今回は、宅建試験の出題科目のうち、最大の出題数を誇る「宅建業法」の勉強法(攻略法)のポイントを分かりやすく解説していきます。

「宅建業法」は、宅建試験に合格するうえで得点源としなければならない科目です。「宅建業法」の出来によって合否が決まると言っても全く過言ではないほど重要な科目です。

「宅建業法」の勉強にあたってまず大事になるのが、「どういう風に勉強していけばよいか」という方針を正しく確立すること。

本コラムを通じて、「宅建業法」の正しい勉強法(攻略法)を知っていただき、宅建試験の効率の良い勉強法の習得に役立てば幸いです。

※コラムの最後では宅建業法逐条ローラーインプット講座について紹介しています。

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宅建試験の宅建業法とはどんな科目?わかりやすく解説!

まずは宅建試験の「宅建業法」とは何か?出題数と目指すべき正解数(点数)はどの程度かということについて見ていきます。

「宅建業法」とは?

「宅建業法」は、宅地建物取引業法という法律に関する知識を問う科目です。

宅建試験においては、「宅建業法」という科目は極めて重要な位置づけにあります。

“合格のカギ”を握っていると言っても、全然過言ではありません。

というよりも、明らかにそういった位置づけにある科目です。

なにせ「宅建業法」は、「権利関係」や「法令上の制限」のような他の科目と異なり、その出題範囲はとても狭いです。

出題範囲が狭いため、過去の試験で問われた内容が、少し形を変えてすぐにまた再登場するなんてことが頻繁に生じます。

上記のような特徴(出題傾向)を持つ「宅建業法」ですから、求められる正解数(点数)もずいぶんと高くなったりします。

このあたりの話を、もう少し掘り下げてみましょう。

出題数と目指すべき正解数(点数)

では、どうして「宅建業法」が、宅建試験の“合格のカギ”を握っているのか。

それは、出題数と目指すべき正解数(点数)が大きく影響しています。

まず、「宅建業法」の出題数は例年20問です。

宅建試験全体の出題数が50問ですから、そのうちの40%を「宅建業法」が占めていることになります。

近年の合格点の上昇傾向を踏まえれば、出題数の多くを「宅建業法」が占めているという事実は、とても重要なことであることがお分かりいただけるかと思います。

また、「宅建業法」で目指すべき正解数(点数)は、20問中18問以上正解です。

すなわち、出題される「宅建業法」の問題のうち、ほとんどすべてを正解しなければならない計算になります。

宅建業法の頻出分野と出題傾向

ここまでの話を簡単にまとめますと、

①「宅建業法」の出題範囲は狭い

②出題範囲が狭いのに、例年20問も出題される(全体の40%)

③「宅建業法」で正解数を稼ぐだけ稼ぐ必要がある(20問中18問正解)

