「宅建は役に立たない」「宅建をとっても意味がない」こんな言葉をネット上で見かけることがあります。

しかし、宅建は毎年20万人以上が受験する資格です。

このコラムでは宅建が「役に立たない」と言われてしまうことがある理由と宅建を取得すると、どう役立つのか、どんな人が取得を目指すべきかについて解説します。

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宅建は役に立たないのか?

宅建の資格が「役に立たない」「意味がない」と言われていますが、結論から言うと宅建の資格は役に立ち、意味がある資格です。

宅建の資格を持っていることにより就活や転職に有利なことや、年収をアップさせることができます。

また、試験勉強をする過程で民法など不動産業界に役だ立つ様々な知識も身に付くため、不動産業界でやっていきたいという方にはおすすめの資格となります。

ではなぜ宅建は役に立たない、意味がない、という言葉を見かけることがあるのでしょうか?

その理由について解説します。

宅建が役に立たない・意味ないと言われる理由

宅建が役に立たないと言われるのはなぜか?

よく言われる理由について解説します。

希少性がないと考える人がいる

宅建は毎年20万人以上が受験する資格です。

合格率は15%~18%程度で毎年3万人前後が合格、累計で100万人以上の宅建合格者がいます。

宅建を取って不動産会社に就職や転職を目指しても、他にも多くの応募者が宅建を持っている可能性があります。

そのため、宅建は希少性が高いとはいえず宅建を取得するのはやめとけ等の意見が出るのです。

不動産営業は資格よりも実力主義

会社にとって必要な人材は「売上実績のよい人」や「会社に利益をもたらしてくれる人」です。

宅建の資格の有無が最優先事項ではない場合も多いでしょう。

特に不動産営業は成績が比較されやすい業界です。

今月は何件契約したのか、売上金額はいくらだったのか、具体的な数字で簡単に比較できてしまいます。

実力がなければ売上ゼロという可能性もあります。

資格の有無より、無資格でも売上貢献に期待できる人材のほうが採用されやすいでしょう。

そういった観点からも、役に立たない、という話が出ることが考えられます。

宅建を取るとどう役立つのか?

実際、宅建を取るとどういった場面で役に立つのか解説します。

就職や転職に有利

不動産業界への就職・転職を目指す際に宅建は必須ともいえる資格です。

不動産業界以外でも金融や保険など宅建の知識が役に立つ業界では有利になります。

宅地建物取引業者はその事務所等に「成年の専任の宅地建物取引士」を置かなければならないと決められて、設置人数は事務所の「業務に従事する者」の数の5分の1以上となっています。

たとえば業務に従事する者が11人の事務所の場合3人以上の宅建士が必要になります。

この基準を満たさないと営業することができません。

宅建士の資格が就職や転職に有利だと言われるのはこの基準を満たす必要があるからです。

社内でのキャリアアップに役立つ

宅建の資格は社内でのキャリアアップにも役立ちます。

会社によっては宅建を持っていないと役職がつかないなどのルールを設けているところもあります。

社内のジョブローテーションで年収アップを目指す場合に宅建を持っていることが条件になっている場合も多いです。

たとえばお客様に不動産を売る「住宅営業」から、販売用の土地を仕入れる「用地営業」へキャリアアップする際には宅建を持っていないとなかなか希望が通りません。

若いうちは売るだけでもある程度の年収を目指せますが、より高い年収を安定した形で実現したいなら他の職種も経験して仕事の幅を広げる必要があります。

宅建はジョブローテーションのパスポートと言える資格でもあるのです。

また、宅建を取って就職や転職する場合、多くの方が求人も多く未経験でも採用されやすい不動産営業からスタートするのではないでしょうか。

不動産営業には売買営業、賃貸営業などがありますがインセンティブが大きい会社であれば大幅な年収アップが見込めるので魅力的です。

しかし実力主義の不動産営業の世界で10年、20年と好成績を残し続けるのは非常に難しいです。

資格を活かして、売買営業で不動産業界の経験を積み、用地営業へキャリアアップ、というのは宅建士ならではのプランです。

用地営業という職種は販売用の土地を購入する仕事です。この時、土地に対してどんな法令上の制限がかかっているか詳細な調査を求められるので宅建の知識が大いに役立ちます。

このほか、FPとのダブルライセンスを活かして不動産購入から火災保険や地震保険の紹介、ライフプランの設計、資産形成のお手伝いといった具合にお客様の人生に寄り添うアドバイスができる人材として活躍することも目指せます。

