通関士試験に独学で合格するのは無理?独学のメリット・デメリットを解説
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皆さん、こんにちは。
アガルートアカデミー通関士試験講座、担当の加藤佑喜(ゆき)と申します。
このコラムをご覧頂いている方の中には、通関士試験を「なんとか独学で合格したい!」とお考えの方や、「独学で目指すのは無理なのか」気になっていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
今回は、そんな皆様の道しるべとなるようなお話をさせていただきます。
ぜひ最後までご覧になって、自分に最適な合格の道へと歩み始めて下さい。
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通関士試験は独学でも合格できるが難しい
まずはじめに結論から申し上げます。
通関士試験に独学で合格することは「可能」です。無理ではありません。
通関士試験は国籍や年齢、実務経験等を一切問わない国家試験です。
つまり、しっかり学習を行えば誰でも独学で合格のチャンスがあると言えます。
ただし、独学の場合、難点がいくつかあります。
例えば、
- 学習の範囲が膨大であること
- 合格の為には一定量の学習時間を要するので、環境やモチベーションを維持し続けることが簡単ではないこと
- 疑問点や不明点は自分の力で探し求めなければならないこと
こういった点が全て自分でクリアできるよという人は独学でも問題無いでしょう。
また、学習には一定のコストもかかりますので、予算とも相談しなければなりませんね。
学習を始める方々に必ず注意喚起をしておりますが、「費用を削る=情報料を削る」という状況になってしまわないようにして下さい。
これについては、この後に詳しく説明したいと思います。
お仕事や学業など、ご自身のライフスタイルに合わせて無理のない環境作りを心がけましょう。
「合格するための学習時間や勉強法のポイント」については、下記コラムもぜひご覧下さい。
関連コラム:通関士試験に合格するための勉強時間は?勉強法のポイントや学習順も解説
通関士試験に独学で合格する3つのポイント
通関士試験に独学で合格する3つのポイントは以下のとおりです。
- 参考書やテキストを使って効率よく勉強する
- 過去問を用いてより実践的な問題で最終確認
- モチベーションを維持する
参考書やテキストを使って効率よく勉強する
独学で通関士試験の合格を目指すなら、自分に合った参考書やテキストを使い続けましょう。
また同じシリーズの参考書やテキストで勉強することをおすすめします。
通関士試験のに関するテキストは多く存在しますが、ページレイアウトや表現方法はさまざまです。
そのため、違うシリーズの参考書やテキストを使って勉強してしまうと、かえって理解が難しくなる可能性があります。
自分に合った通関士試験の参考書やテキストが知りたい人は、以下の記事から確認できますので、ぜひ参考にしてください。
関連コラム:【2024年】通関士試験の独学におすすめテキスト・参考書・問題集8選
過去問を用いてより実践的な問題で最終確認
ある程度、通関士試験の内容を理解してきたのなら、過去問を用いてより実践的な問題を解くようにしましょう。
目安として、過去5年分を5回以上解くことを基準にしてください。
繰り返し過去問を解くことで、さまざまな形式の問題を解く力が身につきます。
過去問については、80%以上の正解率を目標にしましょう。
通関士試験の合格基準は60%ですが、ギリギリの正解率60%を目標にしていると、試験本番でギリギリ合格基準に達しない可能性もあります。
余裕をもって正解率80%以上を目指しましょう。
モチベーションを維持する
独学で通関士試験に合格するには、モチベーションを維持が大切です。
通関士試験は難易度が高いことから、試験本番までモチベーションを維持できるかどうかが課題となります。
また、独学の場合、短期間ですべて理解するのは困難です。
日々の生活の中で勉強時間を確保し、勉強する習慣を身につけておきましょう。
通関士試験に独学で合格するために必要な時間は?
