中小企業診断士と共に取得することの相性が良い資格は、どういったものがあるでしょうか?

中小企業診断士だけでも十分有用な資格といえますが、他の資格と組み合わせることで更にメリットがあります。

そこで、中小企業診断士とダブルライセンスのメリット、中小企業診断士と共に取得するのにおすすめの資格を紹介します。

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中小企業診断士のダブルライセンスのメリット

中小企業診断士の資格はその資格だけでも独立開業できるなど、有望な資格です。

しかし、中小企業診断士の資格のほか、他の資格と組み合わせることでより専門的なアドバイスをすることができたり、職域を広げることにより仕事量を増加させることができます。

実際に、中小企業診断協会『データでみる中小企業診断士2016年版』によると、76%もの人が中小企業診断士以外の資格を保有していることが分かります。

中小企業診断士とダブルライセンスを取得するのにおすすめの資格

ここでは中小企業診断士と相性が良い資格をご紹介します。

中小企業診断士とダブルライセンスを取得するのにおすすめの資格は、以下の12個です。

  • FP(ファイナンシャルプランナー)
  • ISO審査員
  • 社労士
  • 行政書士
  • 技術士
  • 税理士
  • 公認会計士
  • 不動産鑑定士
  • 司法書士
  • 弁護士
  • 簿記
  • 弁理士

①FP

中小企業診断士がダブルライセンスとして最も多く持っている資格がファイナンシャル・プランナー(FP)です。

FPの顧客は個人が多く、中小企業診断士の顧客は企業が多いです。

このため両者は同じアドバイザー業務ではあるものの、主な顧客が違います。

中小企業診断士として活動する中で企業と個人の両面から事業計画の立案をすることができ、幅広い視点からコンサルティング業務を遂行できるというメリットがあります。

また、両方の資格の知識を持っていることで、よりスムーズに業務を遂行できるというメリットがあります。

例えば企業の事業承継です。

中小企業診断士として活動していく中で、事業承継を行うという経営戦略を立案した場合、中小企業診断士試験で出題される知識以上の事業承継の知識が必要になります。

FPでは事業承継が試験範囲となっていることから、事業承継について知識を深めており、スムーズな承継が可能となります。

※関連コラム:中小企業診断士とのダブルライセンスで多いのはFP!その理由は?

②ISO審査員

中小企業診断士のダブルライセンスとして、多い資格です。ISO審査員は製品がISO規格を満たしているかどうかを確認し、アドバイスする仕事です。

中小企業診断士は経営戦略の中でISOの取得を提案することがあります。

そこで自身がISO審査員を取得していると、企業は安心して助言を受けることができるので、ISO取得に強い中小企業診断士として活動できるようになります。

③社労士

社労士は、労務管理についての専門家です。

中小企業診断士とのダブルライセンスのメリットは、労働環境に対する提案をより具体的に発案することができる点です。

例えば、企業を診断すると、労働環境に課題が残されていることが多いです。

そこで、労務管理に関しノウハウを持つ社労士の資格を持っていることで、労働環境について具体的な提案をすることができます。

そのため労働分野に専門性を持つことができます。

※関連コラム:社労士と中小企業診断士の違いとダブルライセンス取得のメリット

④行政書士

行政書士は行政機関に提出する文書の作成を代行する資格です。

中小企業診断士とのダブルライセンスのメリットは、事業の開始から長期の経営戦略まで一貫して行うことができるためその企業から継続的に案件を受注しやすくなる点です。

例えば診断先企業が事業の多角化を進め、新たな事業に参入するとします。

その場合には行政機関へ書類を届け出ることが必要です。

行政書士の資格を持っていれば企業に代わって書類を作成し、届出を行うことができます。

また、参入した新規事業への経営戦略の助言などを中小企業診断士として行うこともでき、2つの資格を生かした仕事を展開できます。

※関連コラム:【行政書士と中小企業診断士】のダブルライセンスの活かし方

⑤技術士

技術士は、科学技術に関する高度な知識と応用能力が認められた技術者として認定される国家資格です。

中小企業診断士とのダブルライセンスのメリットは、科学技術分野に関する専門性をもつことで精度の高い診断と助言を行うことができる点です。

例えば製造業では新規事業所を設立する際に専門的な機材を導入することがあります。

技術士とのダブルライセンスを持っていれば、中小企業診断士として事業計画を立案するだけでなく導入する機材のメリットとデメリットを紹介でき、どのような機材を調達すべきかといった点まで助言できます。

また、この資格のうち情報工学部門登録者・情報工学部門に係る技術士となる資格保持者は中小企業診断士試験1次試験の「経営情報システム」科目の受験を免除することができ、合格しやすくなります。

※関連コラム:技術士と中小企業診断士、ダブルライセンスのメリットは?資格取得の難易度が高いのはどっち?

