本試験、大変お疲れ様でした。

ここでは、測量士試験を受験したが、思うような結果が出なかった方に向けて、「次に向けてどのような学習をしていけばいいか」を、測量士試験の特徴を踏まえてお伝えします。

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【中山祐介講師が動画で解説】

自己採点や合否通知を受けて不合格だった方へ向けて、アガルートアカデミー測量士講座の中山祐介講師がメッセージをお送りします。

残念な結果になってしまう方の陥りがちな傾向と、次に向けた対策をご紹介していきます。
試験の自己分析に活用いただき、来年度の合格をしっかり掴み取りましょう!

測量士試験は難関国家資格試験

まず、測量士試験は大変難しい難関国家資格試験です。

また、絶対評価の試験であるため、その年の出題の難易度により、合格率が変動します。

あまり気を落とし過ぎず、気持ちを切り替えていきましょう。

※【アガルート調べ】測量士試験受験者の合格までの受験回数

資格試験予備校アガルートアカデミーでは、受講者に対して合格までの受験回数など様々な項目に関してアンケートを実施しています。

その結果、令和6年度測量士試験合格者の、合格までの受験回数は以下の結果となりました。

このように、1回目の受験で合格している方の割合が最多となっています。その一方、2回目以降での合格者の30%以上存在します。

※令和6年度測量士試験合格者向けアンケート結果の測量士試験合格者の合格までの受験回数から引用

測量士試験で残念な結果に終わってしまうありがちな原因

ここでは、多くの受験生を見てきた経験から、残念な結果に終わってしまった方が陥りがちな傾向を挙げます。

1 選択科目が絞れていない

測量士試験の午後試験は選択式です。

実務で実際におこなっている測量業務に近いものを選択される方が多いですが、試験問題になったときの解きやすさはまた別物です。

ご自身が今はまだ得意としていない選択科目の中に、今以上に得意となる科目があるかもしれません。

まずは、すべての選択科目の問題を解けるようにしてみてください。

また、実際に試験が始まったら選択する科目を選ぶ。というのも無謀です。

普段の学習から軸となる選択科目を見据えておくことが重要です。

2 電卓操作に慣れていない

測量士試験では、国土地理院が用意した電卓(カシオ SL-910GT-N)を使用します。

ルートや時間計算などのキーの他、様々な計算の工夫をすることができます。

しかし、本当にこれらの機能を使いこなせていない受験生の方も多くいらっしゃいます。

中山のブログにもいくつか便利な操作方法を紹介していますので、購入し、問題を解く際に電卓の操作にも慣れてください。

測量士試験で時間が足りないという方は、電卓操作に慣れるだけでも大幅な改善が見込めます。

3 全体が俯瞰できていない

測量士試験の出題は、非常に細かいものも出題されます。

特に、過去問の演習が進んでくると、1つひとつの論点は見えてきますが、全体がおろそかになりがちです。

測量というひとつの作業工程に対して、その論点がどの位置にあるのかを知ることで、非常に理解が進みます。

測量士補試験を学習された方は、測量士補のレベルで全体が見えていますので、測量士試験を学習するときも、「測量士補試験でいえばどの範囲か」を考えていくだけで自然と全体が俯瞰できるようになります。

