司法書士になって後悔する人はいる?「時間の無駄」と言われる理由とは
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司法書士試験は、最高難度の法律系国家資格です。もちろん取得するまでに多くの時間と労力が必要ですが、せっかく取得したにもかかわらず「時間の無駄だった」「司法書士になって後悔した」というインターネットの情報を目にすることもあります。
せっかく司法書士を目指そうとしても、そのような情報を見てしまうと「苦労して勉強する価値がないのでは」「時間とお金の無駄なのでは」と不安になってしまう方もいるのではないでしょうか。
本コラムでは、「司法書士になって後悔する人はいるのか?」「司法書士の受験勉強は時間の無駄なのか」など司法書士試験に関するネガティブな噂の真相を解き明かしていきます。
<この記事の著者>
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「司法書士になっても後悔する」という人がいる理由
司法書士は、日本全国で23,059人います(令和3年4月1日現在)。
これだけの数の司法書士がいれば、全員が司法書士として成功している訳ではありません。業務や事務所経営がうまく行かず、愚痴を言いたくなる人がいても不思議ではありません。どんな商売でも、うまく行く人もいればそうでない人もいるのは当たり前のことですよね。ここでは「司法書士になっても後悔する」という人がいる理由を掘り下げてみていきましょう。
認知度が低い
「弁護士」「税理士」は、一般的に名前も仕事内容もよく知られています。
しかし、「司法書士」と聞いて、パッと仕事の内容が思いつく人は少数派でしょう。会社経営者やマンションを購入したことがある人には馴染みのある職業名ですが、特に若い人たちには認知度が低いかも知れません。
認知度が低い分、イメージで語られることが多く、「事務職なのでAIに仕事を奪われる」といった誤った情報を目にすることも少なくありません。
しかし、「認知度が低い=仕事がない」ではありません。
司法書士のメイン業務の一つである登記業務は独占業務なので、合格した後はライバルが少なく安定した仕事の受注が期待でき、むしろ目の付けどころが良い人が選ぶ「穴場のお仕事」と言えます。
また、登記業務は単なる事務処理でなく、その前提として柔軟かつ高度なコミュニケーションが必要とされているため、簡単にAIで代替できる仕事ではありません。
資格を取ったけど別の仕事をしており、活かせていない
合格したにもかかわらず、現時点では司法書士の業務ができていない人は一定数います。まったく別の職種をしている人もいれば、出産や家事育児のために司法書士の仕事を一旦中断している人もいます。
しかし、資格試験の世界には「資格は腐らない」という有名な格言があります。一度取得した資格は、原則として資格を喪失することはないため、いつか・何かの時に必ず自分を助けてくれるという意味です。
また、「司法書士有資格者」という肩書きは社会的な信用が非常に高く、有資格者というだけで司法書士とは無関係の仕事であっても相手から信頼されて取引等がスムーズに行くということはよくあるため、その点でも資格が無駄になることはありません。
出産・育児あるいは病気等により、一旦は司法書士の登録を抹消して仕事から離れても、その後に復帰する司法書士も多くいます。司法書士の世界も日進月歩でノウハウが進化していますが、司法書士会が主催する実務研修会が充実しているので、研修会をきちんと受講することでカムバックがそれほど難しくないのも利点の一つでしょう。
独立して成功するまでが難しい
司法書士試験は「実務家登用試験」と言われ、受験勉強で学んだことが合格後すぐに実務で役立ちます。
しかし、細かい事務処理のノウハウや顧客対応のスキル等は受験勉強で習わないため、合格後に「即独立」して成功することは難しいと言えます。
したがって、合格後は大手司法書士法人に就職して数年間の修行を積んでから独立開業するのが一般的です。独立開業後も事務所のホームページを充実させたり、近くの銀行や不動産屋さんに挨拶回りをしたりすることで、ようやく安定的に顧客を獲得することができるようになるため、経営が安定するまでに時間がかかるケースは少なくありません。
しかし、一国一城の主である司法書士事務所は、定年のない「大器晩成型の職業」です。目先の利益だけにこだわらず、丁寧な仕事、喜ばれる仕事を心がけていくことで信用と人脈が増える末広がり型の職業と言えるでしょう。
「司法書士なんて時間の無駄」という人がいる理由
中には、「司法書士なんて時間の無駄」という人が存在します。その理由と実情についてご紹介します。
合格するのが非常に難しい
司法書士試験は最難関法律系資格です。令和5年度は受験者は1万3,372人で合格者は695人だったので、合格率は約5.2%です。10年前よりはだいぶ合格率が上昇したとは言え、受験者の95%が不合格になる試験ですから、合格するまでに時間と労力がかかります。
したがって、予備校に多額の費用をかけても合格できない可能性が高い、合格するまでに10年もかかるならばコスパが悪いことを理由に「司法書士なんて時間の無駄」などと言われることがあります。
しかし、現在はオンライン資格スクールが主流となり、校舎を持つ通学型の学校よりもリーズナブルに良質な講義を受講することができます。そしてそのような講義を有効活用して効率的な学習をすることが可能です。
司法書士試験は合格のためのノウハウが確立されているため、オンライン資格スクールを利用して「正しい勉強」をすることで短期合格をするチャンスは十分にあるため、必ずしも勉強に費やした費用や時間が無駄になるとは限りません。
