司法書士試験の受験を検討している人は、試験はどれくらい難しいのか?自分にも合格できるのか?とても気になるところですよね。

このコラムでは、司法書士試験はどれくらい難しいのか、その難易度についてご紹介します。

他の資格と比較した難易度ランキングもご紹介するので、参考にしてみてください。

このコラムをまとめると…

  • 司法書士試験の難易度は非常に高く、合格率は4~5%
  • 試験の難易度ランキングは2位で、司法試験の次に難しい
  • 難易度が高いのは相対評価であること・特殊な法律科目が多いこと・「捨て科目」を作れないことなどが理由

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司法書士試験の難易度は?難しすぎる?

司法書士試験は、国家資格の中でもトップクラスの難易度と言われ、合格率は4~5%程度です

合格に必要な勉強は、3000時間以上が目安となります。

合格するために必要な得点は、大体75%以上です(相対評価のため毎年変動します)。
受験生のレベルが高かったり、問題が平年より易しめの年だったりすると、80%位の得点率が必要な場合もあります。

司法書士試験は、午前の択一式問題、午後の択一式問題、午後の記述式問題で構成されていますが、それぞれに基準点(足切り点)があり、そのどれか一つでも基準点を下回ってしまうと不合格になってしまいます。そのため、バランスよく得点できる必要があります。

司法書士試験の合格率は4~5%

司法書士試験の合格率は例年4~5%程度です。

2024年度(令和6年度)の司法書士試験の合格率は5.3%でした。受験者数13,960名に対して合格者数は737名です。

司法書士試験 合格率の推移

司法書士試験の過去5年の合格率推移は、下記のようになっています。

年度合格率受験者数合格者数
令和6年度(2024年度)5.3%13,960人737人
令和5年度(2023年度)5.2%13,372人695人
令和4年度(2022年度)5.2%12,727人660人
令和3年度(2021年度)5.1%11,925人613人
令和2年度(2020年度)5.2%11,494人593人
出典:法務省:司法書士試験

合格者の年齢と男女比率

合格者の年齢層は、30~40代が3分の2近くを占めます

20代の合格者は1割程度で、難関資格ゆえに合格までに時間がかかる人も多いからでしょう。社会人になってから受験する人も多く、令和5年度の合格者の平均年齢は41.14歳です。

合格者の男女比は、男性が7割強、女性が3割弱程度です。

多少合格率が上昇傾向にはあるものの、今後も5%を大きく超えることは考えにくく、9割以上が不合格になってしまう非常に難易度の高いシビアな試験です。

司法書士は何位?8士業 難易度ランキング!

司法書士試験の難易度は、8士業のうち2番目に高いといえます。

日本には、国家が認めた国民のために必要不可欠な業務を行う「士業」と呼ばれる職業があります。士業は多数ありますが、その中でも、「8士業」と言われているものがあり、司法書士もこの中に含まれます。

試験の難易度は一概にはいえませんが、ここでは、8士業について、合格率や勉強時間、試験の性質的にみた難易度をランキング形式で紹介します。

順位資格試験合格率勉強時間(目安)
1位弁護士(司法試験)20~40%3000~8000時間
2位司法書士4~5%3000時間
3位弁理士6~10%3000時間
4位税理士20%前後2000~4000時間
5位社労士6~7%700~1000時間
6位土地家屋調査士9~10%1000時間
7位行政書士10%前後600~1000時間
8位海事代理士50~55%(筆記試験)500時間

(8士業は、職務上の請求権が認められている職業で、依頼者のために職務上必要な戸籍や住民票等の個人情報を取得する権利があります。)

難易度TOP3の士業について、どんな職業なのか、どんな試験なのかご紹介します。

1位 弁護士

弁護士は、依頼人の代わりに裁判で法廷に立ったり、交渉をしたり、示談をしたり、あらゆる法律行為を代理することができる職業です。

難易度

司法試験の合格率:20~40%
合格に必要な勉強時間:3000~8000時間以上

弁護士になるには、基本的に司法試験に合格しなければなりません(一部例外あり)。
司法試験の合格率は、例年20~40%程度で、近年はやや上昇傾向が見られます。
ただし、司法試験の難しさは合格率だけでは測れません。総合的に見て最難関資格と言えるでしょう。

司法試験を受験するには、法科大学院を卒業するか、予備試験に合格する必要があります
法科大学院では日々真剣に学習に励まなければ卒業できず、一般的な文系大学での過ごし方とは大きく異なります。
予備試験は合格率3~4%程度の超狭き門です。

これらをクリアした人のみが司法試験の受験資格を得られるため、たとえ司法試験自体の合格率が二桁であっても、難易度は非常に高いのです。

2位 司法書士

司法書士は、登記申請を中心とした法律事務の専門家で、法務局や裁判所に提出する書類を作成したり、認定を受けた司法書士は簡易裁判所で依頼者の代わりに法廷に立つことができる職業です。

