中小企業診断士の試験は難易度が高く、合格率も低くなっています。

とはいえ、受験を考えている方の中には、もう少し具体的な情報を求めている方も多いのではないでしょうか?

この記事では中小企業診断士試験の難易度や合格率について、分かりやすく説明しています。

試験のポイントについても解説していますので、興味のある方はぜひ最後までご一読ください。

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中小企業診断士試験の難易度は?どれくらい難しい?

2023年(令和5年)中小企業診断士の合格率は5.5%

中小企業診断士試験はどれくらい難しいのか、疑問を持つ方も中にはいるのではないでしょうか?

まず始めに、中小企業診断士試験の合格率を段階別にチェックしてみましょう。

日本中小企業診断士協会連合会によると、令和5年度(2023年)の1次試験は合格率29.6%。2次試験は合格率18.6%となっています。

すなわち、1次と2次の両方を一度に突破するという意味での合格率は、約5.5%ということになります。

合格率が1桁台であることから分かる通り、中小企業診断士試験の難易度は極めて高いといえるでしょう。

合格率・合格者数の推移

年度1次試験2次試験最終
2024年度27.5%
2023年度29.6%18.6%5.5%
2022年度28.9%18.7%5.4%
2021年度36.4%18.3%6.6%
2020年度42.5%18.4%7.8%
2019年度30.2%18.3%5.5%
2018年度23.5%19.4%4.5%

中小企業診断士試験の過去5年間の合格率の推移としては上記のようになっています。

1次試験(7科目選択式筆記)で合格率約23~43%、2次試験(4科目論述式、口述)は合格率20%弱となっています。

ストレート合格する確率は約4~8%と、かなりの難関になっています。

更に、1次試験合格の有効期限も3年で消滅するため、一旦1次試験合格をしても油断が出来ない、難易度の高い試験であると言えます。

2次試験は「筆記試験」かつ「相対評価」

中小企業診断士の1次試験は、全科目マークシート方式となっています。

原則として、平均点が60点以上かつ全科目40点以上の成績を収める必要があります。

このように、1次試験は他者の結果に関係なく自分が一定以上の点数を取れるかどうかによって判断される「絶対評価」の試験です。

一方2次試験は筆記試験となっており、問題によっては1つの設問につき100字以上記述する必要がある場合も。

また、試験結果は「全体の上位約20%が合格」となるため、自分の成績だけでなく他の受験者の出来も結果に反映される「相対評価」の試験です。

2次試験は相対評価なので、必ずしも自分の努力が報われるとは限りません。

このような意味も含め、中小企業診断士の2次試験は非常に難しい試験だといえるでしょう。

【アンケート結果】合格までの受験回数から分かる難易度

令和5年度中小企業診断士試験の最終合格率は5.5%と低いことから、難易度の高い試験だということがわかるでしょう。

実際にアガルート受講生のなかには、合格するまでに、試験を何度も受験している方がいらっしゃいます。

受験回数から難易度の高さがうかがえるので、ぜひ参考にしてみてください。

1次試験合格までの受験回数

1次試験を合格したアガルート受講生の受験回数は、以下のとおりです。

1次試験合格までの受験回数割合
1回目60%
2回目30%
3回目10%
※アンケート結果には、受講生がアガルート受講前に受けた試験結果も含んでいます。

40%の受講生が2回以上試験を受験しています。

1回目で合格できた人が60%ほどしかいないことから、難易度の高さがうかがえるでしょう。

2次試験合格までの受験回数

2次試験を合格したアガルート受講生の受験回数は、以下のとおりです。

2次試験合格までの受験回数割合
1回目66.7%
2回目22.3%
3回目11.1%
※アンケート結果には、受講生がアガルート受講前に受けた試験結果も含んでいます。

2次試験は1次試験よりも一発で合格できた割合が増えましたが、33%ほどの受講生は2回以上受験をしています。

合格率は1次試験よりも2次試験のほうが下がるため、一発合格するためには念入りな対策が必要です。

<アンケート調査概要>

調査概要:アガルートの中小企業診断士講座受講生を対象としたアンケート
調査対象:アガルートの中小企業診断士講座を利用し、令和5年度または令和4年度中小企業診断士試験の一次試験・二次試験に合格した受講生

中小企業診断士の偏差値は62

そもそも、中小企業診断士の試験の難易度を、大学の難易度で直接表すことは出来ません。

しかし難易度を比較する物差しの一つとして、資格試験の難易度を大学入試の偏差値を元に分類してみると、以下の表のようになります。

大学 偏差値 試験
東大、京大 68~ 司法試験・予備試験
早慶上智 65~67 不動産鑑定士・司法書士・弁理士
MARCH 60~64 土地家屋調査士・中小企業診断士・社労士・行政書士
技術士二次試験・通関士・マンション管理士・ケアマネジャー
日東駒専 55~56 技術士一次試験・宅建・測量士・管理業務主任者・社会福祉士・インテリアコーディネーター