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司法書士試験の難易度・合格率は?8士業難易度ランキング
司法書士試験は、国家資格の中でもトップクラスの難易度と言われ、合格率は4~5%程度です。合格に必要な勉強は、3000時間以上が目安となります。
苦労して司法書士になっても大して稼げない(という人がいる)
苦労して司法書士になっても大して稼げないというネットの情報を目にすることもありますが、本当でしょうか。
上記で述べたように司法書士は開業してすぐに稼げるようにはならないかも知れませんし、「資格さえあれば安泰」という時代でもありません。
しかし、司法書士は従来型の登記業務だけでなく、簡裁代理、成年後見、民事信託等、職域を拡大しており、自身の得意分野を見つけてスキルアップを図ることで十分に稼ぐことができます。
また、自然に囲まれた地域で自身の生活の豊かさを最優先にしたいと考えた場合、地方のエリアは司法過疎地域であることも多く司法書士のニーズはあるため、食べていけるだけの収入は確保することが可能です。
つまり、司法書士は単に稼ぐための資格ではないということもできます。
【司法書士】後悔しない・時間を無駄にしない方法
ここまでの話を踏まえ、司法書士試験に挑戦しても後悔しない・時間を無駄にしない方法をお伝えします。
目的をはっきりさせる
司法書士試験は効率的に学習をすれば短期合格は可能です。とはいえ、一般的には1年以上かけて勉強することになるため「なぜ司法書士試験に挑戦するのか」「司法書士になって何をしたいのか」の目的をはっきりさせることが大切です。
司法書士の職域は拡大しているので、司法書士として稼ぐこともできますし、業務を通じて人の役に立つことも可能です。
また司法書士会は、プロボノ活動も積極的に行っているので、司法書士会会員として活動に参加して社会に貢献することもできます。
司法書士になって「やりたい仕事」「なりたい自分」を明確にした上で試験に挑戦することで、後悔のない受験勉強をすることができ、時間を無駄にしたなと思わずに済むだけでなく、「絶対に合格するぞ!」という気持ちに繋がり、結果的に短期合格をすることができるでしょう。
正しい方法で勉強する
司法書士試験はその歴史も古く、また近年は、出題範囲出題傾向が大きく変わっていないため、アガルートアカデミーを代表とする大手資格スクールでは短期合格の方法論が確立されています。
司法書士試験は、出題科目数が多く、出題形式もマークシート問題だけでなく記述式問題もあるだけでなく、複数のポイントで基準点(足切り点)が設定されていて攻略法は複雑です。初期投資をかけたくない気持ちも分かりますが、むやみと独学で始めると思わぬ遠回りをしてしまい受験期間が長期化する恐れがあります。
資格スクールのノウハウに従った「正しい方法で勉強する」ことで短期合格を実現することができ、結果として独学よりも早くコストの回収ができたケースも多くあります。
「司法書士になって良かった」といえるのはどんな人?
私は2000年に司法書士試験に合格し、しばらく専業でプロ講師をしていましたが、2012年に司法書士登録をし、以来、プロ講師兼実務家司法書士として活動しています。受験指導講師は厳密には司法書士資格がなくても可能ですが、実際に合格していてこそ講義に説得力を持たせることができます。
プロ講師として多くの受験生の短期合格のお手伝いをすることができ、司法書士会理事としての活動の際に今でも「先生の講義のお陰で合格できました!」と現役司法書士の皆さんにお声がけいただき、合格してこの仕事に就いて良かったなと思います。
司法書士試験プロ講師は司法書士資格ホルダーの中でも極めて少数派ですが、このように「試験合格」の肩書きを思わぬ形で活用している人は多く見かけるので価値あるものと言えます。
また、「司法書士」は単に稼ぐための資格ではありません。
司法書士でなくても経営者として成功している人はいますし、資格を持ってさえいれば安泰という時代でもありません。
司法書士は、市民の権利や財産に直接に関わる仕事です。権利や財産という複雑かつ大切なものをクライアントに寄り添いながら保全する作業を通じて、信頼を得て、また感謝をされる非常にやりがいのある仕事なので、収入以外の部分にも仕事の価値を見出だせる人にはお勧めです。
まとめ
司法書士資格を取得してもうまく行っていない人はいるかも知れません。
しかし、実際には多くの人が「司法書士になって良かった」と思って資格を活かして仕事をしています。
司法書士資格を取って後悔しないためには、コストをかけ過ぎず、効率良く合格を目指すことも大切です。
アガルートアカデミー司法書士講座では、「初学者向け」「学習経験者向け」「スピーディに仕上げたい人向け」など多彩なラインナップで、受験生のニーズに応じた講座を提供しています。あなたもアガルート司法書士講座で「正しい勉強」をして、短期合格を目指してみてください。
動画で解説!【司法書士試験】受かって後悔する人はいる?「時間の無駄」と言われる理由とは
同じくアガルートの司法書士試験担当の竹田講師が、動画で司法書士や司法書士試験に関する意見について動画で解説しています。こちらもぜひ参考にしてください。
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三枝りょう講師
合格直後から予備校制作スタッフとして受験業界に携わり、翌年にプロ講師としてデビュー。
以来20年以上、プロ合格請負人として各資格スクールから講義を全国に配信し,安定して合格者を輩出。
受験指導総時間1万2000時間のベテラン講師。
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