通関士試験の難易度ランキング!他資格と合格率や勉強時間を比較
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毎年多くの人が受験する「通関士試験」ですが、実際のところ難易度はどのくらいなのでしょうか。
本コラムでは、さまざまな資格試験の合格率や合格に必要な勉強時間を整理し、通関士の難易度について解説します。
通関士試験の難易度を理解するための参考にしてくださいね。
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通関士試験の難易度は?
通関士の試験は、2019年(令和元年)~2023年(令和5年)の合格率が13.7%~24.2%と低く、難易度が高い資格です。
通関士試験は、3科目すべて合格基準点をクリアする必要があります。
例年、各科目の合格基準は満点の60%以上となっています。
全科目合格する必要があることから、難易度が高い資格と言えるでしょう。
次に通関士試験の合格率の推移を見てみましょう。
通関士試験の合格率の推移
通関士試験の合格率の推移は以下のとおりです。
■通関士試験の年度別合格率
年度 | 合格率 |
---|---|
2023年度 | 24.2% |
2022年度 | 19.1% |
2021年度 | 15.8% |
2020年度 | 16.9% |
2019年度 | 13.7% |
多少の上振れは見て取れますが、通関士試験の合格率は「10~15%」前後で近年推移していると考えられます。
上記の通関士試験の合格率から、他の試験種と比較してみます。
合格率でみる通関士試験の難易度ランキング
司法書士や社労士といった国家資格の試験と比較すると、通関士の方が合格率が高い傾向ですが、通関士の合格率は全体の中では低めといえるでしょう。
■資格の合格率ランキング
順位 | 試験種名 | 合格率(例年) |
---|---|---|
1位 | 司法書士試験 | 3~4% |
2位 | 社会保険労務士試験 | 6~7% |
3位 | 行政書士試験 | 11~15% |
4位 | 通関士試験 | 10~15% |
5位 | 宅建士試験 | 15~17% |
6位 | 簿記2級試験 | 15~25% |
7位 | 税理士試験 | 18~20% |
8位 | FP2級試験 | 20~60% |
9位 | 貿易実務検定B級 | 50%程度 |
10位 | 貿易実務検定C級 | 65%前後 |
通関士試験の合格率はだいたい行政書士試験と同程度です。
また、通関士と比較・検討されやすい同じ貿易系資格である貿易実務検定(民間資格)は、B級、C級ともに合格率が約50%以上で推移しているので、通関士はそれよりも合格率が低いことがわかります。
通関士試験の合格率は10〜15%前後なので、合格できる受験者は5名に1名以下という傾向。
難易度は高めといえるでしょう。
貿易関連の業務でステップアップしたい方などの中には通関士試験を受験する前にまずは貿易実務検定にチャレンジするというステップを踏む人もいるようです。
しかし一方で、資格試験の難易度は合格率だけでは測れないことも事実です。
それぞれの試験における受験要件や試験制度などにより、難易度は大きく左右されます。
「合格率の傾向」を参考にしながら、合格に向けて試験の傾向を把握し、対策をしっかり行う必要があることに留意してください。
関連コラム:通関士試験とは?試験日・申し込み方法・科目など制度を詳しく解説
勉強時間で見る難易度ランキング
通関士試験の合格に必要と言われている勉強時間は500時間程度と、他の資格と比べ必要な勉強時間は少ないといえるでしょう。
■試験合格に必要な勉強時間ランキング
順位 | 試験種名 | 必要とされる勉強時間 |
---|---|---|
1位 | 税理士試験 | 3,000時間程度 |
2位 | 司法書士試験 | 3,000時間程度 |
3位 | 社会保険労務士試験 | 1,000時間程度 |
4位 | 行政書士試験 | 600~1,000時間程度 |
5位 | 通関士試験 | 500時間程度 |
6位 | 宅建士試験 | 300~400時間程度 |
7位 | 簿記2級試験 | 200~350時間程度 |
8位 | FP2級試験 | 150~300時間程度 |
9位 | 貿易実務検定B級 | 150~250時間程度 |
10位 | 貿易実務検定C級 | 100~150時間程度 |
社労士、司法書士、税理士といった、1,000時間以上の勉強時間を費やす必要があると言われている国家資格もあります。
同程度の合格率である行政書士と比較しても、通関士試験合格に求められる勉強時間は行政書士試験の合格に必要な時間の約60%程度といわれています。
一方で、通関士試験の合格に必要とされる「500時間」という勉強時間は、同じ貿易系資格で比較対象となりやすい貿易実務検定C級やB級よりは100〜300時間多く勉強時間を確保する必要があります。
通関士試験の難易度を偏差値や大学入試に例えると?
通関士試験の難易度を大学入試に例えてみると、明治大学や中央大学、青山学院大学の入試難易度と同等と考えることができます。
大学 | 偏差値 | 試験 |
---|---|---|
東大、京大 | 68~ | 司法試験・予備試験 |
早慶上智 | 65~67 | 不動産鑑定士・司法書士・弁理士 |
マーチ | 60~64 | 土地家屋調査士・中小企業診断士・社労士・行政書士 技術士二次試験・通関士・マンション管理士・ケアマネジャー |
日東駒専 | 55~56 | 技術士一次試験・宅建・測量士・管理業務主任者 社会福祉士・インテリアコーディネーター |
あくまでイメージにはなりますが、難易度の目安として参考にしていただければ幸いです。
通関士試験の難易度が高い理由は?
通関士試験の難易度が高い理由について解説します。
- 3科目すべてで合格基準点を満たす必要がある
- 回答の選択肢が多い
- 専門用語が多い
3科目すべてで合格基準点を満たす必要がある
通関士試験は3科目すべてで合格基準点を満たす必要があることから、難易度が高くなっています。
各科目の配点と合格基準点は以下のとおり。
科目 | 配点 | 合格基準点 |
---|---|---|
通関業法 | 45点 | 60%(27点) |
関税法等 | 60点 | 60%(36点) |
通関実務 | 45点 | 60%(27点) |
各科目で満点の60%以上取る必要があります。
一つでも合格基準点に達していないと不合格になってしまうことから、通関士試験は難易度が高くなっています。
回答の選択肢が多い
通関士試験は、回答の選択肢が多いのも難易度が高くなっている原因と言えるでしょう。
通関士試験の出題形式と詳細をまとめました。
出題形式 | 詳細 |
---|---|
選択式 | 5つの選択肢の中から複数選択する形式 |
択一式 | 文章の空欄に当てはまる適切な語句を選択肢から一つ選んで回答する形式 |
計算式 | 課税価格を計算する問題が3問、それ以外の関税額等を算出する問題が1問出題 |
択一式の問題は15個の選択肢から選ぶ問題があり、選択肢の多さから合格率が低くなっているとも言えます。
また選択式・計算式で出題される通関書類の作成要領の科目では、1問10点と高配点の問題です。
専門用語が多い
通関士試験は専門用語が多いことから難易度が高い試験となっています。
日常生活では聞きなじみのない言葉や、通関時にしか聞かない言葉が多く使われます。
専門用語を一から覚える必要があることから、通関士の試験は難しいと言えるでしょう。
まとめ
本コラムでは、通関士試験の難易度を合格率や勉強時間から考察してきました。
通関試験は他の資格と比べて合格率はそれほど高くないものの、合格に必要な勉強時間を踏まえて1年以内などの短期でも十分に合格を目指せることが理解できました。
通関士試験の難易度を理解できたら、いよいよ合格に向けた実践に入るタイミングです。
自分に合ったスケジュールと勉強方法を検討し、通関士試験の合格に向けた第一歩を踏み出しましょう。
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