宅建試験の直前期(直前対策期)は、概ね8月からの約2か月半です。

この期間は、全科目の総復習の時期でもあるため、あれこれやらなければならないことも多く、混乱してしまう方も多くいらっしゃいます。

そこで今回は、「直前対策期にやるべき対策・やってはならない対策」ということで、直前対策期の過ごし方をご紹介したいと思います。

宅建試験の勉強法に悩んでいる方は、ぜひ最後まで読んでみてください!

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宅建試験の直前にすべき対策

※Youtube動画でも直前にすべき勉強法について解説されています

本番までの“残り時間”を把握しておこう

「直前対策期」とはいえ、皆さんそれぞれの“残り時間”は、置かれている状況によってバラバラです。

例えば、大学生の方と、社会人の方であれば、同じ「8月」「9月」といっても、1日・1週間の過ごし方・勉強に割り当てられる時間はまるで違うはずです。

勉強に割り当てられる時間を把握しておかないと、本番までの間に何ができるかの見通しも立ちません。

そこで、まずはご自身の“残り時間”を把握することから始めましょう。

“残り時間”を把握し、本番までの間に、何ができそうか・何ができなさそうか(諦めるべきか)を見積もっておきましょう。

過去問集を解こう

割と多くいらっしゃるのが、「テキストは一通り読んでみたけど、問題を解いたことがない」という方です。

テキストは仕事の合間を縫って少しずつ読み進めてきたものの、過去問集のほうに手を出す時間を設けることができなかったというわけですね。

(もしかすると、そもそも問題集を購入してないという方もいらっしゃるかも)

「直前対策期」において、まず気にすべきことは「どれだけの問題が解けるようになったか」という点です。

問題が解けないことには、本番で合格点を取ることは不可能ですから。

苦手なもの・不得意なものにトコトン向き合ってみましょう

自分が苦手としている・不得意としているものであっても、試験対策上、どうしてもできるようにならなければならないものがあると思います。

例えば、私の場合は「宅建業法」に出てくる「8種制限(自ら売主制限)」のなかにある「クーリング・オフ」制度がそうでした。

かなりの頻度で出題されるものですが、私はさっぱり解けませんでした。

けど、「宅建業法」は、何がなんでもできるようにならなければなりません。

そこで、「クーリング・オフ」に関して、一度しっかりと向き合ってみることとしました。

① テキストで「クーリング・オフ」を取り上げている箇所だけを読むことにする

② 過去問集も「クーリング・オフ」を出題している問題だけを解く(10回解くことになっても構わない)

③ 間違えた問題・選択肢の解答解説は音読し、テキストは指でなぞりながら音読する

日頃はこれほど手間暇かけてやることはありませんが、苦手なもの・不得意なものでしたから、とにかく徹頭徹尾繰り返して習得することを心掛けました。

模擬試験を受けてみましょう

本番の予行練習ということで、模擬試験を受験してみましょう。

本番で合格点を取れなければ合格できませんから、一発勝負のシミュレーションは本当に重要です。

「まだ全部終わってないから……」とか言わず、積極的に受験してきてください。

そして、堂々と悪い点数を取ってきてください。

模擬試験を受験することでしかわからないことがたくさんありますからね(例えば、時間配分の調整は、本番と同じ環境で試してみないと、良いか悪いかの判断ができません)。

病院に行っておきましょう

体調管理の類です。

例えば、虫歯がある場合には、きちんと歯医者さんへ行って治療してもらいます。

虫歯がひどくなれば、とてもじゃありませんが、勉強どころではありません。

腰が痛い場合には、整骨院へ行く等してしっかりと治療してもらいましょう。

痛みがひどくなれば、座っていられないなんてこともあり得るでしょう。

こうやって、勉強の阻害要因となるだろう要素を減らしておくことも、本番で結果を出すうえで重要です。

直前期にやってはいけない勉強法とは

※動画でも解説しています。視聴はこちらから可能です。

模擬試験を“とにかくたくさん”受けるのはやめましょう

模擬試験を受けることをおススメしましたが、かといって、何回も受けるのはやめてください。

受験する回数は、どんなに多くても3回で十分です。

4回以上は明らかに多いですし、むしろあなたの勉強を邪魔する要因です。

以前、「模試を受けた方が良い?」というコラム記事で、模擬試験を受験することの意味等を詳しく書きました。

詳細はそちらを見ていただきたいのですが、一言で言えば、「模擬試験は、あなたの実力を伸ばすものではない」ということです。

受ける度にあなたの実力が伸びるという類のものではありませんから、受けるのは、ほどほどにしておきましょう。

※参考:アガルートアカデミーの模擬試験について

他の人の真似をするのはやめましょう

「直前対策期」になると、他の受験生の進み具合が気になりだします。

「他の人と比べて、自分は今どのくらいの位置にいるのか」ということです。

そういったことを気にするのは受験生として当然のことと思いますし、それを確認する手段として「模擬試験」がありますから、模擬試験をぜひ活用していただきたいです。

あの人の使っている教材やその人が利用しているサービスなどを、あれこれ気にするのはなるべくやめましょう。

「よそはよそ、うちはうち」の精神が、直前対策期は本当に大事です。

他の人がやっている・勉強していることは、その人にとって必要だからやっているのであって、あなたに必要なものとは限りません。

必要なものを、必要な分だけ、しっかりとこなすことを心掛けていきましょうね。

新しいテキストや問題集は不要です

例えば、未だ過去問集を購入していない等必要な教材が揃ってない等の事情がない限り、直前対策期に新しいテキストや問題集を購入する必要はありません。

どのテキストも大体似たようなことしか書いていませんから、テキストを何冊も購入したとしても、あなたの実力を飛躍的に伸ばすことはあり得ません。

問題集(過去問集)も実は同様で、掲載されている問題の数が多い・少ないの違いはあるものの、まったく異なるものというのは滅多にありません。

手元にある教材を、まずはしっかりとマスターするようにしましょう。

仮に新しいものに手を伸ばすにしても、現在手元にあるものを片付けてからでも全然問題ないはずです。

まとめ

以上が、「直前対策期にやるべき対策・やってはならない対策」でした。

直前対策期は、全科目の総復習の時期でもあるため、とにかくやるべきことが多いです。

余計なことをしている時間は残念ながらなく、1分でも1秒でも多くの時間を「あなたの実力をアップさせるため」に使う必要があります。

直前対策期は、玉石混交の様々な情報に接する機会が増え、それらがあなたの不安をかきたてることが多々あります。

大事なことは、自らのなすべきことを、周りに惑わされることなく、正しい方向へ、まっすぐ進むことです。

そんな勇気を携え、本コラムの内容を参考にしていただき、今年の合格を必ず勝ち取ってください。

応援してます。

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この記事の著者 林 裕太講師

2007年に行政書士試験に合格し、大手資格予備校で長年行政書士試験の受験指導を行う。

初学者向けの入門講座から、受験経験者を対象とした上級講座まで幅広く講座を担当。

本試験の出題傾向を緻密に分析した上で、初学者・受験経験者問わず、少しでもわかりやすく、点をとりやすくなるような講義とテキスト作りに心血を注ぐ。

また、様々な資格試験に精通する「資格マニア」でもある。

アガルートアカデミーでは、行政書士試験だけでなく、公務員試験(法律系科目,社会科学等)、

宅地建物取引士試験、司法試験(一般教養科目対策)、ビジネス実務法務検定®試験の指導も行う。

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