司法書士と行政書士はどっちが稼げる?年収を比較して解説
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資格を目指すときに比較対象になることが多い司法書士と行政書士。仕事のやりがいや働きやすさが気になるのはもちろんですが、収入面についても気になるのではないでしょうか。
このコラムでは、司法書士と行政書士では一体どちらが稼ぎやすいのか、それに目指しやすさの比較やダブルライセンスについても解説します。
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Q.司法書士と行政書士はどっちが稼げる?
A.司法書士と行政書士の収入を比較する場合、一般的には司法書士の方が高収入を目指しやすいと言われています。
平均年収を比較しても、司法書士の方が高いという結果が出ています。
理由として、司法書士は非常に合格率が低く人数が少ないため、行政書士に比べて競合相手も少なく仕事を得やすいこと、登記申請など安定した需要が見込める業務があることなどが考えられます。
人数は、司法書士が全国で約22,000人に対し、行政書士は約49,000人で、倍以上の差があります。
ただし、司法書士、行政書士ともに独立開業する人が多い資格です。
そのため、能力によって収入の個人差がとても大きいという特徴があります。
実際、独立開業して司法書士よりも高年収の行政書士も多数存在します。
行政書士は業務範囲が広く、司法書士よりも単価の高い仕事や成功報酬型の仕事も多いため、人によっては行政書士の方が高収入を得やすい場合もあります。
難易度の高い業務や専門性の高い業務に特化して高収入を得ている行政書士も大勢います。
結論として、一概にどちらが稼ぎやすいとは言えないものの、平均年収では司法書士の方が高いといえるでしょう。
司法書士と行政書士の年収を比較
平均年収は司法書士の方が高いと紹介しましたが、ここではそれぞれの具体的な年収の目安について紹介します。
司法書士の年収の目安
令和3年度賃金構造基本統計調査によると、司法書士の平均年収は1121.7万円です。
出典:司法書士 – 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))
また、令和3年度の司法書士白書のアンケート調査によると、独立開業する司法書士の売り上げで最も多いのは「1000~4999万円」で約35%がこの範囲に入りました。
経営者以外の司法書士(勤務司法書士)の場合、司法書士白書のアンケート調査によると、300~400万円未満が最も多く約21%、次に多いのが400~500万円未満で約18%でした。
この結果から、独立開業している司法書士と勤務司法書士を比べると、独立開業している司法書士の方がかなり平均年収が高いことがわかります。
関連コラム:司法司法書士は独立するメリット多数!成功/失敗する開業司法書士の特徴とは
その理由として、勤務司法書士はあまり昇給が期待できないと言われています。
一般企業などとは異なり、勤務司法書士は長く勤めても業務内容が大きく変わるわけではないため、新人とベテランでそれほど待遇に差が付きにくいことなどが理由です。
ただし、勤務司法書士としてスタートしても、その後に勤務していた事務所の後継者となったり、共同経営者になったりすることも比較的よくあるケースです。
また、自分で仕事を取ることができる営業力が高い司法書士などの場合、給与の他にインセンティブがあったり、ボーナスに反映されるなどで、高収入を得ている勤務司法書士もいます。
関連コラム:司法書士の年収とは?独立・勤務それぞれの年収&収入アップのポイント
行政書士の年収の目安
令和3年度賃金構造基本統計調査によると、行政書士の平均年収は、551.4万円です。
出典:行政書士 – 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))
また、日本行政書士会連合会の平成30年度アンケート調査によると、行政書士の売り上げで1番多いのは500万円未満で78.7%でした。
独立開業する行政書士と勤務行政書士を分けた平均年収データはありませんが、行政書士も独立開業する人と勤務行政書士とでは年収差があるでしょう。
独立開業する人は年収の個人差が大きく、1千万を超える人も一定数いますが、300万円未満の人も一定数います。
勤務行政書士の場合、年収は300~400万円程度の人が多いようです。
司法書士と同様、行政書士も長く勤めても自然に年収が増えていくことは少なく、共同経営者になったり独立開業する道を目指す人が多い世界です。
平均年収で見ると、独立開業する場合も勤務する場合も、司法書士よりは低い傾向があります。
とはいえ、独立開業する場合は営業力や実力によって個人差がとても大きいため、司法書士以上に稼いでいる行政書士も多数存在します。
関連コラム:行政書士の年収はどれくらい?高年収を狙う方法も解説!
