気象予報士試験の実技試験について知っていますか?

気象予報士試験は、学科試験と実技試験の両方に合格する必要があります。

特に難しいと言われている実技試験に不安を感じる人は多いです。

この記事では、気象予報士の実技試験について解説します。

勉強法や4つの対策ポイントも紹介しますので、実技試験についての理解を深め、不安の解消に役立ててください。

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気象予報士の試験の実技とは?

気象予報士試験の実技試験では、実際にデータを読み解き、予報を行います。

合格基準は、70%以上の正答率とされていますが、基準が調整される場合も多いです。

また、学科試験の一部または全ての科目に合格した場合、1年間の免除措置が適応されます。

つまり、学科試験に合格した場合は、その後1年間実技試験のみ受験することが可能です。

実際に、実技試験の合格者には、免除制度を利用している受験者が多いと言われています。

実技試験に落ちてしまった場合も、諦めずに挑戦しましょう。

気象予報士の実技試験の内容は?

実技試験の内容は、データの読み取りと予報です。

問われる科目は、「気象概況及びその変動の把握」「局地的な気象の予報」「台風等緊急時における対応」の3つがあります。

問題は、記述、計算、作図、穴埋めと記号選択の形式で、75分の試験時間では時間が足りないと感じる人が多いです。

実技試験の対策をする際には、時間の配分や自分なりの戦略を立てると良いでしょう。

問題に慣れることで、得点率をあげ、時間を短縮することができます。

実技試験の勉強法は?

