「40代から測量士を目指したい。でも未経験で測量士になれるのか不安」と悩んでいませんか？

このコラムでは、未経験でも測量士として働けるのか、40代以上でも需要があるのか、について、詳しく解説します。

また、実務未経験者向けの志望動機の書き方や取得すべき資格についてもまとめています。

さらに、測量士の仕事内容に関するQ&Aも紹介。

40代から測量士を目指すための具体的なヒントを提供します。

測量士は未経験でも求人はある？40代でも大丈夫？

結論から先に伝えると、人手不足が続く測量士業界は未経験者でも求人があります。

さらに、測量業界は高齢化が進んでおり、30代や40代はまだ「若手」として位置づけられることが特徴です。

そのため、未経験者でもこれまでの職務経験や熱意を評価し、採用する企業が少なくありません。

アガルートアカデミーの合格者アンケートによると、令和6年度に測量士試験に合格した年代は以下のような結果となりました。

※令和6年度測量士試験合格者向けアンケート結果の「アンケート回答者の属性」から引用

30代が33.3％と最多を占め、次いで40代が31％、50代が19％という結果が出ています。

測量士試験には年齢や学歴の制限がないため、30代や40代からのキャリアチェンジを目指す方にとって、大きなチャンスが広がっていると言えるでしょう。

測量士の志望動機の書き方

未経験から測量士を目指す際、履歴書にどのような志望動機を書けばよいか迷うこともあるでしょう。

ここでは、実務未経験者向けの一般的な測量士の志望動機例をいくつか紹介します。

以下の例を参考に、自分自身の経験や考えを盛り込み、説得力のある志望動機を作成しましょう。

ものづくりに興味がある

測量士になりたいと思う動機はさまざまですが、ものづくりへの興味・関心がきっかけで測量士を目指すようになる人も少なくありません。

測量士は鉄道・トンネル・ダム・橋といった公共建築物に携わる機会が多いです。

地図に残るような仕事がしたい、大規模な建造物を作ってみたいと考えている人にとって、測量士は非常に魅力的な職業と言えるでしょう。

例えば「公共建築物（具体的な施設名などをあげて）を支える測量の重要性に魅力を感じた」といった具体的な思いを書くと、説得力が増します。

ものづくりへの情熱を自分の言葉で伝えることで、測量士として働きたい熱意をアピールしましょう。

社会貢献の大きい仕事がしたい

測量士の仕事は、生活基盤となる社会インフラの構築に直結しており、社会貢献度が非常に高いと言えます。

例えば、自然災害を経験された方であれば、「人々の安全な暮らしを支えるために、自然と人間が共存し合えるインフラ整備を実現したい」など、自分の体験を交えた志望動機は説得力をもちます。

