司法書士の独学におすすめのテキスト11選!必要な参考書・選び方とは?独学の注意点も解説
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司法書士試験は出題科目が多く、範囲も広いことが難易度の高さにつながっています。
そのため、必要な情報を網羅し、かつ効率的に学べるようにまとめられたテキストを使うことが合格のためには不可欠です。
特に独学の場合は、自分で一つ一つテキストを選ぶ必要があり、テキスト選びが合格のための最初のポイントとなります。
この記事では、独学者におすすめテキスト紹介や、選ぶ際場合のポイントや注意点などについて解説します。
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【司法書士独学】テキストの選び方のポイント4つ
まず、独学の場合のテキストの選び方のポイントを紹介します。次の4つがポイントです。
- ①解説が分かりやすいテキストを選ぶ
- ②合格者から選ばれているテキストを選ぶ
- ③ボリューム感やレベルが自分に合ったものを選ぶ
- ④用途に合ったテキストを選ぶ
ひとつずつ解説しています。
1.解説が分かりやすいテキストを選ぶ
独学者の場合、講師がかみ砕いた解説をしてくれたり、疑問点を質問をすることができないため、テキストの内容を自力で理解する必要があります。
そのため、分かりやすい解説がされていて、自分の能力で理解できる内容である必要があります。
分かりやすい事例が紹介されていたり、表やイラストを多用して視覚的に分かりやすくなっている、文章が簡潔など、自分が読んでみて「わかりやすい」と感じるものを選ぶと、独学につまづいてしまう可能性が低くなります。
2.合格者から選ばれているテキストを選ぶ
合格者の多くが選んだテキストは、信頼性が高いものだといえます。
そのテキストを使って実際に多くの人が合格した実績があるということは、合格に必要な情報が網羅されている証です。
生の声やインターネット上の口コミ等を含め、合格者の声を参考にしてみるとよいでしょう。
3.ボリューム感やレベルが自分に合ったものを選ぶ
どれだけ評判の良いテキストであっても、自分に使いこなせないものであれば意味がありません。
テキストのレベルやボリュームが自分に合ったものを選ぶことが大切です。
そのためには、実際にテキストを手に取ってみることが大切です。
同じ項目について複数のテキストを読んで比較してみると、自分の実力に合うもの、相性のよさそうなものが分かります。文字の大きさや分量、文章の特徴も、自分が無理なく繰り返し読み込めるものを選ぶことが大切です。
4.用途に合ったテキストを選ぶ
司法書士試験の勉強を独学でするためには、用途・目的に応じて種類別のテキストが必要です。
具体的には、初学者の場合には通常以下の種類のテキストを使って学習を進めていきます。
- 入門テキスト・・・法律初学者向けの入門書
- 基本テキスト・・・合格に必要な知識を学び理解するための教科書の役割のインプット用テキスト
- アウトプット用テキスト・・・問題を解くための技術・応用力を身に付けるための演習用テキスト
- 記述式対策テキスト・・・記述式問題の対策用のテキスト
それぞれについて、この後具体的におすすめのテキストを紹介します。
また、①~④のテキストとは別に、以下の教材もそろえる必要があります。
- 過去問
- 問題集
- 六法
- 判例・先例集
なお、この記事では、テキスト・参考書に的を絞って紹介します。
関連コラム:
司法書士試験の独学におすすめの過去問・問題集
司法書士試験対策に判例集・先例集は必要?おすすめ4選
司法書士試験対策に六法は必要?おすすめ4選と選び方・使い方を解説
【入門テキスト】おすすめ2選
入門テキストとは
入門テキストは、主に初めて法律を学ぶ人が、本格的な学習に入る前段階としての基礎知識や勉強方法を身に付けるためのテキストです。
入門テキストは、必ずしも全員に必要なものではありません。たとえば、法学部出身者や、他の法律系資格の受験経験者などは飛ばしても問題ありません。
ただ、独学で勉強する場合、難しいテキストにいきなり取り組むと、自分一人では理解できない箇所に遭遇し、挫折しやすい傾向があります。
そのため、まずは入門テキストを使って基礎固めをしてから基本テキストに移行する方がスムーズに勉強が続けられるのではないでしょうか。
入門テキストは、法律用語などもわからない初学者に向けて書かれています。
入門テキストからスタートすることが一見遠回りのように感じるかもしれませんが、その方が無理なく理解を深めやすく、意外と合格への近道になるかもしれません。
