宅建試験を受験してみた結果、思うような結果を得られなかった・こんなはずじゃなかったという方も多いことと思います。

今回の記事では、宅建試験において、残念な結果となってしまう原因や、次の試験で絶対に合格するには何が必要かを明らかにしたいと思います。

落ちた場合次のことを考えるのにも辛いかもしれませんが、お時間のあるときにでも目を通していただけますと幸いです。

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宅建試験に落ちた・・・これって恥ずかしい?:宅建は難しい

宅建試験は、決して易しい試験ではありません。

現在の試験では、ひと昔前の頃には考えられないような問題が平気で出てきますし、合格基準点も上昇しています(以前は「高くても33~34点くらい」だったものが、今は「35点を超えるのが当たり前だ」というような状態になっています)。

問題の難易度も上昇し、合格基準点も上がれば、当然受験生に求められるものも高くなります。

中には「宅建試験に落ちたら恥ずかしい」といった声もあるようですが、宅建が難しい試験である以上、落ちたことが恥ずかしいということはないです。

宅建試験に合格するには、それ相応の努力をしなければなりません。

努力は正しい方向へ向けなければ、実力とはなりません。

正しい方向へ向けた努力を続けることにより、それは実力となり、最終的には合格という結果となります。

正しい方向へ向けた努力を続けることができたか。

今回の試験の結果は残念なものとなってしまいましたが、この経験を明日に繋げるためにも、一度ここでしっかりと振り返っていきましょう。

※【アガルート調べ】宅建受験者の合格までの受験回数

資格試験予備校アガルートアカデミーでは、受講者に対して様々なアンケートを実施しています。

その結果、受講者の内令和5年度試験に合格した人の受験回数は以下のような結果となりました。

1回目の受験で合格した人が半分近くいるのも事実ですが、2回目「以上」という枠で見ると1回の受験で合格した人の総数を超えています。

つまり、宅建試験は1回の受験で誰でも合格できるような簡単な試験ではないということです。

※令和5年度宅建士試験合格者向けアンケート結果の宅建士試験合格者の合格までの受験回数から引用

宅建試験で残念な結果に終わってしまう場合のありがちな原因

宅建試験において、残念な結果となってしまう方の陥りがちなポイントは、次の4点が考えられます。

  • 試験までの期間があまりにも短かった(時間不足・準備不足)
  • 用意した教材が足りていなかった(情報量の不足)
  • 本番の試験に向けたシミュレーションができなかった(経験不足)
  • 適切な指導者がいなかった(合格への道筋がない)

まずは、今回の試験に向けて行ってきたご自身の勉強等と照らし合わせてみてください。

①試験までの期間があまりにも短かった(時間不足・準備不足)

例年、宅建試験の受験申込みは7月中に受け付けられます。

受験申込みがそろそろ終わる……ぐらいのタイミングで、突然「宅建、受けてこい!」とか言われて、急遽受験することになった。

なので、あわてて受験申込みをして、さてどうしようかな……。

このような“駆け込み受験”の話、実は、宅建試験の世界では割とよく聞く話です。

「宅建試験を受験することに突然決まったので、調べてみたら受験申込みがあと少しで終わってしまう!

だから、慌てて申し込んできました……で、私は何をすればよいのでしょう?(汗)」

上記の通り、近年の宅建試験は難易度が上昇傾向にあることから、準備期間もそれに伴い長期化しているのが現状です。

そのため、受験申込みをしてから準備を始める方の場合、勉強のための時間を満足に確保することができず、そのまま試験を受けることとなり残念な結果となってしまう……こんな具合です。

宅建試験においては、「合格に必要な勉強時間」というものがあります。

その勉強時間に到達してなかったとすれば、やはり合格は厳しい。

今回の結果を踏まえ、宅建試験の合格に必要な勉強時間」をきちんと知っておくこととしましょう。

②用意した教材が足りていなかった(情報量の不足)