難易度

司法書士試験の合格率:4~5%
合格に必要な勉強時間:3000時間以上

司法書士試験の合格率は、4~5%と非常に低く、これが難易度の高さにつながります

試験科目は11科目で、勉強時間の目安は3000時間以上です。

試験の内容は、択一式問題と記述式問題があり、記述式問題では実際に登記申請書を作成するという実務に直結した内容です。

また、筆記試験合格者には口述試験もありますが、こちらは事実上全員が合格しています。

3位 弁理士

弁理士は、知的財産権に関する専門家で、特許庁に提出する書類を作成や登録申請、知的財産権に関する相談業務などを行う職業です。

難易度

弁理士試験の合格率:6~10%
合格に必要な勉強時間:3000時間以上

弁理士試験の合格率は6~10%程度ととても低く、難易度の高い試験です。

試験科目は5科目で、勉強時間の目安は3000時間で司法書士と同程度です。

試験の内容は、短答式試験、論文式試験、口述式試験があります。
短答式の合格率は9~20%程度で、各科目の得点率が40%を一つでも下回ってしまうと不合格となり、まんべんなく学習する必要があります。

論文式試験の合格率は25%程度で、短答式合格者の中の4人に1人程度ということなので、こちらも難易度が高いと言えます。
口述式試験の合格者は9割程度となります。

弁理士は受験者がほぼ大卒以上ということもあり、人によっては司法書士よりも難関だという意見もあるでしょう。

司法書士試験の難易度が高い理由3つ

合格率や勉強時間のほか、以下の点から司法書士試験は難しいと言われています。

  1. 相対評価だから
  2. なじみのない特殊な法律科目が多いから
  3. 「捨て科目」作れないから

1.相対評価だから

司法書士試験は、一定の点数を超えれば合格できる絶対評価ではなく、上位5%位に入る高得点を取らなければ合格できない相対評価の試験です。

そのため、何点程度を目指せばよいのかという目標が立てづらいという特徴があります。

比較的易しい問題が多めに出題された年度では、基準点(足切り点)が8割程度などかなり高くなることもあります。

午前の択一式問題、午後の択一式問題、午後の記述式問題のいずれか一つでも足切り点を下回ればそこでアウトなので、とてもシビアな採点方式です。

2.なじみのない特殊な法律科目が多いから

司法書士試験は司法試験や行政書士試験と共通する科目も多いのですが、独自で出題される科目に「不動産登記法」「商業登記法」などがあります。

これらの科目は、択一式問題と記述式問題の両方で出題されるメイン科目なのですが、多くの人にとってなじみがなく、具体的なイメージがわきにくい内容です。

記述式問題が解けるレベルに到達するためには、単なる暗記ではなく深い理解が必要で、苦手意識を持ってしまう受験生も大勢います。

3.「捨て科目」を作れないから

司法書士試験は上述のとおり相対評価で、上位約5%以内に入らなければいけないため、全科目についてしっかりと得点できるだけの知識が必要です。

いわゆる「捨て科目」を作ることは基本的にはできず、11科目すべてを丁寧に学習する必要があります。当然暗記しなければならない内容も膨大です。

計画的に全科目をバランスよく学ぶ必要がある点も、司法書士試験の難しさと言えるでしょう。

簡単だった?司法書士試験に合格するために必要な要素3つ

司法書士試験の難易度がかなり高いことをおわかりいただけたかと思います。

「難しすぎる!」と悩まれてる方も多いです。簡単ということはありませんが、毎年合格者は出ているのです。

難易度が高い司法書士試験に合格するためには、どのような対策が必要なのでしょうか。そのポイントを紹介します。

1.いつまでに合格するか明確に目標を立てる

司法書士試験は、長期間だらだらと勉強をすれば受かるレベルのものではありません

長期戦になればなるほど、集中力低下などからかえって合格が遠のいてしまうことも多いのです。

いつまでに合格したいのかを明確に意識して、それに向けてその時が自分の実力のピークになるようにイメージしながら勉強することが必要です。

意志の力は想像以上に重要で、絶対に短期間で合格する!という気持ちで取り組まなければ、いつまで経っても合格することはできません。

関連コラム:司法書士合格に必要な勉強時間は3000時間?勉強法と独学合格体験Q&A

2.合格することに特化した勉強をする

合格するためには、試験範囲に特化して割り切った学習をすることをおすすめします。目標は合格することであり、点数を取ること。法律に詳しくなることではないと思っておきましょう。

予備校や通信講座では、自動的に効率的な学習プランに沿った学習ができるように設計されているので、それに素直に従って勉強し、日々コツコツと知識を定着させていくことが大切です。

3.最後まで諦めない

難易度の高く、勉強時間もたくさん必要な司法書士試験の勉強を長く続けていると、挫けそうになることもあるでしょう。しかし、モチベーションを保ち続けることは非常に重要です。

「自分は最終的に合格できる!」と最後まで信じ抜くこと。このメンタルは大事にしてください。

司法書士試験に合格するためには予備校・通信講座を利用するのがおすすめ

司法書士試験は試験科目の多さ、学習範囲の広さなどからいかに計画的に、効果的な勉強を続けられるかが大きなポイントです。

自己流の学習計画ではほぼ太刀打ちできず、独学で合格できる人はほとんどいません

自分に合った予備校、通信講座を利用することが不可欠だと言えます。

各予備校、通信講座の特徴を吟味したうえで、自分にとって最適な講座を受講しましょう。

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2023年度(令和5年度)の全国の司法書士試験合格率は5.2%であったのに対し、アガルートの司法書士受講生の合格率は15.4%でした。全国平均の2.96倍の合格率です。

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合格率の高い講座を使って試験対策をするのも、合格するためには有効な手段です。

司法書士試験は難しい試験ですが、自分に合った方法で少しでも効率良く合格を目指しましょう。

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