宅建試験の「税その他」の出題傾向と勉強法の4つのポイント
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本コラムでは、宅建試験の「税その他」の勉強法(攻略法)の4つのポイントについて解説していきたいと思います。
私自身、受験生の頃に「税その他」には散々悩まされてきたのですが、調べてみてもその苦労を解決してくれる方法がさっぱり出てきませんでした。
今回は、当時の私と同様に「税その他」で苦労されている方に向けて、攻略法をお教えしたいと思います。
宅建の勉強法で悩んでいる方は、ぜひ最後までご覧になってみてください!
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宅建試験の税その他とはどんな科目?
まずは宅建試験の「税その他」とは何か?出題数と目指すべき正解数(点数)はどの程度かということについて見ていきます。
なお、以下の通り「税その他」には聞き流し可能な一問一答のYoutube動画も公開されているので適宜活用すると良いでしょう。
「税その他」とは
宅建試験の出題科目の1つである「税その他」では、税制に関する問題と不動産鑑定評価基準等に関する問題が出題されます。
もちろん税制については税理士さんというその道のプロが、不動産鑑定評価基準については不動産鑑定士さんというその道のプロがいらっしゃいます。
そのため、宅建試験では、税理士試験や不動産鑑定士試験で出題されるようなことが問われるのではなく、税制や不動産鑑定評価基準等に関する基本的なことを問うのがほとんどです。
いわゆる入門的な内容が問われると思っていただいてよいです。
出題数と目指すべき点数
税制に関する問題は、例年2問出題されます(問23と問24で出てきます)。
また不動産鑑定評価基準等に関する問題は、例年1問出題されます(問25で出てきます)。
「税その他」は例年3問の出題ということですね。
合格する上で目指すべき正解数(点数)は、3問中2問正解です。
わずか3問の出題ではあるのですが、近年の合格点の高得点化という事情を踏まえると、こういう科目でもキチっと正解数を稼ぐ必要がどうしてもあります。
またそれ以外にも、「3問中2問正解」という地味に高いハードルを求めるのは、実は「税その他」の頻出分野や出題傾向が大きくか関わってきます。
税その他の頻出分野と出題傾向
「税その他」にも、頻出分野(よく出題される項目・分野)があります。
次は、分野ごとの出題傾向と併せて、頻出分野について解説していきましょう。
国税
「国税」は、国が徴収する税(私たちが国に納める税)のことです。
国税には、例えば「所得税」や「贈与税」、「登録免許税」があります。
宅建試験の場合、国税のうち、「所得税(譲渡所得)」「印紙税」「登録免許税」「贈与税」が出題されます。
国税はそれぞれの分野が“均等に”出題されています。
そのため各分野を準備する必要があるのですが、「印紙税」「登録免許税」は、出題内容が比較的ワンパターンですので、過去問等を用いてササっと済ませてしまいましょう。
地方税
「地方税」は、都道府県や市町村が徴収する税(私たちが都道府県や市町村に納める税)のことです。
地方税には、例えば「不動産取得税」や「固定資産税」があります。
宅建試験の場合、地方税のうち、「不動産取得税」と「固定資産税」が出題されます。
それも、「不動産取得税」「固定資産税」が交互に出るという出題サイクルになっています。
「不動産取得税」が出題された翌年度は「固定資産税」が出題され、「固定資産税」が出題れた翌年度は「不動産取得税」が出題される……といったサイクルです。
いずれの分野についても、正直なところ、出題内容はかなりワンパターンです。
過去問等を用いてササっと済ませてしまい、他の科目・分野の強化に時間を回したいところですね。
その他の分野
「その他の分野」では、「地価公示法」と「不動産鑑定評価基準」が出題されます。
これら2つの項目は、過去の試験で出題された内容が再度出題されたときには問題ないのですが、出題されたことのない内容が出てくること(初見の知識が出てくること)がある点が問題です。
試験年度によって難易度に極端な差があり、取扱い注意の分野と言ってよいでしょう。
例年の正解率を見る限り、過去の試験で出題された内容に関しては受験生は解けるものの、初見の知識に関するものが出題されるとガクンと解けなくなるという状況です。
「その他の分野」は、ひとまず過去問で準備をしておく程度で十分です。
税その他の勉強法
では、以上の「税その他」の特徴を踏まえ、勉強法の解説へと移りましょう。
勉強法のポイント1:専門用語を正確に理解・記憶しよう
皆さんは、「課税主体」とか「課税標準」、「課税客体」等と言った用語を聞いたことがあるでしょうか?