「今年の試験に向けては、どういった教材をお使いになられていましたか?」

翌年の試験では何がなんでも合格したい!という方が受講相談にいらした際、私が必ず伺うようにしている質問です。

この質問に対する回答で、その方が試験に向けてどういった方針で勉強をしてきたか等が色々と分かるんです。

可能であれば実際に使っていた教材なんかを見せていただくのですが、中には、「教科書(テキスト)だけ」という方がいらっしゃいます。

「教科書はこれをお使いだったんですね~、問題集(過去問集)は何をお使いだったんですか?」

「いえ、持ってません(買ってません)。」

「え」

すると、おもむろに机の上にある教科書をパラパラっとめくって、これと指さします。

そこには、「ミニテスト」と記載された簡易な小テストの問題(一問一答が5~6個載ってました)があり、「これで勉強してました」とおっしゃいます。

試験を受験されてきたあなたならご存じでしょう。

本番の試験問題というのは、教科書のミニテスト程度の簡易なものではありません。

つまり、出題される問題の難易度が全く違うわけです。

この方の場合、「いったいどんな問題が出題されるのか」という点が完全に抜けた状態で本番に臨むこととなり、残念な結果に終わってしまったというわけです。

このように、正しい情報が不足していると、努力を正しい方向へと向けることはできません。

どれほど努力を重ねたとしても、見当違いのことをしてしまいますから、望む結果にたどり着くことは難しくなるのです。

宅建試験の世界においては、「教材は教科書だけで、問題集は持ってない」という方が結構いらっしゃいます。

お手元にある教材たちは、今年の試験の合格を目指すうえで、果たしてふさわしい顔ぶれでしたでしょうか?

③本番の試験に向けたシミュレーションができなかった(経験不足)

「普段の勉強のときには問題が解けるのだけど、本番になるとうまく解けない」

こういう方は、本番の試験に向けたシミュレーションが不十分なことが多いです。

1問ずつならば解けるけど、それが10問や20問単位になると解けなくなってしまう。

そんなことを経験したことがあるのではないでしょうか。

そういったことが起こる原因は、まとまった数の問題を検討し正解を導き出す集中力(“体力”のほうがうまく伝わるでしょうか)が不足していたり、各問題を検討するにあたっての時間配分ができてなかったりする点になります。

本番の試験は、「50問・2時間」です。

この試験を乗り切るためのシミュレーションを、直前対策期と呼ばれる時期(受験申込みの受付が終わった8月以降)にする必要があります。

そのための手段のひとつが「模試試験」です。

「模擬試験」は、本番の試験で何が出題されるかという予想の面だけでなく、本番のシミュレーションの場という面があります。

試験問題の難易度が上がれば、本番できちんと実力を発揮するための準備が求められます。

そのうちの1つが本番のシミュレーション、すなわち模擬試験です。

次の試験での合格を目指すにあたっては、こういった機会を大事にしたいです。

④適切な指導者がいなかった(合格への道筋がない)

努力は正しい方向へ向けなければなりません。

とはいえ、まだ合格していないですから、いったいどっちが「正しい方向」か分かりません。

そこで、勉強を進めるにあたり誤った方向へ進みそうになった際に軌道修正してくれる人が必要です。

すなわち、合格するのに必要なことを知っている指導者です。

軌道修正には、様々な要素があります。

例えば、「何を、いつまでに、終わらせなければならないか」といった締切の設定や、「ここまで分かれば・やれば試験には合格できる」といった線引きがあります。

こういった締切の設定や線引きがうまくいかないと、余計なことに時間を取られてしまい、気が付けば本番に間に合わなくなります。

次の宅建試験で合格するためにやるべき4個のこと

残念な結果となってしまう方の陥りがちなポイントが明らかになりました。

では、次にこれらのポイントを踏まえ、次で必ず合格するために、宅建試験の勉強法を明らかにしていきましょう。

具体的には、以下の4点が重要になってきます。

  • 時間不足・準備不足→勉強期間・時間としてどのくらい必要か把握しましょう
  • 情報量の不足→合格に必要な教材・情報源を確保しましょう
  • 経験不足→模擬試験を受験する時期をあらかじめ決めておこう
  • 合格への道筋がない→道筋を示す適切な指導者を見つけましょう

