司法書士登録をしないとどうなる?登録料&登録の流れを紹介
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司法書士としての活動をするために必要な手続きに「登録」があります。
試験に受かればすぐに司法書士として活動できるわけではないのです。
それでは、この司法書士登録をしないとどうなってしまうのか、気になるところではないでしょうか。
この記事では、司法書士登録は必ずしなければならないのか、登録しない人はどんなケースがあるのか、また、登録する場合の手順や必要な費用について解説します。
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司法書士になるためには、司法書士登録が必要です。
これは、司法書士法に定められており、司法書士になる資格を持つ人が司法書士になるために、日本司法書士会連合会に備える名簿に登録をしなければならない、という制度です。
司法書士名簿に登録されて初めて、司法書士と名乗ることができ、司法書士の仕事をすることができます。
司法書士の仕事をするためには、登録は任意ではなく強制です。
司法書士は、公益的な役割が大きく、他人や会社の権利や財産に関わる業務を行うことから、このような登録制度があります。登録制度があることで、日本司法書士会連合会や司法書士会は登録している司法書士を適切に管理、監督することができ、業務上必要な研修を受けさせたり、不正をした者を罰したりすることができます。
司法書士に限らず、弁護士や税理士、行政書士などの他の士業でも登録制度があります。
司法書士登録しないとどうなる?
登録をしない限り、司法書士と名乗ったり司法書士としての業務を行うことができません。
名刺の肩書に「司法書士」と書くこともできません。
登録していない限り、司法書士試験に合格していても、ただの試験合格者であり司法書士ではありません。
登録しない人もいる
ただし、司法書士試験に合格したら必ず登録しなければならないわけではありません。
実際、試験に合格しても登録しない人も一定数います。
登録しない人は、以下のようなケースです。
別の仕事を続けており、すぐに司法書士になる予定がない
会社員や公務員など、別の仕事をしながら司法書士試験を受験して合格する人もいます。そして、合格してもすぐに現職を辞めるつもりはないというケースもあります。
そのような場合、司法書士登録はせずに今の仕事を続けることになるでしょう。
まずは「補助者」として働きたい
司法書士の補助的業務を行う人を「補助者」といいます。
司法書士としての仕事をする前に、まずは補助者として働きたいという場合には、司法書士登録をする必要はありません。
試験の知識を別のフィールドで役立てたい
司法書士試験では、幅広い正確な法律知識が求められ、合格すればスペシャリストになれるだけの知識が身についている証明となります。
そのため、その知識を不動産業界や金融業界、福祉業界など様々な分野で生かすことができます。司法書士として働くつもりはなく、専門知識を身につける目的で試験に合格した人は、登録する必要はないでしょう。
司法書士登録は合格後好きなタイミングでOK
上記のいずれの場合でも、司法書士の仕事がやりたいと思ったときに登録をすれば問題ありません。登録には特に期限などはないため、合格してから何年経っていても、年齢が何歳になっていても登録をすることはできます。
登録には費用が掛かったり、定期的に研修を受ける必要があるため、すぐに登録しない人も一定数おり、必要になった時に登録をすれば問題ありません。
司法書士登録の流れ
司法書士登録をする場合の手続きの流れについて解説します。
1.新人研修を受講する
登録をするためには、基本的に司法書士試験の合格後に新人研修を受講する必要があります。
新人研修は、中央研修、ブロック研修、単位会研修の3種類が必須の研修となります。
ただし、登録する司法書士会によっては、登録前に研修を終了していなくても登録後1年以内に研修を受ければよいという場合もあります。
あらかじめ自分が入会予定の司法書士会で確認しましょう。
入会する司法書士会は、自分の事務所の所在地を管轄する司法書士会で、たとえば東京の事務所で働く場合には東京司法書士会となります。
研修の期間は都道府県でも異なりますが、4か月程度はかかるため、仕事をしながら受講する場合は職場の理解を得られる必要があるでしょう。
また、必須ではない研修に特別研修があります。
これは簡易裁判所での裁判業務を行うために必要な認定を受けるために必要な研修で、研修終了後に認定考査を受けて合格する必要があります。
2.登録に必要な書類を取得する
登録するためには、書類等をそろえる必要があります。
自分が所属することになる司法書士会に確認の上、以下の書類等を準備します。
書式や必要書類などは各司法書士会によって一部異なる場合があります。
- 登録申請書
- 証明写真
- 司法書士名簿
- 入会届
- 履歴書
- 誓約書
- 合格証書
- 簡裁訴訟代理等能力認定考査の認定証書(認定を受けた人のみ)
