社会福祉士と司法書士のダブルライセンスはおすすめ?難易度や仕事内容の違いとは
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社会福祉士と司法書士は、どちらも士業ではあっても、イメージ的に一見遠い存在に感じるかもしれません。ですが、実はどちらも困っている人を助ける仕事であり、社会福祉士と司法書士は相互に足りない部分を補完しあうことができる相性の良い資格です。社会福祉の仕事に携わってきた人にとって、司法書士はその経験を生かすことができる仕事といえるでしょう。この記事では、社会福祉士と司法書士のダブルライセンスについて、難易度の比較や具体的な仕事内容の違いなどを紹介します。
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社会福祉士と司法書士のダブルライセンスはおすすめ?
司法書士は社会福祉士との相性が良い資格であり、相互の仕事を補完しあうことができるため、ダブルライセンスとしておすすめです。
司法書士は法律事務のスペシャリストであり、不動産登記や会社の登記のイメージが強いですが、それ以外でも法律知識を生かして様々な分野の仕事をしています。
その中でも、成年後見、債務整理、消費者問題、家庭内問題などの分野では、弁護士よりも敷居の低い身近な法律家として多くの活躍が見られます。
社会福祉に携わってきた人であれば、成年後見、金銭トラブル、家庭内トラブルなどが福祉を受ける人たちにとって身近で避けては通れないものであることを実感しているのではないでしょうか。
これらについて、司法書士は法律家としてアプローチすることができる存在であり、社会福祉士が立ち入ることのできなかった部分を補完することができる資格なのです。
司法書士試験は、法律系の難関資格であり合格率も5%程度です。
軽い気持ちで勉強して合格できるものではありませんが、まじめにコツコツと取り組めば誰もが合格を目指せる資格でもあるため、社会福祉に携わるまじめで努力家の人にとっては、決してとっつきにくい資格ではありません。
社会福祉士と司法書士の難易度を比較
結論として、司法書士試験は社会福祉士試験に比べると、かなり難易度が高いです。
福祉系の資格の中では難易度が高い社会福祉士ですが、司法書士はそれよりも大分難しいといえるでしょう。
合格率を比較
合格率を比較しても、司法書士は約5%と国家資格の中でも屈指の低い合格率であり、社会福祉士の30%以上とは大きく異なります。
直近5年間の合格率を比較してみましょう。
▼社会福祉士試験の合格率推移
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
令和5年度 | 34,539 | 20,050 | 58.1% |
令和4年度 | 36,974 | 16,338 | 44.2% |
令和3年度 | 34,563 | 10,742 | 31.1% |
令和2年度 | 35,287 | 10,333 | 29.3% |
令和年元年度 | 39,629 | 11,612 | 29.3% |
▼司法書士試験の合格率推移
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
令和6年度 | 13,960 | 737 | 5.3% |
令和5年度 | 13,372 | 695 | 5.2% |
令和4年度 | 12,727 | 660 | 5.2% |
令和3年度 | 11,925 | 613 | 5.1% |
令和2年度 | 11,494 | 595 | 5.2% |
このように、合格率はけた違いに司法書士の方が低いことがわかります。また、社会福祉士国家試験の合格率は上昇傾向がありますが、司法書士試験は一定の合格率を保っている傾向があります。
ただし、社会福祉士国家試験は「福祉系大学等4年+指定科目履修」または「一般大学等4年+1年以上の養成施設経験」といった受験資格があるのに対して、司法書士は受験資格がなく誰もが受験が可能です。
司法書士と違っていわゆる「お試し受験」をする人が社会福祉士国家試験の場合は少ないことから、実際の合格率については多少割り引いて考える必要があります。
とはいえ、やはり司法書士試験は非常に合格率が低い難関試験であることは紛れもない事実と言えます。
関連コラム:司法書士試験の難易度・合格率は?難しすぎるって本当?
合格に必要な勉強時間を比較
司法書士試験に合格するには、社会福祉士の10倍以上の勉強時間が必要となるのが一般的です。
合格に必要となる学習時間の目安として、社会福祉士は300時間に対し、司法書士は3000時間以上と言われています。
合格に必要な勉強時間に関わる情報を簡単に抜粋すると以下の通りです。
必要な勉強時間 | 試験科目 | 出題形式 | 合格に必要な得点率の目安 | |
社会福祉士 | 300時間程度 | 23科目 | 択一式のみ | 60%以上 |
司法書士 | 3000時間~ | 11科目 | 択一式+記述式 | 75%以上 |
その人の置かれている状況や学習経験にもよりますが、社会福祉士は3か月程度の勉強期間で合格を目指せるのに対し、司法書士は順調にいっても2~3年は勉強期間が必要です。フルタイムで働きながら合格を目指す場合、4年以上かけて合格する人も大勢います。
関連コラム:司法書士試験合格に必要な勉強時間とは?勉強スケジュールを解説!
