司法書士の就職事情!司法書士は就職できる?就職先は?
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司法書士は独立開業のイメージが強い資格ですが、必ずしも独立開業する人ばかりではありません。専門職として、または法律の知識を生かしつつ一般会社員として勤務するという選択肢もあり、安定した生活を望む人にもおすすめです。
独立開業する人であっても、まずは就職して経験を積むのがオーソドックスな道です。
このコラムでは、司法書士資格を取得した後の就職活動や、どのような就職先があるのか、40代からの就職事情などについて解説します。
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就職することが多い?司法書士資格取得後の選択肢
司法書士試験に合格した後のキャリアプランは、いくつかあります。
大きく分けると、就職するか独立開業するかです。
そして、就職の場合の就職先も色々とあり、司法書士として就職する場合と司法書士資格のある一社員として就職する場合があります。
独立開業する人の場合も、司法書士業務が未経験の場合はまずは経験を積むために司法書士事務所・司法書士法人に就職するのが一般的です。
合格前からすでに司法書士事務所に勤務していた人や、司法書士業務の経験はなくても社会人経験が豊富な人の場合、すぐに独立開業する人もいます。
合格者で一番多いのは、司法書士事務所・司法書士法人に就職する道です。
一口に就職といっても、長期勤務を前提として就職する人もいれば、いずれ独立開業することを前提として修業のために就職する人もおり目的は様々です。
年齢が若い人などの場合、将来独立するか明確に決めないまま、まずは社会人経験を積むために就職する人もいます。
司法書士の就職先とは
司法書士試験合格者の就職先には、様々な場所があります。
ここでは、代表的な就職先についていくつか紹介します。
- 司法書士事務所・司法書士法人
- 法律事務所
- 合同事務所
- 一般企業の法務部
- 不動産関連企業
1.司法書士事務所・司法書士法人
登記を中心とした司法書士業務全般を行いたい人、司法書士としていずれ独立を目指している人など、一番オーソドックスな就職先が司法書士事務所・司法書士法人です。
一口に司法書士事務所といっても、事務所によって取り扱う業務の比重、取引先や顧客の層、事務所の規模や雰囲気などは様々です。
取り扱う業務については、不動産の決済が中心の事務所、相続関係業務に力を入れている事務所、成年後見や裁判業務に積極的に取り組んでいる事務所、商業登記や企業法務をメインで扱う事務所などそれぞれの特色があります。
そのため、自分のカラーに合うかどうか、自分が取り組みたい業務を多く扱っている事務所かどうかを見極めるのがおすすめです。
また、長く勤めることを前提としているのか、一定期間勤めて経験を積んだら独立する予定なのかによっても、選ぶ事務所は変わってくるでしょう。
長く勤めるつもりであれば、昇給が見込めるのか、福利厚生が充実しているか、事務所自体に永続性があるのかなどがポイントになりますが、一定期間で辞めるつもりであれば、自分が経験したい業務、学びたいスキルを身に付けられる職場なのかなどが重要になります。
2.法律事務所
弁護士が経営する法律事務所に就職する選択肢もありますが、多くはありません。
弁護士と司法書士の仕事内容は通常大きく異なるためです。
司法書士としての就職先となり得るのは、司法書士部門がある大手の法律事務所です。
3.合同事務所
司法書士だけでなく、税理士、土地家屋調査士、社労士などの他の士業と合同で業務を行う総合事務所があります。
他の士業と連携できるため、お客さんにワンストップサービスを提供できるというメリットがあります。
他士業の資格取得にも興味がある人などにおすすめです。
関連コラム:司法書士のダブルライセンス取得は有効?相性の良い資格を紹介!
4.一般企業の法務部
一般企業の法務部への就職の道もあります。この場合は、司法書士としてではなく、あくまでも司法書士資格を持っている一社員という形での勤務になるでしょう。
ただし、法務部に限定して一般企業に就職できるのは、多くの場合社会人経験がある場合です。
新卒採用の場合、希望を出すことはできても、法務部限定での応募というのはあまり一般的ではありません。
とはいえ、司法書士が難関資格であることは社会的にも認知されているため、普通よりは希望が通りやすくはなるでしょう。
様々な職種や部門で法律知識の重要性は増しているため、法務部に限定せずに待遇がよい大手企業などへの就職を目指す人もいます。
5.不動産関連企業
司法書士試験は不動産にかかわる法律の知識が多く問われるため、不動産関連企業は司法書士有資格者を歓迎する傾向があります。
そのため、不動産関連企業の管理部門、事務部門などで働くという選択肢もあります。
不動産関連企業は、一般的な司法書士事務所に比べて給与が高い場合も多く、待遇の良さを重視する人にもおすすめです。
司法書士の就職活動
司法書士の就職活動の一般的な流れを紹介します。
司法書士の就職活動は、一般的な就職活動と大きな違いはありません。
一般的なのは、就職エージェントに登録して就職先候補を紹介してもらったり、就職サイトや事務所のHPなどで求人情報を見て応募する方法です。
司法書士会が求人情報を公開している場合もあります。
司法書士としての就職を目指す場合
エージェントを利用する場合、司法書士としての就職を目指す場合には、士業専門のエージェントがおすすめです。
司法書士事務所は、特に小規模な個人事務所などの場合、求人情報に詳しい待遇などが明記されていないこともあります。自分で待遇や勤務条件の交渉、確認をするのが不安な場合、エージェントを利用するとよいでしょう。
一方で、個人事務所などの場合には、特に書類選考もなく面接をしてその場で採用されることもあります。
面接では、その職場への志望動機などを詳しく聞かれることは比較的少ないです。どちらかというと、なぜ司法書士を志したのか、独立予定があるのかなどを聞かれることが多い傾向があります。
なお、司法書士の合格者は毎年600人前後と人数が少ないため、売り手市場になる傾向があります。
地域によっても異なりますが、司法書士の資格者を採用したい事務所の数に対して、合格者の数が足りていない場合が多いのです。そのため、就職の内定率は高いと言えます。
一般的な就職活動のように何社も採用試験を受け続けるというようなケースはあまりありません。
一般企業に就職する場合
一方、一般企業に司法書士資格者として応募する場合には、一般の就職エージェントを利用しましょう。
就職先によって採用方法は異なりますが、通常はまずは書類審査があり、その後面接が行われます。
司法書士事務所ではなく一般企業に就職する場合には、通常の一般的な就職活動と同じ流れになります。
書類審査、個別面接に加えて、筆記試験や集団面接、グループディスカッションなどが行われることもあります。
未経験・40代~でも就職は可能!失敗しないポイントは?