- 住民票
- 戸籍抄本
- 身分証明書(成年被後見人や破産者でないことの証明)
- 登記されていないことの証明書(成年被後見人や被保佐人でないことの証明)
- 登録免許税
- 登録手数料
- 司法書士会入会金
- 職印
3.必要書類を司法書士会に提出する
申請書類等一式が揃ったら、自分が登録する司法書士会に書類を提出します。
入会予定の司法書士会(たとえば東京であれば東京司法書士会)を経由して、日本司法書士会連合会に申請する形となります。
司法書士会に書類を提出するときは、あらかじめ電話で予約していくようにします。
4.司法書士会の役員の面談を受ける
申請後に司法書士会の役員との面談があります。
面談は、書類提出の人同日に行われる場合と後日行われる場合があります。
面談の際は、司法書士法についてや司法書士の倫理、職責などについて質問されるため、きちんと答えられるように準備しておきます。
5.日本司法書士会連合会の審査を受ける
提出された書類や面談によって日本司法書士会連合会が審査を行い、登録が認められるかが決定されます。
登録の審査は、登録常務審査会によって行われます。
6.登録証が交付される
登録が認められると登録証が交付されるため、司法書士会で受け取ります。
申請書類を提出してから登録証を受け取るまでには、約1か月かかります。
登録常務審査会の日程によって登録ができる時期が左右されるので、あらかじめ自分が希望する登録日までに間に合うかどうか、司法書士会に確認しておきましょう。
登録はいつからできるの?
試験合格者であればすぐに登録申請できる司法書士会もありますが、新人研修を修了するまで登録申請できない司法書士会もあります。
新人研修の受講が必須の場合、合格した年の12月~4月くらいまで研修を受講することになるため、登録申請ができるのは合格した年の翌春の4~5月くらいからになります。
登録までにどれくらい時間はかかる?
登録までにかかる期間は、申請書類提出後、大体1か月程度です。
ただし、提出する書類を収集するためにもそれなりに時間がかかります。
たとえば、本籍地で身分証明書を取得したり、法務局で登記されていない証明書を取得する必要があり、郵送請求すると1週間程度はかかる可能性が高いでしょう。
司法書士登録料・必要な費用
司法書士の登録に必要な費用について紹介します。
登録手数料:25,000円
司法書士会名簿への登録に必要な手数料です。日本司法書士会連合会によると、この費用の内訳は、人件費、会員データ管理費、交付金、官報広告料、登録証通信費、会議費等となっています。
登録免許税:30,000円
登録申請するために国に納付する税金です。収入印紙での納付、またはオンラインで納付が可能です。
入会金:25,000~50,000円
所属する司法書士会への入会のための手数料です。事務所が存在する場所を管轄する司法書士会に入会することになりますが、各都道府県の司法書士会によって入会金が異なります。
会費:年間200,000~300,000円
所属する司法書士会に定期的、継続的に支払うべき会費です。
登録している限りは定期的に支払う必要があります。
司法書士会を運営するための経費などに使われます。
各司法書士会によって会費は異なり、支払い方法も異なります。
一般的に、会員が少ない司法書士会の方が会費が高くなる傾向があります。
提出書類の発行費用:1,000~2,000円
登録申請時の必要書類として、戸籍抄本、住民票、身分証明書などがあり、それを発行するための費用が掛かります。住民票や身分証明書は発行する自治体によって費用が異なります。
職印代:3,000~10,000円
司法書士は、職務で押印する印鑑を届け出る必要があるため職印をあらかじめ作成します。職務上職印の押印が義務付けられている書類には、職印を押印します。
職印の作成はどこの業者に依頼しても自由ですが、できるだけ長持ちするきちんとしたものを用意するのがおすすめです。
バッジ代:6,500円
司法書士は業務中はバッジを身につけます。このバッジはもらえるものではなく、司法書士会から貸与されるものであり、登録を抹消して司法書士ではなくなるときには返却しなければなりません。
そのため、バッジ代はレンタル代となります。
まとめ
司法書士登録には期限がないため、合格したらすぐに登録する必要はなく、自分が実際に司法書士の仕事を始める決心をしてから登録すれば問題ありません。
実際に試験合格者にはすぐに登録しない人も一定数おり、今の仕事を辞めてから登録を考えようとか、将来的なキャリアアップのために試験合格を目指すという人もいます。
必ずしもすぐに登録して司法書士として活動したい、という人に限らず、司法書士試験に合格することは大きな自信につながり、メリットは多いでしょう。
登録のタイミングは気にせず、司法書士試験が気になった人はまずは試験合格を目指してみてはいかがでしょうか。
その際は、合格実績や自分のライフスタイルに合った学習ができるかが大きなポイントです。
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