気象予報士試験の試験科目には、「気象業務法その他の気象業務に関する法規(以下、法規(気象業務法)」がありますが、一体どのような問題が出るのかわからないと不安ですよね。

そもそも気象学の基礎を学べる書籍には、法律のことは書かれていません。

過去問を読んでみても、なじみのない表現が多く、丸暗記することは難しいでしょう。

このコラムでは、法規(気象業務法)という試験科目ではどんな問題が出題されるのか、出題範囲や勉強法もお伝えしています。

頻出問題の内容も詳しく解説しているので、効率的な受験勉強に、ぜひお役立てください。

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気象予報士試験の法規問題(気象業務法)とは?

法規(気象業務法)問題は、気象予報士試験の学科試験・一般知識のなかで、必ず4問出題されます。

学科試験の一般知識の問題は15問あり、必ず問12から問15までが法規(気象業務法)についての問題です。

この4つの問題は、最初から満点を目指すつもりで勉強しましょう。

満点を目指すべき理由は、合格ライン。

一般知識は専門知識と同じく、合格するためには15問中11問以上正解しなければなりません。

もし法規(気象業務法)問題の4問すべてに正解すれば、あと7問正解すれば良いわけです。

一般知識の試験では、大気の構造など答えやすい問題もありますが、中盤では熱力学や力学などの計算問題もあります。

そのほか、すでに気象予報士試験に合格した人や、元々理系の人でも手が止まるような難問や複雑な問題も登場します。

一方、法規(気象業務法)の勉強は暗記が中心。

基本的に覚えていれば解ける問題が多いため、文系理系問わず点を取りやすいといえるでしょう。

逆に法規(気象業務法)以外の問題で全問正解することは難しいため、法規の4問はかなり重要だと考えてください。

気象予報士試験の法規(気象業務法)をわかりやすく覚えるコツは?

ここでは、気象予報士試験の法規(気象業務法)を効率的に勉強するため、わかりやすく覚えるコツを2つ紹介します。

  1. 違いを正確に暗記する。
  2. 期限を覚える。

違いを正確に暗記する

気象業務法の勉強のコツは、言葉の違いを正確に覚えること。

法規(気象業務法)問題の多くは、問題文の正誤を問われます。

例えば、問題文に登場する対象が「国土交通省」と記述されているけど、正しくは「気象庁」という場合があります。

ほかには「報告書を提出しなければならない」はずなのに、「届け出なければならない」と記述されていることもあります。

特に「許可を得なければならない」や、「認可を受けなければならない」などは、あやふやに暗記していると間違えてしまいます。

試験で悔しい思いをしないために、意識して正確に覚えましょう。

期限を覚える

言葉の違いを正確に覚えることと共に、期限もしっかり頭にたたき込みましょう。

問題文に「直ちに」と記述されていても、正解は「遅滞なく」という場合もあるし、「2週間以内に」ではなく「30日以内に」が正しいこともあります。

このように気象業務法には期限が決められている条文がありますが、数は少ないため心配は要りません。

期限も一般常識で考えて妥当な範囲であり、無理なく覚えられるでしょう。

気象予報士試験の法規(気象業務法)の出題範囲と頻出問題まとめ

ここでは、気象予報士試験の法規(気象業務法)の具体的な出題範囲と頻出問題をお伝えします。

出題範囲は「気象業務法」と「気象業務法施行規則」、「災害対策基本法」、「消防法」、「水防法」などです。

気象庁のホームページe-govを利用すれば、すべての条文は閲覧できますが、かなりの文字数です。

法律ならではの言い回しも読みづらく、理解することも一苦労。

ましてや丸ごと暗記するなんて不可能です。

しかし出題される内容にはパターンがあるため、過去に出題された範囲にポイントを絞って勉強すれば、4問すべてに正解する可能性はあります。

次に、問題のテーマを出題頻度が高い順に並べると、おおよそ下記の順になります。

  1. 気象業務の許可
  2. 気象予報士関連
  3. 災害対策基本法、災害対応
  4. 警報及び特別警報
  5. 気象観測・気象測器
  6. 罰則
  7. 気象業務法の目的・用語

では各テーマごとに、具体的な出題内容を解説します。

予報業務の許可

気象予報士試験の法規(気象業務法)問題で最も出題頻度が高いのが、「予報業務の許可」に関する問題です。

基本的に「予報業務を行いたい事業者のためのルール」を理解しているかどうかが重要。

具体的には次のようなことを問われます。

  • どんな業務に対して許可が必要なのか
  • 予報業務の許可を得るための条件
  • 許可を受けた事業者の義務
  • 雇用した気象予報士に対するルール
  • 業務の記録

気象庁長官の「許可が必要な予報」と「許可が不要な予報」に関する問題はかなり出題頻度が高いですが、難しくはありません。

ほとんどの場合、法規(気象業務法)問題4問中1問は「予報業務の許可」に関する問題です。しっかり勉強しておきましょう。

気象予報士関連

法規(気象業務法)問題の中で、「予報業務の許可」の次に出題頻度が高いのが「気象予報士の資格」に関する問題です。

具体的には、次のような内容が出題されます。

  • 気象予報士になるには
  • 気象予報士試験で不正をした場合
  • 気象予報士の登録手続き
  • 登録事項に変更が生じた場合
  • 気象予報士が罰金以上の刑に処せられた場合

「予報業務の許可」と同じように、毎回1問程度の頻度で出題されます。

合格すれば直接自分に関わる内容であり、無理なく覚えられるでしょう。

災害対策基本法、災害対応

「気象予報士関連」に続いて多いのが、「災害対策基本法、災害対応」に関する問題です。

出題頻度は試験2回に1回程度。

具体的には、次のような内容です。

  • 災害対策基本法の基本理念
  • 災害対策本部について
  • 中央防災会議について
  • 防災計画について
  • 災害時の市町村長の責務
  • 災害発見者の通報義務