未経験や40代以上の人は、就職できるか不安になるかもしれません。
ただ、実際には、未経験や40代以上であっても就職することは十分可能です。
司法書士は、他の士業と比べても合格者数が少ないという特徴があります。
令和4年度の司法書士試験合格者の平均年齢は40.65歳です。
関連コラム:司法書士試験合格者の平均年齢は?年代別合格者割合・最低・最高年齢まとめ
また、毎年の合格者は600人前後です。
関連コラム:司法書士の難易度とは?合格率・偏差値・試験内容を他資格と比べてわかる司法書士試験の難しさ
司法書士業務は司法書士しか行うことができないので、司法書士を採用したい事務所の数は常に一定数あるのに対し、合格者数が十分とは言えません。
そのため、社会人経験がない人や、40代以上の人であっても就職先が見つからないケースは少ないでしょう。
一般企業での勤務経験がある人などは、年齢が高くても歓迎されることも多いでしょう。
ただし、高待遇を望んだり、職場への要望が多い人の場合などは就職活動に苦戦することもあります。
また、地域によっては求人募集が少ない場合もあります。
失敗しないためのポイント
就職活動で失敗しないためのポイントは、自分の将来設計や長所、短所などを自分なりに分析して、それに合う職場を探すことです。
司法書士事務所は一般企業と比べて少人数であることが多く、同じメンバーとずっと仕事をすることになるため、職場の雰囲気が自分に合うかどうかも重要です。
自己分析や将来設計をしっかりと行い、それを面接できちんと伝えることがミスマッチを防ぐことにつながります。
司法書士資格があることで有利なのは事実ですが、それだけに依存せずに、自分の長所をしっかりアピールできるような自己分析を行っておきましょう。
また、司法書士も他の職業と同様にビジネスマナーやコミュニケーション能力は不可欠なので、相手に好印象を与える受け答えを心がけましょう。
そういったことを自分一人で行うのが難しい、あるいは不安があるという場合には、就職エージェントなどを利用して、自分に合う職場を斡旋してもらったり、アドバイスしてもらうのもよいでしょう。
将来的に独立したい場合
司法書士は将来的には独立したいという人が多数派です。
そのため、就職活動において、将来的には独立したいという意思を表明することがデメリットになることは通常はありません。
面接でも多くの場合、将来独立する予定があるか、何年くらい勤務するつもりかは質問されますが、それについては正直に答えたほうがよいでしょう。
本当は独立するつもりなのに、ずっと勤務したいと本心でないことを伝えると、後からトラブルになる可能性もあります。
事務所を辞めた後も雇用主の司法書士とは同じ地域の同業者としての関係が続くので、嘘をつくのは避けたほうがよいでしょう。
まだ独立するかはっきりと決めていないという場合にも、それを素直に伝えればよいでしょう。
独立するまでの過ごし方
独立するまでの期間は、その人の年齢や経験、経済状況などによっても異なります。
目安として、20代~30代前半位の若い人の場合、3~5年は勤務して、司法書士業務の経験に加え、社会人経験も積んでから独立するケースが多いでしょう。
独立資金を貯めるためにも、ある程度の勤務年数が必要になるのが普通です。
それ以上の年齢の場合には、1~3年で早めに独立して、できるだけ速やかに自分の名前での営業を始めるほうが成功しやすい場合もあります。
長く勤めると、独立のタイミングを逸してしまうということもあるため、自分が何歳くらいで独立するのか、ある程度の将来設計を描いておいたほうがよいでしょう。
関連コラム:司法書士は独立するメリット多数!成功/失敗する開業司法書士の特徴とは
まとめ
司法書士は独立開業以外に就職する道もあります。
合格者が少ない分、就職活動では有利なケースが多く、経験や年齢についてはあまり心配する必要はありません。
様々な就職先がありますが、待遇など目先のメリットだけで判断するのではなく、自分の将来設計をしたうえでそれに合う職場を見つけることが大切です。
気になった方は、将来の選択肢が広がる司法書士資格にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
関連コラム:司法書士とは?仕事内容をわかりやすく解説
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竹田篤史講師
社会保険労務士事務所、司法書士法人勤務後、大手資格予備校にて受講相談、教材制作、講師を担当。
短期合格のノウハウをより多くの受講生に提供するため、株式会社アガルートへ入社。
これまで、ほぼ独学で行政書士試験、司法書士試験に合格し、社会保険労務士試験には一発で合格。
自らの受験経験で培った短期合格のノウハウを余すところなく提供する。
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