⑥税理士

税理士は、税に関する書類作成の代行や節税のアドバイスなどを行います。

中小企業診断士とのダブルライセンスのメリットは、税理士の仕事を契機として中小企業診断士の仕事を持ちかけることができ、仕事量の増加につながる点です。

中小企業では、税理士に税金の書類や節税の相談をすることがあります。

そこでダブルライセンスを持っていると今後の経営戦略についても相談を行うことができ、仕事量の増加が期待できます。

また、税理士資格を持っていると中小企業診断士1次試験の「財務・会計」科目の受験を免除することができ、試験に合格しやすくなります。

⑦公認会計士

公認会計士は、主に監査業務を行う監査の専門家です。

中小企業診断士とのダブルライセンスのメリットは、公認会計士として活動する中で経営相談をすることができるので職域が広がる点です。

公認会計士は会計分野に秀でており、貸借対照表や財務諸表といった計算書類が適正かを監査します。

その中で中小企業診断士の資格を持っていると経営相談に乗ることができ、今後の企業戦略を会計分野以外でも助けることができます。

また、公認会計士の資格を持っていると中小企業診断士1次試験の「財務・会計」科目の受験を免除することができ、合格しやすくなります。

※関連コラム:公認会計士は中小企業診断士とのダブルライセンスのメリットが大きい?

⑧不動産鑑定士

不動産鑑定士は、不動産の適正な価値を評価するスペシャリストで土地や建物の価値の鑑定や土地の効果的な使い方についてアドバイスする資格です。

中小企業診断士とのダブルライセンスのメリットは、不動産に関する評価の中で中小企業診断士の視点を生かすことができる点です。

例えば不動産鑑定士としてホテル用不動産の鑑定をする場合です。

鑑定にあたっては購入側の視点を多角的・俯瞰的にみて金額を決定することが重要です。

そのため、中小企業診断士資格で得た多角的・俯瞰的視点から評価することが可能になるため、より正確な鑑定を行うことができます。

また、不動産鑑定士の資格を持っている場合には中小企業診断士が1次試験の「経済学・経済政策」科目の受験を免除することができ、合格しやすくなります。

※関連コラム:不動産鑑定士は中小企業診断士のダブルセンス取得がおすすめ?

⑨司法書士

司法書士は、登記のスペシャリストとして不動産・商業登記などの申請を行います。

中小企業診断士とのダブルライセンスのメリットは、登記手続と経営コンサルティング業務を一手に引き受けることができるので、仕事量の増加が見込める点です。

例えば中小企業の事業承継や企業買収といった経営計画を立案する場合、その実現には商業登記の変更申請が不可欠です。

そのため司法書士資格も持っていると、中小企業診断士として助言を行いつつ、司法書士として登記申請を手掛けることができるため計画の立案から実現まで一体的に行うことができます。

⑩弁護士

弁護士は、法律に関するスペシャリストとして裁判のほか契約書の確認などを行います。

中小企業診断士とのダブルライセンスのメリットは、法律相談のほか経営相談も行うことができるので職域が広がる点です。

弁護士は企業との関わり合いの中で企業買収についての相談を受けることがあります。

独占禁止法といった法律への抵触がないかなどを調べることで、企業は安心して買収をすることができます。

また、中小企業診断士の資格を持っていると買収した企業をどのように利用するかを相談でき、買収後についての相談も可能になります。

更に、弁護士資格を持っていると中小企業診断士1次試験の「経営法務」科目の受験を免除することができ、合格しやすくなります。

※関連資格:弁護士がダブルライセンスに中小企業診断士を取得するメリット

⑪簿記

簿記は貸借対照表及び財務諸表といった計算書類の作成に有用な資格です。

中小企業診断士とのダブルライセンスのメリットは、会計分野に強いことをアピールできる点です。

中小企業診断士は経営の診断と今後の助言を行う際に必ず計算書類を参照します。

そのため、簿記を持っている場合には診断先の企業で会計科目のどの分野が秀でているかを正確に把握することができ、経営戦略の際に参考にすることができます。

※関連コラム:中小企業診断士は簿記が役立つ?2級は?財務会計と簿記について

⑫弁理士

弁理士は知的財産に関するスペシャリストであり、特許申請の代行などができる資格です。

中小企業診断士とのダブルライセンスのメリットは、知的財産戦略に関しアドバイスをすることができ、職域を広げることができる点です。

例えば中小企業診断士として今後企業のもっている特許を活用するという戦略を立てた際に、弁理士としてより多くの特許申請を行うことや特許活用についてのアドバイスをすることができます。

※関連コラム:弁理士が中小企業診断士の資格を取るメリットとは?

まとめ

以上、中小企業診断士とのダブルライセンスについてでした。

どの資格とのダブルライセンスを目指すかは、自分が中小企業診断士をどのように生かしたいかにより決めるべきでしょう。

中小企業診断士は相性の良い資格が多く、おすすめの資格です。

ぜひ取得を目指してみませんか?

関連コラム:中小企業診断士とは?仕事内容や取得のメリット・なるまでの流れを詳しく解説

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この記事の監修者:三戸部裕司 講師

三戸部講師の紹介はこちら

2015年 国家総合職試験合格 2016年 東京大学 教育学部卒業 2022年 中小企業診断士試験合格   自身も働きながら中小企業診断士試験に合格。 その経験を元に社会人でも合格可能な、効率的で無駄のない講座を実施している。  

 

この記事の「校正」マーケティング室コンテンツチーム


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