中小企業診断士は独学でも合格できる?無理?勉強法も解説
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中小企業診断士の勉強をこれから始める方に向けて、中小企業診断士試験は独学で勉強しても合格できるのか、解説していきます。
試験を受けるにあたり、お金はあまりかけたくないけれど、はたして独学で合格できるのか、不安に感じる方は多いのではないでしょうか。
このコラムを読むことで、自分は独学でも合格を目指せそうか、ぜひ参考にしてみてください。
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アガルートアカデミーの飯野一講師が、独学で合格できる人の特徴や、合格するためのポイントを解説しています。
独学で合格するのが難しい人の特徴も説明しているので、ぜひ参考にしてください。
中小企業診断士の独学勉強法
ここでは中小企業診断士試験に独学で合格するための方法について、3つのポイントを解説します。
勉強スケジュールを立てる
予備校を利用する場合、試験までの勉強スケジュールは予備校のカリキュラムで大体決められているため、それに従って勉強を進めるだけで合格までたどり着くことができます。
しかし、独学の場合は、勉強スケジュールを一から自分で決める必要があります。
ただ決めるだけだと誰でもできますが、無駄のない効率的なスケジュールとなると、立てるのは容易ではありません。
独学の場合は、効率的なスケジュールを立てられるように、各科目の特徴など、試験の内容について深く分析する必要があります。
使用する教材を選ぶ
独学の場合、自分で使う教材を選ばなければなりません。
合格するためにはどの教材が必要なのか、自分に合う合わないも含めて判断する必要があります。
よくありがちなのが、あれもこれもと同じような教材を複数冊買ってしまうことです。
ただ複数冊買うだけだとお金が無駄になるだけで済みますが、様々な教材に手を出してしまい、結果的にどの教材も中途半端になってしまう人は少なくありません。
スキマ時間を活用する
独学に限った話ではありませんが、スキマ時間を活用することも独学で合格するためのポイントの一つになります。
例えば、通勤時間や待機時間、食事の準備の合間など、日常生活の中で意識せずに過ごしてしまいがちなスキマ時間を活用することで大きな学習効果をあげることができます。
独学だとどうしても勉強スケジュールに遅れが生じがちになります。スキマ時間を活用することで、毎日小さな学習を積み重ね着実に学びを進めることが可能です。
独学による中小企業診断士試験の勉強時間・学習スケジュール
次に、独学による中小企業診断士試験の勉強時間・学習スケジュールについて解説します。
中小企業診断士試験の合格に必要な勉強時間は、約1,000時間と言われています。
中小企業診断士試験の全体像を掴み、戦略的スケジュールを立てる
中小企業診断士試験は約1,000時間と勉強時間や期間が長期になることから、やみくもに勉強しても合格できる試験ではありません。
科目ひとつひとつをとってみるとそれほど難易度は高くなくても、一次試験で7科目合格することや、タイプの違う二次試験をクリアすることなど幅広い知識が求められます。
また、それに加えて内容量が多いということもあり、勉強をはじめてから合格するまで多くの人が挫折、脱落していきます。
その中で、合格者の方で試験の全体像を把握せずに合格している方はほぼいないと言っていいでしょう。
まずは試験で何を求められているのか、といったことから科目の特徴に至るまで深く理解することです。
そのうえで、自分の得意な科目、そうではない科目に分けて、投入時間を計画していきます。
自分のペースにあった学習スケジュールを立てる
上記にも共通する部分がありますが、長期になる勉強期間で可能な限り効率よく成果をあげていくために、自分のペースに合った学習スタイルを確立することが大切です。
フルタイムで勤務されている方、家事育児をやりながら受験する方、様々な環境で臨まれると思います。
どの時間帯に時間が確保しやすいか、集中できる時間帯はどこかなど、自分の生活スタイルを考慮して学習時間を確保する工夫が必要です。
また、勉強に対する自分のタイプも大きくかかわってきます。
短期で集中的にやる方が向いている、長期になってもコツコツやっていく方が向いているなど、タイプがあるはずです。