通関士試験に独学で合格するために必要な時間は、500時間前後と言われています。
平日2時間、休日4時間勉強したとして、190日(約6ヶ月)必要です。
上記の勉強時間から逆算すると、10月の試験に向けて3~4月から勉強を始めておくといいでしょう。
ただ勉強時間に関しては個人差があります。
通関士試験に独学で合格するための時間は、参考程度に考えておきましょう。
通関士試験の学習を独学でするメリット・デメリット
先にお話しました通り、通関士試験の独学合格は不可能ではありません。
しかし、自分の学習習慣が構築されている人や、すぐに通関士試験合格者のアドバイスを受けられるような環境にある人でないと、なかなかそう独学での学習は上手くはいきません。
年に1回の受験というのは非常に重みがあります。
それでは、独学を選択する上でのメリット・デメリットについてじっくり考えてみましょう。
独学のメリット
通関士試験に独学で合格を目指すメリットは以下のとおり。
- 自分のペースで学習を進めることができる
- 費用が抑えられる
- 主体性のある学習を行える
➀自分のペースで学習を進めることができる
独学の場合は、時間や体力を考えながら「できるときは仕事前の早朝に(いわゆる朝活)」や、「翌日が休日なら夜中までやろう」、と自由に決められます。
通関士試験は、日々の仕事が終わってから学習する人の割合が高いです。
通学講座は時間がきっちりしている半面、欠席した場合の補講について考えなければなりませんので調整が難しいこともありますね。
体調だって常に万全とは限りません。
ONとOFFのメリハリがしっかり区別できるということは、独学者の最低必須条件だと言えるでしょう。
②費用が抑えられる
独学なら通信講座や予備校を利用しない分、勉強にかかる費用が抑えられます。
通関士試験は他の国家試験と比較してもそれほど市販テキストの種類は多くはありません。
テキストの値段は平均して1冊3,000~4,000円程度です。
申告書問題集や計算問題ドリル等、分野別で出版もされているので、苦手分野克服用に別途購入しても、10,000円前後で必要な量は揃えられるでしょう。
販売されているテキストの種類が少ない分、迷いにくいのは良いことですが、大型書店でないとそもそも置いていない可能性が高いので、インターネットでの購入をおすすめします。
手に取って中身を見てから購入を検討したいという方はちょっと困りますね。
講座も同じですが、テキストにも長所と短所が有ります。
情報量の多さ・足りない部分等にも気を付けたいところですが、初学者の人には見分けがつかないかと思うので、情報収集をする時間と手間は必要になります。
関連コラム:通関士試験の独学におすすめのテキスト(参考書)・問題集8選
③主体性のある学習を行える
独学をする上で自分で調べる力が身につき、主体性のある学習が行えます。
誰かに質問をする、誰かにアドバイスをもらうということではなく、自ら書籍やインターネットを活用して知りたい情報を得ようとする根気のことを言います。
何が正しいのか、調べた情報は間違っていないかを見極めることが大切です。
独学をする上で最も注意しなければならないことと言えるでしょう。
加えて、書籍に必要事項の多くは載っていますが、少しでも早く法改正点を知っておきたいという人は、税関のホームページやe-Govといった法律が載っているサイトを活用することも必要になります。
また、試験に合格することがゴールではありません。
- 書類に不備がないかを細かく確認すること
- 特に自社の業務に関わる国の情勢を把握し、法改正等がされているかに気を配ること
- その他、税関とのやり取りや他の法令についての準備は整っているか
上記のようなチェック、気配りが常に必要となります。
独学はとにかく手間はかかりますが、自分で見つけた情報や知識は、人から聞く・教わるよりも記憶に残りやすいです。
多少のリスクは伴いますが、結果に繋がれば大きな自信となり、さらに挑戦意欲が生まれるといった良いループができるでしょう。
独学のデメリット(難しい点)になり得る部分
通関士試験に独学で合格を目指すデメリットは以下のとおり。
- 学習ペースを管理してくれる存在がいないので進度が早い・遅いが気付きにくい
- わからない問題等についてすぎに質問・相談できる環境ではない
- 余分な時間や費用を費やしてしまう
➀学習ペースを管理(監視)してくれる存在がいないので進度の早い・遅いに気付きにくい
市販のテキストには「この時期にはここまでを目安に進めましょう」といった進捗を確認できる記載はありません。
通学講座や通信講座等には、ペース配分を相談できるというメリットがあります。
通学の場合は同じ目標に向かって進む仲間に出会えます。
切磋琢磨し合える必要性を感じる場合は、こういった要素を考えるのも良いですね。
②わからない問題等についてすぐに質問・相談できる環境ではない
独学の場合は通関士試験に詳しい人が近くにいなければ自分で答えを見つけなければなりません。
問題文の解説が理解できない場合、通信講座では質問制度が設けられていることがほとんどです。
