宅建とマンション管理士の難易度の違いとダブルライセンスの魅力を解説
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宅建とマンション管理士は、どちらが難易度が高いのでしょうか?
双方の資格に興味がある方にとって、気になると思います。
また、宅建を既にお持ちで、新たにマンション管理士の取得を検討している方も多いと思います。
そこで、宅建士とマンション管理士の難易度の違いや、ダブルライセンスの魅力について、各要素を比較しながら解説します。
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宅建士とマンション管理士の違い
宅建士とマンション管理士は共に不動産に関する国家資格ですが、2つの資格の違いは以下のようになっています。
宅建士
宅建士は不動産取引に関する国家資格です。
宅建試験に合格し、登録、宅建士証を交付すると名乗ることができます。
宅建士の業務は不動産の売買や賃貸、その他土地など不動産取引全般に渡ります。
なかでも重要事項説明は、宅建士は資格を持っている人しかできない独占業務です。
また宅建業の免許を受ける事務所ごとに、5人に1人が宅建士の資格を持っていないと宅建業を営むことができなくなるなど、不動産関連の仕事には欠かせない資格です。
マンション管理士
マンション管理士は、マンションの維持管理に関するコンサルティングを行う専門家です。
その名の通りマンション等の建物を管理運営することが主な業務となります。
ただし、マンション管理士は宅建士とは違い、資格を持っている人しかできない独占業務はありません。
難易度が高いのは?
結論からいうと、宅建とマンション管理士を比較すると、マンション管理士の方が難易度が高いです。
両資格の難易度は試験内容・合格率・勉強時間の点から比較することができますが、いずれの要素についてもマンション管理士の方が難易度が高いといえます。
試験内容の違い
試験内容を比較した場合、宅建試験よりもマンション管理士試験の方が難易度が高いと言えます。
宅建試験の試験科目は以下のようになっています。
権利関係 |
宅建業法 |
法令上の制限 |
税・その他 |
4科目が出題され、問題数は全50問です。
宅建試験の出題形式は四肢択一のマークシート式試験、試験時間は2時間(120分)。
1問にかけることの時間は平均2.4分と短く、正確な知識をもとに素早く解答していくことが必要になります。
一方、マンション管理士試験の試験科目は以下のようになっています。
マンションの管理に関する法令及び実務に関すること |
管理組合の運営の円滑化に関すること |
マンションの建物及び附属施設の構造及び設備に関すること |
マンションの管理の適正化の推進に関する法律に関すること |
マンション管理士試験は4科目が出題され、問題数は全50問です。
宅建試験と同じ科目数・同じ問題数であり、また民法や区分所有法といった試験内容は宅建試験でも出題されています。
出題形式は四肢択一のマークシート式試験で、宅建試験と同じ出題形式となっています。
試験時間は2時間(120分)です。こちらも宅建試験と同様です。
しかし、マンション管理士試験の方が宅建の問題より深い知識が要求されており、正解することが難しいと言われています。
また、マンション管理士試験では宅建士では出題されない会計知識なども要求され、幅広い分野を勉強しなければなりません。
合格率の違い
合格率の観点から比較します。
宅建試験の合格率
不動産適正取引推進機構『試験実施概況』によれば宅建試験の合格率は、例年15~18%で推移している(最新令和5年は17.2%)ことが分かります。
受験者は毎年10万人後半から20万人、合格者は3万人前後となっており、多数の人が受験して多くの人が合格している人気の試験であることが分かります。
割合でいえばだいたい6人に1人が合格する試験であり、多くの人が合格しますが決して簡単な試験ではないといえます。
マンション管理士試験の合格率
マンション管理士試験の合格率は、例年8~11%(最新令和5年は10.1%)となっています。
近年の受験者数は1万人台で、合格者は1,000人弱から1500名程度で推移しています。
宅建試験と比較すれば受験者数や合格者数は少ないものの、受験者数が1万人を超えているのでこちらも人気の資格といえるでしょう。
