司法試験・予備試験は、合格・不合格だけでなく、順位や得点も通知されます。

そして、試験の成績は就活の際に提出を求められます。

そのため、大手の法律事務所への就職を希望する方は、ただ合格するのではなく上位合格を狙うことが重要となります。

また、不合格だった場合には、成績通知は今後の勉強を考える指標にもなります。

そこで本コラムでは、司法試験・予備試験の成績通知について説明します。

成績通知書とは？

予備試験の成績通知書

予備試験は7月の短答式試験、9月の論文式試験、1月の口述式試験に分かれています。

そして、合格発表はそれぞれ8月初旬、12月中旬、2月、法務省HP上で行われ、成績通知書は順次自宅に郵送されます。

不合格の場合は成績通知のみ、短答・論文合格の場合は成績通知書と次の試験の受験票が同封され、最終合格時は合格証書が同封されます。

短答式試験の成績は、各科目の点数及び合計点数と順位が通知されます。

論文式試験の成績は、各科目のA～Fの6段階による評価及び合計点数と順位が通知されます。

口述式試験の成績は、総合得点と順位のみが通知されます。

例年、いわゆる大手法律事務所は予備試験の最終合格発表直後から、予備試験合格者のみが参加できる冬のインターンの募集を開始します。

その際には予備試験の成績通知書の提出を求められます。

したがって、予備試験の成績が良ければ就活の際に有利といえます。

司法試験の成績通知書

司法試験では、7月中旬の4日間で短答式試験・論文式試験をまとめて実施します。

短答式試験の成績発表は例年通りであれば8月初旬、成績通知書が自宅に発送されるのは8月中旬です。

また、合格発表は例年11月初旬、合格通知書及び成績通知書が自宅に発送されるのは11月中旬頃となっています。

短答式試験の成績は、各科目の点数及び合計点数と順位が通知されます。

また、各科目の足切り点数と合格基準点も通知されます。

論文式試験の成績は、各科目のA～Fの6段階による評価、公法系科目・民事系科目・刑事系科目・選択科目毎の得点、総合得点及び総合順位が通知されます。

司法試験の成績も、司法試験合格後の就職活動において重視されます。

また、裁判官・検察官を目指す方は特に上位合格することが重要になります。

※関連コラム：司法試験予備試験に１年で合格する勉強法

成績通知書から得た情報の活用法

合格した場合

まず、合格者の方が成績を活用できる場面は就職活動です。

司法試験・予備試験の成績は自己の法曹としての能力を証明する一番客観的かつ正確なデータです。

したがって、上位合格であればあるほど有能な人材であるという推定が働くのは当然といえ、就職活動では常にこの成績を提出することが求められます。

合格するだけでも大変な試験ですが、なるべく上位での合格を目指して勉強しましょう。

不合格の場合

次に、不合格の方は来年また頑張らなければなりませんが、自己の成績表を参照することで、自分の苦手と得意がひとめで分かります。

特に、出来たと思っていたのにもかかわらず意外にも評価が低かった科目は、勉強の方向性を変える必要があるといえます。