中小企業診断士と司法書士は、両方取得することで活躍の場がさらに広がる資格

どの程度の難易度なのか気になる方もいるでしょう。

この記事では中小企業診断士と司法書士試験の難易度や必要な勉強時間などを解説しています。

またダブルライセンスのメリットなども紹介していますので、興味のある方はぜひチェックしてみてください。

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司法書士と中小企業診断士はどっちが難易度高い?勉強時間・合格率で

まずはじめに、中小企業診断士と司法書士ではどちらが難易度が高いのか、過去6年分の合格率のデータを参考に解説します。

合格率:最終合格率は同程度だが司法書士の方が若干低め

中小企業診断士 過去6年の合格率推移

年度1次試験2次試験最終
令和5年度29.6%18.6%5.5%
令和4年度28.9%18.7%5.4%
令和3年度36.4%18.3%6.6%
令和2年度42.5%18.4%7.8%
令和元年度30.2%18.3%5.5%
平成30年度23.5%19.4%4.5%

司法書士 過去6年の合格率推移

年度合格率
令和5年度5.2%
令和4年度5.19%
令和3年度5.14%
令和2年度5.16%
令和元年度4.39%
平成30年度4.32%

中小企業診断士には、1次試験と2次試験があります。まず1次試験に合格すると、その当年含め2年間2次試験を受験できるという形式です。

なお上記の中小企業診断士の「最終合格率」は、当年で1次試験及び2次試験をどちらも受験し、一発合格した場合の合格率となります。

中小企業診断士の最終合格率は、おおむね4~8%。一方、司法書士の合格率は大体3~6%となります。

ほとんど同程度の合格率ではありますが、司法書士の方が若干低くなっているようです。

しかし前述の通り、中小企業診断士の方の数字は当年で1次試験及び2次試験をどちらも実際に受験して一発合格する場合の合格率となっています。

そのため、実態としてはもう少し高い合格率であるとみなすこともできるでしょう。

また、中小企業診断士の場合、司法書士とは異なり1次試験の合格免除制度や科目合格制度などがあるため、数年かけて合格することが可能です。

以上により、どちらかというと司法書士の方が中小企業診断士より難易度が高いといえそうです

勉強時間:診断士1000時間、司法書士3000時間

中小企業診断士試験に独学で挑む場合、必要な勉強時間は合計1000時間といわれています。

これは平均的な数値というわけではなく、最低でも1000時間の確保が必要という意味です。

一方で司法書士試験の合格に必要となる勉強時間は、一般的に法律初学者の場合には3000時間ほどかかるといわれています。

こちらもあくまで最短合格者の例であり、実際にはかなり少なく見積もっている数字と見ていいでしょう。

必要な勉強時間の差からも、司法書士試験の方が比較的難易度が高いといえそうです。

しかし、どちらの場合も膨大な時間が必要であることに変わりありません。勉強に必要な期間も1年以上にわたると見て間違いないでしょう。

司法書士と中小企業診断士のダブルライセンス・兼業について

ここからは、司法書士と中小企業診断士のダブルライセンス取得のメリットを3つご紹介していきます。

※関連コラム:中小企業診断士のダブルライセンスにおすすめの資格を紹介

商業登記に特化していることをアピールできる

司法書士の試験科目には会社法が含まれており、商業登記や会社法務の上で役に立ちます

そのため、中小企業の経営方針を実現するためにどのようにすれば良いのかといったサポートも実は得意分野です。

一方で中小企業診断士は中小企業の問題点を解決する相談を受けたり、経営方針を決めるためのサポートが主な業務となります。

この2つの資格は一見、分野が異なっているようにも見えるかもしれません。

しかしこのように、中小企業を相手として、司法書士と中小企業診断士の業務は分野こそ違えどつながっているということもできます。

実際に司法書士と中小企業診断士で事務所を開業し、「商業・法人登記」「企業法務」「経営・法務コンサルティング」の分野に特化しているところも珍しくありません。

中小企業診断士でありながら独立も狙える

中小企業診断士の資格を有している場合、中小企業診断士事務所を開業することも可能です。

しかし実際は中小企業診断士の資格だけでは厳しい部分もあり、中小企業診断士事務所として独立している人はほとんどいません。

そのため司法書士の資格を取り、司法書士・中小企業診断士事務所として合わせて開業をすることで、中小企業診断士としての独立も容易になります。

そのため司法書士・中小企業診断士事務所として合わせて開業をすることで、中小企業診断士としての独立も容易になります。

その上「司法書士・中小企業診断士事務所」として名乗れば、誰の目から見ても得意分野が明らかですよね。

お客さんへのアピール度も高まり、集客もしやすくなるでしょう。

また司法書士は独立開業した場合、地域の商工会や商工会議所に入ることも可能です。

商工会などにはその地域の中小企業や個人事業主が集まっており、企業経営に関するコンサルのニーズも非常に高いといえます。

つまり司法書士だけでなく中小企業診断士の資格も取ることによって、自分で一から営業するより効率的に顧客を増やしていくことも可能なのです。

司法書士と中小企業診断士のダブルライセンスは珍しい

