宅建試験を受験するにあたり、統計問題の学習方法で悩んでいませんか。

統計問題は、直近で発表される各種統計の最新データを使った問題が出題されるため、過去問を使った対策が取りづらく、どのように学習したらいいのか悩みますよね。

ところが、実は統計問題は過去の出題傾向を分析することで、どのような問題が出題されるかある程度の予想ができ、しっかりと対策を取ることで確実に1点を狙えるチャンス問題です。

当コラムでは、統計問題の概要から出題傾向、そして確実に1点を狙うための学習方法などについて解説します。

統計問題の学習方法について悩んでいる方は、是非最後までチェックしてみてください。

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宅建の統計問題とは?5問免除の科目って本当?

宅建の統計問題は、建築着工統計、地価公示、土地白書といった、国が発表する不動産や不動産業に関する各種統計資料から、直近で発表される最新データをもとに出題されます。

例年1問のみ、問48に出題され、不動産業者の従業者であれば5点免除制度により免除の適用(問46~問50の免除)を受けることができます。

しかし、そうではない一般の受験生であれば免除の適用が受けられないため、統計問題を正解できるかどうかは、試験の合否に直接影響するといえます。

宅建の統計問題の難易度は?正答率はどのくらい?

令和5年に実施された宅建試験について、アガルートアカデミーでは、実際に受験した方の回答をWEBアンケートにより募り、設問ごとに正答率を集計しました。

設問正答率難易度
問180.3%
問256.1%やや難
問376.5%標準
問459.8%やや難
問556.8%やや難
問626.5%
問728.8%
問868.9%標準
問952.3%やや難
問1045.5%やや難
問1163.6%標準
問1270.5%標準
問1384.1%
問1481.8%
問1586.4%
問1679.5%標準
問1796.2%
問1858.3%やや難
問1984.1%
問2072.0%標準
問2176.5%標準
問2287.1%
問2388.6%
問2462.1%標準
問2586.4%
問2676.5%標準
問2778.0%標準
問2893.2%
問2987.1%
問3077.3%標準
問3187.1%
問3284.8%
問3371.2%標準
問3478.0%標準
問3590.2%
問3685.6%
問3792.4%
問3845.5%やや難
問3975.8%標準
問4095.5%
問4162.9%標準
問4282.6%
問4395.5%
問4496.2%
問4591.7%
問4695.7%
問4785.1%
問4833.9%
問4993.9%
問5080.9%
※本データは、「解答アナリティクス」にお申込みいただいた皆様のアンケート結果をもとに、アガルートが独自に算出した数値になります。
※本データの引用は自由ですが、引用先(令和5年度(2023年)宅建士試験 問題別難易度リサーチ)の明記は必ず行なってください。
※引用により利用者または第三者に損害その他トラブル等が発生した場合、当社はその責任を一切負いません。

その結果を見ると、問48、つまり統計問題の正答率は33.9%で、50問中3番目に低い正答率でした。

ちなみに、5問免除の問題のうち、ほかの4問の平均正答率が88.9%であるため、令和5年の統計問題の正答率がいかに低いかということがわかります。

この結果だけを見ると、統計問題は非常に難しいと感じてしまうかもしれませんが、安心してください。

このあと対策方法について解説します。

宅建の統計問題の出題傾向は?

それでは、統計問題のこれまでの出題傾向を見てみましょう。

令和5年から平成22年までの過去16回の出題回数 

1 建築着工統計 16回 
2 地価公示 14回 
3 土地白書 14回 
4 法人企業統計 12回 
5 宅地建物取引業者数 6回 
6 その他 2回 

こちらは、統計問題について、令和5年から平成22年まで、過去16回の試験から各統計資料の出題回数をまとめたものです。

これによると、4つの選択肢(宅建試験は4肢択一問題)のうち、3つは建築着工統計、地価公示、土地白書からそれぞれ出題され、残りのひとつが法人企業統計または宅地建物取引業者数から出題される傾向にあることがわかります。

つまり、この5つの統計資料のポイントを押さえて読み解くことで、ほぼ確実に正解を導き出せるだろうということがわかります。

宅建の統計問題の学習法

それでは、本題の学習方法について解説します。

ポイント①数値ではなくトレンドを見よう

統計問題は、発表される統計資料の数値をもとに出題されますが、実は、重要なことは数値そのものではなく、それが前年と比べて増加(上昇)したのか、減少(下落)したのかということで、問題もその部分が中心に問われています。

特に、毎年ほぼ必ず出題される建築着工統計と地価公示には、この傾向が強く出ています。

実際の問題で見てみましょう。これは令和4年の問48、建築着工統計に関する選択肢です。

“建築着工統計調査報告(令和3年計。令和4年1月公表)によれば、令和3年の新設住宅の着工戸数のうち、持ち家は前年比で増加したが、貸家及び分譲住宅は前年比で減少した。”