ゼロからスタート!海野禎子の司法書士1冊目の教科書
ゼロからスタート!海野禎子の司法書士1冊目の教科書本(KADOKAWA)は、自身が司法書士試験一発合格を果たしたLECの人気女性講師が、最短で司法書士試験に合格するための学習法と主要4科目(民法、不動産登記法、商業登記法、会社法)の基礎知識を解説しています。
オールカラーで図やイラストも多く、分かりやすさを徹底的に追及しており、耳慣れない法律用語やイメージのわきにくい登記制度についても丁寧に分かりやすく一から説明。
司法書士試験のかなめとなる主要4科目について、難しい言葉を使わずに基本からかみ砕いて丁寧に解説されているので安心して読めます。
まずは最後までざっと読み通して、おおまかなイメージを掴むことがおすすめです。
そして、2回目はしっかりと丁寧に読み込むことで、復習しながら無理なく基礎固めを行うことができます。
肩の力を抜いて、初めて法律を学ぶ人が手に取ってみるのにおすすめの1冊です。
うかる!司法書士ここからはじめる入門テキスト1・2
この入門書は全2巻となっており、本格的な学習を始める前に初学者が基礎固めをするための知識を解説しています。
法律資格専門の予備校として実績のある伊藤塾による執筆です。
この「ここからはじめる」シリーズでは、全試験科目11科目について、俯瞰するところからスタートして、知識の「枠組み」を理解することを目的としています。
枠組みを理解することで、単なる暗記ではなく、周辺知識を自然と増やし、それぞれの科目の全体像やつながりをイメージできるようになります。
つまり、「木を見て森を見ず」の状態とならずに学習のスタートを切ることを目的としています。
1巻目では「民法、民事訴訟法、不動産登記法」の3科目を収録しており、2巻目ではその他の8科目(憲法・刑法・商法・商業登記法・民事執行法・民事保全法・供託法・司法書士法)を収録しています。
民事訴訟法は主要科目ではないものの、民法との関連性が深いため1巻目で学習するスタイルとなっています。
試験科目について、まずしっかりと大枠のイメージを掴み、基礎を身に付けてから本格的な受験勉強をスタートしたいという人におすすめです。
法律初学者はもちろん、法律を学んだことはあっても登記法や司法書士特有のマイナー科目などについては初めて学ぶという人にも適しています。
【基本テキスト】おすすめ3選
基本テキストとは
基本テキストは、司法書士試験に必要となる知識を学び、身に付けるための「教科書」のようなものです。
試験勉強にはインプットとアウトプットが必要ですが、主にインプットを目的としているのが基本テキストです。
基本テキストの内容はしっかりと頭に叩き込み暗記する必要があることから、何度も繰り返し読み込むことになります。
基本テキストの内容が自分の知識に直結するため、必要な最新の情報が網羅されている必要があります。
そのため、基本テキストは絶対に最新のものを使いましょう。
また、必要な情報は自分で書き加えるなどして、情報の一元化をしていくことで、自分にとってオリジナルの最も大切な核となるテキストとなっていきます。
基本テキストはとても重要なもので、全受験生に必要なものなので、自分に合うものをしっかりと吟味しましょう。
司法書士 山本浩司のautoma system
司法書士 山本浩司のautoma system(早稲田経営出版)は、Wセミナーの有名講師である山本氏が執筆した人気のシリーズの基本テキストです。
オートマシステムのシリーズは、山本講師独自の「2WAY学習法」を取り入れています。
暗記することを目指すのではなく、基本を確実に理解することにより、自然と得点を取れる実力がつくように作られています。
特徴として、インプットとアウトプットを一体化して、別々に行うのではなく知識を身に付けながら問題を解く力を効率的に身に付けられるような構成となっています。
テキスト内にある「参考問題」に挑戦することで、基本テキストで学びながら問題演習を同時に行うことができます。
まずは基本書として一読し、理解できたら問題にチャレンジしていきましょう。
解答できない、もしくは解答できても知識があいまいであれば、再度テキストを読みこみ、しっかりと知識を定着させましょう。
早めにアウトプットもスタートして効率的に学習を進めたい人におすすめのシリーズです。
司法書士 スタンダード合格テキスト
司法書士 スタンダード合格テキスト (早稲田経営出版)は、長年の受験指導の実績があるWセミナーによる定番の基本テキストです。
「わかりやすい順序」でまとめてあり、無理なくすらすらと読み進めることができるようになっています。