試験科目数は少ないが司法書士の方が難しい
試験科目は、社会福祉士が23科目、司法書士が11科目なので、科目数では社会福祉士の方が多いです。しかし、司法書士試験の問題の方が深い理解を求められる難易度の高いものが多いこと、一科目当たりの学習範囲がとても広いこと、合格最低点が8割近くになることが多く高得点が求められることなどから、科目数が少ないから社会福祉士よりも楽ということは決してありません。
特に法律を初めて学ぶ場合には、法律用語や概念がなかなか理解することができないケースもあります。また、司法書士試験のメイン科目である不動産登記法や商業登記法は一般的になじみがない人が多いため、とっつきにくく勉強に苦戦する人もいます。
司法書士は記述式問題がある
試験の出題形式についても、社会福祉士は択一式のみであるのに対し、司法書士は択一式に加えて自分で実際に登記申請書を作成する記述式の試験があります。
この記述式問題では、問題文で与えられた情報を正しく読み取り、どのような申請書を作成するべきかを限られた時間の中で判断して、実際にそれで正しい順序の申請書を作成する必要があり、一つ判断を誤ってしまうと、まったく違う申請書を解答してしまうこともあります。
そうすると、記述式問題の最低点に届かず合格は不可能となってしまい、記述式問題の失敗で合格を逃してしまうケースも多いのです。
関連コラム:【司法書士試験】試験科目・試験内容まとめ!試験対策のポイントは?
司法書士試験は難しいが地道な努力ができる人におすすめ
このように、司法書士試験はあいまいな知識では太刀打ちできない難しい試験です。
とはいえ、自分には無理だとあきらめる必要は全くありません。
司法書士は学歴や経歴なども関係なく誰でも受験できる試験のため、実際に様々なバックグラウンドの人がおり、高学歴者ばかりということは全くありません。
ごく普通のまじめにコツコツ勉強を続けられる人であれば、十分に合格できる試験です。
司法書士試験の内容は、正確な知識を着実に身につけていき、それを問題演習で正答を導き出せるように訓練することを続けていくことができれば、合格点を取ることができるものです。
難解な論文を読まされたり、クリエイティブな発想が求められたり、複雑な計算を求められたりする内容では決してなく、過去問をしっかりと分析して対策することが試験本番でも役立ちます。
人の役に立ちたい、という強い意思があり真面目に勉強に取り組むことができる人こそが目指すべき試験です。
社会福祉士と司法書士の仕事内容
社会福祉士と司法書士の仕事には、共通点があり、それは困っている人をサポートすることができるスペシャリストということです。
ただし、サポートする方法は異なり、社会福祉士は福祉での視点から、司法書士は法律家の視点から専門知識を生かして対応します。
それぞれの仕事について、具体的に紹介します。
社会福祉士の仕事内容
社会福祉士の仕事は、福祉に関する専門的な知識・技術に基づいて福祉の支援を必要とする人(高齢者、障がい者、子供、経済的弱者、患者など)に対して、相談に乗ったりアドバイスをしたりすることが中心です。
その人が利用できる福祉サービスを案内して、適切な支援につなげるための橋渡し役も行います。
社会福祉士が働く場所は、高齢者や障がい者の福祉施設、児童相談所や児童福祉施設、病院、保健所、学校など多岐にわたり、それによってサポートする対象者も変わります。
また、就職先によって相談業務が中心となる場合もあれば、実際の介護業務を行う場合もあります。
実際に生活に困っている人の生の声を聴いて、親身に寄り添うことが重要な仕事です。
司法書士の仕事内容
司法書士は、昔からのメインの業務としては、不動産の売買をした時などに行う不動産登記、会社を設立した時などに行う商業登記の申請を代理しています。
司法書士の仕事は、個人や法人の権利を守る役割があります。
登記は、自分がその土地や家の所有者であることを公に証明したり、会社が実在することを公に証明したりすることで、権利を証明したり、取引を安全に行うことに役立ちます。
関連コラム:司法書士とは?仕事内容をわかりやすく解説
両者が関連する仕事
そして、司法書士の業務範囲は年々拡大しており、その中には社会福祉士の仕事と関連するものもあります。
代表的なものは、成年後見人の仕事です。
成年後見人は、認知症や知的障害などにより意思能力に問題がある人に対して、その人の財産や権利を守るための財産管理や法的な対処などを行います。
また、消費者問題についても司法書士の仕事として対応することができます。
たとえば、消費者金融などで借金を重ねて返済ができなくなってしまった人の債務整理の手続き、自己破産の手続きなども司法書士が行う仕事です。福祉の支援を受ける人の中には、このような金銭問題を抱えている人も多く、司法書士は法律上の正しい手続きにより困っている人を救うことができます。
司法書士資格があれば独立しやすい
司法書士資格を取るメリットとして、独立開業しやすいということがあります。
司法書士は、ある程度の経験を積めば、それほど開業資金などがなくても独立開業することができる仕事です。
人を雇わずに一人で自宅で開業するという人も多く、低リスクで独立開業できる職業の一つといえるでしょう。
特に、成年後見人になる場合には、報酬は安定的に継続して得ることができるという安心感があります。
社会福祉士と司法書士のダブルライセンスを持っている人は、福祉の観点からと法律家の観点から問題解決にアプローチできる貴重な存在のため、特に成年後見人などの分野では重宝される可能性が高いでしょう。
個人差はありますが、司法書士のみを経験してきた人に比べて、より相手の立場に立って寄り添った対応ができるのではないでしょうか。
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社会福祉士と司法書士は、ダブルライセンスとしておすすめです。
困っている人を助けたい、という思いを持った人には、福祉のサポートだけでは限界のある法律問題についても対応することができる司法書士は、とてもやりがいのある仕事となるでしょう。
ただし、司法書士は合格率の非常に低い難関資格で、社会福祉士よりもかなり学習範囲も広いため、自己流の勉強で合格を勝ち取ることはとても難しいのが現実です。
社会福祉士国家試験に独学で合格できた人であっても、司法書士試験は同じようにはいかない可能性が高いでしょう。
特に仕事や家事育児をしている人の場合、効率的な無駄のない学習をコツコツと続けるためには、通信講座を利用するのがおすすめです。
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