公務員は司法書士試験に有利?資格取得を目指す際に知っておくべきこと
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公務員は人気の職業ですが、中には司法書士資格の取得に興味を持ったり転職を検討したりする人がいます。
司法書士と公務員にはそれぞれの良さや注意点があるので、自分に合った職業選びが大切です。
ここでは、公務員が司法書士資格の取得を考えるときに知っておくべきポイントについてご紹介します。
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公務員は司法書士試験に有利?
公務員が司法書士試験を目指す場合、公務員以外の人と比べて有利といわれる点は、主に次の2点です。
- 試験に共通科目がある
- 一部の公務員は試験免除の制度がある
詳しく解説します。
1.試験に共通科目がある
公務員は必ず公務員試験を受験して合格しており、その試験科目に司法書士試験と共通するものがあります。
それは、民法、商法・会社法、憲法、刑法です。
この4科目は、司法書士試験の午前の部の科目をすべて網羅しています。
ただし、民法と商法・会社法は司法書士試験における主要科目で配点も高いため、公務員試験以上に細かく難易度の高い問題が出題されます。
そのため、たとえ公務員試験の知識があっても、司法書士試験向けの特別な学習が必要です。
一方、憲法、刑法は司法書士試験での配点が低いマイナー科目であり、基本的な知識を問われることが多い傾向です。
公務員試験の経験があり、それほど受験から時間が経っていなければ、追加での勉強はあまり必要ない場合が多いでしょう。
2.一部の公務員は試験免除の制度がある
すべての公務員が対象ではありませんが、一部の公務員には司法書士試験の免除制度があります。
試験免除の対象となるのは、裁判所事務官や法務局職員などの法律系の職務経験が通算10年以上あり、法務大臣から認定された公務員です。
現実的には、10年程度の経験で認められることはほとんどなく、定年まで勤め上げたような人が対象となっています。
老後に第二の人生として司法書士を望むのであれば、この制度を狙うのもよいでしょう。
公務員と司法書士の魅力と注意点を比較!
公務員と司法書士では、それぞれの魅力やメリットと注意すべき点があります。
公務員のメリット
安定性
公務員の魅力は、安定した収入と身分が長期的に保証されていることです。
景気などにあまり左右されず、現役時代の収入が安定していることに加え、退職金や年金の面でも安定しており、生涯生活に困る可能性は低いでしょう。
営業成績などもなく、基本的に年功序列で収入が上がっていく点も人によってはメリットといえるでしょう。
福利厚生が手厚い
公務員は、産休育休がしっかりとれるなど福利厚生面で恵まれています。
このため、子育てをしながら仕事を続けやすいというメリットがあり、女性にとっても働きやすい職場環境といえるでしょう。
公務員の注意点
収入は限定的
収入が安定している反面、能力が高い人でも大幅な昇給は見込めず、また、副業も禁止されていることから決められた範囲内の収入しか得ることはできません。
そのため、モチベーションが維持できないという人もいます。
窮屈に感じる人もいる
公務員は堅実で安定志向の人が多く、どちらかというと保守的なタイプが集まりがちな職場です。
そのため、人によっては職場の人間関係を窮屈に感じる場合があります。
また、自分で仕事を選ぶことはできず、与えられた職務をしなければならない点を苦に感じる人もいるでしょう。
司法書士のメリット
自由度が高い
司法書士の大きなメリットは、自由度が高いことです。
まず、働き方としては、独立開業、仲間との共同経営、司法書士事務所に勤務、一般企業に勤務、他の仕事と兼業するなどの方法が選べます。
また、独立開業した場合、自分で好きな場所に事務所を開き、営業時間や営業スタイルも自由に決めることができます。
司法書士の業務は多岐にわたりますが、取り扱う業務を自由に選ぶこともできます。
自分らしく働きたい人には大きな魅力といえるでしょう。
能力次第で高収入を目指せる
司法書士で独立開業した場合、実力を磨けば高収入を狙うことができます。