ムリをして1年間で合格を目指すというよりは自分のタイプを考慮して、十分な学習時間を確保できる計画を立て、2年なら2年と決めて取り組むことをオススメします。
結果的に最短で合格できることになるでしょう。
過去問中心で無駄なく取組む
学習の軸は過去問です。過去問にはこれまでの出題実績が詰まっています。
多くのテキストや問題集が販売されていますが、全て”出題される可能性がある”問題を取り扱っています。
実際に出題された実績は過去問にしかありません。今はスマートフォンがありますので、電車の待ち時間、料理の待ち時間、どんな時間でも過去問を確認することができます。
とにかく勉強時間を確保することが最短合格のポイントであることから、スキマ時間も有効にスケジュールに組み込むことが重要です。
一次試験まで一年あると仮定すると、最初の半年でしっかりと各科目の理解を深めて、残りの半年で暗記も含めて回転させていくといいでしょう。
一次試験勉強中に二次試験対策に時間を割く必要はありません。なぜなら、二次試験がどういう試験か理解していれば、二次試験を意識しながら取り組む一次試験の勉強で充分二次試験対策になるからです。
独学による中小企業診断士試験のおすすめテキスト
テキストは、過去出題実績に準拠していて、図解やイラストなどが充実したわかりやすいものを選びましょう。
図解やイラストは五感をフルに使って暗記することで記憶しやすく、内容を理解した場合の記憶は長期で定着するとも言われています。
過去問に準拠していれば、本来勉強する必要性が低い分野や内容について多くの時間を使うことがなくなるため、結果的に効率的に独学を進めることができるでしょう。
また、分野別に整理されていることも重要です。一次試験は特に内容量が多く、過去問の出題順に勉強していくことが効率的でない場合があります。
人によって合う教材、合わない教材があると思います。以下の記事でいくつかまとめてありますので参考にしてください。
関連コラム:中小企業診断士試験の独学におすすめのテキスト・問題集7選
中小企業診断士試験の勉強を独学でするメリット
中小企業診断士試験の勉強を独学でするメリットは、以下の3つです。
- 自分のペースで勉強できる
- 自分に合った教材を選べる
- お金を節約できる
自分のペースで勉強できる
予備校の場合、あらかじめ決められたカリキュラムに沿って勉強を進めていけば良いので、自分でスケジュールを立てる必要はありません。
その反面、決められたスケジュールに沿って講義が開講されたり、教材が送られてきたりするため、理解が不十分なまま講義が先に進んだり、逆に早く勉強を始めたいのに教材が揃ってないといった事態が発生してしまいます。
独学であれば自分のペースで勉強できるため、得意科目は素早く勉強し、苦手科目はじっくり勉強するなどといった調整をすることができます。
自分に合った教材を選ぶことができる
独学の場合、必要な教材を自分で一から揃える必要があります。教材を買いすぎてどれも中途半端になってしまう、また自分に合っていない教材を選んでしまい勉強が非効率的になってしまうといったことも起こり得るでしょう。
しかし、きちんと教材を選ぶことができれば、予備校で準備されている教材よりも自分に適した教材で勉強することも可能でしょう。
お金を節約できる
予備校と独学を比べた場合、独学の方がかかる費用が少ないためお金を節約することができます。
また独学の場合、初めに教材を全て揃える必要がないため、途中で勉強をやめた場合は、その時点までの教材費用しかかからず、さらに金銭的負担は少なくなります。
しかし、独学を選択した結果、勉強期間が2年、3年と伸びていくと、その都度教材を買い替える必要が出てくるため、思ったようにお金を節約できないことも考えられるでしょう。
中小企業診断士は独学でも合格できるが難しい
結論から言うと、中小企業診断士試験に一発合格をしたい場合、独学でも合格では目指せるものの、「難しい」と言えます。
中小企業診断士の受験生のうち、独学で勉強していた人と、何かしらの予備校やオンライン講座を活用している人の比率は、データが公表されているわけではありません。
毎年独学で合格を勝ち取る受験生はいるので、独学でも合格は不可能というわけではないでしょう。
しかし、中小企業診断士の合格には約1,000時間もの勉強時間が必要です。
