通関士と税関職員の違いは?各試験免除できる?向いている人の特徴も紹介
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通関士と税関職員は、どちらも通関に携わる職業です。
しかし、業務における立場や役割が異なります。
通関に関する仕事に就きたいと考えている方は、両者の違いが気になるのではないでしょうか。
本コラムでは、通関士と税関職員の違いについて解説します。
向いている方の特徴や、通関士試験の免除についても触れているため、ぜひ参考になさってください。
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通関士と税関職員の違いは?
通関士と税関職員の大きな違いは、業務内容です。
通関士は「申告し許可を得る」ことを業務としているのに対し、税関職員は「申告されて許可を出す」ことが役割です。
他にも通関士と税関職員の違いはあります。
その他の通関士と税関職員の違いは以下の通りです。
- 通関士と税関職員になるまでの過程が違う
- 求められる知識やスキルが違う
- 試験の難易度と勉強時間が違う
- 年収が違う
- 通関士と税関職員に専攻学科による条件はない
通関士と税関職員になるまでの過程が違う
通関士は国家試験である通関士試験に合格する必要があるのに対して、税関職員は国家公務員採用一般試験に合格する必要があります。
このように、通関士と税関職員は受けるべき試験が異なります。
試験の出題内容も違うため、それぞれに合った対策が求められるでしょう。
求められる知識やスキルが違う
通関士は、通関業務に関する専門的な知識を求められるの対して、税関職員は特別な資格や知識は不要です。
通関士試験では、「関税法」「通関書類の作成要領その他通関手続きの実務」「通関業法」の3科目が出題されるため、これらの知識がなければ通関士になれません。
対して 、税関職員は、採用研修が実施されるため、業務に必要な最低限のスキルを習得できます。
また、税関職員の場合、各専門分野の知識が求められる場合も、実務研修などが行われるでしょう。
試験の難易度と勉強時間が違う
通関士試験の合格率は12.4%で、税関職員(国家公務員採用一般職)の合格率は39.6%と試験の難易度が異なります。
また、通関士試験の合格に必要な勉強時間は500時間なのに対して、税関職員(国家公務員採用一般職)の勉強時間は300~1,500時間です。
合格率 | 勉強時間 | |
---|---|---|
通関士 | 12.4% | 約500時間 |
税関職員(国家公務員採用一般職) | 39.6% | 約300〜1500時間 |
参考:【2024年】公務員試験の難易度合格率倍率は?難しい理由を解説
参考:公務員試験の勉強はいつから始める?まだ間に合う?タイミングや勉強時間を紹介
通関士試験は、国家公務員採用一般職試験に比べて合格率が低いため、試験の難易度が高いといえるでしょう。
また、両者はいずれも長時間の勉強が必要です。
通関士になるためには、約500時間の勉強時間が必要であるとされています。
対して、国家公務員試験に必要な勉強時間は約300〜1500時間です。
ただし、国家公務員試験に必要な勉強時間は、基礎学力や受験する試験の種類によっても上下するため、参考程度に考えましょう。
年収が違う
令和5年厚生労働省が行った調査における通関士の平均年収は約551.4万円です。
対して、令和5年国家公務員給与等実態調査報告書における税関職員の平均年収は、約662万円です。
両者を比較すると、税関職員の方が通関士よりも約80万円平均年収が高いことがわかります。
また、通関士の主な就職先は、民間の通関業者です。
そのため、どの企業で働くかによって、給与の水準が変わります。
一方で、税関職員は公務員として働くため、安定した収入が得られる傾向があります。
加えて、基本的に年齢を重ねれば昇給が行われるため、将来の見通しを立てやすいでしょう。
通関士と税関職員に専攻学科による条件はない
通関士と税関職員は、どちらも専攻学科による条件が定められていません。
通関士試験には、年齢や学歴などの受験資格が設けられていないため、誰でも受験できます。
また、国家公務員の採用条件に学歴は関係なく、高卒や短大卒の方も国家公務員を目指せます。
いずれも試験に合格すればなれる職業ですが、通関士試験の場合は、法律に関する知識があれば有利に働くでしょう。
税関職員は通関士試験を免除できる?
税関職員であっても、通関士試験の免除は受けられません。
ただし、以下の条件に当てはまる場合は、試験科目の一部が免除されます。
- 以下のいずれかの業務に従事した期間が通算して15年以上になる場合(2科目免除)
- 通関業者の通関業務
- 官庁における関税に関する事務
- 税関の事務、およびその監督にかかる事務
- 通関業者の通関業務、または官庁における通関事務に従事した期間が通算して5年以上になる場合(1科目免除)
このように、税関職員として勤務経験を積めば、年数に応じて1科目または2科目の免除を受けられる場合があります。
なお、免除を受けられる科目の内容や、免除制度の詳細については、税関の公式サイトをご確認ください。
対して、通関士の資格があっても、税関職員になるために必要な国家公務員採用一般職試験の免除を受けることはできません。
参考:8009 通関士試験科目の一部免除(カスタムスアンサー) : 税関 Japan Customs
通関士と税関職員に向いている人の特徴とは?
通関士と税関職員に向いている方の特徴は、以下の通りです。
通関士に向いている人
- 責任のある仕事がしたい人
- コミュニケーションを取るのが好きな人
- 専門的な仕事がしたい人
- 細かいタスクをこなすのが好きな人
税関職員に向いている人
- 責任のある仕事がしたい人
- 語学力がある人
- 法律や貿易に興味・関心がある人
通関士と税関職員は、どちらも責任のある仕事がしたい方に向いている仕事です。
通関士は、通関業務のエキスパートとして、専門的な知識を求められます。
また、税関職員には、密輸などの犯罪を未然に防ぐための正義感や、責任感が必要です。
さらに、通関士は事務的な業務に携わる場面が多いため、細かいタスクをこなすのが好きな方におすすめ。
一方で、語学力を活かしたい方や、法律や貿易に興味がある方には、税関職員が向いています。
これらの特徴を比較し、自分に合っていると思われるものを選びましょう。
参考:通関士に向いているのはどんな人?求められるスキルも解説
まとめ
本コラムでは、通関士と税関職員の違いについて解説しました。
通関士と税関職員は、仕事の内容や役割が異なります。
また、通関士は国家資格の名称であるのに対し、税関職員は税関に所属する国家公務員のことを指します。
そのため、必要な試験や、求められる知識が異なるということを把握しておきましょう。
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