「宅建の資格は、高卒の人も取得することができる?」

宅建試験の受験資格に学歴の条件があるかどうかは気になるところですよね。

また、高卒での合格の難易度や資格を取得後の就職のしやすさも気になるかもしれません。

当コラムでは、高卒の方の宅建資格取得について解説します。

 

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宅建は高卒でも目指せる資格

結論から言うと、宅建は高卒の方も目指すことができる資格です。

宅建試験には受験資格がありません。

これは宅建の実施機関である不動産適正取引推進機構のホームページにも明記されています。

宅建は幅広い人に受験の門戸を開いています。

そのため、学歴を問わず受験することができ、高卒の方はもちろん中卒の方も受験することができます。

また、受験資格がないので、このような学歴のほか、年齢や性別を問わずに受験することができます。

宅建試験に高卒で合格するのは難しい?

宅建試験は民法や宅建業法といった法律科目が出題されます。

そのため、大学で法律を勉強している人が多く合格しやすく、高卒で合格するのは難しいと思うかもしれません。

しかし、実際には高卒の方も十分合格を目指すことができる試験です。

宅建試験は、合格者の学歴を公表しているデータがありません。

もっとも、試験には受験資格がないので学歴や年齢などが違う様々な人が受験しており、毎年28,000~37,000人という多くの合格者がいます。(参考:不動産適正取引推進機構

大学で法律を勉強し合格している人は一部にすぎず、高卒で合格している人も数多く存在すると考えられます。

それを裏付けるデータとして、試験の結果を見てみましょう。

令和元年度宅地建物取引士資格試験の結果について』によると、最年少合格者は14歳、18歳未満の方も16人合格しており、高校卒業前の方が合格していることがわかります。

また、最高齢は89歳で平均年齢は35.4歳となっていることから、様々な年代の人が受験し、合格していることも分かります。

この中には当然高卒の方も含まれています。

以上から、宅建試験は高卒の方も十分合格できる試験であり、高卒だからといって不利になるような試験ではありません。

宅建士の登録には条件がある

ただし、合格後に宅建士として働く場合には注意が必要です。

宅建士になるには、合格の後、宅建士の登録をする必要がありますが、登録には下記2つの条件のうち1つを満たすことが必要になります。

2年以上の実務経験があること

宅地建物取引業に関し、2年以上の実務経験が必要です。

実務経験は、物件の調査や顧客への説明など宅建士の業務と近い仕事を指します。

そのため、他の業種で働いている方や宅建業者の従業員でも宅建士の業務に近い仕事をしていない人はこちらの条件を満たさず、以下の登録実務講習を終了する必要があります。

登録実務講習を修了していること

宅建士に必要なスキルを習得するため、講習を受けて修了試験に合格することが必要です。

現在不動産業で働いていない人などはこちらの講習が必要になります。

なお、20歳未満の方は以上の条件に加え、以下の条件も必要です(2022年4月1日以降は法改正により18歳未満の人が対象になります)。

『宅地建物取引業に係る営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者ではないこと』

20歳未満の人は原則として登録することができません。

これらの人は制限行為能力者として資格登録の欠格事由とされています(宅建業法第18条1項1号)。

もっとも、一切登録できないわけではなく親などの法定代理人の許可を得ればこの条件を満たします。

例えば京都府では①営業に関する法定代理人の許可書、②法定代理人の印鑑証明書、③戸籍謄本があれば20歳未満でも登録することができます。

高卒者も宅建を取れば不動産業界に有利

高卒の方も宅建資格があれば不動産業界の就職・転職は有利です。

その理由は以下の通りです。

不動産業者の従業員は5人に1人が宅建士でなければならない

不動産業者の事務所では、5人に1人以上が宅建士でなければ宅建業法違反になります(宅建業法31条の3第1項、規則15の5の3)。

そのため、不動産業者は宅建士を求めるため、宅建士の求人が多いです。

宅建は学歴に関係なく受験・合格することができるため、高卒の人でも宅建保持者は不動産業界からのニーズが高いです。

求人をみると、学歴不問や高卒以上といった求人が多い

宅建士を必要としている求人の多くは「学歴不問」「高卒以上」といったものが多いです。

不動産業者は学歴にとらわれることなく、幅広い学歴の人を採用しているため高卒の人も多くの不動産業者に応募することができ、不動産業者への就職は有利です。

就職後は学歴に左右されることはない

宅建士の仕事は重要事項の説明や契約書に記名などを行うことです。

そのため、宅建士として就職後に評価されるのは学歴ではなく、数多くの取引を行うなどの実績や、お客様にわかりやすく説明するといったコミニュケーション能力です。

高卒の方もこれらの能力がある人や、今は能力がなくとも磨いていけばよいため、就職後に学歴は関係ありません。

合格には予備校利用がおすすめ

宅建の勉強は独学でもできますが、予備校の利用をおすすめします。

予備校に通うことで勉強のペースを掴むことができる

独学の場合、最初のうちはペースメーカーとなるものがなく、自分の勉強スピードが周りと比べてどうなのか分からないため勉強のペースを掴むことが難しいです。

関連コラム:宅建を独学で勉強する際の勉強時間は?難しい?おすすめの勉強法も解説

そのため最初のうちは苦労すると思います。

一方予備校の場合、1コマや1時間などの講義で時間を区切っており、教材がその時間の中でどれだけ進むかを把握できます。

そのため予備校の講義などがペースメーカーとなり、スムーズに勉強することができます。

時間を割くべき勉強について理解できる

予備校では過去問の分析により頻出分野を重点的に教えているので、その部分が重要であることを知ることで時間を割いて勉強する部分を理解することができます。

まとめ

以上から、宅建に学歴は関係ないことが理解できたと思います。

ここまでの内容をまとめると、下記のようになります。

・宅建に受験資格はなく、高卒や中卒でも受験することができる

・宅建は様々な人が受験し、合格するので高卒でも不利になる試験ではない

・20歳未満の合格者が登録する場合には法定代理人の許可を証明する書類などが必要

・高卒であっても、宅建資格をもっていることで不動産業界への就職・転職は有利になる

・宅建は独学でも合格できるが、効率的に勉強したいなら予備校の利用をすべき

宅建士は高卒でも活躍することができる資格になっています。

また、宅建は試験範囲や職域などから他の資格との相性が抜群です。

そのため、マンション管理士や行政書士などを更に取得し、ダブルライセンスを目指すことができます。

こういった魅力も宅建にはあるので、ぜひ宅建合格を目指してみましょう。

関連コラム:宅建とは?宅建士の仕事内容や独占業務・求められる能力について紹介

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