合格率は10%を下回っており、宅建試験より10%ほど合格率が低い水準となっていることが分かります。
マンション管理士試験の合格率の割合から言えばおよそ13人に1人が合格する試験であり、宅建試験より合格が難しいといえるでしょう。
このように、マンション管理士試験は宅建試験より合格率が10%ほど低く、合格が難しいことが分かります。
合格に必要な勉強時間の違い
最後に、合格に必要な勉強時間の観点から比較します。
宅建試験合格に必要な勉強時間
一般に、宅建試験の合格に必要な勉強時間時間は300時間~400時間といわれています。
マンション管理士試験合格に必要な勉強時間
一方、マンション管理士試験の合格に必要な勉強時間は500時間程度とされています。
マンション管理士試験は、宅建試験の合格に必要な勉強時間と比較すると約2倍の勉強時間が必要となっており、長期間かつ長時間の勉強時間が必要です。
よって、勉強時間の観点からも、マンション管理士試験の方が難易度が高いといえます。
ダブルライセンスの業務上やキャリア面でのメリット
宅建とマンション管理士のダブルライセンスにより、キャリアアップにつながる可能性があります。
マンション管理士はマンションの管理、運営をマンションの組合側の立場に立って業務を行います。
宅建業を営む上でマンションの管理会社や住民、組合とトラブルになることは避けられません。そこでマンション管理士の知識があると、よりスムーズに解決することができます。
また、実際にマンション管理士をすることで大家さんや住民との接点ができ、売買や賃貸を依頼されるなど宅建業の仕事の増加にも繋がります。
他にもマンションを投資として購入して大家になるという方に、宅建士として売買をした後、マンション管理士として購入したマンションの管理や修繕についてのコンサルタントができるので、一貫して仕事を任せてもらえます。
宅建業に従事していたがマンション管理に興味があるという方にももちろんダブルライセンスはおすすめです。
マンション管理の仕事は独占業務がないため、資格がなくても就けますが、マンション管理の資格を持っていた方が採用の可能性が高いでしょう。
単純に宅建士だけでなくマンション管理士にも資格手当が出る会社もあります。給料アップに繋がる可能性も大いにあるので取得しておいて損はありません。
宅建保有者のマンション管理士の取りやすさ
宅建士の資格試験とマンション管理士の資格試験は、同じ不動産に関する試験ということもあり、「民法」など試験範囲が重なる科目があります。
出題範囲が重なっているので、一から勉強をする人よりも少ない勉強時間で資格を取得しやすいというのはもちろん、一度不動産に関する勉強をしているので、内容も、初めて学習する人より理解しやすいでしょう。
宅建士の資格を取得している人にとってマンション管理士は比較的スムーズに始めやすいと言えます。
とはいえ、宅建試験では全く触れていない範囲の出題や宅建試験の出題範囲と重なっているが、より細かく問われる科目もあるので、勉強し直すことが必要です。
テキストや動画学習でインプットし、問題集や過去問でアウトプットを繰り返し記憶を定着させましょう。
マンション管理士・管理業務主任者はダブルで取得したほうがいい?
宅建をお持ちの方がマンション管理士の取得を検討する場合、余裕があればマンション管理士だけでなく、管理業務主任者も併せて取得することをおすすめします。
マンション管理士の資格試験と管理業務主任者の資格試験では出題範囲が重なっている部分が多く、ダブル取得を目指し同時に勉強すると効率的でしょう。
マンション管理士と管理業務主任者の業務の違いとして、マンション管理士がマンション管理組合側の立場で業務をするのに対し、管理業務主任は管理会社側の立場で業務をします。
マンション管理士と管理業務主任をダブルで取得するとマンションの管理について組合側、管理会社側どちらの知識もあるマンションのプロフェッショナルになることができます。
まとめ
宅建とマンション管理士の資格取得の難易度について解説しました。
資格取得の難易度はマンション管理士の方が高いですが、ダブルライセンスも人気です。
ぜひ取得を検討してみてはいかがでしょうか。
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