実際に実技試験の勉強はどのように行えば良いのでしょうか。ここでは、その一例を紹介します。

  • 気象予報士実技試験の学習内容
  • 実技試験合格までの勉強手順
  • 実技試験合格までにかかった時間
  • 実技試験合格までの勉強スケジュール

気象予報士実技試験の学習内容

実技試験の学習内容は、天気記号や雲形記号などの暗記や、前線解析などの図表の読み取り、そして作図の練習です。

時間がタイトな実技試験では、特に知識問題については即答できるよう、確実に暗記を行いましょう。

一方、図や表の解析など、論述する問題では、求められる解答パターンが決まっていることが多いです。

参考書で解き方を学んだ後は、過去問や類題を徹底的に解き、実技試験そのものに慣れていくと良いでしょう。

我流ではなく、参考書や模範解答のように忠実に解答することで、得点力を上げることができます。

参考書は、実技試験に対応していればどれでも問題ありません。

参考書やテキストについて詳しく知りたい方は【独学向け】気象予報士試験の参考書・テキスト・問題集のおすすめ8選! をご参照ください。

実技試験合格までの勉強手順

実技試験合格までの勉強手順は、まず基礎的な内容を参考書で学び、その後は1つでも多くの類題や過去問を解くことです。

暗記は英単語のように継続的に行いましょう。単語帳を作製すれば、移動などのちょっとした隙間時間でも学習できます。

また、解析については、実際にコンパスや色鉛筆を用いながら作図するなど、自分の手を動かして、参考書を元に方法を学ぶと良いでしょう。

実技試験はとにかく、問題に慣れておく必要があります。

参考書の類題はもちろん、過去問も5年分(20パターン)をそれぞれ2回以上は解きましょう。

模範解答と自分自身の解答が似ているけど少し違うという場合は、次から模範解答と同じ文章が書けるようにしておくことで確実な得点に結びつきます。

また、試験直前は本番と同様に2回分連続で解くことで、集中力を長時間持続させられるようにしましょう。

少しずつ試験本番と似た環境で勉強していくことで、当日も落ち着いて解答することができます。

慣れてきたら、解く時間を本番と同様の75分と決めておくことで、75分がどのくらいなのかを体に覚えさせましょう。

75分でどのくらい解き進めることができるかという、現状の実力を実感しながら勉強することができます。

また、解いている途中に、回答時間に余裕があるのか、急がなければならない状況なのかという感覚を持つことができるため、時間を決めて解くことは重要です。

実技試験合格までにかかった時間

実技試験の合格には、最低でも300時間以上かかるでしょう。

基礎的な学習に加え、過去問を複数年解く必要があるので、半年以上前から対策を進めることをおすすめします。

学科試験の勉強があっての実技なので、基礎的な解析や作図の方法は、参考書を用いて100時間も勉強すれば、おおよその知識は身に着くでしょう。

類題や過去問は答え合わせを含め、一回あたり3時間程度かかりますので、5年分20回を解くには約60時間かかります。

慣れるために何度も解く必要があり、類題や過去問には少なくとも200時間以上はかけましょう。

  • 基礎|約100時間
  • 過去問や類題|約200時間
  • 合計|最低300時間以上

この勉強時間を最低ラインとして、試験本番に間に合うように計画を組むとよいでしょう。 

実技試験合格までの勉強スケジュール

試験本番の半年前には実技試験の勉強を開始し、必要な基本知識や、解法を学ぶとよいでしょう。

継続的に勉強していれば、その1,2か月後には実際に問題を解くための知識がある程度ついているはずです。

遅くとも、試験本番の2か月前には過去問などを解き、実践経験を詰んで得点力を上げていきましょう。

実技試験合格に向けては、なるべく早くから勉強を開始し、実際の問題を解く練習を多く詰む必要があります。

どれだけ勉強しても、過去問で合格点となる7割に届かなければ合格はできません。

問題をたくさん解くことで得点力は上がりますが、どれだけ上がるかは個人差がありますので、早くから勉強を開始し、試験直前までには安定して7割以上をとれるようにしておきましょう。

実技試験の過去問

限られた試験時間で問題を解くには、試験問題に慣れることが重要です。多くの過去問を解き、対策をしましょう。

気象業務支援センターでは、過去の試験問題を見ることができます。

過去問には、解答例もついているので、自分の解答と見比べてみましょう。

過去の問題を見比べると出題傾向や得点の取り方を理解することができます。

是非、活用してみてください。

気象予報士の実技試験の対策4つのポイント

実技試験の対策では、時間配分の計画を立てること、問題に慣れること、問題の配点と問題傾向を理解すること、試験当日のイメージを持つことが大切です。

実技試験では、記述、計算、作図、穴埋めと記号選択の形式で問題が出題され、多くの人が時間が足りないと感じています。

試験で本領発揮できるよう、戦略を立てて対策をましょう。

ここでは、対策の4つのポイントについて詳しく説明します。

①時間配分の計画を立てる

実技試験では、時間が足りないと感じる人が多いです。

過去問を解いて、自分の得意と不得意を知りましょう。自分なりの時間配分を決め、戦略を立てることが重要です。

特に、穴埋めや記号選択の問題には時間をかけずに解けるようにしましょう

対策をすれば得点率を上げると同時に、他の問題に時間を使えるようになります。

②問題に慣れる

たくさん過去問を解き、確実に得点に繋げましょう。

実技試験は記述式で行われる部分もあり、自分が伝えたいことを文章にする力も必要です。

自分なりの得点の取り方を身に着けることで時間短縮になります。

練習の段階で、時間を削ることができそうな問題や慎重に解いた方が良い問題の感覚を身につけましょう。

③問題の配点と問題傾向を理解する

限られた時間の中で合格基準を満たすためには、解いた問題を確実に得点する必要があります。

自分が解いている問題が何点になるのか、どのような問題が出る傾向があるのかを理解するようにしましょう。

また、論述問題では、得点のカギとなる言葉は何かを知りましょう。

模範解答は、得点を満たし、かつ文字制限内にまとまっています。

始めは、模範解答を覚える程度に読み込み、練習でアウトプットすると良いでしょう。

④試験当日のイメージを持つ

当日のスケジュールを意識しながら過去問を解きましょう。

試験本番では、長い間集中力を保ち続けなければ慣れません。

練習でも、本番と同じスケジュールで過去問を解いたり、休憩中はどのように過ごすかなどを決めておくと良いでしょう。

本番で緊張してしまう人も多いですが、この対策で普段通りに解くことができれば実力を発揮できるでしょう。

まとめ

気象予報士試験の実技試験では、データを読み取って、実際に予報を行います。

70%以上の正答率で合格可能です。

試験時間75分で問題を解くために、時間配分の計画を立てる、問題に慣れる、問題の配点と問題傾向を理解する、試験当日のイメージを持つなど、対策のポイントを抑えることが需要です。

入念な準備をして、試験を受けましょう。

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この記事の著者 森本 啓介

高校3年生で気象予報士試験に2回目の受験で合格。

その後、筑波大学へ進学し、学問としての気象を学びながら、朝のニュース番組の天気コーナーのサポートとしても活躍。

TwitterやYouTubeでも気象解説を行っており、フォロワーは1万5000人、登録者は1万人に迫る。

フランクな表現から人気を集め、次世代の気象界を担う若手として期待される。