これから通関士を目指す方で、「激務ではないか？」、「残業が多いのでは？」と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

このコラムでは、通関士の業務が激務とされる4つの理由や、実際の残業時間について詳しく解説します。

また、通関士に向いている人の3つの特徴についても紹介していますので、ぜひご自身の適性を確認してみてください。

通関士は激務？4つの理由を解説

通関士の仕事は「激務」のイメージを持たれがちですが、その理由は具体的にどこにあるのでしょうか？

ここでは通関士の仕事が激務とされる以下の4つの理由について、詳しく解説します。

• 仕事へのストレスが多い
• ワークライフバランスが取りにくい
• コミュニケーション能力が必要
• 離職率が高いイメージがある

仕事へのストレスが多い

通関士の仕事は、細かい書類のチェックや厳しい締切に追われることが多いため、仕事に対するストレスが大きいとされています。

輸出入に関わる多くの書類を正確に処理することが求められる上、書類の内容に誤りがあったり、締切に間に合わなかったりすると、輸出入が遅延するなどの重大なトラブルに発展することがあります。

そのため、プレッシャーを感じながら仕事をこなす日々が続くことも少なくありません。

ミスが許されない環境で働くことは、やりがいがある反面、精神的に負担を感じることも多いでしょう。

通関士は非常に高い注意力と責任感が求められるため、ストレスが多い職業と言えます。

参考：通関士はやめとけって本当？6つの理由と向いている人の特徴とやりがいを紹介

ワークライフバランスが取りにくい

通関士は、業務の性質上、残業や休日出勤が発生することがあり、ワークライフバランスを保つことが難しいと言われています。

貨物の量やシーズンによって業務量が大きく左右され、特に繁忙期には突発的な仕事が発生することもしばしばです。

そのため、予期せぬ残業が発生し、プライベートの時間を削らざるを得ない状況になることもあります。

しかし、すべての通関士が常に残業や休日出勤を強いられるわけではありません。

企業や働く環境によって、業務量や勤務時間には大きな差があります。

自分に合った企業を選ぶことで、ワークライフバランスを保つことも可能です。

関連コラム：通関士はやめとけって本当？6つの理由と向いている人の特徴とやりがいを紹介

コミュニケーション能力が必要

通関士の仕事には、専門的な知識に加え、高いコミュニケーション能力も求められます。

通関士は、税関や輸出入業者、運送業者など、さまざまなクライアントとのやり取りを行いながら業務を進めます。

一人で完結する仕事ではなく、他社との連携が不可欠です。

特にトラブルが発生した場合には、迅速な対応や交渉が求められ、相手の意向を理解しながら調整を行うスキルが必要になります。

また、社内での情報共有やチームとの連携も重要な要素です。

問題解決に向けて協力し合うためには、良好なコミュニケーションが欠かせません。

通関士は対人スキルが非常に重要な職種だと言えるでしょう。

離職率が高いイメージがある

通関士は「離職率が高い」というイメージを持たれがちですが、実際にはそのようなデータは確認されていません。

令和4年における雇用動向調査結果の概要によれば、常用労働者全体の平均離職率は15.0％です。

特に通関士に限って離職率が高いというわけではなく、むしろ職場環境や個々の労働条件によって、離職率に差が出ることが多いです。

通関士の仕事は多様な働き方も可能であり、労働環境や条件を選ぶことで、無理なく長く働き続けることができます。

離職率が高いというイメージに惑わされることなく、自分に合った職場環境を見つけることが大切です。

参考：通関士はやめとけって本当？6つの理由と向いている人の特徴とやりがいを紹介

通関士の残業時間はどのくらい？

アガルートの独自調査によると、求人サイトに掲載されている多くの会社では、通関士の残業時間は月に5時間〜15時間程度とされています。

これは他の業種に比べると、むしろ少ない方だと言えるでしょう。