4 すべての問題をマスターしていない

測量士試験では、いわゆる「捨て問」は存在しません。

選択科目も含め、すべての問題を解けるようにしておきます。

これには2つの理由があります。

  1. 過去に出題がない問題が出題されやすい傾向にあること
  2. 選択科目も午前試験の問題として出題される傾向にあること

です。

過去に出題がない問題が出題されやすい傾向にあること

1つ目ですが、測量という日々進歩する分野において、新しい分野は知識として非常に重要です。

試験問題においても同様で、新しい分野だからといって出題されないことはありません。

むしろ、積極的に出題されます。

選択科目も午前試験の問題として出題される傾向にあること

2つ目ですが、選択科目で出題された問題が、次の年以降に午前試験の1つとして択一式に姿を変えて出題されることは多くあります。

もちろん、午前試験は誰もが解かなければならない問題ですので、選択科目もやっておく意味があります。

【午前科目】基本情報と勉強法

次の測量士試験で合格するためにやるべき4つのこと

それでは、どのような学習をすれば合格に至ることができるのか、具体的に示します。

1 選択科目を柔軟に設定する

インプットを終えたら、まずは午前試験からアウトプットを進めてください。

午前試験は全部の科目を学習することになります。

この段階で、ご自身の分野ごとの向き不向きが出てくるでしょう。

出てこない場合は、午後試験を1通りやってみてください。

得意な科目があれば、それを午後試験で選択する科目として設定します。

ただし、選択しない午後試験の科目についても、一通り学習する必要がありますので、これは試験の直前になるまで、柔軟に考えておきます。

本試験で「これとこれを選択する」というのを迷わない程度にしておきます。

もっともよくないのは、選択する科目以外の科目は学習しない。という選択肢です。

2 電卓を購入し、常に電卓を使用する

計算問題はもちろん、文章問題の中の計算なども、常に電卓を使って計算するようにします。

カシオのSL-910GT-Nを購入し、中山のブログにあるような操作方法を実際にやりながら、より早く正確な電卓操作を身に着けてください。

電卓操作の関係で、通常の数式とは異なる順序で計算することも多くありますので、経験がものを言います。

3 常に作業工程を確認する

大きな視点でいえば、基準点測量から地形測量、地図編集と続いていきます。

それぞれの測量の中にも作業工程があります。

作業工程の順番が出題されるように、作業工程には順番を意識した内容の理解が重要です。

計算問題1つとってみても、その計算が作業工程のどの部分の計算で、何のためにやっているのか?を考えてみてください。

文章問題においても同様に常に考えていくことで、作業工程の全体が見えてきます。

一連の流れを理解していくことで、全体の俯瞰ができるようになります。

特に、過去問ばかりやっていると、論点の理解に終始しがちです。

測量という一連の作業の流れを理解することで、それら論点が線で繋がってきます。

4 過去問はすべての問題を解けるようにする

過去問の範囲としては、内容の移り変わりが特に大きい試験なので、直近5年で十分知識の厚みがでます。

ただし、選択科目も含め、すべての問題を解けるようにしてください。

捨て問をつくりません。分からない問題も諦めないでください。

おすすめの過去問の解き進め方

おすすめは、午前試験については「年度ごと」、午後試験については「分野ごと」にやっていく方法です。

午前試験は、年度ごとに1つの塊で学習することにより、28問のペースが分かります。

また、28問という少ない問題数ですべての分野を通しで学習することができるので、全体の俯瞰をすることができます。

また、繰り返し出題される頻出の問題は、年度を変えても出題されるため、毎日触れることになり、自然と(良い意味での)ムラができます。

一方、午後試験は、分野ごとに学習することにより、1つひとつの分野についてより深く多角的に見ることができるようになります。

計算問題も出題されることが多いため、パターン化することも容易いです。

さらに、午後試験は記述式であるため、実際に解答用紙を用意し、文字や数字、図を常に実際に書きながら学習していきます。


上で挙げた合格のための正しい学習が自然とできるような工夫を詰め込んだアガルートアカデミーの測量士試験講座も是非お勧めします。

インプット知識は過去問を理解して解くための内容に特化しているため無駄がありません。

逆に、過去問で出題されるものについては、理解できるまで掘り下げています。

驚くほど薄いテキストに感じるかも知れませんが、ここにすべてが体系的に順序だてて掲載されています。

計算問題についてもパターン化しており、自然とすべての解法が身に付きます。

また、質問制度も充実しているので、悩んだりつまずいたりすることがなくなります。

いますぐに気持ちを切り替えて、諦めずに頑張りましょう。

測量士試験は、正しい方向で学習すれば必ず合格できる試験です。

【令和6年】測量士試験に合格した人のアンケート調査概要

アンケート概要測量士試験合格者のアンケート
調査期間2024年7月9日~2024年7月23日
調査機関自社調査
調査方法アガルートアカデミー内でのアンケート調査
調査対象アガルートの講座を利用して令和6年度測量士試験に合格したユーザー
有効回答数(※)42
調査対象地域日本国内
※アンケート回答に許諾いただいた一部の方のみ実施

アンケート回答者の属性

年代20代30代40代50代60代以上
割合14.3%33.3%31.0%19.0%2.4%

測量士試験合格者の合格までの受験回数

受験回数割合
1回目61.9%
2回目16.7%
3回目11.9%
4回目4.8%
5回目以上4.8%

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この記事の著者 中山 祐介 講師

中山 祐介 講師 (講師紹介はこちら

独学で土地家屋調査士試験全国総合1位合格の同試験を知り尽くした講師。

「すべての受験生は独学である」の考えのもと、講義外での学習の効率を上げ、サポートするための指導をモットーに、高度な知識だけでなく、自身の代名詞でもある複素数による測量計算([中山式]複素数計算)など、最新テクニックもカバーする講義が特徴。日々、学問と指導の研鑽を積む。

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