司法書士とダブルライセンスで取っておく資格として、定番になっているのが行政書士です。

実際に司法書士・行政書士事務所として開業しているところもたくさんあります。

しかし司法書士と中小企業診断士とのダブルライセンスを持っている人はまだまだ少ないので、競争相手もほとんどいません。

また司法書士の業務としても不動産登記や相続を中心に扱う事務所が多く、東京などの大都市を除けば商業登記特化の事務所は珍しいです。

なので中小企業診断士の資格も持っていれば、その地域の中でオンリーワンの存在にもなれるでしょう。

司法書士と中小企業診断士のダブルライセンスは、司法書士業務の中でも特に他との競争が少ないブルーオーシャンなのです。

司法書士・中小企業診断士とのトリプルライセンスは?:行政書士が!

意識の高い読者の中には、すでに司法書士資格と中小企業診断士の両方を有しているという方もいるのではないでしょうか?

この章ではそのような方を中心として、3つめの資格としてトリプルライセンスを目指す上でオススメの資格をご紹介します。

まず結論から述べると、3つめの資格としては「行政書士」がオススメです。行政書士は、官公庁への許認可申請などを行う法律の専門家です。

行政書士の仕事は多岐にわたり、主に建設業許可の取得や更新等建築分野の業務などを行います。

一方で、中小企業診断士の主な業務は経営コンサルティングです。先述の通り、行政書士は公的書類の作成代理が主な業務内容ですので、両者の領域は全く異なります。

しかし行政書士と中小企業診断士の資格があれば、会社設立時の公的書類の提出や経営のアドバイスといった業務をワンストップで提供できるのです。

これにより、企業にとって信頼できる存在として、長く活躍することができます。

また、開業司法書士になればさらに業務の幅が広がります。

司法書士の資格があれば、商業登記への登記申請なども一人で行うことが可能です。実際、司法書士の中には行政書士とのダブルライセンスという方も大勢いるようです。

中小企業診断士及び司法書士の将来性は?

中小企業診断士や司法書士には将来性はあるのでしょうか?

以下でそれぞれについて詳しく解説するので、気になる方はぜひご一読ください。

中小企業診断士:将来性あり!

中小企業診断士の主な業務は、企業の経営について診断を行なった上での現状分析を踏まえた成長戦略のアドバイスなど

この仕事は性質上、AIの技術が発達しても代替されにくいといえるでしょう。そのため、中小企業診断士は将来性のある仕事だと判断できます。

さらに、中小企業診断士による経営コンサルティングの需要は今後も伸びると予想されています。

2005年には支援法基準省令及び登録等規則の改正が行われ、従来は中小企業大学校のみだった中小企業診断士養成課程が民間の登録養成期間にも開放されています。

つまり、中小企業診断士資格の取得を国も後押ししていると考えられるのです。また、業務の専門性が高いのも中小企業診断士の特徴です。

関連コラム:中小企業診断士は将来性・需要がある?AIに代替されないかを考察|アガルートアカデミー

司法書士:将来性あり!

司法書士の業務は書類作成が多いため、一見AIによる代替も可能な職業のように見えるかもしれません。

しかし司法書士の仕事は、実は人間にしかできないプロセスが多いのです。

書類作成に至るまでには、じっくりとクライアントの話を聞いて個別の対応をしなければなりません。

そのような個別の事情に合わせた複雑なプロセスをAIが代替するのは、まだ難しいのではないでしょうか?

また近年では高齢化に伴い、司法書士の業務が拡大しています。司法書士は士業の中でも人数が少なく希少性が高いので、今後も司法書士の仕事が不足する可能性は低いでしょう。

関連コラム:司法書士は将来性のある仕事?将来も長く活躍するために大事なポイントとは|アガルートアカデミー

まとめ

司法書士と中小企業診断士は、どちらも合格率が5%前後と難易度の高い資格

さらに勉強時間としても膨大な時間が必要となるため、1年以上かけて学習を進めている人も少なくありません。

しかしこの2つの資格を取得してダブルライセンスとすることで、活躍の場を飛躍的に増やすことができます

ワンストップで行える仕事も多くなるので、業務としての相性も良いでしょう。

ダブルライセンスを目指すことは容易ではありませんが、通信講座を活用することによって学習の負担を軽減することもできます。

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特に入門総合カリキュラムは、初めて司法書士試験の学習をスタートする方でも最短で合格することを目指せる内容になっています。

一方アガルートの中小企業診断士試験講座では、1次試験・2次試験対策パックをご用意しております。

ポイントを押さえた学習が可能となりますので、ダブルライセンスを目指している方は、こちらの受講もぜひ検討してみてください。

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この記事の監修者:三戸部裕司 講師

三戸部 裕司

2015年 国家総合職試験合格
2016年 東京大学 教育学部卒業
2022年 中小企業診断士試験合格
自身も働きながら中小企業診断士試験に合格。
その経験を元に社会人でも合格可能な、効率的で無駄のない講座を実施している。

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