中小企業診断士1次試験の科目合格とは、どのような制度なのでしょう?

中小企業診断士試験は試験科目が多く、勉強量も膨大です。

そのため、科目合格という制度があることを知れば、これによるメリットが気になると思います。

そこで、1次試験における科目合格とはどんな制度なのか?具体例や有効期限を含めて解説します。

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中小企業診断士1次試験の科目合格とは

中小企業診断士1次試験の科目合格とは、1次試験不合格の人を対象に、各科目で基準点以上の得点を取った人に対し、科目合格を与える制度のことです。

科目合格の効果は翌年以降の科目合格した科目の受験の免除ができます。

後述するように、有効期限などがありますが、翌年以降の1次試験を受験申込みをする際に科目合格による受験免除の申請を行うことで科目合格した科目の受験を免除することができます。

これにより科目合格した科目を勉強する必要なくなり、不合格だった科目の勉強に集中することができるというメリットがあります。

この制度は2005年(平成17年度)から開始された比較的新しい制度です。

科目合格の基準

1次試験の試験科目は7科目あります。

具体的には、経済学・経済政策、財務・会計、企業経営理論、運営管理、経営法務、経営情報システム、中小企業経営・政策、です。

そして、1次試験に合格するためには次の基準を通過しなければなりません。

・総点数の 60% 以上であって、かつ1科目でも満点の 40% 未満のないことを基準とし、試験委員会が相当と認めた得点比率

つまり、獲得した総得点が満点の60%以上の点数で、各科目の点数に40点未満がないことが原則です。

1次試験は試験科目が多く、また合格には各科目ごとに最低基準点があり、40点未満の科目がある場合には得点にかかわらず不合格となるので、1回の試験で1次試験を合格するのは難しいです。

そこで、中小企業診断士1次試験では科目合格を導入し、翌年以降の1次試験で科目合格した科目の受験を免除するという措置を取っています。

科目合格の基準点は以下の通りです。

・満点の 60% を基準として、試験委員会が相当と認めた得点比率

満点は全ての科目で100点満点となっているため、60点以上を取れば科目合格となります。

翌年以降、科目合格した試験科目では受験を免除することができます。

関連コラム:中小企業診断士試験の合格基準は?一次試験・二次試験それぞれ解説

科目合格の有効期限

科目合格の有効期限は、科目合格した年度の試験を含め3年間となります。

そのため、科目合格をした翌年及び翌々年の試験まで科目合格は有効で、科目合格した科目の受験の免除を受けることができます。

それ以降の1次試験では科目合格による受験免除を受けることができないので、注意が必要です。

また、科目合格は1次試験合格となった時点で効力が消滅します。

そのため、1次試験合格後、改めて1次試験合格を目指す際には科目合格による科目の受験免除を受けることができません。

1次試験科目合格による科目免除の具体例

科目免除は複雑なため、例を挙げつつ解説します。

パターン①:1年目に3科目で60点以上とって科目合格し、科目免除を利用する場合

1年目に3科目で60点以上とり科目合格した場合、翌年はその3科目の受験を免除することができます。

この場合、総得点は1次試験全ての受験科目から免除を受けた受験科目の総得点を除外して基準点を算出します。

700点(1次試験の総得点)-300点(免除を受けた科目の総得点)=400点(2年目の受験科目の総得点)

400点×60%=240点以上かつ各科目40点以上で合格となります。

パターン②:1年目に6科目で60点以上とって科目合格し、科目の免除を受ける場合

科目合格の数に制限はなく、翌年の1次試験では1科目のみ受験ということもあります。

1次試験の合格基準は総得点の60%以上かつ各科目40%未満の点数がないことなので、1年目で6科目は100点満点中60点以上取れていても、1科目で40点未満の場合は不合格となります。

もっとも、60点以上を獲得した6科目は科目合格となり、申請により科目合格した科目の受験は免除されるので、2年目は1科目のみ受験して60点以上を取れば1次試験合格になります。

パターン③:1年目に2科目、2年目に2科目の科目合格した場合

科目免除は有効期限がありますが、その期限内であれば複数年にわたって科目の受験免除を受けることができます。

1年目に2科目で60点以上獲得し2科目の科目合格、2年目に科目合格した科目の受験の免除を受け、5科目受験してうち2科目で60点以上獲得して科目合格となると、合計4科目が科目合格となります。

この場合、3年目は3科目のみ受験して1次試験合格を目指すことができます。

この場合の合格基準点は以下のようになります。

700点(1次試験の総得点)-400点(2年目までに科目合格し受験免除となった科目の総得点)=300点(3年目の科目)

300点×60%=180点かつ各科目40点以上で1次試験合格

パターン④:1年目に4科目で60点以上取り科目合格したが、免除の申請は3科目のみ申請する場合

科目合格を果たした場合、翌年以降の科目の受験を免除することができますが、あくまで任意です。

また、場合によっては免除申請を行わない方が有利になることもあります。

例えば1年目に4科目で科目合格した場合で考えてみます。

この場合、最大4科目で科目免除をすることができます。

4科目で科目免除をした場合、3科目を受験するので300点満点中180点以上かつ各科目40点以上で合格となります。

ここで、3科目のうち2科目は60点、1科目は50点の場合、合計点数は170点となり1次試験としては不合格です。

一方、4科目の中に1科目得意科目がある場合、3科目のみ受験免除を申請して4科目受験します。この場合には400点満点中240点かつ各科目40点以上で合格になります。

そして得意科目で80点、2科目で60点、1科目で50点の場合、合計得点は250点なので1次試験合格となります。

このように、科目合格した科目に得意科目がある場合、免除により不利になることもあるので科目免除の申請を行うかはよく考えましょう。

1次試験 科目別の合格率は?

令和6年度中小企業診断士試験における、1次試験の科目別合格率は、以下のとおりです。

受験者数合格者数合格率
経済学・経済政策17,383名2,487名14.3%
財務・会計17,108名2,584名15.1%
企業経営理論16,773名6,696名39.9%
運営管理17,417名4,663名26.8%
経営法務14,976名1,981名13.2%
経営情報システム16,699名2,603名15.6%
中小企業経営・中小企業政策16,175名899名5.6%
出典:令和6年度 中小企業診断士第1次試験に関する統計資料

令和6年度の試験では「中小企業経営・中小企業政策」の科目で、合格率が10%を下回りました。

過去の合格率を見てみると「経営法務」「中小企業経営・中小企業政策」「財務・会計」「企業経営理論」の難易度が高くなる傾向にあります。

参考:中小企業診断士の科目別難易度は?1次試験で難しい科目はどれ?

科目別の合格率はどの科目も決して高くないため、入念に対策してまずは科目合格を目指しましょう。

まとめ

以上、中小企業診断士1次試験における科目合格についてでした。

このコラムの要点は以下の点です。

科目合格は1次試験不合格者のうち基準点以上の科目について合格とし、翌年以降の科目の受験を免除する制度

科目合格は各科目の満点の60%以上

科目合格により複数の科目を免除して受験することができるが、免除が本当に自身に有利になるかは考える必要がある

科目合格の有効期限は科目合格した年度を含めて3年間、1次試験に合格すれば科目合格の効力は消滅する

中小企業診断士試験は科目も多く、1年目は科目免除を目指す人も多いです。

複数年かけて1次試験合格を目指す場合には科目合格を狙いましょう。

関連コラム:2024年中小企業診断士試験の概要|試験日程・申し込み方法も解説

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