個人的な経験に基づいたエピソードは、具体性があり印象に残りやすいため、ぜひ活用しましょう。

精密な作業が得意

測量士の仕事は、正確な測量データを求められるため、確かな技術力と精密さが必要とされます。

「細かい作業に集中することが得意」

「ミスのない成果物を仕上げることに達成感を感じる」

といった性格的な特長があれば、それを活かした志望動機を作成するとよいでしょう。

測量作業やデータ解析など、ひとつのことに集中して高い品質の成果物を出す仕事に魅力を感じることを伝えることも効果的です。

最新の技術を学ぶのが好き

「最新の技術を学ぶことが好き」という志望動機は、測量士を目指すうえで非常に効果的です。

測量業界では、トータルステーション測量に加えて、3次元測量やドローンを活用した測量技術、デジタル化の進展など、常に新しい技術が導入されています。

こうした最新技術に興味を持ち、積極的に学びたいという姿勢は、採用担当者に強いアピールとなります。

また、測量技術に興味をもった具体的なきっかけや、それをどのように学んでいきたいかを併せて述べることで、志望動機に一貫性と説得力が生まれます。

技術革新への関心と学習意欲を伝えることで、測量士としての成長性をアピールしましょう。

測量士未経験者がとるべき3つの資格とは

測量士の資格だけでは不安という方のために、相性の良いほかの資格についても紹介します。

この機会にダブルライセンスを目指してみるのもおすすめです。

技術士（建設部門）

技術士は、科学技術の応用面に携わる技術者にとって最も権威のある最高位の国家資格。

科学技術に関する高度な知識と応用能力をもつ技術者として認定される国家資格です。

都市開発などの建設コンサルタント業務で活躍する機会が多く、測量士としてのスキルを高めるために有益な資格となります。

地理空間情報専門技術

地理空間情報専門技術認定試験は、測量士、測量士補としての実務経験を積んだあとに受験できる資格となります。

公共事業に関する入札条件の選定要件にもなっており、測量技術者としての信頼性を高め、業務の幅を広げるために有効です。

また、国土地理院の測量技術者資格として登録もされています。

土地家屋調査士

土地家屋調査士は、企業や個人の土地や家屋の調査・測量を行い、登記申請手続きを代理できる資格です。

測量士の業務と内容が似ており、独立開業にも適しているため、業務範囲を広げることができます。

参考コラム：【測量士のダブルライセンス】相性の良い3つの資格を紹介！

未経験だからこそ知りたい！測量士のお仕事Q＆A

未経験から測量士を目指す方にとって、仕事内容や待遇、キャリアパスに関する疑問は多いのではないでしょうか。

ここでは、測量士として働く際に知っておきたい基本的な情報をQ&A形式で紹介します。

測量士の仕事内容は？

測量士は、土地の位置や面積、距離などを測定する仕事です。

具体的には、道路や橋、トンネル、ダムなどの建設・土木工事において、安全かつ確実な工事計画を立てるために、測量計画を作成し、現場で測量を実施します。

測量士が行う測量結果は、工事の設計や進行にとって非常に重要な役割を果たし、社会インフラを支える基盤を築く仕事です。

ダムやトンネルなど社会にとって重要な工事計画は測量からスタートします。

測量士の仕事は、非常に責任のある役割を担うため、正確で緻密な作業が求められます。

測量士とは？仕事内容や年収は？必要な資格や難易度もご紹介

測量士の年収は？

厚生労働省の職業情報提供サイトjobtagによると、測量士の年収は489.1万円となっています。

地域や企業規模によっても年収は異なるため一概には言えませんが、民間企業に勤務した給与所得者の平均年収が460万円であることを考慮すると、測量士の年収は平均を上回っていると言えるでしょう。

測量士の年収・給料は？1000万円を狙える？測量会社の年収は？など解説

女性も測量士として活躍できる？

測量士は男性比率が多いですが、近年では女性も活躍する機会が増えています。

特に、企業規模が大きくなるほど、女性従業員の割合が多くなる傾向があります。

また測量・地理空間情報 女性の技術力向上委員会が行った調査によると、測量士業界で女性が活躍していると感じている人が多いことがわかりました。

「会社で女性が活躍していると感じていますか？」という質問に、アンケートに参加した女性のうち54.1%、男性も66.8%が活躍していると感じているという結果になりました。

この調査結果より、女性が測量士として活躍できる環境が整いつつあることがうかがえます。

女性は測量士に向かない？女性の測量士の現状など解説

まとめ

以上、測量士を目指す方に向けて、未経験者や30代、40代以上の方でも挑戦可能である理由や志望動機作成のポイント、未経験者が取るべき資格などについて解説しました。

このコラムのポイントは以下の通りです。

• 測量士は未経験、30代・40代でもなれる職業
• 測量士業界は高齢化が進んでいるため、30代・40代以降でも求人がある
• 測量士には年齢や学歴制限がないため40代以降のキャリアチェンジが可能
• 未経験者向けの志望動機として「ものづくりへの関心」「社会貢献の意識」「精密な作業への適性」「最新技術への関心」があげられる
• 測量士未経験者に推奨する資格は「技術士」「地理空間情報専門技術」「土地家屋調査士」の3つ
• 測量士の仕事は、土地の位置や面積、距離などを測定すること
• 測量士の平均年収は489.1万円で全国平均を上回っている
• 測量士は男性比率が多いものの、近年、女性の活躍の場が広がっている

測量士は社会インフラを支える重要な仕事であり、年齢や性別を問わず活躍の場があります。

未経験からでも挑戦しやすく、やりがいやキャリアパスも豊富です。

経歴や年齢を理由に迷っている方は、挑戦してみてはいかがでしょうか。

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【令和6年】測量士試験に合格した人のアンケート調査概要

アンケート概要	測量士試験合格者のアンケート
調査期間	2024年7月9日～2024年7月23日
調査機関	自社調査
調査方法	アガルートアカデミー内でのアンケート調査
調査対象	アガルートの講座を利用して令和6年度測量士試験に合格したユーザー
有効回答数(※)	42
調査対象地域	日本国内

アンケート回答者の属性

年代	20代	30代	40代	50代	60代以上
割合	14.3%	33.3%	31.0%	19.0%	2.4%