答えは✖です。“貸家及び分譲住宅は前年比で減少した。”の部分が、“貸家及び分譲住宅も前年比で増加している。”が正しい記述となります。

※注:令和4年の問48は没問となりましたが、この選択肢は特に問題のない肢でした。

このように、増加したのか減少したのかだけを押さえておけば解ける問題が多く、暗記するポイントは多くありません。

ポイント②最低限の数値だけを覚えよう

一方で、どうしても数値を覚えなければならないこともあります。

例えば「宅地建物取引業者数」(以下「宅建業者数」)です。

出典:令和4年度宅地建物取引業法の施行状況調査結果について

この表を見ると、令和4年度末(令和5年3月末)の宅建業者数は約13万業者(129,604業者)で、9年連続で増加していることがわかります。

実は、宅建業者数に関する知識は、「約13万業者」と「9年連続増加」の2点だけを覚えていれば十分です。

これまでの出題傾向では、宅建業者数が「15万業者を超えた」や、「約13万業者で9年ぶりに減少した」といった聞かれ方しかされていません。

同じように、土地白書と法人企業統計の資料についても覚えるべき数値は限られているため、ポイントを押さえて学習すれば、1日もかからずに得点できるだけの知識を得られるはずです。

ポイント③実際の統計資料は見なくてOK

どれだけ対策をしても、過去に出題されていない部分が出たらどうしようと不安になる方もいるでしょう。

そういった方がやってしまいがちなのが、実際の統計資料を確認して、どこから聞かれてもいいように時間をかけて対策をしようとする、いわゆる「深入り」です。

実際、前述の令和5年の統計問題の正答率が33.9%と異常に低かったのは、建築着工統計の選択肢が、過去にほとんど出されたことのない部分から出題され、多くの受験生が対応できなかったことが原因のひとつと言われています。

当然、国土交通省が発表した実際の建築着工統計調査報告に書かれていた内容が聞かれたため、この資料を隅から隅まで確認していた人は解けたかもしれません。

しかし実は、令和5年の問48(誤っているものを選択)は、選択肢のひとつ目の「宅建業者数」が明らかに誤っていたため、そこさえ押さえておけば2つ目以降の選択肢を読むことすらせず、簡単に正解できるサービス問題でした。

このように、大事なことは実際の統計資料をすべて確認することではなく、重要なポイントに絞って、最低限のことを効率よく暗記することです。

ポイント④どうしても苦手なら予備校で個別に対策する

独学で学習を進めている人などで、重要なポイントがどこなのか絞り切れない人や、どうしても統計問題の理解が難しいという人はいませんか。

そうした人にとって、予備校が個別に提供している「統計問題対策講座」の利用もひとつの手です。

資格試験予備校アガルートアカデミーでは【2024年合格目標】統計・白書問題対策講座を提供しています。

過去14年(16回)の問題を徹底分析し、統計問題で確実に得点するための対策と解法のコツを学ぶことが可能となる講座です。

※2024年合格目標の当該講座は現在販売停止中です。2025年向け商品は販売時期調整中です。

どうしても苦手な意思がある場合、こうした予備校講座を利用して個別に対策するというのも一つの手と考えられるでしょう。

統計問題の対策はアガルートの統計・白書問題対策講座がおすすめ!

宅建の統計問題は、ポイントを押さえ重要な部分だけに絞れば、1日で得点できるだけの知識を身に付けられるようになります。

つまり、最低限の暗記で1点が狙えるチャンス問題です。

とはいえ、そのポイントを絞れなければ、多くの数値や記述を前に、暗記できずに苦手意識を持ってしまうこともあります。

統計問題の重要ポイントや対策のコツを知って効率よく学習したい方には、アガルートアカデミーの【2024年合格目標】統計・白書問題対策講座がおすすめ。

約1時間の講義の中で、統計問題の重要ポイントを押さえることができ、効率よく試験対策が可能です。

また、一問一答形式の問題も付いてくるため、試験本番に向けた知識の確認もできるようになっています。

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この記事の著者 杉田 夏木講師

東京都特別区の元職員。

18年の区役所勤務では、主に福祉事務所と教育委員会に在籍。

現在は不動産賃貸経営を中心に、FP相談や金融教育の普及促進など幅広い分野で活動。

資格試験では、記憶に頼らず、知識を自分事として理解することを重視し、短期間で全ての試験*にストレートで合格。

*宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、管理業務主任者、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、マンション管理士

講師の「中高生にも伝わるように」をモットーとした、わかりやすい説明が評判。

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