本コラムでは、宅地建物取引士(以下、宅建士)と建築士(一級建築士・二級建築士)のダブルライセンスを取得するメリットや、資格試験の難易度の違いについて解説しています。

宅建士と建築士は、どちらも転職や就職に役立つ資格です。

宅建士と建築士のダブルライセンスを取得すれば業務の範囲が広がり、年収アップが期待できるでしょう。

宅建士と建築士のダブルライセンスに興味をお持ちの方は、ぜひ本コラムを参考になさってください。

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宅建士と建築士のダブルライセンスのメリットは?

宅建士と建築士のダブルライセンスによって得られる主なメリットは、以下の4つ。

  • 業務範囲の拡大を図れる
  • 転職時に有利に働く可能性がある
  • 年収の増加を期待できる
  • 独立開業を目指せる

それぞれについて、詳しく解説します。

業務範囲の拡大を図れる

宅建士と建築士のダブルライセンスを取得するメリットとして、業務範囲の拡大を図れることが挙げられます。

宅建士と建築士はいずれも独占業務を有する国家資格ですが、それぞれ専門分野が異なります。

宅建士は不動産取引の専門家であるのに対し、建築士は建築のプロフェッショナルです。

ダブルライセンスによって両資格の知識を得られれば、さまざまなニーズに対応できるでしょう。

転職時に有利に働く可能性がある

宅建士と建築士のダブルライセンスを取得する2つ目のメリットは、転職に有利に働く可能性があることです。

一般的に、宅建士は不動産業界・建築士は建築業界で重宝される資格として知られています。

また、両資格とも独占業務を有しているため、常に一定の需要があると考えられます。

ダブルライセンスを取得すれば、両方の業界に役立つ知識を得られるため、転職時のアピールに役立つでしょう。

特に、建築設計から売買までをワンストップで行う会社では、ダブルライセンスを保有している人材が評価されやすい傾向があります。

さらに、宅建士・建築士はいずれも取得難易度が高い国家資格であるため、両方の資格試験に合格できた勤勉性や、積極性を評価されやすくなるでしょう。

年収の増加を期待できる

宅建士と建築士のダブルライセンスを取得すれば、年収の増加が期待できるでしょう。

ダブルライセンスを取得すれば、業務範囲の拡大を図れます。

また、ダブルライセンスによって転職における市場価値が上がるため、資格手当が支給される会社や、給与水準が高い会社など、より良い条件の会社で働ける可能性が高まります。

独立開業を目指せる

独立開業を目指せることも、宅建士と建築士のダブルライセンスを取得するメリットのひとつです。

宅建士・建築士は業務独占資格であるため、どちらか片方の資格だけでも独立開業を目指せます。

しかし、ダブルライセンスを取得すれば、両方の業界での独立開業が可能になり、選択肢が広がるでしょう。

また、宅建士・建築士両方の資格があれば、建物の設計から売買までのワンストップサービスを提供することも可能です。

これにより、周囲との差別化を図りやすくなるでしょう。

宅建士と一級建築士、二級建築士の難易度比較

ここでは、宅建士・一級建築士・二級建築士の各資格試験の難易度について、合格率と一般的な勉強時間の2軸で比較します。

  • 合格率の比較
  • 勉強時間の比較

合格率の比較

合格率の観点から資格試験の難易度を比較すると、一級建築士の難易度が最も高く、次点が宅建士、最も難易度が低いのは二級建築士となります。

宅建士試験の令和5年最新の合格率は17.2%、過去5年の合格率は13.1〜17.9%です。

また、二級建築士試験の令和5年最新の総合合格率は22.3%、過去5年の合格率は22.2%〜26.4%。

一方、一級建築士試験の令和5年最新の総合合格率は9.9%、過去5年の合格率は9.9〜12.0%です。

一級建築士試験の合格率は実施回によって異なるものの、総じて宅建士試験よりも高い水準で推移しています。

勉強時間の比較

資格試験に合格するために必要な勉強時間の目安で比較した場合、一級建築士の難易度が最も高く、次いで二級建築士、最も難易度が低いのは宅建士となります。

宅建士試験に合格するための勉強時間の目安は、一般的に300〜400時間であるとされています。

対して、二級建築士試験に合格するための勉強時間の目安は約700時間、一級建築士試験の場合は一般的に1,000時間以上が必要です。

宅建士試験は、今回比較した3つの資格試験の中で、合格に必要とされている勉強時間の目安が最も短いことがわかります。

宅建士とは? 

宅建士とは、宅地建物取引業法に基づいて定められた国家資格、および資格保有者の名称です。

宅建士試験に合格後、必要な条件を満たし、登録を行えば宅建士として働けます。

宅建士の主な仕事は、重要事項の説明・重要事項説明書(35条書面)への記名・37条書面への記名などです。

これらの業務は、宅建士の独占業務でもあります。

また、不動産業を営む事務所では、従業員5人につき1人以上の専任宅地建物取引士を設置することが義務づけられています。 

参考:宅建とは?宅建士の仕事内容や独占業務・求められる能力について紹介

建築士とは?

建築士とは、建築士法に基づく国家資格、および建物の設計や工事監理に関する専門家のことです。

建築士の仕事内容は、建築物の設計や施工に加え、設計指導・施工管理など多岐に渡ります。

建築士は一級・二級・木造の3種類に分かれており、それぞれ行える業務の範囲が異なります。

一級建築士は国土交通大臣による免許であり、すべての建築物の設計・施工・工事監理が可能です。

対して、二級建築士は都道府県知事による免許であり、取り扱える建造物の種類や大きさに制限があります。

参考:一級建築士試験とは?受験資格・科目・合格率・難易度・合格基準等を解説

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本コラムでは、宅建士と建築士のダブルライセンスによって得られるメリットや、資格試験の難易度の違いについて解説しました。

本コラムのまとめは、以下の通り。

  • 宅建士と建築士のダブルライセンスによって、業務範囲の拡大や年収の増加が期待できる
  • 宅建士と建築士のダブルライセンスは独立開業にも役立つ
  • 宅建士と建築士の難易度を合格率で比較すると、一級建築士>宅建士>二級建築士の順
  • 宅建士と建築士の難易度を一般的な勉強時間で比較すると、一級建築士>二級建築士>宅建士の順

宅建士と建築士は、いずれも転職・就職・独立に役立つ資格です。

宅建士試験の合格に必要な勉強時間の目安は300〜400時間であるため、社会人の方でも取得しやすいでしょう。

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