こんなところです。

では次に、正解数をきっちり稼ぐべく、頻出分野や出題傾向を確認していきましょう。

頻出分野

「宅建業法」における頻出分野は、ずばり!……「全部」です。

えぇ「全部」なんですよ、本当に(汗)。

というのも、「宅建業法」は、先述の通り出題範囲が狭いです。

狭いにもかかわらず出題数は多いものですから、例えば「昨年の試験で出題したから、今年は出せない」なんてことが言ってられません。

そんなことをすれば、出題するテーマが途端になくなってしまうからです。

そんな事情もあるため、ある分野・項目からは、例年2~3問出題されるなんてこともあるくらいです。

「今まさに勉強している分野・項目が、今年の試験に出るぞ!」なんてことが分かっていれば、まぁ気合いの1つや2つも自ずと入ってしまいますわな。

出題傾向

「宅建業法」は、過去の試験で問われたことが、少し形を変えて改めて出題されるという科目です。

なので、他の科目よりもさらに「過去問重視」の科目です。

「過去問重視」の傾向が強くなるのは、何も繰り返し問われているからだけではありません。

先述の通り、「宅建業法」では高い正解数が求められます。

逆に言えば、“ケアレスミス”のようなちょっとしたミスも許されないことを意味します。

“ケアレスミス”というのは、①作業そのものに慣れていない、②作業することに油断している、③自分がどんなミスをしがちかを分かっていない、等が主な発生原因です。

これらのことを解決するために、実際に作業を行う、つまり問題を解くことを強力に押し進める必要があるというわけです。

宅建業法の勉強法

では、以上を踏まえ、「宅建業法」の勉強法を見ていきましょう。

勉強法のポイント1:穴(弱点)を作らない

「宅建業法」は、「出題されない分野・項目を探すほうが大変だ」というくらい、全範囲から満遍なく出題されます。

そのため、どこかの分野・項目が解けない・苦手だとなると、そのまま「正解できない問題」となり合格が遠のくことになります。

勉強開始の初期の段階から、穴(弱点)を作らないよう努めることが肝心です。

勉強法のポイント2:過去問重視、何より過去問

「宅建業法」におけるケアレスミスは、極めて重大な問題です。

間違えることが許されない科目であるにもかかわらず、分かっているにもかかわらず、正解に結びつけることができないというのは、合格が遠のく要因です。

ミスを防ぐ・克服するためにも、また頻出分野・項目を扱った問題が解けるようになるためにも、過去問を用いた問題演習は積極的に行うようにしていきましょう。

勉強法のポイント3:正確に覚える

より多くの正解数を稼ぐうえで、「宅建業法」で勉強する内容は、より正確な記憶が求められます。

勉強の早い段階から、覚えるということを意識していきましょう。

テキスト(教科書)で出てきた重要なポイントを、早速覚えるようにし、それをネタにした過去問に早速チャレンジしてみます。

「覚える→思い出す」を繰り返し、「宅建業法」の出題内容を早めに覚えてしまいましょう。

勉強法のポイント4:「一般のお客様保護」の視点を忘れない

「宅建業法」は、もともと一般のお客様を保護することを狙った法律です。

例えば、
不動産取引のトラブルに備えた「営業保証金制度」「弁済業務保証金制度」

(だから、営業保証金・弁済業務保証金を宅建業者は受け取ることができないの)、紛らわしい広告を禁じる「広告に関する規制」(だから、広告をする「だけ」でOUT)、不動産を購入する等の前に不動産に関する情報提供を狙った「重要事項の説明」(だから、契約の相手方にだけ説明します)、必要以上にお客様から報酬を受け取ることを禁じる「報酬額の制限」(適正価格って、普通の人には分かりませんからね)
……等など「一般のお客様保護」という視点で設けられたルールは、挙げればキリがありません。

よく分からない分野・項目が出てきたら、少し「一般のお客様保護」の視点で見返してみてください。

「もし、このルールがなかったら、いったいどうなるだろうか……?」と想像してみると、思わぬ突破口が見つかることもあったりしますよ。

まとめ

以上が、「宅建業法」の勉強法(攻略法)でした。

「20問中18問正解だ~!!」とか言われて、正直引いてしまった方もいらっしゃると思います(少なくとも、受験していた頃の私はそうでしたよ)。

数字で言われるとすごいインパクトを持っているのは違いありませんが、いざやってみると、意外と多くの方がクリアできる目標です。

なので、「大丈夫かな?」と不安に思った方は、ひとまず始めてみましょう。

手を動かし、実際にやってみることで、「20問中18問正解」という目標ラインが決して非現実的なものでないことが、少しずつお分かりいただけるのではないかと思います。

何度やっても、なかなかできるようにならない分野・項目も出てくるでしょう。

私の場合、「8種制限(「自ら売主」制限と言われることもあります)」のなかにある「クーリング・オフ」が、何度やっても同じところで間違えていました。

「この分野・項目は“捨てちゃう”か」と諦めることも少し考えましたが、“合格のカギ”を握る「宅建業法」である以上、これはどうしてもできませんでした。

他の分野・項目とは違い、ずいぶん時間はかかったものの、最終的には何とか間に合わせることができました。

「宅建業法」は、“合格のカギ”を握る要の科目。

頑張りましょう。

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この記事の著者 林 裕太講師

2007年に行政書士試験に合格し、大手資格予備校で長年行政書士試験の受験指導を行う。

初学者向けの入門講座から、受験経験者を対象とした上級講座まで幅広く講座を担当。

本試験の出題傾向を緻密に分析した上で、初学者・受験経験者問わず、少しでもわかりやすく、点をとりやすくなるような講義とテキスト作りに心血を注ぐ。

また、様々な資格試験に精通する「資格マニア」でもある。

アガルートアカデミーでは、行政書士試験だけでなく、公務員試験(法律系科目,社会科学等)、

宅地建物取引士試験、司法試験(一般教養科目対策)、ビジネス実務法務検定®試験の指導も行う。

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