気象予報士にとって、災害についての知識は必須です。

過去に「水防法」や「消防法」も絡んだ出題もありました。

似たような名称があり、暗記に苦労するかもしれませんが頑張って覚えましょう。

警報及び特別警報

「災害対策基本法、災害対応」と同じくらいの頻度で出題されるのが「警報及び特別警報」についての問題です。

具体的には、次のようなことを問われます。

  • 警報・特別警報等の定義
  • 警報・特別警報等を発表する基準
  • 警報・特別警報等の通知や放送の義務
  • 気象庁が行う警報について
  • 警報事項の通知を受けた機関等の措置

警報や特別警報の重みを考えると、出題頻度が多いかどうかではなく、必須の知識です。

しっかり覚えましょう。

気象観測・気象測器

出題頻度は高くありませんが、気象予報士なら「気象観測」と「気象測器」の知識は必須です。

具体的には、次のようなことを問われます。

  • 気象観測の定義
  • 気象庁以外の者が行う気象観測について
  • 観測施設について
  • 気象測器の検定について

どんな気象現象の予想も、まずは観測から。

その観測も一定のルールを守らないと観測値の質を守れません。

気象予報士にとって欠かせない知識であるため、出題頻度が低くても覚えましょう。

罰則

「罰則」に関する法規(気象業務法)問題は出題頻度は低いです。

しかし気象を予想する側が、何を大切に考えているのかがよくわかります。

問われるのは「罰則が適用される事例について」です。

頻出問題というほどではありませんが、気象予報士が知らないでは済まされません。必ず覚えましょう。

気象業務法の目的・用語

「気象業務法の目的・用語」に関する問題は、出題頻度は低いですが無視はできません。

「気象」、「観測」、または「予報」の定義を問われます。

法律用語ではなく理科の教科書のような内容であり、難しくないですよ。

そもそも「気象」の定義は「気象業務の許可」と同時に学ぶことになるため、無理なく覚えられるでしょう。

気象予報士試験の法規(気象業務法)おすすめ勉強法3選

ここでは気象予報士試験の法規(気象業務法)対策として、おすすめの勉強法を3つ紹介します。

  1. 覚えるポイントを絞る
  2. 過去問を繰り返し解く
  3. 書籍や講座を利用する

覚えるポイントを絞る

覚えるポイントはすべて、過去問に詰まっています。

過去に出題された条文に絞って暗記することも効果的でしょう。

また、出題者が受験生に何を知っていてほしいのか、意識しながら過去問を読むと、自然とポイントが見えてきます。

なぜ「遅滞なく」しなければならないのか、なぜ「届け出」ではなく「認可の申請が必要」なのか、考えながら読んでください。

過去問を繰り返し解く

法規(気象業務法)問題対策としておすすめの勉強法は、過去問を繰り返し解くことです。

条文をすべて覚える必要はありません。

何度も過去問を解き、間違えた箇所を中心に暗記するだけで、法規問題の半分は対策できるでしょう。

また、ひっかけ問題のパターンは「許可」や「認可」などの言葉の違いもあれば、義務なのか努力義務なのかを問われるパターンなどさまざま。

言葉の違いを丸暗記するだけではなく、どんな理由で使われている言葉なのかも考えると、自然と覚えられるはずです。

また、気象庁の「気象等の予報業務許可についてよくお寄せいただくご質問」に、Q&A形式で気象業務許可に関する内容がまとめられています。

法律用語ではなく読みやすくまとめられており、必見です。

勉強を始めたばかりの時期は、言葉の違いがわかりづらくて苦労することもあるかもしれません。

用語の区別が難しいと感じたら、過去に出題された内容をテーマごとにノートにまとめましょう。

書くことで頭が整理されるし、ノートを持ち歩けば隙間時間に繰り返し勉強でき、一石二鳥ですよ。

書籍や講座を利用する

効率的に勉強したいなら、やみくもに過去問を解くより、書籍や講座の利用もおすすめです。

過去問からの勉強では、該当する条文を探すだけでも一苦労。

でも要点がまとめられた講義や教材を使うことで、知りたい条文を探す手間と時間を減らせます。

短期間で合格を目指す場合や、法規問題以外の勉強で時間がない方は、一度検討してみる価値がありますよ。

まとめ

気象予報士試験の法規(気象業務法)問題について、次のことをお伝えしました。

  • 法規(気象業務法)に関する問題は、学科試験の一般知識で必ず4問出題される。
  • 暗記すれば正解しやすいため、満点を目指すべき。
  • 覚えるコツは、「言葉の違い」、「期限」を正確に暗記すること。
  • 出題範囲は気象業務法などの一部。
  • 頻出問題の内容と重要度。
  • おすすめの勉強法は、過去問を中心にポイントを絞ること。
  • 効率的に勉強するなら書籍や講座を利用すると良い。

初めて気象について学ぶ方や過去問を解くだけでは合格しなかった方、理系科目が苦手な方は、講座を利用しても良いでしょう。

中でも、移動による時間ロスのないオンラインスクールがおすすめです。

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この記事の著者 晴野 あさみ

工学部生物工学科卒業。
出産後、かねてより興味のあった気象予報士を目指す。
幼児2人の育児に奮闘しつつ、気象予報士試験に合格。

現在ブログやメディアプラットフォームで気象予報士試験の過去問解説、気象予報士試験用語集、ミニテストも公開中。