お客様や取引先の信用が得られる

国家資格である宅建を持っていると、説明する内容の信ぴょう性も高まります。

不動産業には売買や賃貸、管理などさまざまな仕事があります。

法律用語や専門用語など一般の方にはよくわからない言葉もたくさん出てきます。

そんな時に宅建の資格を持っているとお客様からの信用につながります。

業者間の取引でも同様です。

資格を持っていない社員が知識もなく商談を進めてしまうと、トラブルを起こすことがあるかもしれません

宅建を持っていることで信用度は大きく違ってきます。

年収アップにつながりやすい

宅建の資格を取得することで、年収アップも期待できます。

厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』によると、不動産業・物品賃貸業の平均年収は約536万円です。(きまって支給する現金給与額約34万円*12+年間賞与その他特別給与額約127万円)

また、同調査の全産業の平均年収は473万円です。(きまって支給する現金給与額約32万円*12+年間賞与その他特別給与額約91万円)

不動産・物品賃貸業の平均年収は、全産業と比較してやや高いことがわかります。

また、宅建を持っていると資格手当が付くことが多く、資格手当の相場は月2~3万円程度です。

これだけでも年収が24万円~36万円アップすると考えられます。

独立開業も目指せる

さらなる年収アップ実現のため独立開業を目指す、そんな場合にも宅建が役に立ちます。

宅建の資格を持っていれば自分で専任宅建士となれるため、余計な人を雇う必要がありません。

独立の際には不動産業界で働いた経験だけではなく、会社勤めのときに培った人脈が大きな財産となります。

宅建士として信用ある仕事をしていれば、独立開業しても仕事を紹介してもらえるでしょう。

副業として重要事項説明書を読むアルバイトをする際にも資格が必要です。

資格があるのとないのとではできることが全然違うので、早めに資格を取っておきましょう。

他の資格が取りやすくなる

宅建はFPやマンション管理士、管理業務主任者などの資格と一部試験範囲が被っていますので、宅建を取得することで他の資格が取りやすくなります。

知識をしっかり覚えている宅建試験の合格直後に他の資格を受験する人が多いようです。

FPとのダブルライセンスで不動産購入からライフプランの設計、資産形成のお手伝いといった具合にお客様の人生に寄り添う仕事にキャリアアップしていくことも可能です。

宅建では民法を学ぶことから法律系の入門資格とも言われています。

宅建合格後、行政書士や司法書士を目指す人もいます。

行政書士は宅地開発申請など、司法書士は登記関係など実際の業務でも不動産業界とは密接につながっています。

最終的にどんな仕事がしたいのか、目標を決めて必要な資格に取り組みましょう。

ダブルライセンス、トリプルライセンスとなればできる業務も増えていき、そこから収入アップにつなげることも可能です。

マイホーム購入など自分自身のライフイベントに役に立つ

マイホーム購入の際にも宅建の知識があれば役に立ちます。

不動産に関する知識はもちろんのこと、宅建では民法も学習しますので契約に関する知識もつきます。

人生において、マイカー購入などさまざまな契約をする場面がありますが、あらゆる契約で民法の知識は役に立つといえるでしょう。

特に、マイホーム購入の際は非常に高額な取引になります。しっかりと知識を身につけて失敗しないようにしたいですよね。

宅建の資格を持っていれば家族や友人から不動産に関する相談を受けた時も適切なアドバイスができるでしょう。

こんな人は宅建取得を目指すべき

このコラムでは宅建が「役に立たない」と言われてしまうことがある理由と宅建を取得すると、どう役立つのか、どんな人が取得を目指すべきかについて解説しました。

宅建は不動産業界はもちろんですが金融や保険、建設など宅建の知識が活かせる業界は他にもありますので、就職や転職に有利です。

宅建を足掛かりにしてFPやマンション管理士を取れば仕事の幅も広がります。

法律系の資格として行政書士や司法書士へステップアップして、年収アップを目指すこともできるでしょう。

就職や転職に向けて何か資格を取りたいと思っている人は宅建取得を目指してみてはいかがでしょうか。

宅建は法律系の入門資格と言っても合格率は15%~18%です。

決して簡単な資格ではありませんし、宅建の試験日は例年10月の第3日曜日と、受験のチャンスは年に1回しかありません。

ネットでは独学でも合格できる人もいるといわれていますが、失敗したら次のチャンスは1年後です。

より確実な合格を目指すならオンライン講座がおすすめです。

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この記事の監修者 kamimura

【保有資格】宅地建物取引士、FP2級など

2008年 宅建試験に合格。
現在は、不動産業に従事しながらWEBライターとして宅建試験に役立つ情報を発信中。