このコラムを読む事で、中小企業診断士2次試験の事例2の概要を理解する事ができるようになります。

2次試験は公式の解答や採点基準が出ないため、対策がとりにくいと感じる方が多いと思います。

そんな2次試験の中でも最も分量が多い事例2について、出題傾向、解き方、勉強法のポイントについて解説します。

これから事例2の学習を開始する方の参考になれば嬉しいです。

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中小企業診断士2次試験の事例2とは

中小企業診断士2次試験の事例2は、マーケティング戦略がテーマとなる科目です。

テーマとなる業界は小売業やサービス業が多く、従業員が10名未満の小規模企業が題材となる傾向にあります。

与件文の分量は問題用紙3枚程度で、例年、文章の分量は2次試験の4科目の中で最も多いです。

ただし、消費者のとって馴染みのある業界であるため、分量の割には読みやすいと感じる受験生が多いです。

記載されている内容は、会社の事業内容、創業に至るまでの経緯、人口構成や特産品等の地域に関する情報などです。

他の科目に無い特色として、与件文の最後に統計や図表が記載されていることもあります。

これらの情報には解答に必要な要素が折り込まれている事が多いので、焦って飛ばさないように注意しましょう。

続いて設問について説明します。設問は4〜5問出題されます。

1問あたり50文字から100文字程度で解答を記述していく問題が中心です。

年によっては20文字程度で複数の解答が求められる設問や、200文字程度で解答が求められる設問が出題される事があります。

事例2の出題傾向

中小企業診断士2次試験の事例2で出題傾向が高い問題は以下の2種類に分かれます。

①企業のSWOT分析を行う問題

一点目は、企業のSWOT分析を行う問題です。

事例企業の強み、弱み、外部環境の機会、脅威を与件文から読み取り、状況分析をする能力が試されます。

与件文の中に散りばめられているヒントを見つける事ができれば、比較的容易に記述する事ができます。

②事例企業の課題解決のために施策を提案する問題

二点目は、事例企業の課題解決のために、新たな施策を提案する問題です。

与件文の情報を使用しながら、具体的な施策を自ら考えて提案する必要があります。

ターゲットの選定や施策を行うことにより得られる効果など、記載すべき要素が多いのが特徴です。

そのため比較的、難易度が高い問題が多いです。

中小企業診断士試験における事例2の解き方のポイント

事例2を解くにあたり、気を付けるべきポイントは三点あります。

ターゲット顧客の選定を間違えない

一点目は、ターゲット顧客の選定を間違えないことです。

事例2ではマーケティングの観点から、いかにして売上を伸ばすか考えさせる問題が多く出題されます。

その上で、事例2でテーマとなる企業は、人材面や資金面の経営資源が乏しいことが多いです。

そのため、少ない資源で売上上昇に繋げる助言をする必要があり、効果的なターゲット選定がとても大切になるのです。

また、誰をターゲットにするかによって、その後の解答の方向性が決まっていきます。

そのため、ターゲット選定を間違えるとその後の解答にも影響が及び、芋づる式に失点をしてしまう可能性があります。

事例企業の強みや弱み、年齢別の人口構成等の情報が与件分に記載されているので、それらを活用して、事例企業に適したターゲットを確実に選定しましょう。

与件文に記載がない情報を使用しない

二点目は、与件文に記載がある情報以外を使用しないように注意する事です。

事例2では、小売業やサービス業など、消費者にとって馴染みのある業界が出題される事が多いです。

これは事業のイメージがしやすいという点では受験生にとってメリットとなりそうですが、それゆえに起きる問題もあります。

それは、その業界に対する自分の先入観が先行し、与件文に記載のない情報を解答用紙に記載してしまう事です。

これは中小企業診断士の2次試験全科目に共通する事ですが、与件文に記載されていない内容を記入しても、得点の上昇は見込めません。

馴染みのある企業であるからこそ、事例2に関してはこの点を特に注意する必要があるのです。

企業の強みを活かす方向で提案をする

三点目は、強みを活かす方向性で課題解決の提案をすることです。

事例2に登場する企業は規模が小さい企業である事は記載した通りです。

そのような経営資源の乏しい企業が生き残るには、大企業との競争を出来る限り回避する必要があります。

そのため、自社の強みを活かした上で、他社と差別化を図っていく提案を記入する事が望ましいです。

事例2の勉強法の2つのポイント

事例2を攻略するための勉強法は二点あります。

なるべく多く過去問を解く

一点目は、なるべく多く過去問を解いて、その都度自己採点を繰り返すことです。

この目的は、設問に解答するために必要なキーワードを見つけ出す能力を身に付けることです。

この能力は全科目で必要なことですが、事例2においては特に重要になります。

というのも、他の事例に比べて事例2の場合は、与件文に書かれている情報をそのまま解答に使用する問題が多いからです。

ただ、2次試験は公式な解答や採点基準が公表されていないので、自己採点の方法に困る方も多いと思います。

そこで、自己採点に役立つ書籍を紹介させていただくと『ふぞろいな合格答案』という参考書があります。

この参考書には様々な受験生の再現答案がまとめられており、自己採点には最適です。

求められる解答の方向性を理解する

二点目は、事例2で求められている解答の方向性を理解することです。

事例2の場合、事業の内容は毎年異なりますが、課題解決に向けて提案すべき方向性には同じ傾向があります。

それを理解しておくだけで、異なる与件文であったとしても、大筋を外すことなく解答が作成できるようになります。

そのためにお勧めな方法は、小規模企業のマーケティングを題材にした書籍を読むことです。

例えば、『小が大を超えるマーケティングの法則』という書籍がおすすめです。

この書籍がおすすめな理由は、事例2の問題を作成に携わっている岩崎邦彦教授が執筆したものだということです。

理解しやすい言葉で事例2で必要な考え方が凝縮されているので、解答の方向性を理解するには最適だと思います。

まとめ

 今回は中小企業診断士2次試験の事例2についてまとめました。

事例2はパターンが掴めれば安定して合格点が取れる科目です。

ぜひ今回の記事を参考にしていただき、日々の勉強に役立てていただければと思います。

関連コラム:中小企業診断士は独学でも合格できる?無理?勉強法も解説

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