中小企業診断士2次試験の【事例3】出題傾向と勉強法の3つのポイント
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中小企業診断士の2次試験のうち、事例3は「生産や技術」に関するテーマが出題されます。
いわゆるメーカーに関するテーマですが、メーカーの生産現場の経験がない人には、苦手意識が強いテーマであると言えます。
このコラムでは、業界外の人も効率良く学習できるように、中小企業診断士試験2次試験における事例3の出題傾向の把握やポイントを押さえた勉強法のポイントを解説します。
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中小企業診断士2次試験における事例3の出題傾向
中小企業診断士2次試験の事例3は、論述式で、ほぼ毎回4問が出題されます。
過去5年間の出題傾向を見ると、「強み・弱み」「問題点(課題)とその対応策」「戦略」の3パターンで出題されています。
設問内容 | 平成28年 | 平成29年 | 平成30年 | 令和元年 | 令和2年 | 令和3年 | 令和4年 | 令和5年 |
強み・弱み | 1 | 1 | 2 | 1 | 1 | 1 | ||
問題点(課題)・対応策 | 3 | 4 | 3 | 2 | 3 | 2 | 3 | 2 |
戦略 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 2 | 2 |
※注意点:同一問題に複数の問いがある場合があるため、合計が総問題数と一致しない年があります。
【参考】中小企業診断協会
つまり、以下の傾向があることが、ハッキリしています。
事例3の出題傾向
- 「問題点(課題)に対する対応策」は必ず出題される
- 「強み」や「弱み」を問う問題は、問題数は少ないものの、ほぼ必ず出題される
- 「戦略」を問う問題も、問題数は少ないものの、ほぼ必ず出題される
中小企業診断士2次試験における事例3の解き方のポイント
事例3は、製造業に特化した分野ですから、苦手に感じる人も多いのですが、出題傾向に応じて対策を取っていれば、充分合格点を狙える科目です。
しかし、以下の点に注意して解答するとよりスムーズに高得点を獲得できるでしょう。
①設問から読む
事例3だけに言えることではありませんが、まずは設問から読み、何を聞かれる予定なのかをしっかり把握してから、与件を読んでいきましょう。
問題によっては、「A事業を始めるにあたって課題と対応策を示せ」などという設問が良く見かけられます。
その際、A事業は肯定的に見る必要があります。
何が重要かを理解しながら与件を読むことが出来るわけです。
②スピーディーで正確なSWOT分析
強み弱みの把握、戦略の方向性や対応策をを解答する上では、SWOT分析は必須の解法作業ですが、専門用語を含む膨大な与件を素早く正確に読み取らなくてはなりません。
事前に設問から読むことで、重要な与件かどうかを、スピーディーに把握することが出来ます。
③戦略レベルなのか戦術レベルなのか判断して記述
設問の意図を外さずに解答することが重要です。
良くあるレベル判断のミスが、「戦略を聞いているのに戦術を答えたり、その逆で答えたりするケース」です。
いずれのパターンも、点数は0点になります。気を付けたいものです。
事例3の勉強法のポイント
事例3の出題傾向を踏まえた上で、以下の事を重点にして学習していきましょう。
短時間に効率的な学習が出来ます。
①1次試験キーワードを理解
中小企業診断士の「運営管理(オペレーション・マネジメント)」科目のうち、生産管理の知識が非常に大事になります。
2次試験の事例3では、ダイレクトに必要になるからです。
特に生産技術や器具、生産管理手法は意味を理解しておきましょう。
専門用語は2次試験の与件にも出てくるだけでなく、自分自身で使いこなせることが重要です。
②汎用的な戦略・改善パターンを用意する
工場には、そもそも改善のパターンがあります。
事例3の場合は、改善テーマに応じて、改善パターンを提案すればよいわけです。
改善のパターンには、以下のようなものがあります。
事前に自分の引き出しから取り出すように、この問題の時はこの改善策というように、用意しておき、与件に応じて微調整して提案すればよいのです。
生産計画の改善の場合
生産計画を全工程で策定、短サイクル化、計画に基づき生産統制(進捗・余力・現品管理)、ボトルネック工程をラインバランシング、多能工化で繁閑に合わせて柔軟な体制・応援体制を敷くなど。
生産現場の改善の場合
標準化、マニュアル化、熟練工のOJTで教育・技術承継、内段取りの外段取り・シングル段取り化、小集団活動(製品不良改善、歩留まり向上)など。
③過去問題での繰り返し答練
①②が準備出来たら、実際の過去問題を解いてみましょう。
そうすると、過去問は、「SWOT分析」「課題と対応策」「今後の戦略」という一つのストーリーから成り立っていることが理解できます。
キーワードと改善パターンを駆使してストーリーを体感できるように解答できるようになれば、合格が近づいている証拠です。
まとめ
中小企業診断士2次試験の事例3の出題傾向、解き方のポイント、効率的な勉強方法について見てきましたが、いかがだったでしょうか?
事例3は生産・技術に関するテーマですから、業界外の方は苦手意識が高かったかもしれませんが、1次試験の知識が重要であるものの、意外に攻略法があったことをご理解いただけたと思います。
パターンを理解して、ぜひ2次試験を突破しましょう。
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【保有資格】中小企業診断士
ティ・ビー・シー受験研究会にて中小企業診断士講座の講師を務め、約60名以上の受講生へ指導歴を持つ。
専門学校で経営分野の教員をしながら、中小企業診断士試験の受験生に向けた有益な記事を執筆中。