※上記の偏差値は、資格試験の合格に必要な勉強時間と、大学受験での偏差値の数値を照らし合わせて作成しています。中小企業診断士の難易度をわかりやすく知っていただくためのイメージとして参考にしていただけましたら幸いです。

中小企業診断士試験の難しさを大学入試の難易度に例えるなら、明治大学や青山学院大学、中央大学等(通称MARCH)と同じくらいの難易度だと考えられます。

これを偏差値で表すと、60~64。すなわち、中小企業診断士の偏差値は62程度ということです。

偏差値62という事は、一般的に上位約12%に入る難しさとされます。

また、同程度で言うと、社会保険労務士や行政書士など、同じように難易度が高いとされている資格が並んでいます。

やはり、中小企業診断士試験の難易度は高いと言えるでしょう。

※関連コラム:中小企業診断士の難易度ランキング!他資格と合格率や勉強時間を比較

中小企業診断士試験合格者と出身大学の関係

中小企業診断士試験に合格する人に、学歴や出身大学の傾向はあるでしょうか?

明確な統計資料はありませんが、職種や年齢的にも多様なキャリアの受験生がいることから、中小企業診断士の合格には、特定の学歴や出身大学はあまり関係が無いと言えます。

あくまで、その受験生の努力次第でしょう。

中小企業診断士試験の難易度を他資格と比較すると?

中小企業診断士試験は1次試験と2次試験があります。

合格率は1次試験で20~40%、2次試験で20%前後で推移しています。

この難易度を他の国家資格と比べると、結論としては「低い部類に入る」ということになります。

詳しい分析などについては以下のコラムを参考にしてみてください。

※関連コラム:中小企業診断士の難易度ランキング!他資格と合格率や勉強時間を比較

中小企業診断士試験の合格のポイントについて

独学の勉強時間は1000時間が目安 予備校の活用も

一般的に、中小企業診断士試験に独学で合格するためには1000時間の勉強が必要といわれています。

1000時間と聞くと数字が大きいので、具体的に想像するのは少々難しいですよね。

1000時間というのは平日2時間・土日5時間の勉強をすると仮定すると、それを1年間休まないで続けることを意味します。

2時間と聞くと誰でも出来そうな気がしてきますが、例えばフルタイムで働いた上で毎日2時間の勉強時間を確保することは容易ではありません。

その上、1日くらいと思って休んでしまうと、翌日以降の負担がさらに増してしまいます。

長期間の試験勉強を行うには、頭の良さだけでなく継続する力も必要でしょう。

ですが、この数字はあくまで資格勉強を独学で行なった場合のものです。

例えば予備校の通信講座であれば、スマートフォンを活用した動画講義なども充実しています。

独学と比べるとスキマ時間での学習もやりやすくなるので、勉強の負担が軽減されるかもしれません。

※関連コラム:中小企業診断士の独学合格は可能?必要な勉強時間や勉強法など解説

2次試験は筆記試験で難しい。養成課程の活用も

前述の通り、中小企業診断士の2次試験は筆記形式となっています。

そして相対評価で合格ラインが決まってしまうため、対策が難しい試験です。

ただし、1次試験に合格さえしていれば、中小企業庁が指定する演習と実習を受講して修了することで中小企業診断士の資格が与えられます。

さらに養成課程では、2次試験後の実務補習や実務従事の必要もありません。

以下のコラムではどこの機関で養成課程を受講できるかをはじめとして、養成課程について詳しくまとめています。

※関連コラム:中小企業診断士の養成課程まとめ 機関一覧・費用も解説

ダブルライセンスも兼ねて他資格から勉強する手も

例えば、1次試験の中に含まれる財務会計という試験科目は、それまで財務諸表をあまり目にすることがなかった人にはとっつきにくい場合もあるでしょう。

その場合、初学でまず簿記3級から勉強を開始し、財務諸表に関する理解を深めてから中小企業診断士試験の財務会計を学ぶというのも一つの手です。

なお、中小企業診断士について、どういったダブルライセンスの取り方が考えられるかに関しては以下の記事を参考にしてください。

※関連コラム:中小企業診断士のダブルライセンスにおすすめの資格を紹介

まとめ

中小企業診断士試験は、例年の合格率が5%程度と大変難しい試験。

この難易度を大学入試に例えると、明治大学や青山学院大学、中央大学等と同じくらいとも考えられます。偏差値でいうと62程度。

その上、独学で合格を目指す場合には約1000時間の勉強時間が目安です。

アガルートでは、スマートフォンを使って学べる通信講座をご用意しています。そのため、場所や時間を選ばずに資格勉強を続けることが可能に。

また、ダブルライセンスにおすすめな資格の講座も多数取り揃えております。まずはお気軽に、資料請求から試してみてはいかがでしょうか?

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この記事の監修者 hanbaishi

hanbaishi

【保有資格】中小企業診断士

ティ・ビー・シー受験研究会にて中小企業診断士講座の講師を務め、約60名以上の受講生へ指導歴を持つ。

専門学校で経営分野の教員をしながら、中小企業診断士試験の受験生に向けた有益な記事を執筆中。

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