めします。

実際に問題に触れることで「学んだ知識が実際に気象学にどのように使われているか」・「暗記した知識たちの横のつながり」の理解を深めていくことができ自然とインプットもアウトプットも身に付いてくるはずです。

実技試験では、特に過去問演習の量が重要になってきます。

実技は記述問題が配点の大部分を占めており、記述問題でどれだけ点数を稼げるかが鍵です。

記述問題では「気象学特有の言い回し・フレーズ」や「表現のルール」があり、身につけていくためにもたくさんの過去問に触れる必要が出てきます。

合格までに10年分の過去問を2周、3周とこなしている受験生も少なくありません。

なので、完全合格のためにはトータルで2年ぐらいかかると考えた方がいいでしょう。

といっても、各受験生の能力や学習の慣れ、理系分野の素養などで異なるため、あくまで参考程度にされてください。

気象予報士試験の勉強時間を短縮するには?

完全合格を目指すためには2年ほどかかるということはお分かりいただけたかと思いますが、できる限り学習時間や期間を短くしたいというのが本音だと思います。

ここでは、気象予報士試験の勉強時間を短縮するコツを紹介します。

  • テキストをたくさん買わない
  • 過去問だけで対策をしない

コツ1:テキストをたくさん買わない

まずは、テキストを手当たり次第揃えないということです。

資格試験対策のうまくいかない要因の一つとして【参考書マニア】になってしまったというのは、よくある話です。

確かに気象予報士試験の出題範囲はとても広いですが、生半可な知識で合格できる試験ではありません。

1冊目のテキストにじっくり向き合い、しっかり理解・暗記し、十分な過去問演習を行えば問題なく合格できるようになっています。

合格している人の中でも、使用テキストは絞っている人が多いです。学科試験に至っては、一般・専門が1冊にまとめて収録されているものもあるので、1冊で済みます。

手広くやればいいというものではありません。

コツ2:過去問だけで対策をしない

過去問だけこなして対策するのは、おすすめできません。

資格試験によっては、とりあえず過去問を繰り返し演習して覚えていくのが合格の近道というものもありますが、気象予報士試験はそう簡単ではないからです。

過去問の類似問題は確かに出題されますが、毎回一捻り、二捻り加えられていることが多く、テキストにも載っていないような初見の知識が出題されることも少なくありません。

代表的なものとしては、気象庁のHPにしか載っていないようなマニアックな知識が出題されたりします。

なので、無計画に過去問演習をくり返してしまうと、自分の実力を図れる貴重な試金石となる初見の過去問のストックを消費してしまうだけなのです。

過去問演習をしっかり行うことも重要ですが、それだけに囚われ過ぎてしまうと非効率な学習となり合格が遠ざかっていくので気をつけましょう。

まとめ

気象予報士試験に合格するためには、800~1500時間以上の勉強が必要です。

また、免除制度を利用し、複数回の受験で合格になることが一般的です。

試験は毎年1月と8月に実施されるので、いつの試験で合格を目指すのか逆算して学習スケジュールを組みましょう。

なお、試験勉強は、ゆとりを持って試験日の2年前から始めることをおすすめします。

テキストは何冊も買わず1冊のテキストにじっくり取り組み、しっかり理解と暗記をすることや、過去問だけに頼らず気象庁のホームページのチェックなども重要です。

気象予報士試験は難関資格ではありますが、自分の得手不得手を元に、きちんとした受験戦略を立てれば合格は十分目指せる試験です。

自分に合った学習計画を探して、ぜひ気象予報士試験にチャレンジしてみてください。

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この記事の著者 そら坊

・文系出身で0から完全独学で気象予報士試験に合格

・気象予報士以外に宅地建物取引士資格も保有

・独学で気象予報士合格を活かした経験をもとに、受験者をサポートする学習サイト文系フリーターの【気象予報士試験】完全独学合格の勉強方法を運営中

・サイトではオンライン個人指導も行い、気象予報士試験合格者を輩出している