重要な条文がテキストに網羅されているため、六法を引く手間も省けます。本試験の出題履歴も載っているので、どこが本試験で狙われやすいのか、重要な箇所を自然に把握することができます。
また、あえて行間や余白が広いレイアウトになっており、必要な情報をどんどん自分で書き込めるようになっており、情報の集約化をするのに最適です。
読みやすい簡潔、明瞭な文章で必要な情報が網羅されたスタンダードなテキストであり、多くの受験生にとって使いやすい「クセのないテキスト」といえます。
自分でどんどん書き込みをしながらテキストを使いこんでいきたい人におすすめです。
司法書士 合格ゾーンテキスト
司法書士 合格ゾーンテキスト(東京リーガルマインド)は、大手資格予備校LECの根元講師による、予備校講座の実況中継のような臨場感のあるテキストです。
わかりやすさを重視して、まずは「イメージ」をつかみ、そこから、「理解→解ける→覚える」というプロセスをたどれるように意識して作られています。
イメージを掴みやすいように、図やイラストも多用されています。
また、テキスト内で学んだことの腕試しができるよう、関連性のある過去問が収録されており、その都度自分の理解度を確認しながら学習を進められるようになっています。
講義を再現しているイメージで、語りかけているかのような、わかりやすいやさしい言葉遣いで書かれているのが特徴です。
そのため、本当は予備校に通って生講義を受けたいという人にもおすすめです。
【アウトプット用テキスト】おすすめ3選
アウトプット用テキストとは
アウトプット用テキストは、基本テキストで学んだ知識を、実際に問題を解けるようにするために応用できる訓練を行ったり、解法のテクニックを学ぶためのテキストです。
基本テキストの内容は理解し、暗記するのが中心となりますが、それを問題演習という実践の場で使えるようにするためには訓練を重ねたりテクニックを身に付けることが必要です。
それを行うためのテキストがアウトプット用テキストです。
基本テキストにも演習用問題や過去問が載っているものもあり、基本テキストとアウトプット用テキストが明確に線引きされているわけではありませんが、問題演習をメインとしたテキストのことをここではアウトプット用テキストとして紹介します。
うかる!司法書士 必出3300選
うかる! 司法書士 必出3300選(日経BP 日本経済新聞出版)は、1問1答形式のドリルとまとめテキストが1冊になっており、効率的な知識のチェックと問題演習ができます。
見開きでドリルとまとめテキストが配置されていて見やすくコンパクトにまとまっています。
このシリーズは、司法書士試験に必出の重要項目3300点を厳選し、4冊にまとめています。
ドリルは1問1答形式なので、移動中やスキマ時間にもサクサクと解いていくことができ、次のページのテキストで知識整理もすぐにすることができて使い勝手がよいのがポイントです。
テキストは、図表を使うなどしてわかりやすくすっきりとまとめてあります。
インプットとアウトプットを同時に効率よく行うことができるでしょう。
持ち運びに便利で、移動中などに勉強したい人にも最適です。
司法書士一問一答 合格の肢
司法書士一問一答 合格の肢(日本評論社)は、択一式の過去問の中から重要度の高い選択肢を厳選して、合格に必要な知識と解き方を解説する問題集兼テキストです。
実際に出題された選択肢を分解して分析し、条文の順番に合わせて整理されています。
条文ごとに過去問の肢を並べてみることで、どの条文の重要度が高いのか、試験で問われやすいのかの傾向をつかむことができます。
一問一答形式で、左ページに問題文、右ページに解答を〇×で示されていて、見やすく明快です。
条文の知識を整理し、択一式問題の演習を着実に進めたい人におすすめです。
司法書士 択一・記述ブリッジ
司法書士 択一・記述 ブリッジ(早稲田経営出版)は、演習問題として選りすぐりの記述式27問が収録されており、問題→解答例→ポイント→解説→確認事項の順番で構成されています。
択一式問題の知識を記述式対策につなげるための架け橋となるよう設計されていて、こちらの「実践編」の姉妹本として「択一・記述ブリッジ 理論編」もあり、セットで活用すると効果的です。
後半はかなり難易度の高い問題もありますが、実力試しを目的としているわけではなく、丁寧な解説を読み、復習することで、どのように解決していくのかのプロセスを学ぶことができます。
基本テキストの知識が身についた人が、次のステップとして取り組むのにおすすめです。
【記述対策式対策テキスト】おすすめ3選
記述式対策テキストとは
司法書士試験では、不動産登記法と商業登記法で実際の申請書を作成する記述式問題が出ます。
択一式問題と記述式問題では対策が異なり、記述式問題を苦手とする受験生も多くいます。