効率的に勉強時間を確保し、最短で合格レベルの力を身に付けるという観点で講座受講をする方が有利と言えそうです。
独学でも合格できるけど難しい理由
前述した通り、中小企業診断士試験は独学でも合格することは可能であるものの、講座受講の場合に比べて難易度は高くなります。
この章では、独学が難しいと言われている理由について、より詳しく解説していきます。
独学が難しい理由は以下の4点です。
モチベーションの維持が難しいから
オンライン講座等を受講する場合、比較的モチベーションの維持がしやすいです。
理由は、頻繁に講師からのアドバイスを聞く事ができたり、講師が発信する情報から現在の自分の勉強の進捗具合が把握できるようになったりするからです。
一方で独学の場合、講師のアドバイスも無く、自分の立ち位置の把握も困難であるため、モチベーションが維持しにくい傾向があります。
勉強のカリキュラムが無いから
講座受講の場合、最短合格に向けた効率的なカリキュラムが既に組まれています。
これは、試験の情報に精通している予備校や通信講座だからこそできることです。
独学の場合は決まったカリキュラムがないため、手探りのまま勉強を進めがちになります。
結果として、必要な勉強時間が増加してしまいます。
最新の情報が入りにくいから
これは主に一次試験の科目である「経営法務」、「経営情報システム」、「中小企業経営・政策」において重要となります。
これらの科目には共通した特徴があります。それは、年度によって解答の内容も変化するという事です。
例えば「経営法務」の場合、法律の改正が頻繁に発生し、それに合わせて同じ設問であっても年度によって解答が変化していきます。
講座受講の場合は、講座の中で新しい情報を随時発信してくれるので受験生も柔軟に対応ができますが、独学の場合はタイムリーに情報をキャッチすることが難しくなります。
過去問の添削を自分でするしかないから
これは二次試験において重要となります。
一次試験のマークシートと異なり、二次試験は記述試験です。
そして、公式の解答や採点基準が出ないという非常に不透明な試験です。
そのため、多くの受験生は過去問等を解きながら、自身の作成した解答が合格点に達しているのかどうかの判断に困ります。
講座受講の場合は講師に添削を依頼できる事もありますが、独学の場合は自身でどうにかするしかありません。
以上4点の理由から、独学の場合は講座受講に比べて多くの勉強時間を必要とする傾向があります。
決して独学での合格は不可能な訳ではないですが、講座受講に比べて遥かに難易度が高くなります。
独学での合格が難しい人の特徴
以上を踏まえた上で、独学が難しい人についてまとめていきます。
近くに勉強仲間がいない人
近くに勉強仲間がいない場合、独学は難しいです。
理由は3点あります。
試験に関する新しい情報が入ってきにくいこと、モチベーションの維持が難しいこと、客観的に自分の立ち位置を把握できないことです。
講座受講をすることで、この点をカバーするのが賢明でしょう。
時間の確保が難しい人
普段仕事や学校がある人は、ただでさえ勉強時間の確保が大変です。
独学の場合、通常の学習に加えて、カリキュラムの作成も自身でする必要があります。
これは時間が限られている人にとって、大きな負担となります。
ですので、忙しく、時間の確保が難しい人は既に効率的なカリキュラムが整っている講座受講がお勧めです。
より確実に合格を目指したいなら
最後にこのコラムのまとめです。
中小企業診断士は独学で合格が不可能な訳ではありませんが、確実に合格を目指すなら講座受講がお勧めです。
講座受講は新幹線のようなものです。
金銭的なコストは発生するものの、最短距離で目的地にたどり着くことができます。
最短合格することで、結果的に独学で何年もかかるよりも安く済むケースも考えられます。
ぜひ講座の受講も含めて検討されてみてはいかがでしょうか。
※関連コラム:中小企業診断士の勉強時間は1,000時間!1次・2次・科目別時間を解説
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2015年 国家総合職試験合格
2016年 東京大学 教育学部卒業
2022年 中小企業診断士試験合格
自身も働きながら中小企業診断士試験に合格。
その経験を元に社会人でも合格可能な、効率的で無駄のない講座を実施している。