ただし、残業時間は会社によって大きく異なり、貨物の取扱量や業務内容によって変動することがあります。

そのため、就職や転職を考える際は、具体的な残業期間について事前に求人情報をしっかり確認することが重要です。

求人票には残業時間の目安や、繁忙期についての情報が記載されている場合も多いので、それを参考にしましょう。

通関士の休日について

通関士の休日についても、一般的な会社員と同様に休みがあります。

ほとんどの通関士は、企業が定めた休日に従って休みを取ることができ、週末や祝日が休みになることもあります。

なお、休日の形態は企業ごとに異なり、土日休みの完全週休二日制を採用している企業もあれば、週休二日制で平日に休みが取れる企業、シフト制の企業もあります。

特にシフト制の場合、輸出入の手続きが24時間体制で行われることもあるため、業務の都合で休日が平日になることもあるでしょう。

勤務を希望する会社の休日制度についても、事前に確認することが大切です。

求人票や面接での質問を通じて、自分のライフスタイルに合った働き方ができるかどうか見極めましょう。

労働条件だけではなく、休日や働き方についても慎重に判断することが、長く安定したキャリアを築くための鍵となります。

通関士に向いている人の特徴3選

国際貿易の重要な役割を担う専門職である通関士。

通関士に向いている人の特徴として、以下の3つが挙げられます。

• 責任感のある仕事がしたい
• 細かいタスクをこなすのが得意
• 円滑にコミュニケーションが取れる

責任感のある仕事がしたい

通関士は、責任の重い仕事にやりがいを感じる方に向いています。

この職業では、輸出入に関する手続きを期限内に正確に行うことが求められるため、期限厳守とタスク管理が不可欠となります。

また、通関士は、「通関書類の審査」および「通関書類への記名」という2つの独占業務を持っており、通関士にしかできない業務を任せられることも多いです。

そのため、他の職種にはない大きな責任感が伴います。

自分の手で貿易手続きを成功させることにやりがいを感じ、責任を持って仕事に取り組みたい人にとって、通関士は魅力的な職業です。

細かいタスクをこなすのが得意

通関士は細かいタスクを積み重ねて達成感を感じるタイプの方には非常に向いているでしょう。

通関士は細かい業務に対して、正確さが求められる職種です。

日々の仕事では、輸出入に関する多くの書類作成や手続きを行い、不備がないかどうかを細かくチェックする必要があります。

種類の不備は大きなトラブルに発展する可能性があるため、正確さが何よりも重要です。

また、事務作業が多いので、地道な作業をコツコツと進めるのが得意な方に適した仕事と言えます。

円滑にコミュニケーションが取れる

通関士は、関係機関やクライアントとのやりとりが頻繁に発生する職業であり、コミュニケーション能力が非常に重要です。

税関や輸出入業者、運送会社との調整や交渉が求められる場面が多く、複数の関係者と協力して業務を進めていく必要があります。

さらに、問題が発生した場合には速やかに関係者と話し合い、解決策を見つけなくてはなりません。

こうした対外的なやり取りだけではなく、同僚との連携も欠かせません。

人と積極的にコミュニケーションを取るのが得意な方には、通関士は非常に向いている職業です。

一方、1人で集中して作業を行いたい方には、少々ストレスを感じるかもしれません。

関連コラム：通関士はやめとけって本当？6つの理由と向いている人の特徴とやりがいを紹介

まとめ

通関士の仕事は、一見「激務」と思われがちですが、その背景には緻密な業務と責任感の重さが関わっています。

書類の正確な処理やタイトな締切が求められるため、プレッシャーは大きいですが、その分やりがいも感じられる職業と言えます。

残業や休日出勤は発生し得ますが、企業や環境によってワークライフバランスを取ることも可能です。

また、税関や輸出入業者との連携が欠かせないため、高いコミュニケーション能力が必要となります。

人と関わることが好きな方は、多くの人と協力する楽しさが得られるでしょう。

責任感が強く、細かい作業を丁寧にこなせる方にとって、通関士は非常にやりがいのある職種です。