年収1千万円を超える司法書士は1割以上おり、2千万円以上稼いでいる司法書士もいます。
自分の得意分野を作って効率的に収益を上げたり、時代のニーズに合った業務に力を注ぐなど工夫することで、特殊な才能がなくても高収入を狙うことは決して不可能ではありません。
司法書士の注意点
保証がない
司法書士に限りませんが、独立開業した場合には収入の保証はありません。
人によっては年収が100万円以下になる可能性もあります。
ただし、司法書士の廃業率は他業種と比べて低く、人数が少ないこともあり、誠実に業務に取り組んでいれば一般的な自営業者よりはリスクが低いともいえます。
孤独感やプレッシャーがある
司法書士として独立開業した場合、1人で仕事をしていると孤独感やプレッシャーを感じることがあります。
組織、チームで仕事をしているのとは違い、自分一人で重要な判断をしなければいけないことも多く、精神的に辛いこともあるでしょう。
そのような事態を避けるためには、相談できる同業者の仲間などを作ることが大切です。
以上の特徴から、安定志向でとにかくリスクは避けたいという場合には公務員を続ける方がベターといえ、自由度の高い働き方を望んだり、自分の実力を試したい場合には司法書士を目指すことを検討してはいかがでしょうか。
公務員から司法書士を目指す際に知っておくべきこととは?
公務員から司法書士を目指す場合には知っておくべき点として、次の3点についてご紹介します。
- 独学では時間がかかる
- 公務員と違い様々な背景の人がいる
- 司法書士登録をする前に公務員を退職しなければならない
1.独学では時間がかかる
公務員試験に合格した人は、独学でも司法書士試験に合格できると思うかもしれません。
しかし、司法書士試験は合格率5%程度の難関資格で、必要な学習時間は3000時間以上といわれており、多くの人が予備校を利用して勉強に励んでいます。
公務員試験と共通する試験科目もありますが、出題の仕方や傾向も異なるため、ほとんど別のものと考えたほうがよいでしょう。
特に働きながら受験する場合には、勉強時間も限られるため、独学で合格する力を養うことは困難なケースが多いでしょう。
長期戦で「いつか受かればよい」という人は別として、短期での合格を目指すのであれば効率的に試験対策ができる予備校の利用をおすすめします。
2.公務員と違い様々な背景の人がいる
公務員の場合、高卒、大卒、大学院卒などそれぞれ受験条件が決まっており、同じ属性の人が受験しているため、自分と同質の人と一緒に仕事をすることが多いでしょう。
一方、司法書士には受験資格はないため、学歴や経歴、年齢など様々な人が同期合格者となります。
その人たちと一緒に研修を受けたり、事務所で同僚となったり、独立してライバルになったりすることを心に留めておきましょう。
3.司法書士登録をする前に公務員を退職しなければならない
司法書士試験に合格し、資格を取得するだけであれば問題ありませんが、司法書士登録をすることは公務員の副業禁止規定に抵触します。
なお、試験に合格した後に登録まで時間が空くことは特に問題ありません。
そのため、まだ公務員を辞めるつもりがなくても、とりあえず資格だけ取得しておくという選択肢もあります。
公務員試験に合格している人は、基本的に勉強することに対する抵抗感は低いはずなので、まずは試しに試験勉強を始めてみよう、という感覚でもよいかもしれません。
まとめ
公務員から司法書士試験を目指す場合、自分が仕事において何を重視するのかを今一度冷静に考えてみるとよいでしょう。
また、司法書士試験に受かってもすぐに転職しなければいけないわけではないため、将来を見据えて、公務員を辞める場合に備えて資格取得を目指すことも間違いではありません。
このコラムのまとめ
- 試験科目、一部の試験免除があるため、公務員は司法書士試験合格に有利と言われている
- 公務員は福利厚生が手厚く安定性などの魅力がある
- 司法書士は自由度が高く能力次第で高収入を目指せるなどの魅力がある
- 司法書士試験の難易度は高い
- 司法書士登録するなら公務員を退職する必要がある
- 将来を見据えて司法書士資格を取得しておくことはできる
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