記述式問題を解けるようになるための知識や解法を学ぶためのテキストが、記述式対策テキストです。
基本的には、主要4科目の基礎力がついた後で使用するものです。
記述式問題に苦手意識のある人や、基本テキストだけでは記述式対策が不十分だと感じている人は活用するとよいでしょう。
うかる!司法書士記述式答案構成力商業登記 基礎トレーニング編
うかる!司法書士記述式答案構成力(日経BPマーケティング)は、記述式問題の合格答案の「枠組み作り」の方法について、伊藤塾の実際の講義の内容と同じようにわかりやすく解説しています。
限られた時間の中で、問題文を読んで何を書くべきかを判断できるようになり、答案構成力を身に付けるためのメソッドを丁寧に説いています。
こちらの「基礎トレーニング編」の姉妹本として、「実践力養成編」もあり、基礎編の後に実践編まで取り組めば、記述式問題のメソッドを習得し、演習までできるようになっています。
講義を受けているかのように、答案構成力のメソッドを初歩から学びたい人におすすめです。
司法書士 山本浩司のautoma system不動産登記法記述式
司法書士 山本浩司のautoma system 不動産登記記述式(早稲田経営出版)は、不動産登記の「基本形式」をまずは学び、その後にその「変形パターン」を学ぶ構成になっています。
まずは導入部で、いくつかの事例の解き方を説明して記述式問題をどのように解いていくのかを解説します。
その後、「基本の部」でしっかりと基礎固めを行い、「応用の部」で本試験レベルの問題を解いていきます。
段階的に問題の難易度が上がっていくため、着実に実力をつけながら学習を進めていくことができるテキストです。
基礎から着実に記述式問題に取り組んでいきたい人におすすめです。
司法書士 リアリスティック不動産登記法 記述式
リアリスティック不動産登記法 記述式(日本実業出版社)は、自身が5ヶ月の勉強で司法書士試験に合格した辰巳法律研究所の松本講師のテキストです。
限られた時間の中で答案作成に必要な情報を整理するための「図形式整理法」など、実際に役立つ具体的な記述式の解法テクニックを解説しています。
書き忘れや勘違いを防ぐための「SVO式」も解説しており、試してみる価値があります。
近年の記述式問題のポイントとなる「申請件数と申請順序」についても、新しく収録された「申請件数・申請順序100本ノック」で対策ができます。
記述式問題の実践的なテクニックを学びたい人、スピードアップを目指したい人におすすめです。
【司法書士 独学】テキストの選び方と使い方を動画で解説!
司法書士試験のテキスト選びと使い方について、アガルート司法書士試験講座担当、竹田講師が動画で解説しています。こちらもぜひ参考にしてください。
【司法書士試験】独学の勉強法と注意点
独学の場合、自由に好きなテキストを組み合わせることができます。
この記事も参照し、自分に合うテキストを選択しましょう。
そして、独学の場合は勉強の順序やスケジュールについても自己管理する必要があります。
通常の学習の順番は以下のようになります。
1.入門テキストで基礎固め(人によっては飛ばしても可)
法律初学者の場合、基本テキストは難しすぎて挫折してしまう場合があります。
その前に、入門テキストで基礎固めをするのもよいでしょう。
2.基本テキストで知識の定着
基本テキストは、理解して、記憶にとどまるまで繰り返し読み込んでインプットを行います。問題演習をするときも、曖昧な知識があれば基本テキストに立ち返ることも大切です。
3.択一式の問題演習(過去問、問題集)
択一式の問題演習は、基本テキストを学ぶのと同時進行で早めにスタートするのがおすすめです。インプットとアウトプットをセットで行うと効率よく学習が進みます。
4.記述式の学習と問題演習(過去問、問題集)
記述式の学習は、ある程度主要4科目の基礎知識がついてからスタートしたほうがよいでしょう。その前から取り組んでも、基礎力不足でなかなか身になりません。
独学は自由度の高さがメリットですが、デメリットとして、質問ができないので自力で疑問点を解消しなければならないこと、スケジュール管理や教材選びが難しいことなどがあります。
受験勉強以外のことはプロに任せて自分は勉強に集中したい、という人には通信講座をおすすめします。
通信講座であれば、独学と同じように自分のペースで勉強ができるのに加え、自動的に効率よく受験勉強できるためのスケジュールが組まれており、質問もできるため安心して勉強に集中できます。
自分に合った学習方法で、合格を目指しましょう。
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