また、悩んでいる部分が試験ではそれほど重要でない場合もあるかもしれません(講師目線)が、とくに初学者の独学の場合、その判断が付きにくいというデメリットがあります。
通学や通信講座は、学習方法に行き詰まりを感じていたり、ちょっとした事の相談をできる相手がいることでストレスも軽減できるかもしれませんね。
③余分な時間や費用を費やしてしまう
あれやこれやと調べることに時間を費やして勉強時間が不足してしまったり、SNS等の情報に混乱して「あっちのテキストの方が良かったかも?」といった迷いが残ったままになってしまう場合もあるでしょう。
独学をすることに自信がある人でなければ、
- 最初に何から始めれば良いのか
- どの市販教材を買うべきか
- どう学習を進めれば良いか
など、いろんな悩みや不安を抱えることがあるでしょう。
気が付くとテキストが複数冊、手の付け方が分からなくなって「やっぱり講座に切り替えようかな」となると出費がさらにかさんでしまいます。
独学を貫かれる場合は「テキストはこれ1冊」と決め、最後まで読み終えてから次のテキストを検討することがおすすめです。
通関士試験はお金をかければ合格するということでもありません。
時間もお金も大事にしながら検討し、進みましょう。
独学にするかどうか迷った際の決め方
では、これらのメリット・デメリットからより具体的に独学・講座、どちらが皆さんに合っているのか以下の項目に分けて解説します。
- 勉強方法や主観に自信のある人
- 完全に0から学習をスタートする人
- 効率の良さを求める人
勉強方法や習慣に自信のある人
勉強方法や習慣に自信のある人は、独学で進めながら、必要に応じてテキストの追加購入や講座の受講を検討しましょう。
ただし、講座に切り替えを検討する場合には、試験までの残り日数を考えて早めに決断してください。
どんなに質の良い講座でも、皆さんの学習できる時間が残り少なければ良い結果を得られにくいです。
余裕をもって進みましょう。
完全に0から学習をスタートする人
少しでもサポートを受けられる環境があることで悩みに対する改善策を見いだしやすくなったり、ストレスが少なそうと感じる方は講座受講をおすすめします。
筋トレに例えると、正しいフォームでトレーニングをしないと効果はなかなか得られにくいですよね。
学習も同じだと言えます。
効率の良さを求める人
「〇カ月で今年合格したい!」と期間を決めて勝負に挑まれる方、時間が限られている方は通信講座を選択して要点がまとまったテキストや講師のアドバイスを取り入れることを考えてみましょう。
料理で例えると、お金を払えば時間や手間をかけずに外食やデリバリーを頼むことができます。
自分で作ると、コストを抑えることはできますが時間や手間はかかりますね。
独学はいろいろと調べながら、比較しながら手探りで進んでいくこととなります。
それができるようになれば大きな力となりますが、コストは抑えられても時間はかかります。
冒頭でもお伝えしましたが、コストは情報料(量)と考えることができると思います。
最終的に覚えるという作業は皆さん自身の努力になりますが、ノウハウを得ることは自ら調べる時間をお金で買っているという様に考えると、多少は必要経費と思えるのではないでしょうか。
独学で合格に届かず、再チャレンジする人
これまでに通学や通信講座を受講されていた場合で、自分の弱点がはっきりしている人は、その部分を重点的に取り組めば、独学でも問題ないでしょう。
しかし、独学で惜しくも合格に届かなかった人は、一度通学・通信講座を検討してみるのも良いと思います。
やり方を変えることは勇気がいるかもしれませんが、挑戦してこそ変化があるものです。
お洋服もちゃんと試着しないと分かりませんよね。(私は服は何度も失敗してます(笑))
不安な場合は、まずは相談や講座を調べてみることから始めましょう。
それも挑戦への第一歩です。
まとめ
ご自身に当てはまるパターンや、必要だと感じるポイントが見つかりましたでしょうか。
いろいろと悩みや疑問が出てくるとは思いますが、そんな時にはとりあえず過去問(税関のホームページで確認できます)や市販テキストを見てちょっとだけ問題を読んで(解いて)みて下さい。
「あ~、1人での勉強は難しいかもしれないなぁ。」という想像や「これならなんとかできそう。」という感覚が得られると思います。
私は独学・講座どちらでも「通関士試験に合格したい!」という強い気持ちをもっていらっしゃる皆さん全員を応援したいと思っています。
そして、願わくばアガルートアカデミーの通関士試験講座でより多くのサポートができれば嬉しく思います。
当講座では通関士試験の内容だけでなく、勉強そのものについての取り組み方や考え方のアドバイスをしており、市販テキストには無い価値を含んでいると自負しております。
せっかく勉強するからには少しでも楽しみながら頑張ってもらいたいと考えているので、これからも皆さんの役に立つ情報提供や解説スキルに磨きをかけ、勉強を続けて参ります。
興味をもって頂けましたら、ぜひ講義を体験してみて下さい。
皆さんの試験合格のサポートができることを心から楽しみにしております。
一緒に成長しましょう!
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