いざ司法試験に向けて勉強を始めようと思っても、勉強用の教材として何を揃えたらいいのでしょうか。

世の中には入門書・基本書・演習書…様々な法律用の書籍があふれています。

「基本書」だからといって簡単なわけではありません。

「とりあえず基礎・基本から学ぼう」という気持ちで初学者が基本書に手を出すと、そのあまりの難しさに勉強を挫折してしまう方も多くいます。

勉強を始めるにあたっては、それぞれの教材がどのような性質のものなのかをしっかりと把握しておく必要があるのです。

そこでここでは、司法試験合格のためにはどのような教材をいかに利用するべきなのかを見ていきたいと思います。

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【司法試験の教材①】六法

司法試験の勉強の六法は必須です。

短答式試験も論文式試験も出発点は条文です。必ず六法は用意するようにしてください。

また六法にも「ポケット六法」「模範六法」「判例六法」「六法全書」等、たくさんの種類があります。

この中でどれを買うべきなのか迷う人もいるでしょう。

おすすめは判例つきの六法と、判例つきではない六法をそれぞれ1冊ずつ購入することです。

上記のように六法にはたくさんの種類がありますが、大きく分けると判例つきのもの(「判例六法」など)と判例つきではないもの(「ポケット六法」など)に分けられます。

そして判例つきの六法はそこに書き込みをすることで知識の集約に役立ちます。

一方、試験本番では判例つきではない法文を参照することになるので、論文式試験の問題演習時に判例つきではない六法を使用するべきです。

そこで判例つき、判例なしの六法を1冊ずつ買うべきです。

※関連コラム:【司法試験・予備試験】六法の選び方と判例あり・なしそれぞれのおすすめ紹介

【司法試験の教材②】入門書

入門書とは、その科目をはじめて勉強する人向けに書かれたその科目の概観が説明された本です。

多くの入門書は、薄くかみ砕いた文章で書かれており基本書に比べて読みやすくなっています。

有名なものでは「プレップ○○法」シリーズ「有斐閣ストゥディア」シリーズがあげられます。

初学者は学びたい法律の体系を理解せずに法律の勉強を始めると基本書を読んでもさっぱりわからないということがしばしば起こります。

そこで独学で司法試験を目指すのであれば、まず入門書を読んでから勉強を開始するべきでしょう。

なお予備校の講座を利用するときには講座の中で法律の体系は解説されるので、わざわざ入門書を読む必要性は低いでしょう。

※関連コラム:【司法試験・予備試験】正しい入門書の使い方とおすすめ本11冊

【司法試験の教材③】基本書

基本書とは法律の学者が書いた法律の専門書です。

1000頁を超えるようなものもあり、入門書と比較すると硬い文章で重厚感のあるものが多いです。

基本書は学者の研究の集大成として出版されるもので、司法試験対策として書かれたものではありません。

そのため法律に対して正確な理解をすることができるという利点がある一方、司法試験との関係では難しすぎるものも少なくないので注意が必要です。

基本書の利用方法は、

①法律の全体像を理解するために通読する
②学習上躓いた特定のポイントを確認するために辞書的に利用する

という方法が考えられます。

独学で勉強する人は①として比較的薄めの基本書を、②として重厚な基本書を用意するべきでしょう。

予備校を利用する方は予備校の講座で法律の全体像はつかめますので、②のための重厚な基本書1冊を用意すれば十分です。

※関連コラム:【7科目・目的別】司法試験・予備試験におすすめ基本書32冊

【司法試験の教材④】判例集・判例注釈書

判例集・注釈書は重要な判例について事案の概要・判旨、法律の専門家の解説が掲載されている本です。

代表的なものでは「判例百選」「重要判例解説」があげられます。

判例集は基本書や予備校のテキストと比較して省略が少ない形で判例が引用されており正確性は高いですが、逆に詳細すぎるものも少なくないので初学者がいきなりこれに取り組むのは非効率な場合が多いです。

そこで判例集の利用法としては、基本書や予備校のテキストで紹介されている程度の判例を理解した後、さらにその理解を深めようとする際に利用するのが良いでしょう。

※関連コラム:【司法試験・予備試験】正しい判例集の使い方とおすすめ本7冊

【司法試験の教材⑤】演習書

演習書は学者が具体的な設例に対して解説を加えた本です。

「Law practice」シリーズなどが有名です。

基本書や入門講座で身に着けた知識をアウトプットする際に使用することが想定されます。

学者が書いているという点で内容が正確であり、深い内容まで学べるのが演習書の利点でしょう。

もっとも解答例が記載されている演習書は少なく、解答の流れを理解していない段階で演習書に手を出しても混乱する危険が高いです。

そこでまずは、問題集や参考書、過去問演習を通じて解答の流れを理解したうえで各論点の理解を深めるために演習書を利用するのがいいでしょう。

※関連コラム:【司法試験・予備試験】正しい演習書の使い方と科目別おすすめ本14冊

【司法試験の教材⑥】問題集

ここにいう問題集は予備校等が司法試験対策のために作った問題集をいいます。

短答対策用の教材として肢別本や過去問問題集、論文対策用の教材として答案例つきの問題集や過去問解説があげられます。

この中で短答・論文いずれも過去問の解説は必須なので必ず用意しましょう。

短答の過去問であれば入門講座を受けながら、それの復習として講座と並行して利用すれば講座の定着率が大きくなると思います。

また論文過去問は大まかなインプットが終わった科目から早い段階にどんどん答案を書いていくことをお勧めします。

※関連コラム:司法試験・予備試験の問題集・参考書とは?おすすめの論証集・過去問集4シリーズ

【司法試験の教材⑥】参考書(予備校本)

ここにいう参考書(予備校本)は司法試験予備校が特に司法試験対策として作成した教材のことをいいます。

この中で特に用意するべき教材は「論証集」です。

これはいわゆる論点について、答案にそのまま書ける形で記載されている教材で、それを覚えてしまえば一応答案を形にすることができます。

たしかに論証丸暗記の勉強はたびたび出題趣旨・採点実感でも批判されているところですが、論証集の使い方さえ間違えなければ論証集は非常に有用な学習用の教材になると思います。

効率的な論証集の使い方は「論証集の使い方」講座などを利用して学ぶといいでしょう。

関連コラム:【司法試験・予備試験】正しい参考書の使い方とおすすめ本5選

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