中小企業診断士試験の企業経営理論の概要と勉強法4つのポイント
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中小企業診断士の1次試験のうち、「企業経営理論」は、多くのスクールやテキストで、最初に学ぶ科目になっています。
コンサルティングを行う上での基本的で重要な要素が多く含まれており、二次試験との関りも深い科目です。
しかし一方、難解な理論も多く、つい時間をかけ過ぎてしまいがちな科目です。
また、年度ごとの合格率もばらつきが大きいため、対策に苦労している受験生も多いようです。
この記事では、企業経営理論の考え方をしっかり理解した上で、効果的な勉強法のポイントをご紹介していきます。
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中小企業診断士試験における企業経営理論の概要
企業経営理論は、中小企業診断士の1次試験の科目のひとつですが、この科目は大きく、
「経営戦略論」
「組織論」
「マーケティング論」
の3つにテーマ分類されます。
【経営戦略論】
⑴ 経営計画と経営管理
⑵ 企業戦略
⑶ 成長戦略
⑷ 経営資源戦略
⑸ 競争戦略
⑹ 技術経営(MOT)
⑺ 国際経営(グローバル戦略)
⑻ 企業の社会的責任(CSR)
⑼ その他経営戦略論に関する事項
【組織論】
⑴ 経営組織の形態と構造
⑵ 経営組織の運営
⑶ 人的資源管理
【マーケティング論】
⑴ マーケティングの基礎概念
⑵ マーケティング計画と市場調査
⑶ 消費者行動
⑷ 製品計画
⑸ 製品開発
⑹ 価格計画
⑺ 流通チャネルと物流
⑻ プロモーション
⑼ 応用マーケティング
企業の経営資源である「人・物・金」を使ってどう戦うかというテーマの中で、資金面以外の要素を学ぶ科目です。
つまり、事業計画策定をはじめとして、今後の企業の戦略をアドバイスするための知識を獲得する、重要な科目です。
乱高下する合格率
企業経営理論の過去7年の合格率は、以下の通りです。
平成30年 | 令和元年 | 令和2年 | 令和3年 | 令和4年 | 令和5年 | 令和6年 |
7.1% | 10.8% | 19.4% | 34.7% | 17.3% | 19.8% | 40.0% |
科目内容としては、法律のように最新情報を問う問題はあまりないものの、範囲の広さや、難解な理論が多いため、過去の合格率を見るとかなり乱高下しています。
企業経営理論は多くの人に難しい科目と認識されていますが、テーマがはっきりしているため、難しくても対策は立てやすい科目です。
あまり、合格率の動向に一喜一憂する必要はありません。
【参考】中小企業診断協会 中小企業診断士試験 過去の試験結果・統計資料
企業経営理論科目は、二次試験と深くかかわっています。
特に二次試験の予定されているテーマである「事例Ⅰ(組織【人事を含む】)」と「事例Ⅱ(マーケティング・流通)」では、一次試験で得られた戦略の知識やフレームワークを使いこなすことが求められます。
出題形式と配点
企業経営理論は、以下の仕様で出題されます。
・初日の3科目目
・時間数は90分
・択一マークシート形式(四肢または五肢択一式)
・問題数は33~38問
出題の傾向
問題の形式パターンは2つあり、問題のパターンはいたってシンプルです。
①短い問題文に対して長文の選択肢というパターンと、②長文の問題の中に空欄を設け、選択肢の組み合わせで答えさせるパターンです。
単に知識を問う問題はほとんどありません。
そのため、戦略理論やフレームワークをしっかり理解することが求められます。
具体的には、以下の内容パターンに分かれます。
【ストレートに理解度を問う問題】
主にフレームワークや経営戦略、ビジネスモデル、組織論、マーケティングなどの分野において、問題文は短く聞き、詳細な選択肢を使って、そのテーマの意味を分かっているかどうかを試す問題です。
【事例を活用した問題】
特定の業界の事例をもとに、フレームワークや経営戦略、ビジネスモデル、組織論、マーケティングの理論を理解しているかを問う問題ですが、多少業界のトレンドが要素として入ってくるために、業界知識が重要なように見えますが、問おうとしているのは、やはり理論の基本的な理解です。
【労働関連法規の詳細知識を問う問題】
法律は条文に規定されている数値まで暗記しておかないと対応できない問題(〇時間以内、〇年間など)が出題されます。
企業経営理論の勉強法のポイント
範囲が広く、難関なイメージがある企業経営理論ですが、意外にシンプルな対応策で合格の確率が上がります。
①理解&過去問による再理解が有効
経営戦略論やマーケティング手法などは、丸暗記では意味がありません。
じっくりと一定の理解が必要です。
しかし、この科目にばかり時間を割くことは出来ないので、各理論をざっくり理解したら、過去問題を解き、解説から理論で理解していなかった部分を補充していきましょう。
②二次試験との並行学習
企業経営理論で得られた知識を元に、二次試験では具体的にフレームワークを活用したり、戦略の提案を求められたりします。
ストレート合格を目指すのであれば、企業経営理論の過去問題がある程度こなせるようになった段階で、二次試験も同時並行で学ぶことをお勧めします。
③確率論でスピーディーに対応
長文の選択肢を選ばせる問題パターンも、選択肢の組み合わせのパターンも、一定の確率論で対処しましょう。
出題の多くは、「最も適切なものを選びなさい」です。
そのため、選択肢のうち、明らかに誤っている記述を発見して排除していく作業が合理的です。
逆に、「最も不適切なものを選びなさい」の場合は、確実にNGな選択肢を見つけたら、その段階でその後の選択肢は読む必要もなくなります。
④言い回しになれるための過去問対策
選択肢に長文が多いため、一見大変そうに見えますが、過去問や練習問題を多用すれば慣れていきます。
解説による知識アップも加算されるため、加速度的に対応力が増していくことでしょう。
まとめ
中小企業診断士の企業経営理論は、二次試験にも深くかかわっており、資格取得後にコンサルティングを行う際にも、大きな存在であることをご理解いただけたと思います。
しかし、科目の学習内容自体はベーシックな理論が多く、じっくり理解しながら過去問解説から知識を補充し、確率論による問題対応をしていけば、充分勝算がある科目です。
ベースになる知識をしっかり身につけながら、二次試験も見据えた学習をしていきましょう。
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