おそらくほとんどの方が「何のこと?」と感じたのではないかと思います。
なにせこれらの用語というのは、税制を学ぶときくらいにしか出会うことがなく、そのくせ知ってなければ勉強がさっぱり進まないというとても厄介な存在です。
例えば、「不動産取得税」では、「不動産取得税における課税客体は、不動産の取得である。」という話が出てきます。
もう何言ってるのかさっぱり分からないと思います(私が勉強していた当時、初めて見たときについ「は?」と口に出してしまいました)。
でもここで「課税客体」という用語が、「税を徴収する原因(私たちが税を納めなければならない原因)」という意味であることが分かればどうでしょう?
「不動産取得税における課税客体」というのは、要するに「不動産取得税という税を納める原因」のことを言っていることが分かります。
つまり「『不動産取得税』という税を納める原因は、不動産の取得だ(=不動産を取得したら、不動産取得税を私たちは納めなければならない)」ということを説明したかったのだということが分かりました!
このように、税制を学ぶうえでは、そこで用いられる様々な専門用語をきちんと理解・記憶しておく必要があります。
専門用語が分からないと、それこそ外国語の会話のように、何を言っているのかさっぱり分かりません。
「税その他」を勉強する際は、他の科目よりも強く、専門用語の重要性を意識しましょう。
※なお、このような科目の特性から、アガルートアカデミーの「税その他」のテキストについては、冒頭に「税法上の用語」という項目を設け解説を行い、分からなくなったらすぐに戻ってこれるような工夫を施しています。
勉強法のポイント2:過去問による問題演習を大切にしよう
上記のように専門用語に慣れる必要があるのは、テキスト(教科書)を使ったインプットのときだけではありません。
税制に関する知識を取り扱った問題が出題された際には、問題で述べられている内容を正確に把握するうえでも求められてきます。
そのため「税その他」でも、他の科目と同様、過去の試験問題などを用いて、表現内容に慣れ、その意味・内容を正確に把握する訓練を行う必要があります。
また先述の通り、勉強する範囲を過去問に絞る必要のある分野・項目もありますから、意識的に過去問による問題演習を行うことにしましょう。
勉強法のポイント3:易しい問題・分野から解けるようにしよう
「税その他」は、皆さんが思っている以上に、問題の難易度がはっきりしています。
国税なら「印紙税」「登録免許税」、地方税なら「不動産取得税」「固定資産税」、その他の分野なら「地価公示法」が、比較的易しい問題で構成されています。
それは、特定の知識・内容が、形を変えて何度も繰り返し出題されているからなんですね。
そういった分野・項目ごとの難易度を把握し、易しい分野・項目を問う問題が出題されたら確実に正解できるよう準備を進めることとしましょう。
勉強法のポイント4:例年3問しか出題されないことを忘れないようにしよう
「税その他」は、例年3問の出題です。
たしかに重要な科目ですが、だからといって「宅建業法(例年20問出題)」と同じくらい時間をかけて勉強するべきかと言えば、それは違いますよね。
「税その他」は例年3問しか出題されないのですから、かけるべき努力の量は自ずと限られてきます。
冷静な割り切りが重要な科目であることを忘れないようにしましょう。
まとめ
以上が、合格点を取るうえで知っておきたい「税その他」の勉強法でした。
途中で私が勉強していた頃のエピソードを少し入れましたが、特に独学で宅建試験の合格を目指す場合、「税その他」は本当にさっぱり分かりません。
専門用語を知らない人を想定したテキスト(教科書)が、市販の参考書のなかにはほぼ存在しないからです。
まさに「取扱い注意!」という科目が「税その他」ですから、合理的な・正しい勉強法を知ったうえで、ぜひ実践なさってみてください。
正しく勉強していただければ、私のように、短期間で「税その他」でしっかり合格点を稼げるようになるはずです!
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