司法書士と行政書士 求人数・難易度・費用を比較
司法書士と行政書士に優劣はなく、どちらの方が必ず稼げるということはありません。
どちらかを目指そうと迷っている場合、収入面以外でも気になるポイントについて紹介します。
求人数
基本的に、合格者の数に対する求人数の数では、司法書士の方が行政書士よりも多いでしょう。
司法書士、行政書士ともに、はじめから独立開業する人は少なく、まずは就職して実務経験を積むのが一般的です。
また、必ずしも独立開業を目指さず、ずっと勤務を続けたいという人も一定数います。
そのため、そもそも求人数は多いのか?資格を取れば就職できるのかも気になるところです。
司法書士は合格者が毎年1000人未満のため、司法書士を採用したいと思ってもそもそも求職者が少なく、売り手市場になる傾向があります。
司法書士資格を取ったのに就職先が見つからない、という可能性はとても低いでしょう。
司法書士事務所・司法書士法人以外に、一般企業や弁護士事務所、他士業との合同事務所などに就職する人もおり、その場合も司法書士資格を持っている人は重宝される傾向があります。
行政書士は、司法書士に比べると求人数は少ない傾向があります。
とはいえ、司法書士同様に、就職先は行政書士事務所・行政書士法人に限定されず、一般企業や合同事務所など様々なので、就職が困難ということはありません。
資格を持っていることで、面接等でも自己PRがしやすくなります。
司法書士、行政書士ともに、独立開業する人が過半数と多いため、勤務していた人が独立して人員を補充したいという事務所は随時あります。地域にもよりますが、求人数が不足して就職できないという可能性は低いでしょう。
難易度・勉強時間
試験の難易度は、司法書士の方がかなり高いと言えます。
これは合格率からも歴然で、司法書士の合格率が約3~5%に対し、行政書士の合格率は約10~15%です。
合格に必要な時間として目安となる学習時間も、司法書士の方がかなり長時間で、司法書士が3000時間~に対し、行政書士は600時間~です。
毎日の学習時間にもよりますが、期間として司法書士は2年以上かかることを覚悟する必要があります。
関連コラム:司法書士試験合格に必要な勉強時間はどれくらい?勉強スケジュールを解説!
一方、行政書士の場合、半年程度の勉強で合格できる人もいます。
理由として、司法書士の方が試験科目が11科目と多く、試験範囲が非常に広いこと、登記申請書を記載する記述式問題の対策に時間を要すること、合格率が低く高得点を取る必要があることなどがあります。
行政書士も一般的には難しい試験ですが、司法書士ほどではありません。
行政書士は働きながらでも受験しやすい試験ですが、司法書士を働きながら目指す場合、ある程度長期戦になる覚悟が必要です。
司法書士・行政書士になるまでの費用
司法書士、行政書士になるまでにかかるコストについても気になるところです。
勉強にかかる費用
まず、合格するまでの受験勉強の費用については、司法書士の方が高額になるのが一般的です。
同じ予備校、通信講座であっても、司法書士講座の方が科目数、学習範囲が広いことから授業数や教材も多くなり、受講料は行政書士よりも高額になります。
司法書士講座は最低でも10万円程度~なのに対し、行政書士講座は4万円程度~くらいであることが多いです。
また、司法書士の方が合格までに時間がかかる場合が多く、その間の新しい教材の購入や模擬試験の受験などにも追加でお金がかかる可能性があります。
登録費用
合格後は、司法書士も行政書士もそれぞれ「司法書士会」「行政書士会」に登録をしなければ仕事をすることはできません。
そして、登録する際にそれぞれ費用がかかります。
登録費用は都道府県によっても異なりますが、登録手数料や入会金、登録免許税、年会費、バッジ代などを合わせて司法書士、行政書士ともに30~40万円程度はかかるケースが多いでしょう。
登録時にかかる費用はやや行政書士の方が高い傾向がありますが、登録後にかかる月会費は司法書士の方が高い傾向があります。
司法書士と行政書士ダブルライセンスという選択肢も
司法書士と行政書士では、必ずしもどちらの方が稼ぎやすい、ということはありません。
強いて言えば、稼ぎたいのであれば両方とも持っているのが一番有利だといえるでしょう。
実際、司法書士と行政書士両方の資格を取ってダブルライセンスで働いている人も一定数います。
司法書士と行政書士は、業務の関連性が高く、相性の良い資格です。
司法書士として依頼を受けた仕事に関連した行政書士の業務を依頼されたり、その逆も多くあり、仕事を得るチャンスが格段に広がります。
たとえば、会社を作って運送業をやりたいという顧客がいた場合、会社設立登記は司法書士の仕事、運送業の許可申請の手続きは行政書士の仕事です。
どちらかの資格しかなければ片方しかできませんが、両方の資格があれば一連の手続きをすべて引き受けることができます。
ワンストップサービスを提供できるので、お客さんの満足度アップが期待できます。
また、自分にとっては顧客単価が高くなり収益性が上がります。
ダブルライセンスを持っている、ということ自体が自分のアピールポイントとなり信用力も高まるでしょう。
両方の資格を取るなんて大変だと思うかもしれませんが、民法などの一部の試験科目が重なるので、先に受験した資格の知識がもう一方の試験対策で役立ちます。
ダブルライセンスも視野に入れ、まずは自分がより強く興味を持った資格にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
関連コラム:司法書士と行政書士の違いを解説!仕事&試験の難易度・ダブルライセンスのメリットとは
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