①時間不足・準備不足→勉強期間・時間としてどのくらい必要か把握しましょう

次の試験で必ず合格するには、まずはしっかりと勉強期間・時間を設ける必要があります。

宅建の試験日である10月から逆算し、いつ頃から勉強を再開すれば間に合うかを確認しましょう。

②情報量の不足→合格に必要な教材・情報源を確保しましょう

宅建試験の合格に必要となる教材は、①教科書(テキスト)と②問題集(過去問集)、③模擬試験の3種です。

これが、揃えるべき教材のセットです。

勉強開始の初期段階は、①教科書(テキスト)と②問題集(過去問集)を中心に勉強を進め、試験の直前期(直前対策期)に入る頃にはこれらに、③模擬試験が加わります。

なお、用意する教材は、必ず最新年のものにしましょう。

近年の宅建試験は「法改正のあった箇所」を好んで出題する傾向があるため、こういった傾向にしっかりと対応するためです。

③経験不足→模擬試験を受験する時期をあらかじめ決めておこう

模擬試験の受験には、なかなか時間を取ることができません。

教科書や問題集を使った日々の勉強が優先されてしまい、模擬試験を受験する余裕が徐々になくなってしまうからです。

上記の通り、模擬試験の受験は、次の宅建試験で必ず合格するにはぜひやっておきたい要素です。

そこで、次の宅建試験に向けた準備では、あらかじめスケジュールのなかに組み込んでおきましょう。

そして、「模擬試験を受験すること」を前提に、日々の勉強を進めることにしましょう。

すると、本番よりも少し前に全科目の勉強がひと段落する計画になりますから、模擬試験の受験から本番までの間に「最後の詰めの勉強」を行うことができ、より合格の可能性が高まります。

④合格への道筋がない→道筋を示す適切な指導者を見つけましょう

今回の試験を受験するにあたり、様々な点で苦労をされたことと思います。

あれが分からない、これが分からない。

ここはいったいどうすればよいのか。

そういった疑問点であったり、勉強の方向性であったり、宅建試験の合格に向けた準備を進めるうえで、色々な障害が次の宅建試験に向けた準備のなかでも起こることでしょう。

様々な障害を乗り越え、次の宅建試験に必ず合格するうえで、適切な指導者を予め見つけておきましょう。

正しい方向で勉強すれば合格できる

このコラムのまとめとしては以下の通り。

  • 残念な結果になるありがちな原因:準備・情報量・経験不足、合格への道筋の欠如
  • 次に合格するためにやるべきこと:必要な勉強時間・情報の把握、受験時期を予め決める、適切な指導者を見つける

以上です。

最後に、これだけは。

宅建試験は、決して易しい試験ではありません。

ササッと勉強して、パパッと合格できるような代物ではありません。

だからこそ、努力して手に入れる価値のあるものだと私は思います。

あなたの大切な時間を費やす価値のある資格だと、自信をもってお伝えいたします。

残念な結果を突き付けられ、どうしてよいやら分からないのであれば、この記事の内容を参考にしてみていただければ幸いです。

きっとあなたの力になる要素があるはずです。

そして、この記事をきっかけにして、あなたが次に向けての歩みを開始することができたとすれば何よりです。

次こそあなたの望む結果が得られることを心より祈願しております。頑張りましょう。

【令和5年】宅建士試験に合格した人のアンケート調査概要

アンケート概要宅建士試験合格者のアンケート
調査方法アガルートアカデミー内でのアンケート調査
調査対象アガルートの講座を利用して令和5年度宅建士試験に合格したユーザー
調査対象地域日本国内

アンケート回答者の属性

年代10代20代30代40代50代60代以上
割合0.7%26.8%25.4%26.8%15.5%4.9%

宅建士試験合格者の合格までの受験回数

受験回数割合
1回目49.3%
2回目27.5%
3回目14.8%
4回目4.2%
5回目以上4.2%

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この記事の著者 林 裕太講師

2007年に行政書士試験に合格し、大手資格予備校で長年行政書士試験の受験指導を行う。

初学者向けの入門講座から、受験経験者を対象とした上級講座まで幅広く講座を担当。

本試験の出題傾向を緻密に分析した上で、初学者・受験経験者問わず、少しでもわかりやすく、点をとりやすくなるような講義とテキスト作りに心血を注ぐ。

また、様々な資格試験に精通する「資格マニア」でもある。

アガルートアカデミーでは、行政書士試験だけでなく、公務員試験(法律系科目,社会科学等)、

宅地建物取引士試験、司法試験(一般教養科目対策)、ビジネス実務法務検定®試験の指導も行う。

林 裕太講師の紹介はこちら

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